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第1話
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茶色の髪に黒の服に赤のチョッキを着たアルが草原で仰向けで寝ていると紫の髪に白と黒のワンピースを着た女性、ヘレンが現れた。
「アル、ジルさんが探してたわよ」
「すぐ行くよ」
「ちゃんと行きなさいよ」
「ヘレン、どこかに行くのか?」
身体を起こしながらアルが見つめるとヘレンが口を開いた。
「ルシカさんと買い物に行くの」
ヘレンは嬉しそうな顔で草原を走っていった。
その頃、茶色の髪に茶色の服を着たアルの父、ジルは軍服姿のリークスと家の前で話をしていた。
そこへアルが戻ってきた。
「親父」
「やっと戻ってきたか」
「それでは俺は」
「息子に行かせます」
「わかりました」
ジルから目線をアルに向けるとリークスは微笑みながら歩いていった。
「何だアイツ」
アルは歩いていくリークスの後ろ姿を見つめた。
「アル」
ジルが声をかけるとアルはジルに目線を向け「何だよ」と返事をした。
「この家に行きなさい」
紙を差し出しながらジルが口にするとアルは紙を受け取り見た。
「この家に行って何するんだ?」
「白水晶を探して持ち帰るんだ」
「白水晶?」
「わかったな」
ジルが家の中に入るとアルは紙に書かれた倉庫に向かって歩き出した。
5時間後、アルは倉庫の前に着き立ち止まった。
「ここだな」
紙をズボンのポケットの中に入れアルはドアを開き中に入った。
その後、アルは白水晶を探し始めた。
「無いな、本当にここにあるのか」
物を退かしながらアルが探していると青い髪に足首まで長い白い服に黒いマントを羽織ったルリが現れアルに声をかけた。
「人の家で何をしている」
「……」
手を止めアルはルリに目線を向け「白水晶を探してんだけど知らないかな」と問いかけた。
「ここは俺の家だ出ていけ」
「白水晶を見つけたら出ていくよ」
再びアルが探し始めるとルリは腰に身に付けている剣を掴み突きつけた。
「出ていかないとお前を斬る」
「……あった…」
白水晶を見つけたアルは白水晶を掴み振り返り口を開いた。
「これ貰っていくよ」
「それは大事なもの持っていかせるわけにはいかない」
剣をアルに突きつけながらルリが口にしたその時、倉庫が崩れルリとアルは謎の攻撃を受け倒れた。
「素直にアルに渡せば良いのに」
軍服姿のリークスが現れるとルリは剣を地面に突きつけながら立ち上がり口を開いた。
「やはりお前の仕業かリークス」
「普通の男ならルリにばれずに白水晶を持ち出せると思ったけど甘かったな」
「白水晶はお前に渡さない、ここから出ていけ」
剣を突きつけながらルリが口にするとジルが現れ気を失っているアルの手から白水晶を掴み声をかけた。
「リークス、手に入れたぞ」
「……」
驚きルリがジルに目線を向けるとリークスが「白水晶、頂いていくぞ」と言って左右の手を叩きリークスとジルはその場から姿を消した。
「……」
目を覚まし身体を起こしたアルは手から白水晶が無くなっていることに驚いた。
「白水晶が無くなってる、あんたが取ったのか?」
アルは立ち上がり崩れている倉庫に驚いた。
「何だよこれ」
「倉庫を崩したのも白水晶を奪ったのもコイツら」
ルリが魔法でリークスとジルの姿を映し出すとアルはリークスとジルに驚いた。
「親父!それに親父と一緒にいた奴」
「お前の手から白水晶を奪ったのはお前が親父という男だ」
「何で親父が」
「お前の親父はリークスに操られてるだけだ、操られいる心を浄化すれば元に戻る」
「本当か?」
「今からイルという男に会いに行く」
「俺もついていって良いかな?」
「俺の名はルリ、よろしく」
「俺はアル、よろしく」
互いの自己紹介を終えルリとアルはイルの家に向かって歩き始めた。
その頃、白水晶を手に入れたリークスとジルはリークスが作った森の中で白水晶の力を確かめていた。
「白水晶よ、俺に力を授けるのだ」
宙に浮いている白水晶に向かってリークスが声をかけると白水晶は反応せず。
「反応しないな」
