鬼の花嫁になった男

第10話

檻の中で柚葉はじっと2人の鬼を見つめた。

「ティン、この人間が俺の花嫁か」

ボスが口にするとマーティンの父親、ティンが口を開いた。

「マーティンが見つけました」

「マーティンにご褒美をやらないとな」

「ありがとうございます」

「2人きりにしろ」

「ごゆっくり」

ティンがその場からいなくなるとボスは檻のドアを開いたまま中に入った。

柚葉は警戒しながら口にした。

「俺に近づくな」

「……」

ボスは柚葉の首の噛み跡を見つけ柚葉を引き寄せ見た。

「何すんだ、離せ」

柚葉は離れようともがいた。

ボスは柚葉を抱き寄せ口を開いた。

「お前の首の噛み跡、マーティンがつけた噛み跡だろ、お前、マーティンの女か」

「俺はマーティンさんの女じゃない、それに俺はむりやり行為をする鬼は嫌いだ」

「ティンは知らないようだな」

「離せ」

ボスを突き離し柚葉は開いたままのドアから出ようと動いたその時、ボスは柚葉の手首を掴み口にした。

「マーティンの女を奪い俺のものにする悪くないな」

ボスは柚葉の身体を倒し覆い被さり唇を奪った。

その後、ボスは唇を離し抵抗する柚葉の衣服を全て脱がせ全裸にしむりやり行為を始めた。

「やめて」

抵抗してもボスは離れず柚葉はボスに行為をされ続けた。

ボスの洞窟の前に姿を現したブライトとマーティンと亮子は柚葉の叫び声を聞いた。

ブライトとマーティンと亮子は顔を合わせその後、洞窟の中に走りながら入った。

そしてブライトとマーティンと亮子は檻の中でボスに行為をされている柚葉の姿に驚いた。

「マルコム様、柚葉から離れてください」

亮子は声をかけた。

「その声はリョウか」

マルコムは行為を止め離れると柚葉は気を失った。

マルコムはブライト、マーティン、亮子を見つめ口を開いた。

「お前ら何しに来た」

「彼を解放してください」

マーティンが口にするとマルコムが口を開いた。

「柚葉を解放したかったら俺の命を奪わないとな」

マルコムは鬼の棒を1振りでブライトとマーティンを洞窟から外に出しマルコムも外に出た。

亮子は柚葉に近づき身体を抱き起こし声をかけた。

「柚葉…柚葉…柚葉…」

「……」

目を覚ました柚葉は亮子と目が合い柚葉は慌てて亮子から離れ怯えた顔で見つめた。

「誰？」

「柚葉…」

亮子は柚葉の言葉で思った、柚葉はマルコムのむりやりの行為でショックを受け記憶を失ったんだと。

怯えながら柚葉は立ち上がり口にした。

「あなたも鬼、まさかあなたも俺の身体を」

「俺はリョウ、あなたを救うために来ました」

「俺を救う？」

「……」

鬼の男に戻ったリョウは手を地面に向け魔法陣を出現させた。

「柚葉、魔法陣の中に立って」

「……」

「家に送るから」

「……」

恐る恐る魔法陣に近づき柚葉は魔法陣の中に立った。

そしてリョウが柚葉を魔法陣で家に送ろうとしたその時、リョウの背後に鬼の棒を持った頭に鬼の角、上半身は裸、下半身は半ズボンの鬼が現れた。

「後ろ！」

「……」

柚葉の叫びで後ろに振り返ったリョウは鬼から鬼の棒を受け倒れた。

「大丈夫ですか？」

「動くな」

手を伸ばす柚葉に怒った口調で口にするとリョウは魔法陣を発動させ柚葉を消し家に送った。

その後、リョウは魔法陣を消しそのまま命が消えた。