鬼の花嫁になった男

福猫

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第7話

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ー花梨の家ー

花梨は椅子に座りながらベッドで眠る柚葉を見つめた。

「う~ん…」

「柚葉」

「……」

柚葉は目を覚まし顔を横に向けた。

「マネージャー」

「私の服とズボンで良かったら着て」

花梨は椅子から立ち上がりタンスから上服とズボンを出しベッドに置いた。

その後、花梨は寝室を離れた。

柚葉は身体を起こし引き裂かれたドレス着物を見てうつ向き涙を流した。

花梨は寝室の前で悲しげな顔で泣いている柚葉の声を聞いた。

そこへブライトが現れた。

「柚葉は?」

「暫く1人にしておきましょう」

「なぜ?」

「良いから」

花梨はブライトの手首を掴みリビングに向かった。

その頃、柚葉はベッドから離れ引き裂かれたドレス着物を脱ぎ花梨が置いた上服を着てズボンを穿いた。

その後、柚葉は寝室を出て話し声が聞こえるリビングに向かいその後、立ち止まり2人の会話を聞いた。

「今の柚葉じゃモデルの仕事、できないよね」

「柚葉の身体が汚れてるからか」

「汚れてるのは関係ない、私が言ってるのは柚葉が」

花梨が言いかけたその時、玄関のドアが閉まる音がした。

「まさか」

花梨とブライトは顔を合わせブライトが口を開いた。

「花梨はここにいろ、俺が探しに行く」

ブライトは家を出て探しに向かった。

柚葉は走り続けた。

そして柚葉は公園の前で立ち止まり中に入りベンチに座った。

その後、柚葉はうつ向いた。

「……」

そこへブライトではない美しい鬼、マーティンが現れた。

「どうしましたか?」

「……」

柚葉は顔をあげ頭に鬼の角が生えたスーツ姿のマーティンに驚いた。

「鬼…」

「俺はマーティン」

マーティンは柚葉の隣に座り口を開いた。

「モデルの柚葉さんですよね」

「もう、モデルじゃありません」

「辞めるんですか?」

「……」

剛史に行為をされたことを思い出し柚葉は涙を流した。

「大丈夫ですか?」

優しい言葉をかけマーティンは柚葉を優しく抱きしめた。

その光景をブライトが目撃した。

「マーティン」

「……」

柚葉を抱きしめながらマーティンはブライトに笑みを浮かべそしてブライトが見る前でマーティンは柚葉の唇に唇を重ねた。

ブライトは近づき声をかけた。

「マーティン、柚葉から離れろ」

「……」

柚葉はマーティンから離れベンチから立ち上がると驚いた顔で見つめた。

「ブライトさん!」

「花梨の家に戻れ」

「ブライトさん」

「早く行け」

「……」

走りながら柚葉が公園から離れていくとブライトが口を開いた。

「柚葉に近づくな」

「……」

無言でマーティンはベンチから立ち上がり睨みながら口を開いた。

「柚葉は俺の花嫁にする」

「何だと」

「お前から奪い取って柚葉を花嫁にする」

そう口にするとマーティンは歩きながら姿を消した。

ブライトは険しい顔で見つめ公園から姿を消した。
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