龍神の花嫁

最終話

「……」

倒れている龍達と亮輔と藤乃に目を向けると亮太は右手を向け力を送った。

その後、右手を降ろすと亮太は目線を暴走している金龍に向けた。

「金龍…」

名を口にすると亮太の背中に金の羽が生え亮太は金龍の元に向かった。

その光景を亮輔と藤乃と龍の金銀龍と黒龍と白龍と赤龍と青龍は心配そうな顔で見つめた。

「金龍、止めろ」

「……」

炎を放つのを止めると金龍は振り向き亮太に目を向けた。

「…亮…太…」

「金龍が放った炎のせいで龍達の村がめちゃくちゃだ」

「……」

亮太に言われキョロキョロしながらまわりを見た金龍は炎に包まれている龍達の村にに驚いた。

「俺の炎で村が…」

「炎は俺が消すから心配するな」

そう言って亮太は龍達の元に向かい降り立つと口を開いた。

「青龍、水を放つことできるよね」

「あぁ」

「兄貴、杖かして」

そう言って亮輔から杖を受けとると亮太は青龍の背中に乗り口を開いた。

「青龍、炎を消しに行こう」

「わかった」

返事をし上空を飛ぶと動きながら青龍は口から水を放ち炎を消すと亮太は杖を使って水を放ち炎を消した。

2時間後、完全に炎が消えると青龍と亮太と金龍は龍達の元に向かい降り立った。

「金龍、お前」

怒った口調で白龍が口にすると亮太が口を開いた。

「金龍が暴走したのは俺が海賊に連れ去られたせいだ、金龍は悪くない、攻めるなら俺を攻めてくれ」

「亮太は悪くない、悪いのは俺だ」

「金龍は悪くない」

庇いあう金龍と亮太の姿を見て白龍が口を開いた。

「どっちも悪くない、悪いのは海賊」

白龍が口にした後、亮輔が口を開いた。

「亮太も杖が使えるなら、俺と亮太が力を合わせれば荒れた龍達の村を元通りにできるんじゃないかな」

「兄貴、やってみようぜ」

そう言って杖を握ったまま亮太が見つめると亮輔も亮太が握っている杖を握り口を開いた。

「亮太、目を閉じて気を集中するんだ」

「わかった」

返事後、亮太と亮輔は目を閉じ気を集中し始めた。

30秒後、亮太と亮輔の身体から金龍と金銀龍の力、金と金銀のオーラが現れると荒れた龍達の村を元の村に戻り始めた。

藤乃を背中に乗せ黒龍が上空を飛ぶと白龍と赤龍と青龍と金龍と金銀龍も上空を飛び元に戻っていく龍達の村に驚いた。

「村が元に戻っていく」

「良かったね、黒龍」

「あぁ」

藤乃の言葉に黒龍が返事をすると杖を掴んだまま亮太が仰向けで倒れ亮輔も仰向けで倒れた。

「亮太！」

「亮輔！」

金龍と金銀龍は降り立ち人間の金龍と金銀龍に変身すると亮太と亮輔に近づき抱き起こした。

「しっかり亮太」

「亮輔」

「……」

「……」

金龍と金銀龍の声に反応し亮太と亮輔は目を覚ました。

「金龍、疲れた村に帰って休みたい」

「わかった」

そう言って亮太をお姫様抱っこしながら立ち上がると人間の金龍が口を開いた。

「疲れて休みたいって言うから村に帰るわ」

「わかった」

「あ、1年後、バラ畑に集まらないか」

「1年後に何で？」

「花嫁達の結婚式をするんだよ」

「結婚式って海賊のボスが迫ってきたらどうするんだ」

「金龍」

「何だ？」

人間の金龍が亮輔に目を向けると亮輔が口を開いた。

「その結婚式にリヨを招待しても良いかな」

「もちろんだ、1年後、リヨと一緒にバラ畑に来い」

「ありがとう」

人間の金銀龍に身体を支えられながら亮輔が立ち上がると金龍が口を開いた。

「じゃあ、1年後な」

そう言って人間の金龍が亮太をお姫様抱っこしながら上空を飛んでいくと白龍と赤龍と青龍と黒龍、藤乃と金銀龍、亮輔もそれぞれの村に帰っていった。

━1年後━

バラ畑で龍の金龍と白いタキシードを着た亮太が待っていると龍の白龍と赤龍と青龍が現れた。

「久しぶりだな」

「元気そうで良かった」

亮太が口にすると黒龍の背中に乗って白いタキシード姿の藤乃が現れた。

「藤乃」

「亮太」

黒龍から降り立つと藤乃は亮太に抱きついた。

「亮太、元気そうで良かった」

「藤乃も元気そうで良かった」

亮太と藤乃が再会を喜んでいると龍の金銀龍の背中に乗って白いタキシード姿の亮輔とリヨが現れた。

「遅くなってすまない」

亮輔とリヨが金銀龍から降り立つと金龍が口を開いた。

「皆、揃ったから結婚式始めようか」

「リヨ、誓いの言葉を頼む」

「誓いの言葉って何て言うんだよ」

「愛を誓えるものだったら何の言葉でも良いよ」

「わかった」

そう言ってリヨは龍の金龍と亮太と金銀龍と亮輔と黒龍と藤乃の前に立つと口を開いた。

「金龍、金銀龍、黒龍、亮太と亮輔と藤乃を永遠に愛することを誓いますか？」

「誓います」

「誓います」

「誓います」

「亮太、亮輔、藤乃、金龍と金銀龍と黒龍を永遠に愛することを誓いますか？」

「誓います」

「誓います」

「誓います」

「それでは誓いのキスを」

リヨの言葉と同時に龍の金龍と亮太と金銀龍と亮輔と黒龍と藤乃は顔を近づけ唇を重ねた。

「おめでとう」

龍の白龍と赤龍と青龍とリヨが手を叩きながら祝福すると龍の金龍と亮太と金銀龍と亮輔と黒龍と藤乃は激しく口づけを交わした。

2時間後、結婚式を終えると亮太が口を開いた。

「解散する前に言いたいことがある」

「……」

金銀龍と亮輔と黒龍と藤乃と白龍と赤龍と青龍とリヨが亮太に目を向けると亮太が口を開いた。

「海賊のボスは炎に包まれて命を終えただから龍達を狙う者は出てこないと思う、もし出てきたら」

「皆、力を合わせて戦う」

「……」

亮輔の言葉に亮太が頷くと白龍が口を開いた。

「リヨも戦うんだぞ」

「え…」

驚いた顔でリヨが見つめると白龍が口を開いた。

「リヨも俺達の仲間だ、そうだろ亮輔」

「あぁ、リヨは仲間だ」

「わかったか」

「わかった」

この瞬間、白龍とリヨの恋が始まった。

それから1年後、龍の白龍とリヨの結婚式がバラ畑で龍の金龍と亮太と金銀龍と亮輔と黒龍と藤乃と赤龍と青龍に祝福されながら行われた。

　　　　　　　　完結