猫戦士

福猫

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第7話

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ー公園ー

「…蒼衣…」

「リョウタ」

「……」

ベンチに座りながら頭を抱えていたリョウタは名を呼ばれ顔をあげると弓矢を持って立っている正道に目を向けた。

「あんたは」

「こんなところで何をしてんだ」

「何してるって…」

「お前がここでじっとしている間、人々はバケモノ達に襲われ命を失っている」

「……」

「リョウタ、バケモノと戦って人々を救うんだ」

「パートナーの蒼衣がいないと…」

「……」

弱い言葉を口にするリョウタの姿を見て正道は怒り弓矢を地面に落とすとリョウタの胸ぐらを掴み立たせると殴り倒した。

身体を起こし「何すんだよ」と口にすると正道が口を開いた。

「男なら愛する人を守るために悪と戦え」

「……」

「戦う気がないなら天使に頼んで灰色の猫に戻してもらって飼い主の元に帰れ」

そう言って正道が弓矢を掴み歩き出すと立ち上がりリョウタが口を開いた。

「俺も行きます」

「行くぞ」

「はい」

正道に駆け寄るとリョウタと正道はバケモノ達に襲われている人々の元に向かった。

その頃、闇の想太に命令を受けた3匹のバケモノは蒼衣の居場所を探していた。

「一緒に探しても見つからないし手分けして探さないか」

「そうだな」

そう言って3匹のバケモノは別々で探し始めた。

ー倉庫ー

バケモノ達に任せたが待ってられず闇の想太も蒼衣の居場所を探し始めた。

1時間後、なかなか蒼衣が見つからないことに闇の想太は思った正道が見つからないように結界を張っているのではないかと。

「俺の思っていることが正しければ正道は天使のパートナー、正道を守るために人が来ない家か別荘を与えたはず」

そう言って闇の想太は左右の手に力を込め気を集中しながら蒼衣の居場所を探し始めた。

50秒後、闇の想太が口を開いた。

「見つけた、蒼衣の居場所」

笑みを浮かべると闇の想太は倉庫から姿を消し蒼衣がいる別荘の前に姿を現した。

「今の俺に弱い結界は通用しない」

そう言って別荘に張られた結界を解き中に入ると正道に築かれないように結界を再び張った。

「蒼衣はこの上か」

そう言って闇の想太は階段を上がり部屋の前に立った。

その後、闇の想太は部屋の中に入り結界の中にいる蒼衣に近づき見つめた。

「生きていたか」

そう言って闇の想太が結界を解こうと手を伸ばし触れようとしたその時、結界に拒まれた。

「簡単にはいかないか」

そう言って闇の想太は左右の手に力を込めながら結界に触れ解いた。

その後、闇の想太は蒼衣に触れようとするも再び結界に拒まれた。

「二重の結界か…俺には通用しない」

そう言って闇の想太が蒼衣の身体に触れようとしたその時、白い宝石が現れ闇の想太を光で離れさせた。

「お前も復活したのか」

そう言って闇の想太が白い宝石に片手を向けながら力を込め光線を放ったその時、白い宝石の姿が白い髪に白い瞳に白いタキシードの人間に変身し光線を結界で防いだ。

「……」

「白い宝石が人間に変身するとは驚きだ」

「想太、闇に負けるな」

「無駄だ、想太の意識はない」

「蒼衣を悲しませるな、蒼衣のために元に戻れ、想太」

「想太の意識はないと言っただろ」

そう言って剣で白い宝石に攻撃しようとしたその時、闇の想太の動きが止まった。

「何だと…」

「俺は闇に負けない」

「想太」

「友達として俺は蒼衣を守る」

「抵抗できないように闇の力でお前の命を奪ってやる」

「俺は負けない、負けるもんかー」

「うあああー」

想太の強い思いに闇の想太は叫びながら苦しみ始めた。

「想太ー」

白い宝石が叫んだその時、想太の身体から闇が現れその後、逃げ出し想太は剣を離しうつ伏せで倒れた。

「想太!」

白い宝石は想太に近づき全裸姿の身体を仰向けに向け生きているか調べた。

「…生きてる…良かった…」

白い宝石が安心した顔をすると正道とリョウタが現れた。

「想太がなぜここにいるんだ」

全裸姿で倒れている想太に目線を向けながら正道は人間姿の白い宝石に目を向けた。
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