ゴーストに恋した兄

福猫

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第6話

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━喫茶店━

2人用の席に向かい合って弘子と怜花は椅子に座りコーヒーを頼んだ。

その後、コーヒーが来ると弘子が口を開いた。

「お兄ちゃんのことで聞きたいことって何ですか?」

問いかけ後、弘子がコーヒーを飲むと怜花が口を開いた。

「お兄さんの家の場所が知りたいんですが」

「知ってどうするの?」

「お礼がしたくて」

「お礼?」

「野々山雅也さんはいじめられていた俺を助けてくれたんです、だからお礼がしたくて」

「紙とペンありますか?」

「スマホに打ちこんでください」

「わかりました」

怜花からスマホを受け取ると弘子はアパートの住所を打ちこみその後、スマホを怜花に返した。

そして弘子が怜花から離れ喫茶店を出ていくと怜花も席を立ち2人分のお金を支払い喫茶店を出た。  

「これで雅也さんは俺のものになる」

そう言って怜花は嬉しそうな顔で歩き出し喫茶店から離れていった。

その頃、黒猫のゴーストに戻ったレイは竹林で空を眺めていた。

「俺はゴーストしかも黒猫、雅也を守りたくても守れない…黒猫でゴーストじゃなかったら守れるのに」

空を眺めながら黒猫の目に涙が流れると上空から光が現れ黒猫の身体を包み込んだ。

その後、黒猫ゴーストのレイは黒い髪に黒い瞳、黒い私服姿の人間ゴーストのレイに変身した。

「人間になってもゴーストはゴースト、そりゃそうか死んでんだもんな…雅也が心配してるかもしれないから帰るか」

そう言って人間ゴーストのレイが竹林を歩く頃、雅也はホストクラブの店がたくさんある道でスカウトされていた。

「まだ仕事が決まってないならホストクラブで働いてみませんか?」

「すみません、俺は」

「ホスト興味ないですか?」

「ホストってかっこいい人しかなれないから俺は…」

「わかりました」

「……」

諦めてくれたそう思って雅也が歩き出そうとしたその時、スカウトマンが口を開いた。

「一度、経験してみませんか?」

「……」

「一度、経験してもし苦手だったら諦めます」

「……わかりました」

「ありがとう」

お礼後、スカウトマンは雅也をホストクラブ春夏秋冬の店に連れていった。

5分後、ホストクラブ春夏秋冬の前に着いた。

その後、雅也はスカウトマンにオーナー室に案内されオーナーに会った。

「オーナー、お願いします」

そう言ってスカウトマンがオーナー室を出ていくと椅子に座ったまま背を向けているオーナーが椅子ごと振り返り口を開いた。

「どうぞ座って」

「はい」

雅也がソファーに座ると椅子から立ち上がりオーナーもソファーに向かい合って座った。

「一度、経験して働くか働かないかを決めると」

「はい」

「わかりました、今日1日、体験してみてください」

「良いんですか?」

「ムリヤリ働かせる人もいるけど俺はそういう人、嫌いですだから無理に決めなくて良いですからね」

「はい」

その後、雅也はタキシード姿になり緊張しながら接客を始めた。

ソファーに座りながら「彼ならNo.1になれると思うけど…」とオーナーが口にしたその時、怜花が現れた。
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