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最終話
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ー千歳が住むマンションー
「ここだ」
マンションの前に着いたゆうはマンションの中に入り千歳が住む家の前に立つとインターホンを鳴らした。
「いないのかな」
そう言ってゆうは3回、インターホンを鳴らした。
するとドアが開きバスローブ姿の千歳が現れた。
「どちら様ですか?」
「藍の兄、岡崎ゆうといいます、藍はいますか?」
「どうぞ」
「……」
中に入りドアを閉めるとゆうは靴を脱ぎ上がり千歳の案内でリビングに向かった。
「今、藍さんを呼んできますからソファーに座って待っててください」
そう言って千歳がリビングを離れるとゆうはソファーに近づき座った。
急いで寝室に向かった千歳はベッドに近づき全裸で眠っている藍に声をかけた。
「藍、起きろ、藍」
「う~ん」
「藍、お兄さんが来てる」
「……」
千歳の言葉で目を覚ました藍は慌てて身体を起こし口を開いた。
「兄と俺は家族と兄弟の縁を切ったんです、そんな兄が何でここに」
「わからないけど服を着てリビングに行こう」
そう言ってタンスから衣服を取り出し藍に渡すとバスローブを脱ぎ千歳も衣服を着た。
「藍」
「はい」
全裸姿でベッドからおりると藍も衣服を着た。
「行こうか」
「はい」
返事をすると藍は千歳と共にゆうが待つリビングに向かった。
「お待たせしました」
そう言って千歳と藍は隣同士でソファーに座りゆうに目線を向けた。
3人、無言になり10秒後、ゆうが口を開いた。
「千景さんが言ってました、優しいやくざがいると…千歳は優しいやくざだと」
「千景が?」
「俺が来たのは」
そう言ってソファーから立ち上がるとゆうは土下座をした。
その姿に千歳と藍はソファーに座りながら驚いた。
土下座をしながらゆうが「千歳さんにお願いがあります」と口にすると千歳もソファーから立ち上がり土下座をしながら「何でしようか」と返事をした。
「藍は誰かが守らないと生けていけない弟です」
「そうですね」
「千歳さん、藍のことよろしくお願いします」
「それって」
顔をあげ千歳が見つめるとゆうも顔をあげ千歳を見つめながら口を開いた。
「あなたになら藍を任せられる、藍のことよろしくお願いします」
「藍さんを幸せにします」
「お兄ちゃん…」
兄のゆうが認めてくれたその事が嬉しくて涙が込み上げてきた藍はソファーから立ち上がりゆうを立たせると抱きついた。
「藍!」
「お兄ちゃん、認めてくれてありがとう」
「千歳さんと幸せにな」
そう言ってゆうは藍を抱きしめた。
その姿を千歳は立ち上がり優しい顔で見つめた。
その後、千歳と藍は玄関先でゆうと別れた。
「藍」
見つめながら千歳が声をかけると藍も千歳を見つめながら口を開いた。
「仕事がない俺だけど千歳さん、これからよろしくお願いします」
「仕事がないなら俺の店を手伝ってください、藍、よろしくお願いします」
挨拶後、藍と千歳は見つめ合いながら微笑んだ。
その後、千歳が手を差し出しながら口を開いた。
「俺の店に行こうか」
「俺にホストが勤まるかわからないけど頑張ります」
そう言って藍が千歳の手を掴むと千歳が口を開いた。
「藍がする仕事はホストじゃないよ」
「え?」
「藍がホストをしたら他のホスト達が心を奪われるだろ」
「千歳さん」
千歳の言葉に藍が照れると千歳が口を開いた。
「藍がする仕事はパソコンで売り上げの計算かな…オーナー室からでない仕事ね」
「わかりました」
返事をすると藍は千歳と一緒に店に出勤し千歳によって他のホスト達に紹介された。
その後、藍はオーナー室で仕事を始め千歳はホストの仕事を始めた。
