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最終話
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ー正道の別荘ー
天使から傷の手当てを受け眠り続けていた正道が目を覚ました。
「ここは…」
「お前の別荘の部屋だ」
「お前が傷の手当てをしてくれたのか…ありがとう」
「正道がお礼を言うなんてな」
「……」
身体を起こし正道は天使を見た。
「闇は?」
「蒼衣とリョウタが攻撃したんだが闇は別の身体を求めて消えていった」
「そうか…」
「エレナから伝言だ、神社に来いって」
「わかった」
正道がベッドからおりると天使が口を開いた。
「俺は一緒に行けないが1人で神社まで行けるか?」
「大丈夫だ」
「正道」
「ありがとう」
「お前のこと天界から見守ってるから」
「……」
正道が笑みを浮かべると天使は正道の唇に唇を重ねその後、天界に戻っていった。
1人になった正道はボロボロになった私服を脱ぎ新しい私服に着替えると別荘を出ていき神社に向かった。
ーエレナ神社ー
エレナと蒼衣とリョウタは想太がいる部屋で会話をした。
「俺とリョウタが力を合わせれば想太は元の想太に戻りますよね」
「元の想太に戻るか戻らないかはわからない」
「やってみます」
エレナから目線を蒼衣が向けるとリョウタは蒼衣の側に立ち手を握った。
「蒼衣」
「リョウタ」
「俺達の全ての力を想太に捧げよう」
「……」
頷くと蒼衣は片手で白い宝石を握りしめ想太に目を向けた。
「想太」
「想太」
蒼衣とリョウタは左右の目を閉じ集中すると気を想太に送り始めた。
「2人とも凄い気ね、この気なら想太は元に戻るかも」
エレナが口にした10分後、想太が目を覚ましエレナはお札と結界を解いた。
「蒼衣、リョウタ」
「……」
「……」
エレナに呼ばれ蒼衣とリョウタは同時に目を開きお互いの手を離れさせ想太を見た。
「想太…」
「……」
身体を起こし想太は蒼衣に目を向け口を開いた。
「どなたですか?」
「え…」
蒼衣とリョウタとエレナは想太の言葉に驚いた。
蒼衣はエレナに目を向けた。
エレナはリョウタを部屋に残し蒼衣と共に部屋を出た。
「想太の言葉を聞いて思ったんですが記憶が…」
「私も思った」
「エレナ」
「正道」
同時にエレナと蒼衣に目を向けられ正道は「どうかしたのか?」と問いかけた。
「想太…想太が…」
「私が話すから蒼衣は想太の側にいてあげて」
「…はい…」
蒼衣が部屋の中に入ると正道が口を開いた。
「何かあったのか?」
「想太、記憶を失ってるの」
「え…」
「蒼衣とリョウタが力を合わせて想太を助けたのは良いけど記憶が」
「ちょうど良いじゃないか」
「何がちょうど良いのよ」
「記憶を失っていれば嫌な記憶を思い出すこともない」
「それはそうだけど」
「エレナ、水晶部屋に想太を連れてきてくれ」
「蒼衣とリョウタには何て言うのよ」
「記憶が戻らないように魔法をかける、そうすれば想太は幸せになれる」
そう言って正道はその場を離れ水晶部屋に向かった。
エレナは部屋の中に入り想太を連れて水晶部屋に向かった。
部屋に残された蒼衣とリョウタは立ち尽くした。
暫くしてエレナが戻ってくると蒼衣が口を開いた。
「想太をどこに連れていったんですか?」
「正道の言葉を言うわね」
「……」
蒼衣とリョウタが見つめるとエレナは正道の言葉を口にした。
「想太は正道と水晶部屋にいる」
「水晶部屋?」
「想太が記憶を失っていることを正道に話したら正道が言ったの、記憶を失っていれば嫌な記憶を思い出すこともないって…私も思った」
「……」
