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第1章 王国叙勲式

魔剣とドラゴン②

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王子様は目の前に神々しく光る聖剣カリバーンと聖石という世界各地に点在する石碑について書かれた紙を手にして教会をあとにすると、王子の目の前に虹色に光り輝く羽根を持った女神の遣いだという妖精が突如現れ、王子の旅のサポートをさせてくれと言うので王子はありがたくその申し出を受けて2人で長きに渡る旅に出た。




長きに渡る行く先々で襲いくる聖石を浄化されたくない魔族や魔物との戦闘であれほど神々しかった聖剣には徐々に瘴気が溜まり黒色に変化し、王子の身体も最後の1つを浄化するころには利き腕である左手から左腕までしか人の形になっておらず、それ以外の部位は全て漆黒の鱗を持つドラゴンになっていたが聖石全てを浄化するという自我だけは保っていた為に愛する民達を襲うことは一度たりともなかった。




王子は、たとえ身が朽ちようとも聖石を全て浄化する旅に出る選択をしたことを後悔したことはなかったが、いずれは自分が愛する人々にとっては異形の存在と言えるドラゴンになってしまうことで恐れられ、いつかは刃を向けられるのではないかということだけを恐れており、その王子を見過ごせなかった妖精は王子を誰にも見えないように魔法を施したことを王子に話すと喜んでいた。



王子が最後の聖石を浄化し終わると、聖剣カリバーンであったものの表面がひび割れ中から漆黒の魔剣が出て来て、王子は全身ドラゴンになりその姿で各地を旋回し人々の笑顔を見てから、天空に登っていき二度と人間界に戻ってくることはなかった。



一緒にいた妖精は、王子が行ってきた偉業を民達に映像で伝えて民達は、ドラゴンになった王子が空に昇って行くのを見て涙した。



王子が飛び立った地点には漆黒の魔剣のみが残されていたが民達がその魔剣を処分することはなくむしろ魔剣を大切に保管する為の祠を建ていつまでも子々孫々祀っており、人々が戦禍に見舞われることもなかったそうだ。


これが俺達の知る魔剣とドラゴンの話で、てっきり童話だと思っていたが、剣の柄の部分の装飾までもそっくりなので実話だったんじゃないかと思うスカイであった。
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