こうして藍と千歳の生活が始まった。
完結
「ここだ」
マンションの前に着いたゆうはマンションの中に入り千歳が住む家の前に立つとインターホンを鳴らした。
「いないのかな」
そう言ってゆうは3回、インターホンを鳴らした。
するとドアが開きバスローブ姿の千歳が現れた。
「どちら様ですか?」
「藍の兄、岡崎ゆうといいます、藍はいますか?」
「どうぞ」
「……」
中に入りドアを閉めるとゆうは靴を脱ぎ上がり千歳の案内でリビングに向かった。
「今、藍さんを呼んできますからソファーに座って待っててください」
そう言って千歳がリビングを離れるとゆうはソファーに近づき座った。
急いで寝室に向かった千歳はベッドに近づき全裸で眠っている藍に声をかけた。
「藍、起きろ、藍」
「う~ん」
「藍、お兄さんが来てる」
「……」
千歳の言葉で目を覚ました藍は慌てて身体を起こし口を開いた。
「兄と俺は家族と兄弟の縁を切ったんです、そんな兄が何でここに」
「わからないけど服を着てリビングに行こう」
そう言ってタンスから衣服を取り出し藍に渡すとバスローブを脱ぎ千歳も衣服を着た。
「藍」
「はい」
全裸姿でベッドからおりると藍も衣服を着た。
「行こうか」
「はい」
返事をすると藍は千歳と共にゆうが待つリビングに向かった。
「お待たせしました」
そう言って千歳と藍は隣同士でソファーに座りゆうに目線を向けた。
3人、無言になり10秒後、ゆうが口を開いた。
「千景さんが言ってました、優しいやくざがいると…千歳は優しいやくざだと」
「千景が?」
「俺が来たのは」
そう言ってソファーから立ち上がるとゆうは土下座をした。
その姿に千歳と藍はソファーに座りながら驚いた。
土下座をしながらゆうが「千歳さんにお願いがあります」と口にすると千歳もソファーから立ち上がり土下座をしながら「何でしようか」と返事をした。
「藍は誰かが守らないと生けていけない弟です」
「そうですね」
「千歳さん、藍のことよろしくお願いします」
「それって」
顔をあげ千歳が見つめるとゆうも顔をあげ千歳を見つめながら口を開いた。
「あなたになら藍を任せられる、藍のことよろしくお願いします」
「藍さんを幸せにします」
「お兄ちゃん…」
兄のゆうが認めてくれたその事が嬉しくて涙が込み上げてきた藍はソファーから立ち上がりゆうを立たせると抱きついた。
「藍!」
「お兄ちゃん、認めてくれてありがとう」
「千歳さんと幸せにな」
そう言ってゆうは藍を抱きしめた。
その姿を千歳は立ち上がり優しい顔で見つめた。
その後、千歳と藍は玄関先でゆうと別れた。
「藍」
見つめながら千歳が声をかけると藍も千歳を見つめながら口を開いた。
「仕事がない俺だけど千歳さん、これからよろしくお願いします」
「仕事がないなら俺の店を手伝ってください、藍、よろしくお願いします」
挨拶後、藍と千歳は見つめ合いながら微笑んだ。
その後、千歳が手を差し出しながら口を開いた。
「俺の店に行こうか」
「俺にホストが勤まるかわからないけど頑張ります」
そう言って藍が千歳の手を掴むと千歳が口を開いた。
「藍がする仕事はホストじゃないよ」
「え?」
「藍がホストをしたら他のホスト達が心を奪われるだろ」
「千歳さん」
千歳の言葉に藍が照れると千歳が口を開いた。
「藍がする仕事はパソコンで売り上げの計算かな…オーナー室からでない仕事ね」
「わかりました」
返事をすると藍は千歳と一緒に店に出勤し千歳によって他のホスト達に紹介された。
その後、藍はオーナー室で仕事を始め千歳はホストの仕事を始めた。
こうして藍と千歳の生活が始まった。
完結
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