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第7話
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午前7時、藍が目を覚ました。
「ここは…」
身体を起こしタオルが落ちると藍は壁にもたれながら座って眠っている千歳に目線を向け驚いた。
「千景さんのお兄さん?」
ベッドから離れ近づくと声をかけながら身体に触れた。
「お兄さん?」
「……」
すると千歳は倒れ息が荒れ始めた。
「はぁはぁ…はぁはぁ」
「大丈夫ですか?」
おでこに手をあてた藍は高い熱に驚いた。
「凄い熱、急いで熱を下げないと」
そう言って藍は千歳の身体を支えながらベッドに運び仰向けで寝かせた。
その後、藍は洗面器を持って寝室を出るとキッチンに向かい新しい水を入れた。
そして藍は洗面器を持って寝室に戻り机の上に置くとタオルを濡らし千歳のおでこに置いた。
「俺の風邪が…ゴメンなさい…」
涙を流しながら藍が口にすると目を閉じながら口を開いた。
「君のせいじゃない、俺が着替えないで寝てしまったからいけないんだ」
「風邪薬はありますか?」
「寝てれば大丈夫だ、それより君は大丈夫か?」
「藍です」
「……」
目を開き千歳が見つめると藍が口を開いた。
「俺の名前です」
「俺は千歳」
「千歳さん、何か食べたいものありますか?」
「食欲ないな」
「食欲ないでも何か食べないと、簡単なもの作りますね」
そう言って藍が寝室を離れていくと千歳は目を閉じ眠りについた。
ーキッチンー
冷蔵庫を開き中を見た藍はささ身とネギを取り出しお粥を作り始めた。
60分後、ささ身のお粥が出来上がり茶碗に盛った。
その後、茶碗とスプーンをおぼんに乗せ藍は寝室に運んだ。
「千歳さん、食べませんか?」
「……」
「寝てる、起きてたから温めれば良いか」
そう言って藍はおぼんを机の上に置きタオルに触れると再びタオルを濡らし千歳のおでこに置いた。
その後、心配そうな顔で藍が見つめると眠ったまま千歳が藍の手首を掴んだ。
藍が「どうしたんですか?」と問いかけると千歳は眠ったまま藍を抱き寄せ寝言を口にした。
「藍…好きだ…」
「え…」
寝言に驚き藍が千歳の顔を見つめたその時、インターホンが鳴った。
藍は千歳を起こさないように離れ寝室を出ると玄関に向かった。
そして藍がドアを開き目線を向けたその時、藍と千景は見つめ合い驚いた。
「どうして千歳の家に」
「雨に濡れた俺を看病してくれたんです」
「千歳は?」
「ベッドで寝てます…俺の風邪がうつったみたいで」
「今度は藍さんが看病を」
「はい…」
「ホストクラブの店の人から千歳が来ないって連絡があったから様子を見に来たんだ、風邪で寝てるなら店の人に俺から伝えておくよ」
「会っていかないんですか?」
「店の人に知らせないといけないから」
そう言って玄関から離れようとしたその時、ふらつきながら千歳が現れた。
「千景…」
「千歳さん!」
「千歳!」
倒れかける千歳を藍と千景が抱き止め寝室のベッドに運んだ。
「風邪薬があると思うから持ってくるよ」
そう言って千景は寝室を出てリビングに向かい救急箱から風邪薬3錠、取り出すと水と一緒に千歳の元に持っていった。
「千歳、風邪薬だ飲め」
そう言って千景は千歳の身体を抱き起こし風邪薬3錠を口に含ませ水を飲ませると身体を寝かせた。
「薬を飲んだから大丈夫だろ」
そう言って千景と藍は寝室を出ていき玄関に向かった。
「藍さん、千歳を頼みます」
「帰るんですか?」
「千歳が目を覚ましたとき俺が側にいるより藍さんが側にいた方が良い」
「……」
出ていく千景を見送ると藍は玄関を離れ寝室に向かった。
そして藍は壁に近づき体育座りで座るとうつ向いた。
