スイの魔法

白神 怜司

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【Web オリジナル】 地下都市と『紅炎の魔女』

少女の余裕

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 唐突だが――――。

 スイという少年について、彼の友人、もしくは学園に通っていた頃のクラスメイトに対して質問してみれば、一様に同じ答えが返って来る。

 曰く、「当たり障りなく、良い人。だけど掴みどころがない」と。
 それは当然であると言えた。

 スイが物心ついた時、彼は最初から少々特殊な環境にいたと言えるだろう。
 そこは『教会』という名の『孤児院』であり、そして最初から『集団』の中にいる有象無象の一人であった、というのが本人の認識である。

 当然、そこに髪の色と瞳の色。そして、すぐに頭角を現す事になる異常と言っても良い程の『頭の良さ』というものがあれば、誰もスイをそうは評さない。
 あくまでもそれはスイにとっての自己評価と他者の認識の違いであって、スイが知るはずもない。

 スイは幼くも聡い子供であったと言えるだろう。
 自分は『集団』の一部であると理解すると、極力周囲に迷惑や心配をかけない事が大事だと考える。
 それはひとえに、スイの周りにいた兄妹達の行いと、それに対するシスター達の反応から推察されたものである、とでも言うべきだろう。

 動物が群の中でルールを知るように、スイもまたそこで『求められる役割』というものを理解し、それを実践したのである。

 だが同時に、他の子供達にあってスイにはないものが一つだけあった。
 それが、『教会に来た経緯』である。

 どんな子供も『自分が教会に来た理由』を有している。
 当然、それらは良いものではない。

 両親が死んだり、浮気によって出来た子供であったり。
 或いは、捨てられたり、といった具合にだ。

 しかしそれが皆無であり、シスター達やエイトスに尋ねたところでスイに関しては返って来ない。

 故に彼は、自分が何者であり、何処から来て、何者であるかというその、一種哲学的な疑問を抱くようになった。
 髪や瞳の色の珍しさもそれに拍車を掛ける事になったのだ。

 だからこそ、スイは知識を漁った。
 読めるものは読み、記憶し、そうして自分の道を探し続けたのである。

 勘違いされがちではあるが、スイは何も自分が天才だと褒められたいから王立図書館へと通い詰めた訳ではなく、ただただ知識の宝庫に「自分が何者であるか」を問い質すかのように書物を漁っただけに過ぎない。

 彼の知識とその成績は、そうした彼なりの欲求が派生させた産物に過ぎないのである。

 ――だが、そんなスイの態度を気に喰わないと正面から感情をぶつけた者がいた。

 始まりはタータニア・ヘイルンという少女である。
 そして次に、彼の中にあった「達観」という言葉が相応しい不相応の自信を打ち砕いてみせたのが、アリルタ・ブレイニル・メトワという女性だ。

 更に、それでも子供らしくないと告げ、スイに対して感情というものを求めたのが、『螺旋の魔女』ことノルーシャその人である。

 三年間、彼女のもとで修行していたスイは、感情を揺さぶられ続けた。
 喜怒哀楽とは云うが、それの全てを本当に引き出そうとしたのがノルーシャ本人との三年間で、最もスイを変えたとするところであった。



 ――――だからこそ、タータニアには先程のスイの行動が、スイらしくないと思えてならなかった。



 敵だから攻撃を仕掛けた。なるほど、道理である。
 だが、それはあくまでも世間一般における認識であって、スイという少年を知っているタータニアにとって、これ程違和感のある事はない。

 対するタータニアもまた、一人称がオレであり、男勝りの口調で喋っていた三年前に比べれば、相当ユーリにしごかれた訳であり、それによって口調を少しばかり気にしている訳だが、それは今は置いておこう。

 結論から言ってしまえば、タータニアは混乱しているのである。

 リュカの命が『宝玉』を守る為の鍵になるのだと聞かされた時に、スイにとってみればと注釈はつくものの激昂すらしてみせたスイに対しては、そこまでの違和感はなかった。
 話を聞いたタータニアもまた、その感情を共有出来たからだ。

 だが、まさか挨拶代わりに一発かます、などという行動にスイが出るとは思いもしなかったのである。

「最初に足を出したのはボクだけど、ちょっと手癖が悪すぎるんじゃないかな!?」

「リュカさんを攫っておきながら、しかも最初に足を出して悪いなんて言われる筋合いはないですけど。それとも悪気がないんですか? だとしたらもう救えませんね」

「っ!? な、なんか口悪いな、キミは!」

「手癖と足癖が悪いよりはマシだと思いますけど?」

「減らず口を……ッ!」

「あぁ、口で勝てないから手や足を出すんですか、そうですか。でしたら評価を改めておかなくちゃいけませんね――」

 そこで区切って、スイは笑った。

「――頭が、悪いみたいですね」

 ――重ねて言おう。
 タータニアはこの状況を、この場にいる誰よりも理解出来ず、混乱させられているのである。

 しかしタータニアは、スイのこの口の悪さを知っている。
 あの〈放棄された島〉での自分に対する口の悪さは、ここまでではなかったものの確かに辛辣なものがあった。
 だが、確かにここまでではなかったハズなのだ。