「想太が幸せになるために正道が想太に記憶が戻らないように魔法をかけるって」
「……」
蒼衣とリョウタは驚いた。
「私は正道のやることに賛成だけど、蒼衣とリョウタはどう思う?」
「想太が幸せになるなら俺は反対しません」
蒼衣が口にする頃、水晶部屋の想太は正座で座りながら正道に魔法をかけられていた。
「何をしてるんですか?」
想太が問いかけると正道が口を開いた。
「不幸にならないように魔法をかけているんです」
そう言って正道は身体に魔法をかけ口を開いた。
「最後に…怒らないでください」
「……」
正道に唇を奪われ驚いた顔で想太が見つめると正道が口を開いた。
「終わりました」
「帰っても良いんですか?」
「はい」
「……」
正道に向かってお辞儀をし想太が立ち上がると正道が口を開いた。
「幸せになってください」
「……」
再びお辞儀をし水晶部屋を出ると想太は蒼衣に出くわした。
「……」
「お元気で」
「……」
蒼衣に向かってお辞儀をすると想太はその場を離れ神社から離れていった。
「蒼衣、リョウタ」
「……」
「……」
近づいてくる正道を蒼衣とリョウタが見つめると正道が口を開いた。
「当分の間、闇は行動を起こさないだろ
「正道さん」
「何だい」
「俺、強くなりたいです、弓矢を使いこなせるように教えてください」
「俺も教えてください」
「お願いします」
「お願いします」
蒼衣とリョウタがお辞儀をするとエレナが口を開いた。
「私がリョウタを強くしてあげる、正道は蒼衣を強くしてあげて」
「わかりました」
「ありがとうございます」
蒼衣とリョウタは顔を合わせながら喜んだ。
その後、リョウタは神社に残り蒼衣は正道と共に別荘に向かった。
ー正道の別荘ー
ひとまず闇との戦いを終えた蒼衣は正道に弓矢と技を教わりながら別荘に正道と共に暮らし始めた。
完結
天使から傷の手当てを受け眠り続けていた正道が目を覚ました。
「ここは…」
「お前の別荘の部屋だ」
「お前が傷の手当てをしてくれたのか…ありがとう」
「正道がお礼を言うなんてな」
「……」
身体を起こし正道は天使を見た。
「闇は?」
「蒼衣とリョウタが攻撃したんだが闇は別の身体を求めて消えていった」
「そうか…」
「エレナから伝言だ、神社に来いって」
「わかった」
正道がベッドからおりると天使が口を開いた。
「俺は一緒に行けないが1人で神社まで行けるか?」
「大丈夫だ」
「正道」
「ありがとう」
「お前のこと天界から見守ってるから」
「……」
正道が笑みを浮かべると天使は正道の唇に唇を重ねその後、天界に戻っていった。
1人になった正道はボロボロになった私服を脱ぎ新しい私服に着替えると別荘を出ていき神社に向かった。
ーエレナ神社ー
エレナと蒼衣とリョウタは想太がいる部屋で会話をした。
「俺とリョウタが力を合わせれば想太は元の想太に戻りますよね」
「元の想太に戻るか戻らないかはわからない」
「やってみます」
エレナから目線を蒼衣が向けるとリョウタは蒼衣の側に立ち手を握った。
「蒼衣」
「リョウタ」
「俺達の全ての力を想太に捧げよう」
「……」
頷くと蒼衣は片手で白い宝石を握りしめ想太に目を向けた。
「想太」
「想太」
蒼衣とリョウタは左右の目を閉じ集中すると気を想太に送り始めた。
「2人とも凄い気ね、この気なら想太は元に戻るかも」
エレナが口にした10分後、想太が目を覚ましエレナはお札と結界を解いた。
「蒼衣、リョウタ」
「……」
「……」
エレナに呼ばれ蒼衣とリョウタは同時に目を開きお互いの手を離れさせ想太を見た。
「想太…」
「……」
身体を起こし想太は蒼衣に目を向け口を開いた。
「どなたですか?」
「え…」
蒼衣とリョウタとエレナは想太の言葉に驚いた。
