月の神

福猫

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第3話

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ー阿部家ー

少し黄色みがある乳白色のムーンストーンに助けられた直は自分の部屋のベッドで眠っていた。

宙に浮いたままムーンストーンは眠る直に月の神、ムーンの記憶を見せた。

「……」

目を覚ました直は身体を起こしベッドから離れ宙に浮いているムーンストーンを掴み見つめながら「俺は月の神、ムーンの生まれ変わり…」と口にしたその時、腰まで長い銀の髪に銀の瞳に銀のロング服姿の女性、ムーンが現れた。

「え!」

直は驚いた顔で見つめた。

ムーンは直を見つめながら口を開いた。

「黒い月の神、コクは強い力を求めてた、だから私は月と黒い月を絶滅させた」

「それが繰り返される」

「わからないけど」

「真島さんが…」

「阿部直さん」

「はい」

返事後、直とムーンは見つめ合った。

ムーンは直を抱きしめ「あなたに会えて良かった」と言ってムーンは姿を消した。

直はネックレスに変身したムーンストーンを身につけ制服のまま学校に向かった。

その頃、学校ではブラックムーンストーンのネックレスを身につけた貴司に全生徒達と全先生達は支配されていた。

貴司は体育館に全先生達を呼び集め口を開いた。

「阿部直が持っているムーンストーンを奪って俺の元に持って来い、阿部直は傷つけるなよ」

「わかりました」

「話は終わりだ、仕事に戻れ」

「……」

お辞儀をすると全先生達は体育館を出ていった。

1人になった貴司はブラックムーンストーンの力を発動させた。

その後、貴司の姿が腰まで長い黒い髪に黒い瞳に黒いロング服姿に変身した。

「俺の中に黒い月の神、コクが入っている、コクが手に入れられなかった力を俺が手に入れてやる」

口にしたその時、体育館のドアが開き貴司は振り返り見つめた。

「入って来い」

なかなか入ってこない者に向かって貴司が声をかけるとネックレスのムーンストーンを身につけた直が現れ中に入った。

その後、直は貴司に近づき120cmの距離で立ち止まった。

直は貴司に向かって口を開いた。

「先生達や生徒達に何をしたんですか」

「何も」

「真島さん」

「月の神、ムーンの記憶を思い出したか?」

「真島さん、俺はあなたを助けたい」

「俺を助ける?」

そう口にすると貴司は45cmまで直に近づき口を開いた。

「どうやって俺を助けるのか言ってみろ」

「……」

直は無言で貴司を抱きしめた。

にこやかな顔で貴司が「俺、襲っちゃうよ」と口にすると直が貴司の中に居る黒い月の神、コクに向かって口を開いた。

「真島さんはあなたと違います、ムーンストーンが欲しいなら真島さんに頼まずあなたが奪いに来ればいい」

「……」

直の言葉に貴司の中に居るコクは反応し姿を現した。

直は貴司から離れ見つめた。

貴司の腰まで長い黒い髪が短い黒い髪に戻り黒いロング服も制服に戻った。

「……」

「真島さん」

無言で見つめる貴司に直は声をかけた。

「……」

貴司は無言で仰向けで倒れた。

「真島さん!」

直が驚いた顔で見つめると腰まで長い黒い髪に黒い瞳に黒いロング服姿の黒い月の神、コクが口を開いた。

「気を失っているだけだから心配するな」

そう口にするとコクは直を抱き寄せ口を開いた。

「お前の言う通り」

「……」

「ムーンストーンとお前をものにしてやる」

そう口にするとコクは直を抱き寄せながら唇を奪った。

その後、直の首に身につけている少し黄色みがある乳白色のムーンストーンが少し黄色みがある乳白色と黒のムーンストーンに変わった。

「……」

「……」

コクは唇を離し抵抗しない直の身体を倒し身体を奪いコクは幽霊から生き返った。
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