永遠の愛~9日間の思い出~

福猫

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6日目

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「ゴメン」

紗和から離れると新菜は走って離れていった。

「新ちゃん…」

コンビニ服の紗和がじっと見つめると香は紗和の側に立ち口を開いた。

「紗和」

「香」

紗和が目線を向けると香が口を開いた。

「大事な話があるんだ、俺の家で話さないか」

「今、仕事中だからゴメン」

「終わるまで待ってるよ」

「わかった、この近くに公園があるからそこで待ってて」

そう言ってコンビニ服の紗和がコンビニに戻っていくと香は歩きだし公園に向かった。

その後、香はベンチに座り待ち始めた。

そこへ1匹の三毛猫が通りかかった。

「綺麗な三毛猫だな」

歩いていく三毛猫を香が見つめていると新菜の姿を目撃した。

「新菜!」

香はベンチから立ち上がりふらふら歩いている新菜に近づき声をかけながら肩に触れた。

「新菜」

「香、こんなところで何してんだ」

ヘラヘラしながら口にする新菜に香は「酒を飲んでるのか」と問いかけた。

新菜は口を開いた。

「酒を飲まなきゃやってられないよ」

「新菜」

「もとわといえば俺が悪いんだけどな、俺が紗和にあんなことをしなかったら」

「新菜、仕事が終わったらここに紗和が来るんだ、3人で俺の家で話さないか」

「紗和は俺に会いたくないって…」

そう言って新菜が悲しげな顔でうつ向くと香は新菜の手を握りそのままベンチに向かい座った。

「香」

「酒の臭いが凄いぞこれを食べろ」

そう言って香はポケットからガムを取り出し差し出した。

「……」

新菜は黙ってガムを受け取り食べた。

その後、香と新菜は無言で紗和を待ち続けた。

それから時間が過ぎ私服姿の紗和が公園に現れた。

「新ちゃん!」

「……」

「新菜、紗和、俺の家に行こうか」

そう言って香がベンチから立ち上がり歩き出すと新菜もベンチから立ち上がり歩きだし紗和も歩き出した。

それから暫くして香の家に着くと香と新菜と紗和は家の中に入りリビングに向かった。

「香、やっぱり帰るわ」

そう言って新菜がリビングを離れようとしたその時、紗和が声をかけた。

「新ちゃん」

「何だ」

背を向けたまま新菜が返事をすると紗和が口を開いた。

「新ちゃんがしたこと許してやる」

「……」

突然の紗和の言葉に驚いた新菜が振り向くと紗和が口を開いた。

「女性じゃあるまいし顔、見たくないなんて言ってゴメン」

「何で紗和が謝るんだ、謝らないといけないのは俺の方だ、紗和、ゴメン」

「仲直りできて良かったな」

そう言って香がベッドに座ると立ったまま新菜が紗和に向かって口を開いた。

「紗和、コンビニで会った人に気をつけろ」

「コンビニで会った…あぁ、あの人」

「紗和」

「……」

自分の側に近づく香と新菜を紗和が見つめると香が口を開いた。

「狙った者はどんな手を使ってでも手に入れるそれが百々太だ」

「……」

「紗和、百々太オーナーに気をつけて」

「…わかった…」

紗和の返事後、香の顔つきが変わった。

「紗和」

「何?」

「俺と新菜が交わりたいと言ったらどうする?」

「……」

「香、何、言ってんだ」

怒った口調で新菜が口にすると紗和が口を開いた。

「明日も仕事だから帰るね」

そう言って紗和が背を向けたその時、香が背後から抱きしめた。

「……」

驚きで紗和が無言になると紗和を抱きしめながら口を開いた。

「幼い頃から俺と新菜はお前のことが好きなんだ」

「……」

「だから紗和と交わりたい、ダメかな」

「香、離して」

「……」

無言で香が離れると紗和は香と新菜の目の前で私服を全て脱ぎ全裸になった。

「……」

驚いた顔で新菜が見つめると紗和が口を開いた。

「香と新菜なら良いよ」

「……」

「……」

紗和の許可を得た香と新菜は全裸になり紗和と共にベッドに向かい上がると香と新菜は紗和の唇を奪い身体も奪った。
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