ゴーストに恋した兄

福猫

文字の大きさ
上 下
8 / 10

第8話

しおりを挟む
その後、ハローワークにたどり着くと人間ゴーストのレイは中に入り雅也を探し始めた。

1時間、2時間、3時間、探しても雅也の姿はない。

「どこに行ったんだろ」

心配が増してきた人間ゴーストのレイはハローワークから離れいろんな所を歩きながら探し始めた。

その頃、雅也は知らない部屋のベッドで仰向けで眠っていた。

10分後、雅也は目を覚まし身体を起こした。

「……」

無言でキョロキョロ部屋を見つめていると2人の男が現れた。

「目が覚めたようだな」

「俺をどうするきですか?」

「何もしねぇから安心しな」

そう言って1人の男が口にするともう1人の男が薬を口に含み雅也の唇を奪いながら薬を飲ませた。

その後、雅也が気を失い眠りにつくと男はスマホで怜花に電話をかけた。

「もしもし俺だ」

「何」

男子トイレの中から電話に出ると男が口を開いた。

「お前に頼まれてた男、お前の家の部屋に運んでるから」

「手は出してないですよね」

「手は出してないが薬で眠らせてある」

「わかった、お金はタンスの一番上の引き出しの中に入れてある」

「わかった、じゃあな」

スマホを切り男はタンスの一番上の引き出しの中から袋を取り出し連れの男と共に部屋を出るとそのまま家を出て車で去っていった。

━ホストクラブ春夏秋冬━

「お待たせしました」

「電話、終わった?」

「はい」

優しい笑顔で返事をすると怜花は接客を始めた。

それから時間は過ぎホストクラブ春夏秋冬の閉店の時間になった。

怜花は急いで控え室に向かいタキシードから私服に着替えると自宅に向かった。

「あれは」

雅也を探しまわっていた人間ゴーストのレイは走っていく怜花を見かけあとをつけていった。 

それから暫くして怜花が家の中に入ると人間ゴーストのレイも家の中に入り怜花についていった。

そして人間ゴーストのレイはベッドで眠っている雅也に驚いた。

「雅也!」

「……」

人間ゴーストのレイの声に築かず怜花はベッドに近づき眠る雅也の姿を見つめた。

「ここなら邪魔が入らない」

「雅也に触れるな」

雅也の頬に触れる怜花の手を掴もうとするも掴めず人間ゴーストのレイは悔やんだ。

「何で掴めないんだ」

「雅也さん」

唇を奪い全裸になると怜花は雅也の上服を手首まで脱がせズボンも足首まで脱がせた。

その後、怜花は馬乗りになり雅也の肌に触れ始めた。

「雅也に触れるな、やめろ」

怜花の行動を止めようと身体を掴もうとする人間ゴーストのレイに築かず怜花は肌に触れながら唇を重ねた。

その時、雅也が目を覚まし怜花の唇が離れた。

「……」

驚いた顔で雅也が見つめると怜花が口を開いた。

「ここは俺の部屋だから誰も来ないだからゆっくり愛し合える」

そう言って怜花は嫌がる雅也の身体を奪い始めた。

「やめて…やめて…」

「……」

何度も口にする雅也の声に人間ゴーストのレイは力を込めながら怜花の身体を突き飛ばすと怜花はベッドから落ち倒れた。

その光景を見て人間ゴーストのレイは雅也をお姫様抱っこしその場から逃げ出すと竹林に向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ゴーストキャット

福猫
BL
ゴーストキャットとなった猫達が人間の力を借りながら敵と戦いマタタビを探す話。 果たしてゴーストキャットはマタタビを手に入れ人間になれるのか…。

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

【完結】I adore you

ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。 そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。 ※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

合鍵

茉莉花 香乃
BL
高校から好きだった太一に告白されて恋人になった。鍵も渡されたけれど、僕は見てしまった。太一の部屋から出て行く女の人を…… 他サイトにも公開しています

僕はお別れしたつもりでした

まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!! 親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。 ⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。 大晦日あたりに出そうと思ったお話です。

処理中です...