「カッチーンって来たよ、キミのその口の悪さ。痛い目に遭わなきゃ気が済まないのかな?」

「……はぁ」

 スイが呆れを存分に体現するかのように溜息を吐き出した。

「痛い目に遭わなきゃ気が済まないなんて、ずいぶんと上から見てますね……。バカ――いえ、頭が悪い上に自意識過剰ですか。それはまたずいぶんと……幸せそうですね?」

「ぬーーっ、ちょっとそっちの赤いの! そっちの白いのの躾けがなってないんじゃないかな!」

「え、いや、私に言われてもだな……」

「おやおや? 分が悪くなったら他の人に振るなんて、それはまた……。まぁ、やりそうな事ですけど」

 スイの言葉が更に少女の神経を逆撫でした。
 途端、少女が鋭く地面を蹴ってスイへと向かって飛び出し、その足を振り上げる。

 庇おうと動き出したタータニアにスイの青と金の双眸が向けられ、小さく頷く姿が映った。

 ――成る程、そういう事か。
 タータニアはその意図をようやく理解し、少女と入れ違うようにリュカに向かって駆け出した。

 が、どうやらそれは少女に読まれていたらしく、少女は地面を蹴るなり軌道を変更し、タータニアへと横合いから接近する。

「――ッ!」

「そんなのに引っかかる訳ないじゃん、バーカ――!」

「――いえ、予想通りですよ」

 同時に、少女がタータニアへと向かうその直線上にスイが姿を現し、手を翳した。
 零距離からの【火球】が炸裂し、轟音が洞窟内に響き渡った。

 舞い上がる砂塵から後方へと飛び退いた少女に、砂塵の中から【炎の矢】が少女に向かって連続して襲いかかる。

「ちょ――ッ! どんな展開の早さして……ッ!」

 言葉を最後まで紡ぐ事すら出来ず、少女は直径にして六十センチ程度の炎を次々と掻い潜り、跳び、避けてみせた。

 しかし次の瞬間、少女は「げっ」と声を漏らした。

 砂塵が強風によって剥がれ、その中央に立っていたスイの手が自分に向かって翳されている。
 その手の前には緑色の光を放った魔法陣が浮かび上がり、認識とほぼ同時に大気が弾けるような音を奏でた。

 不可視の魔法となる風の系統。
 下手に避けようとしても、それが何処から来ているのか予測がつきにくい。

 ならばと少女は避ける真似もせずにその場で肩を竦め、そして直後。
 少女の立っていたその周辺を風によって織り成された刃が地面を穿った。

 ――ただ、少女の身体だけを無事に残して。

 その光景に、リュカを遠方へと退避させていたタータニアは目をむいた。

「あーぁ……、まさか避けられないぐらいの連続魔法を仕掛けてくるなんて……。しかもあっちの赤いのはともかく、キミは驚いてないんだね、この状況に」

 つまらない、とでも言わんばかりに口を尖らせた少女にスイは溜息を吐いた。

「予想はしていましたけど、やっぱり、ですか」

「スイ、どうなってるの……?」

「簡単です。彼女は魔獣と同じ力を持っているみたいです」

 スイの言葉にタータニアが驚きを現し、少女を見やる。
 少女は先程までの翻弄されていた姿とは一変し、獰猛とも取れる笑みを浮かべ、その瞳には光を宿していた。

「……へぇ。察しが良いね」

 煌々と輝いた右眼を見つめて少女が告げると、スイは短く肯定を返した。

「ふーん。どうして気付いたの? やっぱりその眼のおかげ?」

「眼を使う前から、何となくです。ヒノカ様の封印を破られた、と聞かされていたので、もしかしたらそうではないかなと思っただけですよ」

「……へぇ」

 愉しげに少女の顔が歪んでいく姿を見据えながらスイが答える。

 ヨミから聞かされたのは、封印が『破られた』という言葉だ。
 確かに言葉の使い方としてはあながち間違ってはいないが、『解かれた』と『破られた』ではその意味合いは大きく異なる。

 魔獣という存在。
 それに、スイの『無』という魔法の存在がある以上、自分と似たような存在がいずれ現れるのではないか。
 それはノルーシャによって前もって聞かされていた言葉だ。

