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第4話
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「明日、午後9時に来てください」
人間になったサクラの花が口にすると乃咲は無言で桜公園から離れていった。
「言ったけど、きっと来ないよな…俺の正体を知ったから怖くて来ないよな」
無言で帰っていく乃咲の姿を見て人間になったサクラの花は悲しくなり桃の花屋に向かった。
「いないよな」
そう言って人間になったサクラの花が去ろうとしたその時、階段から桃がおりてきた。
「何かあったの?」
桃が問いかけると人間になったサクラの花が突然、涙を流した。
「中で話しましょう」
そう言って桃は人間にサクラの花を連れて階段をあがると部屋の中に入った。
「座って」
「……」
無言で人間になったサクラの花が座布団に座ると桃も座布団に座り口を開いた。
「何があったのか話して」
「さっき桜公園で俺の正体を見せ告白したら乃咲さん無言で帰っていったんです、俺は乃咲さんに嫌われたんです…乃咲さんに嫌われるなら人間になりたくなかった…」
そう言って人間になったサクラの花がうつ向きながら涙を流すと桃が口を開いた。
「無言で帰っただけで嫌いって言われてないんでしょ」
「……」
うつ向きながら頷くと桃が口を開いた。
「嫌いって言われてないのに何で諦めるのよ」
「……」
「それとも乃咲さんに恋人でもいるの?」
「ストーカーの女性がいます」
「ストーカー?」
「……」
「……」
うつ向く人間になったサクラの花を見つめながら桃はサクラの花に起きた出来事を感じた。
「ねぇ?」
「……」
涙を拭いながらサクラの花が目線を向けると「何でもない」と言って桃はサクラの花をベッドに座らせ口を開いた。
「ゆっくり休んで」
「桃さんはどこで寝るんですか?」
「心配しなくても大丈夫だからあなたはゆっくり休みなさい」
「わかりました」
そう言ってサクラの花が身体を倒し眠りにつくと桃はパジャマからラフな服装に着替えそのまま外に出ると階段をおり歩いて沢口病院に向かった。
―沢口病院―
誰もいない暗い待合室の椅子に座りながら乃咲は桜公園で見たサクラの花のことを思い出していた。
「サクラの木が人間になるなんてあり得ない」
口にしながら乃咲が混乱しているとインターホンが鳴った。
「……」
椅子から立ち上がり待合室の電気をつけると乃咲はドアに近づき開いた。
「遅い時間にすみません」
「どうぞ」
桃を中に入れドアを閉めると声をかけた。
「どうしましたか?」
「患者じゃないの」
「じゃあ、何しに」
「サクラの花のことで乃咲さんに会いに来たの」
「どうして俺の名前を」
「サクラの木を人間にしたのは私なの」
「え…」
桃の言葉に驚く乃咲だがこのあと口にした桃の言葉に更に驚くことになる。
人間になったサクラの花が口にすると乃咲は無言で桜公園から離れていった。
「言ったけど、きっと来ないよな…俺の正体を知ったから怖くて来ないよな」
無言で帰っていく乃咲の姿を見て人間になったサクラの花は悲しくなり桃の花屋に向かった。
「いないよな」
そう言って人間になったサクラの花が去ろうとしたその時、階段から桃がおりてきた。
「何かあったの?」
桃が問いかけると人間になったサクラの花が突然、涙を流した。
「中で話しましょう」
そう言って桃は人間にサクラの花を連れて階段をあがると部屋の中に入った。
「座って」
「……」
無言で人間になったサクラの花が座布団に座ると桃も座布団に座り口を開いた。
「何があったのか話して」
「さっき桜公園で俺の正体を見せ告白したら乃咲さん無言で帰っていったんです、俺は乃咲さんに嫌われたんです…乃咲さんに嫌われるなら人間になりたくなかった…」
そう言って人間になったサクラの花がうつ向きながら涙を流すと桃が口を開いた。
「無言で帰っただけで嫌いって言われてないんでしょ」
「……」
うつ向きながら頷くと桃が口を開いた。
「嫌いって言われてないのに何で諦めるのよ」
「……」
「それとも乃咲さんに恋人でもいるの?」
「ストーカーの女性がいます」
「ストーカー?」
「……」
「……」
うつ向く人間になったサクラの花を見つめながら桃はサクラの花に起きた出来事を感じた。
「ねぇ?」
「……」
涙を拭いながらサクラの花が目線を向けると「何でもない」と言って桃はサクラの花をベッドに座らせ口を開いた。
「ゆっくり休んで」
「桃さんはどこで寝るんですか?」
「心配しなくても大丈夫だからあなたはゆっくり休みなさい」
「わかりました」
そう言ってサクラの花が身体を倒し眠りにつくと桃はパジャマからラフな服装に着替えそのまま外に出ると階段をおり歩いて沢口病院に向かった。
―沢口病院―
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「サクラの木が人間になるなんてあり得ない」
口にしながら乃咲が混乱しているとインターホンが鳴った。
「……」
椅子から立ち上がり待合室の電気をつけると乃咲はドアに近づき開いた。
「遅い時間にすみません」
「どうぞ」
桃を中に入れドアを閉めると声をかけた。
「どうしましたか?」
「患者じゃないの」
「じゃあ、何しに」
「サクラの花のことで乃咲さんに会いに来たの」
「どうして俺の名前を」
「サクラの木を人間にしたのは私なの」
「え…」
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