伝説の虹色クリスタル

福猫

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第4話

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ーアメトリンの町ー

町を歩きながら虹色クリスタルを探しているとリンが突然、立ち止まった。

「どうしたんですか?」

恵一も立ち止まり声をかけるとリンが口を開いた。

「アメトリンとは違う気を感じた」

「虹色クリスタルですか?」

「わからない」

「どこですか?」

「こっちだ」

そう言ってリンが走り出すと恵一も走り出した。

同じ頃、俊彦も気を感じアメトリンの森林に向かっていた。

ーアメトリンの森林ー

「ここは森林?」

「アメトリンの森林だ」

「ここに虹色クリスタルがあるんですか?」

「わからない、でもアメトリンとは違う気を感じたのは間違いない」

「手分けして探した方がいいかも」

「見つけたら気を発してくれれば駆けつけるから」

「わかりました」

そう言って恵一はリンと別れ森林の中を歩きだし探し始めた。

「もし虹色クリスタルが見つかったら紗香を助けて家に戻らないと…」

キョロキョロしながら恵一が歩いていると俊彦が現れ恵一は立ち止まり驚いた。

「俊彦!」

「……」

「俊彦もここに来てたのか」

「誰だお前、なぜ俺の名前を知っている」

「お前も翡翠って人に何かされたのか」

「お前か翡翠が言ってた虹色クリスタルを狙っている奴は」

そう言って俊彦は指輪を使ってバケモノを出現させバケモノに向かって口を開いた。

「やれ」

俊彦が命令するとバケモノは恵一に向かって行き襲いかかった。

恵一はバケモノから離れ落ちている木の棒を掴むとバケモノの攻撃を木の棒で反撃した。

5秒後、恵一はバケモノの攻撃を受け手から木の棒を離すと倒れた。

バケモノは恵一を覆い被さりながら俊彦に向かって問いかけた。

「命を奪っていいんですか?」

「敵は命を奪え」

「わかりました」

返事をしバケモノが恵一の命を奪おうとしたその時、グリーンアベンチュリンでできた指輪が抵抗しバケモノを突き飛ばし恵一から離れさせた。

「……」

身体を起こし驚いた顔で恵一が見つめると指輪がグリーンアベンチュリンでできた剣を宙に浮かせたまま出現させた。

その後、恵一は立ち上がり剣を掴むと構えた。

「……」

「なめやがって」

そう言ってバケモノが向かっていくと恵一とバケモノの戦いが始まった。

そこへ恵一の危険を感じ取ったリンが現れ恵一とバケモノの戦いを見つめた。

そしてリンは恵一の隠された力を目撃する。

「……」

バケモノの攻撃を交わしながら恵一は剣を握りしめ力を込めるとバケモノを切りつけた。

その後、バケモノが姿を消していくと俊彦は驚き険しい顔で恵一を見つめた。

「甘く見てたらやられるな」

そう言って俊彦は黒翡翠でできた剣を出現させ構えた。

「俊彦、やめろ、お前と戦いたくない」

「お前の命を奪っておかないと厄介なことになる、だからお前の命を奪う」

そう言って俊彦が黒翡翠でできた剣で恵一に向かっていくと剣と剣のぶつかりの戦いが始まった。

「戦いをやめさせないと」

そう言ってリンはアメトリンを使って森林から力を貰うと左右の手を恵一と俊彦に向け蔓を放ち身体に巻きつけると恵一と俊彦を離れさせた。

「こんなもの」

そう言って力を高め蔓を外すと俊彦が口を開いた。

「ここには虹色クリスタルは無いようだ」

そう言って俊彦が背を向けると恵一が名を口にした。

「俊彦」

「また、会おう」

背を向けたまま俊彦が姿を消すとリンは蔓を解放し恵一に近づいた。

「恵一」

「紗香と俊彦を操るなんて翡翠の奴、許せない」

「恵一、怒りを高めるな落ち着け」

そう言って恵一の肩に触れたリンは一瞬、虹色クリスタルの気を感じた。

「……」

「ここには虹色クリスタルは無いみたいだから別の町に行きましょうか」

「……」

「リンさん?」

「何?」

「ここには無いみたいだから別の町に行きましょうか」

「そうだね」

そう言ってリンは歩いていく恵一の後ろ姿を見つめながら金針入りのルチルクォーツの姿を目撃した。
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