ゴーストに恋した兄

福猫

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最終話

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大神様に認められた人間ゴーストのレイは嬉しさで雅也を抱きしめた。

「これで雅也の側に居れる」

「そうだね」

「雅也」

顔を見つめると人間ゴーストのレイは唇を奪いその後、雅也の身体を倒すと覆い被さり口を開いた。

「雅也と交わりたい」

「ここで?」

「ここで交わりたい」

「服を脱ぐからレイも服を脱いで」

「わかった」

立ち上がり人間ゴーストのレイが私服を脱ぎ始めると雅也も立ち上がり私服を脱ぎ始めた。

そして人間ゴーストのレイは雅也の身体をゆっくり倒し身体を重ねた。

その頃、弘子は雅也の家のリビングで心配そうな顔で雅也と人間ゴーストのレイの帰りを待っていた。

「まだお兄ちゃん見つからないのかな」

口にしながら弘子がリビングの中をウロウロする頃、人間ゴーストのレイと雅也は竹林で深く愛し合っていた。

━翌日━

リビングのソファーで弘子が眠っていると人間ゴーストのレイと雅也が竹林から帰ってきた。

玄関からそのまま寝室に行こうとした雅也はリビングのソファーで眠っている弘子に築き近づいた。

「掛け布団をかけないで寝てると風邪をひくぞ」

「お兄ちゃん」

目を覚まし身体を起こすと怒った口調で口を開いた。

「遅くなるなら電話してよ、心配するでしょ」

「ゴメン」

「私、実家に帰る」

「そっか」

「今のお兄ちゃんは1人じゃないし寂しくないよね」

「そうだな」

そう言って雅也が側に居る人間ゴーストのレイに目を向けると弘子はソファーから立ち上がり人間ゴーストのレイに向かって口を開いた。

「お兄ちゃんをお願いね」

「あぁ」

真剣な顔で人間ゴーストのレイが頷くと弘子は安心した顔で家を出ていき実家に帰っていった。

「レイ」

「何だ」

「1年後、両親に俺達のこと話して良いよね」

「それはやめておいたほうが良い」

「どうして?」

「ゴーストと付き合ってるなんて認めるわけないだろ」

「そうかな」

「俺はこのまま雅也と静かに暮らしたい」

そう言って人間ゴーストのレイは雅也を背後から抱きしめた。

「わかった」

その後、雅也と人間ゴーストのレイは唇を重ねた。

そして雅也とゴーストの新しい生活が始まる。

━翌日━

雅也はハローワークに向かい仕事を探した。

3時間後、コンビニのバイト募集を見つけた雅也はハローワークの人に3日後、面接をしてもらえるようにしてもらい雅也はスーパーで食材を買い自宅に帰った。

「レイ、ただいま」

「早かったな仕事、見つかったのか?」

「3日後、コンビニの面接に行く、雇ってもらえるかわからないけど」

「雅也なら雇ってもらえるさ」

「頑張る」

そう言って雅也は買い物袋を持ってキッチンに向かい袋から豚肉と野菜を出すと料理を始めた。

1時間後、2品を作り皿に盛るとダイニングのテーブルに運んだ。

「料理できたけどゴーストは食べないよな」

「そうだな」

「1人で食べるか」

そう言って雅也が椅子に座ると人間ゴーストのレイも椅子に座った。

「頂きます」

手を合わせ箸を掴むと雅也は肉と野菜の炒め物と肉とニラと玉子の炒め物を食べ始めた。

その光景を人間ゴーストのレイは優しい顔で見つめた。

━3日後、面接の日━

緊張しながらスーツ姿で雅也が玄関に向かうと人間ゴーストのレイが口を開いた。

「雅也なら大丈夫、雇ってもらえるさ」

「ありがとう、行ってきます」

「行ってらっしゃい」

「……」

人間ゴーストのレイに見送られながら玄関のドアを開き外に出るとドアを閉め雅也はコンビニに向かって歩き出した。

30分後、コンビニの前に着くと雅也は中に入り店員に声をかけた。

「すみません」

「はい」

「面接に来たんですが」

「少々お待ちください」

そう言って店員がその場を離れ奥に向かうと店員が近づいてきた。

「店長が来ますのでお待ちください」

「はい」

暫く待っていると店長が現れた。

「お待たせしました、どうぞ」

「はい」

店員と共に奥に向かい休憩室の中に入ると席に向かい合って座り面接を始めた。

30分後、面接を終えると雅也は店長にお辞儀をし休憩室を出るとコンビニを離れ自宅に帰った。

2日後、店長からスマホに連絡が入ると雅也は緊張しながらスマホを掴み通話ボタンを押した。

「もしもし」

「コンビニの店員、杉山です」

「はい」

「面接の返事で連絡をしました」

「はい」

「明日から出勤7時、お願いします」

「わかりました」

「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

会話を終えると雅也はスマホを切り喜んだ。

「レイ、明日から来てくれって」

「良かったな」

「レイが応援してくれたからありがとう」

「俺は何もしてない、雅也の実力だ」

会話後、見つめ合うと人間ゴーストのレイと雅也は互いの顔を近づけ唇を重ねた。

━翌日━

雅也がコンビニの仕事に出かけると人間ゴーストのレイは雅也を見守るためついていき仕事姿を見つめた。

その生活が続き2年後、弘子が雅也と人間ゴーストのレイが住むアパートの家に現れた。

「久しぶりだね」

「そうだな」

「今日、来たのはね、これを渡したくて来たの」

そう言って弘子は鞄の中から小さな箱を取り出し雅也に渡した。

「何だよこれ」

「開けてみて」

「……」

そう言われ雅也は小さな箱を開き2個の指輪に驚いた。

「指輪じゃないか」

「仕事が決まったお祝い」

「弘子、すぐ帰るのか?」

「指輪を渡したくて来ただけだからすぐ帰る」

「帰る前に俺とレイの指輪交換を見届けてくれ」

「わかった」

弘子が返事をすると雅也は箱から2個の指輪を取り出し箱をソファーに置くと人間ゴーストのレイを呼んだ。

「レイ」

「何だ」

人間ゴーストのレイが側に近づくと雅也が口を開いた。

「レイ、左手を出して」

「あぁ」

返事をし人間ゴーストのレイが左手を出すと雅也は薬指に指輪をはめ口を開いた。

「レイ、俺の左手の薬指に指輪をはめて」

そう言って指輪を人間ゴーストのレイに渡すと左手を差し出した。

雅也に言われた通り人間ゴーストのレイは差し出された左手の薬指に指輪をはめ口を開いた。

「これで良いのか?」

「あぁ」

「ゴーストと人間の夫婦、おめでとう」

手を叩きながら弘子が祝福すると雅也と人間ゴーストのレイは互いの顔を近づけ唇を重ねた。

その瞬間、人間ゴーストのレイの姿が黒猫ゴーストのレイに変身すると宙に浮いたまま雅也の唇にキスを続けた。

       完結
                                                                
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