龍神の花嫁

第5話

━花畑━

「銀龍、どうしてここに」

黒龍が問いかけると銀龍が口を開いた。

「お爺さんが花畑に行けって言うから来たんだ」

「お前がここに来るとき人間を連れた男を見なかったか」

「見たよ」

「どこで見たんですか？」

近づき藤乃が問いかけると銀龍が口を開いた。

「龍狩りの村に向かってたな」

銀龍が口にした後、金龍と赤龍が上空を飛んでいった。

「黒龍、俺達も行こう」

「藤乃はお爺さんの所で待ってろ、銀龍、頼む」

「わかった」

銀龍が返事をすると黒龍と青龍も上空を飛び龍狩りの村に向かった。

「背中に乗って」

「……」

藤乃が銀龍の背中に乗ろうとしたその時、空間が現れ銀龍の目の前で藤乃は空間に吸い込まれ空間は消えた。

「どうなってんだ」

銀龍が驚く頃、亮太は龍狩りの村で龍狩りのバケモノに囲まれていた。

「リヨ、何で人間を連れてきたんだ」

「この人間を人質にすれば龍達は助けにやって来る」

「来ると思うか」

「1匹、来た」

そう言ってリヨが上空に目を向けると龍狩りのバケモノと亮太も上空を見た。

「白龍だ」

龍狩りのバケモノが口にすると龍の白龍は上空から降り立った。

「リヨ、白龍は俺達が倒す」

「好きにしろ」

そう言ってリヨが亮太の手首を掴み離れようとしたその時、金龍と赤龍が上空から降り立った。

金龍の姿を見て亮太が優しく微笑むとリヨが亮太を抱き寄せながら金龍に向かって口を開いた。

「お前の花嫁め、俺が貰うことにした」

「亮太は俺の」

赤龍が言いかけたその時、金龍が口を開いた。

「亮太は俺の花嫁だ、お前なんかに亮太は渡さない」

そう言ってリヨに向かって金龍が口から炎を放つとリヨは亮太を突き放し炎を避け毒を塗った槍を放った。

金龍は槍を避けリヨに向かっていくと戦いを始めた。

リヨから解放された亮太は地面に突き刺さっている毒の槍に近づき掴むと槍を抜きリヨに目を向けた。

「何をするきだ」

赤龍が口にすると上空から降り立った黒龍と青龍も亮太に目を向けた。

リヨから目線をそらさず毒の槍を構えると亮太はリヨに向かって毒の槍を投げ飛ばしリヨの肩に突き刺した。

「……」

「……」

戦いを止めると金龍とリヨは亮太に目を向けた。

「あの男…」

肩から毒の槍を抜くとリヨは亮太に向かって槍を放った。

「亮太！」

急いで亮太の元に向かい龍から人間の金龍に変身すると亮太を抱きしめながら背中に毒の槍が突き刺さった。

「金龍！」

亮太が叫ぶとお爺さんが現れ杖でリヨと龍狩りのバケモノ以外の者を消し金の月が見える花畑の中に運んだ。

その後、人間の金龍はお爺さんの手当てを受け命は助かった。

「金龍は亮太に任せて、白龍と赤龍と黒龍と青龍は俺の村に行くぞ」

そう言ってお爺さんが杖で白龍と赤龍と黒龍と青龍を連れて姿を消すと亮太は金龍の手を握りながら目を覚ますのを見守った。