それから暫くして体育座りを崩し身体を倒すと藍は目を閉じ眠りについた。
「ここは…」
身体を起こしタオルが落ちると藍は壁にもたれながら座って眠っている千歳に目線を向け驚いた。
「千景さんのお兄さん?」
ベッドから離れ近づくと声をかけながら身体に触れた。
「お兄さん?」
「……」
すると千歳は倒れ息が荒れ始めた。
「はぁはぁ…はぁはぁ」
「大丈夫ですか?」
おでこに手をあてた藍は高い熱に驚いた。
「凄い熱、急いで熱を下げないと」
そう言って藍は千歳の身体を支えながらベッドに運び仰向けで寝かせた。
その後、藍は洗面器を持って寝室を出るとキッチンに向かい新しい水を入れた。
そして藍は洗面器を持って寝室に戻り机の上に置くとタオルを濡らし千歳のおでこに置いた。
「俺の風邪が…ゴメンなさい…」
涙を流しながら藍が口にすると目を閉じながら口を開いた。
「君のせいじゃない、俺が着替えないで寝てしまったからいけないんだ」
「風邪薬はありますか?」
「寝てれば大丈夫だ、それより君は大丈夫か?」
「藍です」
「……」
目を開き千歳が見つめると藍が口を開いた。
「俺の名前です」
「俺は千歳」
「千歳さん、何か食べたいものありますか?」
「食欲ないな」
「食欲ないでも何か食べないと、簡単なもの作りますね」
そう言って藍が寝室を離れていくと千歳は目を閉じ眠りについた。
ーキッチンー
冷蔵庫を開き中を見た藍はささ身とネギを取り出しお粥を作り始めた。
60分後、ささ身のお粥が出来上がり茶碗に盛った。
その後、茶碗とスプーンをおぼんに乗せ藍は寝室に運んだ。
「千歳さん、食べませんか?」
「……」
「寝てる、起きてたから温めれば良いか」
そう言って藍はおぼんを机の上に置きタオルに触れると再びタオルを濡らし千歳のおでこに置いた。
その後、心配そうな顔で藍が見つめると眠ったまま千歳が藍の手首を掴んだ。
藍が「どうしたんですか?」と問いかけると千歳は眠ったまま藍を抱き寄せ寝言を口にした。
「藍…好きだ…」
「え…」
寝言に驚き藍が千歳の顔を見つめたその時、インターホンが鳴った。
藍は千歳を起こさないように離れ寝室を出ると玄関に向かった。
そして藍がドアを開き目線を向けたその時、藍と千景は見つめ合い驚いた。
「どうして千歳の家に」
「雨に濡れた俺を看病してくれたんです」
「千歳は?」
「ベッドで寝てます…俺の風邪がうつったみたいで」
「今度は藍さんが看病を」
「はい…」
「ホストクラブの店の人から千歳が来ないって連絡があったから様子を見に来たんだ、風邪で寝てるなら店の人に俺から伝えておくよ」
「会っていかないんですか?」
「店の人に知らせないといけないから」
そう言って玄関から離れようとしたその時、ふらつきながら千歳が現れた。
「千景…」
「千歳さん!」
「千歳!」
倒れかける千歳を藍と千景が抱き止め寝室のベッドに運んだ。
「風邪薬があると思うから持ってくるよ」
そう言って千景は寝室を出てリビングに向かい救急箱から風邪薬3錠、取り出すと水と一緒に千歳の元に持っていった。
「千歳、風邪薬だ飲め」
そう言って千景は千歳の身体を抱き起こし風邪薬3錠を口に含ませ水を飲ませると身体を寝かせた。
「薬を飲んだから大丈夫だろ」
そう言って千景と藍は寝室を出ていき玄関に向かった。
「藍さん、千歳を頼みます」
「帰るんですか?」
「千歳が目を覚ましたとき俺が側にいるより藍さんが側にいた方が良い」
「……」
出ていく千景を見送ると藍は玄関を離れ寝室に向かった。
そして藍は壁に近づき体育座りで座るとうつ向いた。
それから暫くして体育座りを崩し身体を倒すと藍は目を閉じ眠りについた。
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