ジルが口にするとリークスは笑みを浮かべた。
ルリとアルが道を歩き続けて10時間後、イルの家の前に着いた。
ルリはドアに近づきノックした。
「イル、俺だ、ルリだ」
ルリがドアから少し離れるとドアが開きモリオンという黒水晶のネックレスを身につけた髪がピンクで足首まで長い黄色い服を着たイルが現れた。
「久しぶりだな」
「イル、お前に頼みがあって来た」
「頼みってそちらの男性のお父様かな」
「言ってないのにどうしてわかったんですか?」
アルが問いかけると黒水晶を使ってイルが口を開いた。
「あなたの名前はアル、お父様はジル、お母様はルシカ、お父様はリークスに操られ白水晶を奪った」
「凄い…」
驚いた顔でアルが見つめるとイルは微笑みから険しい顔になりルリに向かって口を開いた。
「リークスが白水晶の力を奪おうとしている」
「リークスの居場所わからないか?」
「今、調べる」
目を閉じイルは黒水晶を通してリークスの姿を探し始めた。
30秒後、目を開きイルが口を開いた。
「ここから1時間くらい歩いた森の中にリークスとジルがいる」
「イル、案内頼めるか」
「2人ともついてこい」
イルが先頭で歩き出すとルリとアルも歩きだしイルについていった。
その頃、リークスは反応しない白水晶にイライラしていた。
「魔法で白水晶の力を奪ったら?」
「それ良いかもな」
リークスは宙に浮いている白水晶を掴み魔法で白水晶の力を奪い始めた。
30秒後、白水晶の力を全て奪ったリークスは手を離し白水晶は落ちた。
「ジル、手から白水晶の力を感じるよ」
「良かったな」
「この力、確かめたい」
リークスが口にしたその時、イルとルリとアルが現れた。
「遅かったか」
落ちている白水晶を見つめながらイルが口にするとリークスが口を開いた。
「ルリ、何のようかな」
「白水晶とアルの父、ジルを救いに来たんだ」
「白水晶の力を手に入れて力を確かめたいと思っていた、ルリ、お前で確かめてやる」
右手に力を込め白い剣を出現させるとリークスは掴み構えた。
「……」
腰に身につけている剣をルリも掴み構えた。
「……」
「……」
リークスとルリは見つめ合いリークスが少し動くと戦いが始まった。
「ルリ…」
心配そうな顔でイルがリークスとルリの戦いを見つめているとアルがジルの身体に触れながら「親父、元に戻ってくれ」と声をかけた。
「うるさい」
ジルはアルを突き倒した。
アルは身体を起こし「親父…」と言って悲しみ涙を流した。
ジルはアルの胸ぐらを掴み立たせ「男の癖に泣いてるのか」と口にしながら首を絞めるとアルは苦しみだした。
「やめなさい」
イルが声をかけるとジルは手を離しアルは倒れた。
ジルはイルに目線を向け口を開いた。
「俺はリークスみたいに魔法が使えない拳で良いかな」
「……」
ジルの言葉をイルは無視しながら黒水晶の力を左右の手に集め始めた。
「何してんだ?」
「……」
ジルの言葉を再び無視しながらイルは左右の手から黒い煙を出現させその煙をジルに向かって放った。
放たれた黒い煙はジルの身体にまとわりつきジルは黒い煙によって浄化されうつ伏せで倒れた。
黒い煙は消えイルはジルに近づき身体に触れた。
「浄化された、ジルさんは元に戻った」
「……」
ジルが身体を起こすとイルが口を開いた。
「息子さんの側にいてあげてください」
「アル!」
イルから目線をアルに向けるとジルはアルに近づき身体を抱き起こした。
その頃、リークスとルリは魔法と魔法をぶつけ合っていた。
イルはリークスに目線を向け左右の手から黒い煙を出現させるとリークスに向かって放った。
放たれた黒い煙はリークスの身体にまとわりつきリークスは戦いをやめ手で黒い煙を払い始めた。
「何だこれは」
「イル」
ルリが近づくとイルが口を開いた。
「ジルは無事に浄化され元に戻りアルの側にいる」
「そうか、助かって良かった」
「何で煙が離れないんだ」
リークスがもがいているとイルは白水晶に力を与え自分の方に近づけた。
白水晶を掴みイルはアルに声をかけた。
「アル、動けるか」
「動ける」
ジルに身体を支えて貰いながらアルは立ち上がりイルに近づいた。
「白水晶に口づけをしそのままリークスにキスをしろ」