蒼衣はエレナに目を向けた。
エレナはリョウタを部屋に残し蒼衣と共に部屋を出た。
「想太の言葉を聞いて思ったんですが記憶が…」
「私も思った」
「エレナ」
「正道」
同時にエレナと蒼衣に目を向けられ正道は「どうかしたのか?」と問いかけた。
「想太…想太が…」
「私が話すから蒼衣は想太の側にいてあげて」
「…はい…」
蒼衣が部屋の中に入ると正道が口を開いた。
「何かあったのか?」
「想太、記憶を失ってるの」
「え…」
「蒼衣とリョウタが力を合わせて想太を助けたのは良いけど記憶が」
「ちょうど良いじゃないか」
「何がちょうど良いのよ」
「記憶を失っていれば嫌な記憶を思い出すこともない」
「それはそうだけど」
「エレナ、水晶部屋に想太を連れてきてくれ」
「蒼衣とリョウタには何て言うのよ」
「記憶が戻らないように魔法をかける、そうすれば想太は幸せになれる」
そう言って正道はその場を離れ水晶部屋に向かった。
エレナは部屋の中に入り想太を連れて水晶部屋に向かった。
部屋に残された蒼衣とリョウタは立ち尽くした。
暫くしてエレナが戻ってくると蒼衣が口を開いた。
「想太をどこに連れていったんですか?」
「正道の言葉を言うわね」
「……」
蒼衣とリョウタが見つめるとエレナは正道の言葉を口にした。
「想太は正道と水晶部屋にいる」
「水晶部屋?」
「想太が記憶を失っていることを正道に話したら正道が言ったの、記憶を失っていれば嫌な記憶を思い出すこともないって…私も思った」
「……」
「想太が幸せになるために正道が想太に記憶が戻らないように魔法をかけるって」
「……」
蒼衣とリョウタは驚いた。
「私は正道のやることに賛成だけど、蒼衣とリョウタはどう思う?」
「想太が幸せになるなら俺は反対しません」
蒼衣が口にする頃、水晶部屋の想太は正座で座りながら正道に魔法をかけられていた。
「何をしてるんですか?」
想太が問いかけると正道が口を開いた。
「不幸にならないように魔法をかけているんです」
そう言って正道は身体に魔法をかけ口を開いた。
「最後に…怒らないでください」
「……」
正道に唇を奪われ驚いた顔で想太が見つめると正道が口を開いた。
「終わりました」
「帰っても良いんですか?」
「はい」
「……」
正道に向かってお辞儀をし想太が立ち上がると正道が口を開いた。
「幸せになってください」
「……」
再びお辞儀をし水晶部屋を出ると想太は蒼衣に出くわした。
「……」
「お元気で」
「……」
蒼衣に向かってお辞儀をすると想太はその場を離れ神社から離れていった。
「蒼衣、リョウタ」
「……」
「……」
近づいてくる正道を蒼衣とリョウタが見つめると正道が口を開いた。
「当分の間、闇は行動を起こさないだろ
「正道さん」
「何だい」
「俺、強くなりたいです、弓矢を使いこなせるように教えてください」
「俺も教えてください」
「お願いします」
「お願いします」
蒼衣とリョウタがお辞儀をするとエレナが口を開いた。
「私がリョウタを強くしてあげる、正道は蒼衣を強くしてあげて」
「わかりました」
「ありがとうございます」
蒼衣とリョウタは顔を合わせながら喜んだ。
その後、リョウタは神社に残り蒼衣は正道と共に別荘に向かった。
ー正道の別荘ー
ひとまず闇との戦いを終えた蒼衣は正道に弓矢と技を教わりながら別荘に正道と共に暮らし始めた。
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2024.11.27 無事本編完結しました。感謝。
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