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第2話
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「雅也に俺のこと伝えるかい」
「お兄ちゃんに伝えてもお兄ちゃんはあなたのこと見えない」
「君に頼みがある」
「弘子」
「え?」
「私の名前、それで頼みって何」
「のら猫の俺に餌をくれていた場所に来てくれと伝えてほしいんだ」
「わかった」
「ありがとう」
廃墟倉庫から出ていく弘子を見送ると人間姿の黒猫ゴーストはその場から消えた。
━マンションー
スーパーで買った食材をキッチンで2人分の料理を作りダイニングのテーブルに運んでいると弘子が慌てて現れた。
「お兄ちゃん…はぁはぁはぁ…」
「大丈夫か?」
「今すぐお兄ちゃんがのら猫に餌をあげていた場所に行って」
「何で」
「良いから、早く」
雅也の背中を押しダイニングから離れさせると玄関に向かわせた。
「弘子」
「行ってらっしゃい」
「……」
靴を履き玄関のドアを開き外に出ると雅也はドアを閉め歩き出した。
━竹林━
雅也が来るのを待ちながら人間姿の黒猫ゴーストは空を見つめながら口を開いた。
「雅也が俺の姿、見えますように…神様」
人間姿の黒猫ゴーストが口にしたその時、雅也が現れた。
「レイ、居るのか?」
黒猫の名を呼ぶ雅也の前に人間姿の黒猫ゴーストが現れた。
「雅也」
「誰?」
「俺の姿が見えてるのか」
「俺をここに呼び出したのはあなたですか?」
「そうだよ雅也」
「どうして俺の名前を」
驚いた顔で雅也が人間姿の黒猫ゴーストが口を開いた。
「今は人間だけど俺は黒猫のレイ、幼い頃、雅也が餌を与えていたのら猫の黒猫レイだよ」
「帰ります」
ふざけてるそう思った雅也はレイに背中を向け歩き出した。
「雅也、行かないで」
そう言って人間姿のレイが雅也を追いかけ手首を掴むと雅也が仰向けで倒れ人間姿のレイも倒れると雅也に覆い被さった。
お互い無言で見つめ合うと人間姿のレイが口を開いた。
「食パンをくれたあの日、俺は交通事故にあい死んだ…そんなことを知らない雅也が毎日ここに来る姿を見ていて悲しかった」
「本当に黒猫のレイなのか」
「証拠を見せるね」
そう言って人間姿の黒猫ゴーストが雅也から離れ立つと身体を起こしながら見つめる雅也の目の前で人間姿から黒猫に変身した。
雅也は黒猫を抱っこし抱きしめると涙を流しながら「レイ」と言って再会を喜んだ。
「雅也…」
「会いたかったレイ」
「雅也…俺も会いたかった」
「……」
黒猫との再会を喜ぶと雅也は黒猫のレイを地べたにおろし口を開いた。
「レイ、一緒に暮らそう」
「嬉しいけど俺はゴーストだ、一緒には暮らせない」
「せっかく再会できたのに」
「雅也に会えて嬉しかった、これで成仏できる」
そう言って黒猫のレイが悲しむ雅也の頬にキスをしたその時、上空が光を照らし雅也が気を失い倒れると神様が舞い降りた。
「お兄ちゃんに伝えてもお兄ちゃんはあなたのこと見えない」
「君に頼みがある」
「弘子」
「え?」
「私の名前、それで頼みって何」
「のら猫の俺に餌をくれていた場所に来てくれと伝えてほしいんだ」
「わかった」
「ありがとう」
廃墟倉庫から出ていく弘子を見送ると人間姿の黒猫ゴーストはその場から消えた。
━マンションー
スーパーで買った食材をキッチンで2人分の料理を作りダイニングのテーブルに運んでいると弘子が慌てて現れた。
「お兄ちゃん…はぁはぁはぁ…」
「大丈夫か?」
「今すぐお兄ちゃんがのら猫に餌をあげていた場所に行って」
「何で」
「良いから、早く」
雅也の背中を押しダイニングから離れさせると玄関に向かわせた。
「弘子」
「行ってらっしゃい」
「……」
靴を履き玄関のドアを開き外に出ると雅也はドアを閉め歩き出した。
━竹林━
雅也が来るのを待ちながら人間姿の黒猫ゴーストは空を見つめながら口を開いた。
「雅也が俺の姿、見えますように…神様」
人間姿の黒猫ゴーストが口にしたその時、雅也が現れた。
「レイ、居るのか?」
黒猫の名を呼ぶ雅也の前に人間姿の黒猫ゴーストが現れた。
「雅也」
「誰?」
「俺の姿が見えてるのか」
「俺をここに呼び出したのはあなたですか?」
「そうだよ雅也」
「どうして俺の名前を」
驚いた顔で雅也が人間姿の黒猫ゴーストが口を開いた。
「今は人間だけど俺は黒猫のレイ、幼い頃、雅也が餌を与えていたのら猫の黒猫レイだよ」
「帰ります」
ふざけてるそう思った雅也はレイに背中を向け歩き出した。
「雅也、行かないで」
そう言って人間姿のレイが雅也を追いかけ手首を掴むと雅也が仰向けで倒れ人間姿のレイも倒れると雅也に覆い被さった。
お互い無言で見つめ合うと人間姿のレイが口を開いた。
「食パンをくれたあの日、俺は交通事故にあい死んだ…そんなことを知らない雅也が毎日ここに来る姿を見ていて悲しかった」
「本当に黒猫のレイなのか」
「証拠を見せるね」
そう言って人間姿の黒猫ゴーストが雅也から離れ立つと身体を起こしながら見つめる雅也の目の前で人間姿から黒猫に変身した。
雅也は黒猫を抱っこし抱きしめると涙を流しながら「レイ」と言って再会を喜んだ。
「雅也…」
「会いたかったレイ」
「雅也…俺も会いたかった」
「……」
黒猫との再会を喜ぶと雅也は黒猫のレイを地べたにおろし口を開いた。
「レイ、一緒に暮らそう」
「嬉しいけど俺はゴーストだ、一緒には暮らせない」
「せっかく再会できたのに」
「雅也に会えて嬉しかった、これで成仏できる」
そう言って黒猫のレイが悲しむ雅也の頬にキスをしたその時、上空が光を照らし雅也が気を失い倒れると神様が舞い降りた。
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