「え?…何で俺が」
「白水晶が言っている、早くしろ」
「わかったよ」
アルは白水晶に口づけをしそのままリークスに近づいた。
「……」
リークスが見つめるとアルが口を開いた。
「言われたからするだけだからな」
「何を言っている」
「……」
アルはリークスに顔を近づけ唇を重ねた。
「……」
「……」
アルが唇を離すとリークスの身体の中に黒い煙と白水晶の力が入りリークスは浄化され倒れた。
「もしかして俺が命を奪った?」
アルが目線を向けるとイルが口を開いた。
「浄化されて気を失っているだけだ、すぐに目を覚ます」
「良かった」
「アル」
「何だ」
ルリに呼ばれアルがイルから目線をそらすとルリはアルに顔を近づけ唇を重ねた。
「……」
「……」
イルとジルは驚きで言葉を失った。
「……」
「……」
ルリが唇を離すとアルは驚いた顔で見つめた。
「何だ」
「別に」
アルが目線をそらすとルリはイルから白水晶を受け取り口を開いた。
「イル、リークスのこと頼むな」
「あぁ」
「アル、新しい倉庫ができたら遊びに来い」
アルに声をかけるとルリは歩いてその場を離れていった。
「アル、俺達も家に帰ろうか」
「そうだな」
「リークスのことお願いします」
「……」
無言でイルが頷くとアルとジルも歩きだしその場を離れていった。
イルはリークスの家でリークスの世話をし続けた。
戦いの出来事から2ヶ月後、アルは草原で寝ながら空を見つめていた。
そこへルリが現れた。
「久しぶりだな」
アルに近づきルリが座るとアルは身体を起こし声をかけた。
「倉庫、できたのか?」
「あぁ、だからお前を誘いに来た」
「見に行くか」
「アル」
「……」
無言でアルが目線を向けるとルリは唇を重ねた。
その光景をヘレンが見つめていた。
アルとルリは立ち上がりヘレンに目線を向けた。
「ヘレン」
「どこか行くの?」
「ルリの新しい倉庫を見に行くんだ」
「私も行って良い?」
「良いですよ」
「……」
アルが歩き出すとヘレンとルリはアルに近づきヘレンは右側、アルは真ん中、ルリは左側、並んで歩きルリの倉庫に向かった。
こうしてアルをめぐってヘレンとルリ、女と男の恋バトルが始まった。
完結
「アル、ジルさんが探してたわよ」
「すぐ行くよ」
「ちゃんと行きなさいよ」
「ヘレン、どこかに行くのか?」
身体を起こしながらアルが見つめるとヘレンが口を開いた。
「ルシカさんと買い物に行くの」
ヘレンは嬉しそうな顔で草原を走っていった。
その頃、茶色の髪に茶色の服を着たアルの父、ジルは軍服姿のリークスと家の前で話をしていた。
そこへアルが戻ってきた。
「親父」
「やっと戻ってきたか」
「それでは俺は」
「息子に行かせます」
「わかりました」
ジルから目線をアルに向けるとリークスは微笑みながら歩いていった。
「何だアイツ」
アルは歩いていくリークスの後ろ姿を見つめた。
「アル」
ジルが声をかけるとアルはジルに目線を向け「何だよ」と返事をした。
「この家に行きなさい」
紙を差し出しながらジルが口にするとアルは紙を受け取り見た。
「この家に行って何するんだ?」
「白水晶を探して持ち帰るんだ」
「白水晶?」
「わかったな」
ジルが家の中に入るとアルは紙に書かれた倉庫に向かって歩き出した。
5時間後、アルは倉庫の前に着き立ち止まった。
「ここだな」
紙をズボンのポケットの中に入れアルはドアを開き中に入った。
その後、アルは白水晶を探し始めた。
「無いな、本当にここにあるのか」
物を退かしながらアルが探していると青い髪に足首まで長い白い服に黒いマントを羽織ったルリが現れアルに声をかけた。
「人の家で何をしている」
「……」
手を止めアルはルリに目線を向け「白水晶を探してんだけど知らないかな」と問いかけた。
「ここは俺の家だ出ていけ」
「白水晶を見つけたら出ていくよ」
再びアルが探し始めるとルリは腰に身に付けている剣を掴み突きつけた。
「出ていかないとお前を斬る」
「……あった…」
白水晶を見つけたアルは白水晶を掴み振り返り口を開いた。
「これ貰っていくよ」
「それは大事なもの持っていかせるわけにはいかない」
