にゃんこと魔法使い

福猫

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第5話

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「壱成、止めなさい」

「……」

林太郎の身体を奪いながら声が聞こえた壱成は行為を止めた。

「この声は菫様」

そう言って壱成は林太郎から離れ立ち上がると振り返り髪と足首まで長い服と羽織っているマントが金の魔法使い菫に目を向けた。

「大丈夫か」

口にすると髪と足首まで長い服の色が灰色と白に瞳の色が黄色の人間、ハチ丸がミケの手首を固定して透明の鎖を外した。

「ハチ丸、どうしてここに」

ゆっくり身体を起こしながらミケが口にするとハチ丸が口を開いた。

「嫌な予感がして菫様に相談したんだそしたら菫様が金の水晶で調べて林太郎が壱成に襲われていることを知ったんだ」

「……」

ハチ丸に身体を支えてもらいながら立ち上がるとミケとハチ丸は菫と壱成に目を向けた。

「壱成、俺の部屋で待ってなさい」

「…はい」

菫の言葉に返事をすると壱成は着ている足首まで長い黒い服を整えその場から姿を消した。

菫は金の魔法の杖で全裸の林太郎に魔法をかけると足首まで長い黒い服を着て黒いマントを羽織った。

「う~ん…」

林太郎が目を覚ますと菫が口を開いた。

「気分が落ち着いたら俺の部屋に来なさい」

そう言って目線を林太郎からミケとハチ丸に向けると口を開いた。

「あとはお願いね」

そう言って菫は金の魔法の杖を使ってその場から消え家に帰った。

「林太郎!」

ハチ丸に身体を支えられながらミケが声をかけると林太郎は身体を起こし無言のまま立ち上がった。

ミケはハチ丸から離れ林太郎に近づき抱きしめた。

その行為にハチ丸と林太郎は驚いた。

「ミケ?」

林太郎が問いかけると抱きしめながらミケが口を開いた。

「助けられなくてゴメン」

「動けなかったんだ仕方ないよ」

「先に帰れと言われた時、一瞬だが壱成の気を感じたんだその時、俺が林太郎の側にいたら林太郎は壱成に…」

「お前のせいじゃないから自分を責めるな」

「……」

「にゃんこ島に帰るぞ」

見つめるミケに言うと林太郎はミケとハチ丸と共にその場から消えにゃんこ島に帰った。

ーにゃんこ島、菫の部屋ー

中央に立ったまま菫は同じく中央に立っている壱成に「なぜ、林太郎を襲ったんだ」と質問した。

その質問に壱成は「好きだから」と答えた。

「林太郎の許可を得たのか?」

「力ずくで襲いました」

菫の質問に壱成がそう答えると菫が口を開いた。

「魔法使い同士の恋愛は禁止されている、わかってるよな」

「わかってます」

「魔法使いが恋愛をして良いのは魔法使いを辞める時だ」

「はい」

「壱成、1年間、魔法は禁止だ」

「わかりました」

そう言って壱成は魔法の杖を菫に渡しお辞儀をすると部屋を出ていった。

それから暫くしてドアをノックする音がした。

「どうぞ」

菫が返事をするとドアが開き「失礼します」と言って林太郎が中に入りドアを閉めた。

「気分は落ち着きましたか」

「はい」

「座って話しましょう」

「はい」

返事をしソファーに近づくと林太郎は自分の側に座れと合図をする菫の側に座り顔を見つめながら壱成のことを話した。

出来事を全て見ていた菫が壱成の魔法の杖を取りあげたことを話すと林太郎は驚いた。
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