伝説のナイト

福猫

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第15話 炎対炎

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何時間もかけてやっと別荘に着いた陽水は別荘の前で倒れた。

そこへ動物の虎が現れた。

「陽水!傷だらけじゃないか」

動物の虎から人間姿の虎に変身すると虎は陽水の身体を支えながら立たせ別荘の中に入ると部屋に運びベッドに寝かせた。

その後、虎は白水晶の力で陽水の傷を治し始めた。

30分後、陽水が目を覚ますと人間姿の虎が口を開いた。

「お前がやられるなんて何があったんだ」

「黒い虎が復活した…それと新たな敵が現れた」

「黒い虎が復活した?そんなバカな」

「新たな敵と戦っているとき黒い虎に青水晶を奪われた」

「本当に?」

「黒い虎の力が強くなってた、黒い虎の側に強いボスが居るはず」

「皆に知らせないと」

「虎…お願い俺の代わりに皆に…」

「陽水!」

眠る陽水に声をかけると人間姿の虎は別荘を出て涼火の元に向かった。

その頃、涼火は街中で赤ナイトに変身してフレイムと戦っていた。

「目的は何だ」

「あんたの赤水晶を奪う」

「お前のボスは誰だ」

「教えないよ」

フレイムが消えると赤ナイトは慌てて後ろを振り向き攻撃を防ごうとしたその時、赤ナイトはフレイムの炎の玉にやられ倒れた。

「油断は禁物だよ」

「……」

ゆっくり赤ナイトが立ち上がると人間姿の黒い虎が現れた。

「平和になって戦いを忘れたか」

「黒い虎!」

驚いた顔で赤ナイトが見つめると人間姿の黒い虎はフレイムに合図した。

合図を受けたフレイムは左右の手に力を込め炎の鎖を出現させるとそのまま赤ナイトに放ち捕まえた。

「ううう…」

炎の鎖で動けない赤ナイトは苦しみだした。

「フレイム、タイミングを見て赤水晶を奪え」

「わかりました」

黒い虎の命令に返事をし左右の手で炎の鎖を操り赤ナイトから赤水晶を奪おうとしたその時、人間姿の虎が放った光線が炎の鎖を壊し赤ナイトを解放した。

黒い虎とフレイムが目を向けると人間姿の虎が姿を現した。

「黒い虎」

険しい顔で人間姿の虎が見つめると人間姿の黒い虎が口を開いた。

「会えて嬉しいよ」

「ボスは誰だ」

「俺だ」

黒い長髪に黒いタキシード姿の葵が現れた。

「赤水晶は奪ったのか」

黒い虎に向かって葵が口にするとフレイムが口を開いた。

「奪ってません」

「……」

倒れている赤ナイトに目を向けると葵は片手に力を込め闇を出現させた。

その姿を見て人間姿の虎は叫んだ。

「赤ナイト、逃げろ」

「……」

返事をせず赤ナイトは倒れたまま葵が放った闇に捕まり赤水晶を奪われた。

「……」

変身が解け赤ナイトから涼火に戻ると闇は葵の手のひらに近づき奪った赤水晶を手のひらに落としその後、闇は消えた。

「これが赤水晶か」

手に入れた赤水晶に葵が喜んでいると白と金の矢が葵の手のひらに突き刺さり赤水晶を地面に落とさせた。

人間姿の虎は転がる赤水晶に目を向け急いで掴んだ。

手のひらに突き刺さった白と金の矢を抜き取ると葵は口を開いた。

「誰だ」

葵の呼びかけに白金ナイトとダークナイトが姿を見せると人間姿の虎が口を開いた。

「偉月!どうしてここに」

「闇を感じたから」

「あれが偉月」

じっと白金ナイトを見つめる葵に黒い虎が口を開いた。

「怪我の手当てをしないとホストクラブに戻るぞ」

「赤水晶は良いのか?」

「いつでも奪える戻るぞ」

怪我をしていない葵の手を掴むと黒い虎はフレイムと共にその場を離れホストクラブに向かった。

敵が去り白金ナイトとダークナイトは変身を解き偉月と闇月と戻った。

その後、人間姿の虎と偉月と闇月は倒れている涼火を別荘に運んだ。
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