剣をアルに突きつけながらルリが口にしたその時、倉庫が崩れルリとアルは謎の攻撃を受け倒れた。
「素直にアルに渡せば良いのに」
軍服姿のリークスが現れるとルリは剣を地面に突きつけながら立ち上がり口を開いた。
「やはりお前の仕業かリークス」
「普通の男ならルリにばれずに白水晶を持ち出せると思ったけど甘かったな」
「白水晶はお前に渡さない、ここから出ていけ」
剣を突きつけながらルリが口にするとジルが現れ気を失っているアルの手から白水晶を掴み声をかけた。
「リークス、手に入れたぞ」
「……」
驚きルリがジルに目線を向けるとリークスが「白水晶、頂いていくぞ」と言って左右の手を叩きリークスとジルはその場から姿を消した。
「……」
目を覚まし身体を起こしたアルは手から白水晶が無くなっていることに驚いた。
「白水晶が無くなってる、あんたが取ったのか?」
アルは立ち上がり崩れている倉庫に驚いた。
「何だよこれ」
「倉庫を崩したのも白水晶を奪ったのもコイツら」
ルリが魔法でリークスとジルの姿を映し出すとアルはリークスとジルに驚いた。
「親父!それに親父と一緒にいた奴」
「お前の手から白水晶を奪ったのはお前が親父という男だ」
「何で親父が」
「お前の親父はリークスに操られてるだけだ、操られいる心を浄化すれば元に戻る」
「本当か?」
「今からイルという男に会いに行く」
「俺もついていって良いかな?」
「俺の名はルリ、よろしく」
「俺はアル、よろしく」
互いの自己紹介を終えルリとアルはイルの家に向かって歩き始めた。
その頃、白水晶を手に入れたリークスとジルはリークスが作った森の中で白水晶の力を確かめていた。
「白水晶よ、俺に力を授けるのだ」
宙に浮いている白水晶に向かってリークスが声をかけると白水晶は反応せず。
「反応しないな」
ジルが口にするとリークスは笑みを浮かべた。
ルリとアルが道を歩き続けて10時間後、イルの家の前に着いた。
ルリはドアに近づきノックした。
「イル、俺だ、ルリだ」
ルリがドアから少し離れるとドアが開きモリオンという黒水晶のネックレスを身につけた髪がピンクで足首まで長い黄色い服を着たイルが現れた。
「久しぶりだな」
「イル、お前に頼みがあって来た」
「頼みってそちらの男性のお父様かな」
「言ってないのにどうしてわかったんですか?」
アルが問いかけると黒水晶を使ってイルが口を開いた。
「あなたの名前はアル、お父様はジル、お母様はルシカ、お父様はリークスに操られ白水晶を奪った」
「凄い…」
驚いた顔でアルが見つめるとイルは微笑みから険しい顔になりルリに向かって口を開いた。
「リークスが白水晶の力を奪おうとしている」
「リークスの居場所わからないか?」
「今、調べる」
目を閉じイルは黒水晶を通してリークスの姿を探し始めた。
30秒後、目を開きイルが口を開いた。
「ここから1時間くらい歩いた森の中にリークスとジルがいる」
「イル、案内頼めるか」
「2人ともついてこい」
イルが先頭で歩き出すとルリとアルも歩きだしイルについていった。
その頃、リークスは反応しない白水晶にイライラしていた。
「魔法で白水晶の力を奪ったら?」
「それ良いかもな」
リークスは宙に浮いている白水晶を掴み魔法で白水晶の力を奪い始めた。
30秒後、白水晶の力を全て奪ったリークスは手を離し白水晶は落ちた。
「ジル、手から白水晶の力を感じるよ」
「良かったな」
「この力、確かめたい」
リークスが口にしたその時、イルとルリとアルが現れた。
「遅かったか」
落ちている白水晶を見つめながらイルが口にするとリークスが口を開いた。
「ルリ、何のようかな」
「白水晶とアルの父、ジルを救いに来たんだ」
「白水晶の力を手に入れて力を確かめたいと思っていた、ルリ、お前で確かめてやる」
右手に力を込め白い剣を出現させるとリークスは掴み構えた。
「……」
腰に身につけている剣をルリも掴み構えた。
「……」
「……」
リークスとルリは見つめ合いリークスが少し動くと戦いが始まった。
「ルリ…」
心配そうな顔でイルがリークスとルリの戦いを見つめているとアルがジルの身体に触れながら「親父、元に戻ってくれ」と声をかけた。