「まぁ良いや。でも、これで分かったんじゃない? キミじゃボクには勝てないよ」

「それは、どうですかね?」

 瞬間、スイの魔力が弾けた。
 少女はその光景に大きく目を見開いて、同時に目の前に肉薄されたのだと気付き、後方に跳ぶ。

 それはただの反射的な回避行動だった。
 目の前に間合いを詰められ、その間合いから横に跳ぶのは危険だと彼女の本能が警鐘を鳴らし、そして後方へと跳ばさせた。

 それははたして正解だった。

「――ぐ……ッ!」

 みぞおちに掌底が打ち込まれ、後方に跳びながらも少女は顔をしかめた。
 ドン、とただ拳が打ち込まれるような衝撃が送られたとは思えない程の響く音。それより、内部にミシリと軋んだ音が少女の耳に残る。

 ――コイツ、魔法だけじゃないの……!?
 動揺しながらも後方に過剰に飛ばされるハメになった少女は、そんな思いを巡らせながら着地した。

 後方に跳んで衝撃を吸収しながらも、その衝撃は身体の芯へと直接叩き込まれたかのような掌打だ。
 ハッキリ言って、そんな戦い方をする者など見た事も聞いた事もない。

 かはっ、と呼吸を戻した少女が顔を上げた途端、少女は慌てて身体を屈ませた。
 同時に、頭上を風切音が鳴り響き、少女は再び更に後方へと跳んだ。

 ――速すぎる。
 これまで戦ってきたその誰よりも速い動きと洗練された一挙手一投足。
 無駄のない動きと体捌きは、体術に自信がある少女ですら目を瞠るものがあった。

「はぁ、はぁ……ッ、お、女の子の顔面に蹴りを入れに来るなんて、何考えてるのさ……!」

「残念ながら、僕はフェミニストじゃありませんので」

 シャムシャオやファラ、それにノルーシャと組手をしていたのだ。
 相手が女性だろうが少女だろうが遠慮していれば骨を砕かれるという、何ともえげつない修行に身を晒していたスイに、男女の区別など存在していない。

 とは言え、たかが三年で体術をモノに出来るならば苦労はしない。

 スイの圧倒的な記憶力と、シャムシャオの過剰なまでに過酷な訓練内容とノルーシャの〈使い魔〉であるフランによる治癒能力がなければ、ここまでの形にはなり得なかっただろう。

 感謝を胸にしつつも、同時にあの苛烈さを思い出して若干顔が青くなるスイの心情など、少女は知るはずもない。

 気を引き締め、スイが小さく咳払いした。

「それで、どうしてリュカさんを狙って、『宝玉』を手に入れようとしているんですか? それに、『紅炎の魔女』の封印を破った理由も教えてください。あ、ついでに何者なのかも知りたいところです」

「……ずいぶん遠慮ないね」

「遠慮する必要はないので、さくさく教えてもらいたいですね」

 涼しい顔をしているスイを見つめたまま、少女は深い溜息を吐いて曲がっていた背筋を伸ばしてみせた。
 その動きにスイもぴくりと眉を僅かに動かした。

「教える気はない、って言ったらどうするのさ?」

 先程までの顰められた表情から一変し、余裕を表すかのようなニヤニヤとした笑みを浮かべて少女が問いかける。
 そこには、先程スイによって受けた傷の影響は一切見られない。

 ――回復した……?
 そんな直感がスイの中に芽生えた。

 回復に使えるような治癒も、魔法の発動も感じられなかった。
 事実、スイの右眼は何も映し出していない。
 少なくとも先程の一撃は骨に影響を与える程度の手応えは感じられたのだ。
 それが無傷であった、などとは到底思えない。

「……タータニアさん、拷問とか出来ますか?」

「で、出来る訳ないだろ!」

 先程から唖然とさせられていたタータニアが突然スイに話を振られ、慌てて答えたせいか男口調に戻ってしまっているのだが、尋ねた本人は「そうですか」と一切意に介す様子もなく答えているのだから腹立たしい。
 思わずタータニアの視線が険しいものになる。

 ――拷問するように見えるのか。
 そう問い詰めたいところではあるが、それどころではないのだ。

 近接戦闘に関しては自信のあるタータニアだが、スイが今やってみせたその動きは自分の今の最大速度に近い。
 それも、攻撃に魔法が使えないと分かるなり体術に踏み出すなど、予想などしていなかったのだ。

 ノルーシャに教わった『魔闘術』。
 そんな戦い方を目の当たりにして、タータニアも自分を繕う余裕がなかったのである。

 そんなタータニアには目もくれず、スイは少女に向かって確信をもった問い掛けを口にした。

「魔法の無力化に、異常なまでの身体の回復能力。
 魔獣の力を有した少女……。アルドヴァルドの手先、ですね?」

「――ッ」

 少女の余裕を浮かべていたその顔が、初めて露骨なまでに崩れた。
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