あなたを好きになる

福猫

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第5話

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「あの…えっと…今のは…」

「民生、俺と付き合ってほしい」

「え!」

「突然の告白に驚くよね」

「……」

「俺は本気だから」

「……」

「別荘に戻ろうか」

そう言って加純と民生が動きだしたその時、2人の私服姿の男性が現れ声をかけてきた。

「加純じゃないか」

「……」

立ち止まり振り向いた加純は2人の男性を見て険しい顔になった。

「お前ら俺の敷地で何をしてる」

「お前に言ったじゃないか海で遊んで良いかって」

「そうだっけ」

「君、可愛いね」

1人の男性が民生にちょっかいをかけると民生に向かって加純が口を開いた。

「こいつらと話があるから民生は別荘に戻ってて」

「わかりました」

2人の男性にお辞儀をすると民生は歩いて別荘に向かった。

その瞬間、加純の顔つきが変わった。

「お前ら俺の邪魔をするなよ」

「1人じめかよ」

「1人じめはよくないな」

「そういうことをするために彼を連れてきたんじゃない」

「本気で言ってんのか?」

「本気だ、だから彼に何かするなよ」

そう言って加純が歩きだそうとしたその時、1人の男性が口を開いた。

「女で遊んできたお前が男に本気で惚れるとはな」

「……」

加純は何も言わず歩きだし別荘に向かった。

加純の態度にムカついた2人の男性は海で遊び始めた。

「加純、生意気だよな」

「天才だからといって生意気だよな」

2人の男性はあることを思いつき海から出ると阿須加の姿を目撃した。

「あれ阿須加じゃないか」

「兄弟そろって生意気だから酷い目に遭わせちゃおうか」

「良いね」

笑みを浮かべ合うと2人の男性は海を離れ別荘の近くに向かった。

そしてスマホで加純に1人で海辺まで来いと呼び出した。

「兄貴」

加純の姿を目撃した阿須加は別荘に向かわず加純を追いかけていった。

その姿を隠れてみていた2人の男性は別荘に急ぎ中に入った。

危険が迫っていることに築いていない民生はキッチンで料理を作っていた。

そこへ静かに2人の男性が現れ民生に近づいた。

そして1人の男性が背後から民生の口を手で塞ぎそのままガスレンジから離れさせると床に倒し馬乗りになった。

「あなたは加純さんの知り合いの人」

「知り合い?」

馬乗りの男性が笑みを浮かべるともう1人の男性が民生の左右の手首を掴み口を開いた。

「俺達は加純のことが嫌いだ」

「え…」

「あんたの身体を奪ったら加純、どんな顔をするかな」

「……」

音楽室と職員室での出来事を思い出し民生の目に涙が流れた。

その姿に馬乗りの男性が口を開いた。

「涙を流す姿も素敵だね」

「……」

左右の手首を掴まれ抵抗できない民生は馬乗りの男性に服を引き裂かれズボンを脱がされると身体を奪われた。

その頃、海辺では加純と阿須加が出くわしていた。

「阿須加!どうしてここに」

「兄貴、渡辺先生に何もしてないだろうな」

「お前が思ってるようなこと俺はしない」

「それなら何で別荘に連れてきたんだ」

「お前に傷つけられた心と身体を癒すために連れてきたんだ」

「…兄貴…本気で」

「今の俺は本気で民生のこと愛してる」

加純と阿須加が海辺で話す頃、民生はキッチンで2人の男性に身体を奪われ続けていた。

その後、民生が気を失うと2人の男性は満足げな顔で立ち上がり身なりを整え別荘を出た。

そして2人の男性は海辺に向かった。

「加純、阿須加」

「お前らまだいたのか」

加純と阿須加が見つめると1人の男性が口を開いた。

「お前らがここで話している頃、俺達は別荘の中で楽しませてもらった」

「お前ら、まさか」

加純と阿須加は海辺を離れ急いで別荘に向かった。

そして加純と阿須加はキッチンで服を引き裂かれズボンは脱がされ倒れている民生の姿を見て驚いた。
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