「うるさい」
ジルはアルを突き倒した。
アルは身体を起こし「親父…」と言って悲しみ涙を流した。
ジルはアルの胸ぐらを掴み立たせ「男の癖に泣いてるのか」と口にしながら首を絞めるとアルは苦しみだした。
「やめなさい」
イルが声をかけるとジルは手を離しアルは倒れた。
ジルはイルに目線を向け口を開いた。
「俺はリークスみたいに魔法が使えない拳で良いかな」
「……」
ジルの言葉をイルは無視しながら黒水晶の力を左右の手に集め始めた。
「何してんだ?」
「……」
ジルの言葉を再び無視しながらイルは左右の手から黒い煙を出現させその煙をジルに向かって放った。
放たれた黒い煙はジルの身体にまとわりつきジルは黒い煙によって浄化されうつ伏せで倒れた。
黒い煙は消えイルはジルに近づき身体に触れた。
「浄化された、ジルさんは元に戻った」
「……」
ジルが身体を起こすとイルが口を開いた。
「息子さんの側にいてあげてください」
「アル!」
イルから目線をアルに向けるとジルはアルに近づき身体を抱き起こした。
その頃、リークスとルリは魔法と魔法をぶつけ合っていた。
イルはリークスに目線を向け左右の手から黒い煙を出現させるとリークスに向かって放った。
放たれた黒い煙はリークスの身体にまとわりつきリークスは戦いをやめ手で黒い煙を払い始めた。
「何だこれは」
「イル」
ルリが近づくとイルが口を開いた。
「ジルは無事に浄化され元に戻りアルの側にいる」
「そうか、助かって良かった」
「何で煙が離れないんだ」
リークスがもがいているとイルは白水晶に力を与え自分の方に近づけた。
白水晶を掴みイルはアルに声をかけた。
「アル、動けるか」
「動ける」
ジルに身体を支えて貰いながらアルは立ち上がりイルに近づいた。
「白水晶に口づけをしそのままリークスにキスをしろ」
「え?…何で俺が」
「白水晶が言っている、早くしろ」
「わかったよ」
アルは白水晶に口づけをしそのままリークスに近づいた。
「……」
リークスが見つめるとアルが口を開いた。
「言われたからするだけだからな」
「何を言っている」
「……」
アルはリークスに顔を近づけ唇を重ねた。
「……」
「……」
アルが唇を離すとリークスの身体の中に黒い煙と白水晶の力が入りリークスは浄化され倒れた。
「もしかして俺が命を奪った?」
アルが目線を向けるとイルが口を開いた。
「浄化されて気を失っているだけだ、すぐに目を覚ます」
「良かった」
「アル」
「何だ」
ルリに呼ばれアルがイルから目線をそらすとルリはアルに顔を近づけ唇を重ねた。
「……」
「……」
イルとジルは驚きで言葉を失った。
「……」
「……」
ルリが唇を離すとアルは驚いた顔で見つめた。
「何だ」
「別に」
アルが目線をそらすとルリはイルから白水晶を受け取り口を開いた。
「イル、リークスのこと頼むな」
「あぁ」
「アル、新しい倉庫ができたら遊びに来い」
アルに声をかけるとルリは歩いてその場を離れていった。
「アル、俺達も家に帰ろうか」
「そうだな」
「リークスのことお願いします」
「……」
無言でイルが頷くとアルとジルも歩きだしその場を離れていった。
イルはリークスの家でリークスの世話をし続けた。
戦いの出来事から2ヶ月後、アルは草原で寝ながら空を見つめていた。
そこへルリが現れた。
「久しぶりだな」
アルに近づきルリが座るとアルは身体を起こし声をかけた。
「倉庫、できたのか?」
「あぁ、だからお前を誘いに来た」
「見に行くか」
「アル」
「……」
無言でアルが目線を向けるとルリは唇を重ねた。
その光景をヘレンが見つめていた。
アルとルリは立ち上がりヘレンに目線を向けた。
「ヘレン」
「どこか行くの?」
「ルリの新しい倉庫を見に行くんだ」
「私も行って良い?」
「良いですよ」
「……」
アルが歩き出すとヘレンとルリはアルに近づきヘレンは右側、アルは真ん中、ルリは左側、並んで歩きルリの倉庫に向かった。
こうしてアルをめぐってヘレンとルリ、女と男の恋バトルが始まった。
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