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第7話
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ー美嘉の家ー
ベッドで美嘉と深く愛し合った人間のシロは側で寝ている美嘉の姿を見つめていた。
「お前と共に秘密の森で新しい人生を送れたら良いのに」
眠る美嘉の頬に触れながら口にした人間のシロは険しい顔になり声をかけた。
「隠れてないで出てこい」
「……」
人間のレーが姿を見せると人間のシロはベッドからおり部屋の風景を森林に変え2人きりになった。
その後、人間のシロは全裸姿から白い服姿になり口を開いた。
「クロは弘樹とラブホテルの部屋にいる」
「そうか」
そう言って人間のレーが背を向けると人間のシロが声をかけた。
「レー」
「何だ」
「俺は美嘉と共に秘密の森で暮らしたい」
「だから?」
「だからクロを頼む」
「今の俺はクロの命を奪うかも、それでも俺に頼むのか?」
「お前ならクロを正気に戻せるだろ
「……」
何も言わず人間のレーがその場から姿を消すと風景が森林から美嘉の部屋に戻った。
その後、人間のシロは美嘉を連れて姿を消した。
ーラブホテルー
人間のシロに眠らされたまま弘樹は今もソファーで人間のクロに身体を奪われ続けていた。
「……」
「弘樹、目を覚ませ」
そう言って人間のクロは弘樹の唇に唇を重ねた。
「……」
弘樹が目を覚ますと人間のクロは唇を離し覆い被さりながら顔を見つめた。
「弘樹」
「……」
「クロ、弘樹から離れろ」
人間のレーが姿を見せると人間のクロは弘樹から離れ口を開いた。
「よくここがわかったな」
「シロから聞いたんだ」
「シロの奴」
「……」
人間のクロと人間のレーが見つめ合う中、弘樹はゆっくり身体を起こしソファーから立ち上がり口を開いた。
「バカな争いは止めなさい、クロ、元に戻りなさい」
「その声は」
弘樹に目線を向けた人間のクロと人間のレーは弘樹の姿がヒロに変わっていることに驚いた。
「ヒロ様!」
「どうして!」
「彼の身体を借りて話しています」
「ヒロ様…」
「……」
じっと見つめる人間のクロにヒロは近づき抱きしめた。
「ヒロ様…」
「クロ、闇の猫神から猫神に戻りなさい」
「猫神に戻っても俺がおかした罪は元に戻らない」
「大丈夫」
「……」
人間のクロはヒロから離れ口を開いた。
「大丈夫って俺はあなたの命を奪ったんですよ」
「クロ…」
名を口にした後、ヒロの姿が弘樹に戻り弘樹はうつ伏せで倒れた。
「ヒロ様!」
「弘樹!」
人間のレーは弘樹に近づきうつ伏せの身体を仰向けに向けると身体を抱き起こし声をかけた。
「弘樹、しっかりしろ、弘樹」
「……」
声に反応し弘樹が目を覚ますと人間のレーが口を開いた。
「大丈夫か?」
「ヒロ様が悲しんでる」
「え?」
「……」
人間のレーから離れながら立ち上がると弘樹は人間のクロに近づいた。
「……」
「……」
人間のレーが立ち上がり見つめると人間のクロも目線を向け弘樹を見つめた。
「俺は闇の猫神クロだ、猫神クロに戻ることはできない」
「……」
無言で弘樹はラブホテルの部屋の風景を秘密の森のマタタビの木の前に変え人間のクロと人間のレーは驚いた。
ベッドで美嘉と深く愛し合った人間のシロは側で寝ている美嘉の姿を見つめていた。
「お前と共に秘密の森で新しい人生を送れたら良いのに」
眠る美嘉の頬に触れながら口にした人間のシロは険しい顔になり声をかけた。
「隠れてないで出てこい」
「……」
人間のレーが姿を見せると人間のシロはベッドからおり部屋の風景を森林に変え2人きりになった。
その後、人間のシロは全裸姿から白い服姿になり口を開いた。
「クロは弘樹とラブホテルの部屋にいる」
「そうか」
そう言って人間のレーが背を向けると人間のシロが声をかけた。
「レー」
「何だ」
「俺は美嘉と共に秘密の森で暮らしたい」
「だから?」
「だからクロを頼む」
「今の俺はクロの命を奪うかも、それでも俺に頼むのか?」
「お前ならクロを正気に戻せるだろ
「……」
何も言わず人間のレーがその場から姿を消すと風景が森林から美嘉の部屋に戻った。
その後、人間のシロは美嘉を連れて姿を消した。
ーラブホテルー
人間のシロに眠らされたまま弘樹は今もソファーで人間のクロに身体を奪われ続けていた。
「……」
「弘樹、目を覚ませ」
そう言って人間のクロは弘樹の唇に唇を重ねた。
「……」
弘樹が目を覚ますと人間のクロは唇を離し覆い被さりながら顔を見つめた。
「弘樹」
「……」
「クロ、弘樹から離れろ」
人間のレーが姿を見せると人間のクロは弘樹から離れ口を開いた。
「よくここがわかったな」
「シロから聞いたんだ」
「シロの奴」
「……」
人間のクロと人間のレーが見つめ合う中、弘樹はゆっくり身体を起こしソファーから立ち上がり口を開いた。
「バカな争いは止めなさい、クロ、元に戻りなさい」
「その声は」
弘樹に目線を向けた人間のクロと人間のレーは弘樹の姿がヒロに変わっていることに驚いた。
「ヒロ様!」
「どうして!」
「彼の身体を借りて話しています」
「ヒロ様…」
「……」
じっと見つめる人間のクロにヒロは近づき抱きしめた。
「ヒロ様…」
「クロ、闇の猫神から猫神に戻りなさい」
「猫神に戻っても俺がおかした罪は元に戻らない」
「大丈夫」
「……」
人間のクロはヒロから離れ口を開いた。
「大丈夫って俺はあなたの命を奪ったんですよ」
「クロ…」
名を口にした後、ヒロの姿が弘樹に戻り弘樹はうつ伏せで倒れた。
「ヒロ様!」
「弘樹!」
人間のレーは弘樹に近づきうつ伏せの身体を仰向けに向けると身体を抱き起こし声をかけた。
「弘樹、しっかりしろ、弘樹」
「……」
声に反応し弘樹が目を覚ますと人間のレーが口を開いた。
「大丈夫か?」
「ヒロ様が悲しんでる」
「え?」
「……」
人間のレーから離れながら立ち上がると弘樹は人間のクロに近づいた。
「……」
「……」
人間のレーが立ち上がり見つめると人間のクロも目線を向け弘樹を見つめた。
「俺は闇の猫神クロだ、猫神クロに戻ることはできない」
「……」
無言で弘樹はラブホテルの部屋の風景を秘密の森のマタタビの木の前に変え人間のクロと人間のレーは驚いた。
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