猫戦士

福猫

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第4話

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ー暗闇の公園ー

指を鳴らし大勢のバケモノを出現させると想太は命令した。

「人々を1人、残らず命を奪え」

「わかりました」

お辞儀をし大勢のバケモノ達が公園から散らばると美緒が現れた。

「……」

「美緒、家にいろと言っただろ何しに来た」

「想太、私は想太にとって何?」

「……」

美緒の質問に答えるため想太は美緒に近づき抱きしめながら口を開いた。

「俺にとって美緒は蒼衣を手に入れるための道具だ」

「道具…」

「美緒」

抱きしめながら想太が名を口にしたその時、美緒は涙を流しながら左右の手を伸ばしナイフで想太の背中を刺した。

想太は美緒から離れ口を開いた。

「道具の癖に俺を傷つけるとは」

「蒼衣さんを忘れられないなら私を好きにならないでよ」

苦しむ想太に涙を流しながら叫ぶと美緒は公園から走って離れていった。

「あの女、許さねぇ」

怒りがこみ上げ力で背中のナイフを抜き傷を治すと想太は美緒の命を奪いに向かった。

公園から遠くに離れた美緒は走りを止め立ち止まった。

「結婚したいと思ってたのに想太のバカ」

涙を拭い美緒が歩き出そうとしたその時、想太が呼びかけた。

「美緒」

「……」

振り返り美緒は元気そうな姿に驚いた。

「ナイフを突き刺したのに何で元気なの?」

「俺の身体に傷をつけた罪は重いぞ覚悟は良いか」

「……」

命を奪われるそう思った美緒は逃げようと背を向け走り出した。

「助けて」

走りながら口にしたその時、想太に追いつかれ剣で背中を斬りつけられ美緒はうつ伏せで倒れた。

想太は美緒に近づき口を開いた。

「俺の道具でいれば死なずに済んだのに」

そう言って想太は剣を地面に突き刺し片手を美緒に向け魔法で消し去った。

その頃、大勢のバケモノ達は行き交う人々や家の中にいる人々を襲っていた。

ー蒼衣の家、寝室ー

体育座りで壁にもたれながら眠る蒼衣を見守っていたリョウタは人々の叫び声を聞き立ち上がった。

「人々が叫んでる助けに行きたいけど、蒼衣を1人にするわけには」

「キャーー」

「誰か助けてー」

「人々が助けを求めてる」

そう言ってリョウタはベッドに近づき眠る蒼衣の手を握りながら口を開いた。

「人々が助けを求めてるから俺、1人で助けに行ってくる」

そう言ってリョウタは眠る蒼衣の唇に顔を近づけ唇を重ねた。

その後、リョウタは唇を離し寝室から出ていくと玄関に向かい外に出ていった。

その時、蒼衣が目を覚ました。

「リョウタさん1人で人々を助けるなんて無理だ」

そう言って蒼衣がベッドから離れたその時、女性の叫び声が聞こえた。

蒼衣は部屋の窓から外を見つめバケモノから逃げている女性を目撃した。

「女性が襲われてる助けないと」

そう言って蒼衣は寝室を出て玄関に向かい傘を掴むと外に出てバケモノを追いかけた。

「待てー、バケモノ」

「何だ?」

女性を追いかけていたバケモノは立ち止まり振り返ると傘を持って近づいてくる蒼衣を見つめた。

「お前は想太様の女」

「俺は想太の女じゃない」

「何かようか」

「人々を襲うのは止めろ」

傘を構えながら蒼衣が口にするとバケモノが口を開いた。

「そんな物で俺が倒せると思ってるのか」

そう言ってバケモノは一瞬で蒼衣に近づき傘を奪い取るとその傘で蒼衣の腹を殴り仰向けで倒れさせた。

その後、バケモノは傘を捨て蒼衣に覆い被さり身体を奪おうとしたその時、バケモノは気配を感じ正面に目を向けると驚いた顔で「想太様!」と口にした。

その後、バケモノは想太に魔法で一瞬に消された。

「……」

腹を殴られ苦しむ蒼衣を想太は無言でお姫様抱っこしそのまま歩くと姿を消した。

その頃、リョウタは何も知らず人々をバケモノから助けていた。
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