戦士アース

第7話

「俺が強くなるにはお前と地球が必要だ、だからお前と地球を俺のものにしてやる」

そう言ってアーズは左右の手に力を込めながら黒い玉を出現させそのままアースに向かって放った。

アースはその玉を先端に小さな地球がついた魔法の杖で受け止めた。

「何！」

「今の俺にこんな技は通用しない」

そう言ってアースが黒い玉を魔法の杖で送り返すとアーズは黒い玉を受け倒れた。

「自分の技にやられるとはな」

傷ついた身体で立ち上がり悔しい顔でアーズが見つめるとアースはアーズに近づき抱きしめた。

「何の真似だ」

「アーズに唇を奪われた時、あなたから優しい気を感じた」

「優しい気だと、俺に優しい気なんてない」

「俺には感じた、アーズ、優しい心を取り戻して」

「やめろ！」

アースを突き放しアーズは再び黒い玉を放った。

アースは魔法の杖で黒い玉を壊しその後、アースは魔法の杖をアーズに向け浄化の光を放った。

「うあああー」

浄化の光を受け続けアーズは気を失いうつ伏せで倒れた。

その後、アースはマーキュリーとマーズとジュピターとビーナスに向かって口を開いた。

「アーズと2人きりにしてくれ」

「大丈夫なのか？」

マーズが問いかけるとアースが真剣な顔で口を開いた。

「大丈夫だ」

「わかった、皆、行こう」

そう言ってマーズが開いている空間の中に入っていくとマーキュリーとジュピターとビーナスも中に入っていき空間は閉じた。

その後、アースは魔法の杖を床に突き刺しアーズに近づいた。

そしてアーズの身体を抱き起こし声をかけた。

「アーズ」

「……」

ゆっくり目を開きアーズはアースから離れ立ち上がった。

そしてふらつき倒れかけるとアースに抱き止められた。

「大丈夫ですか？」

「俺より強い男がいる、気をつけろ」

「アーズより強い男？」

「狙った獲物はどんな手を使っても手に入れる、気をつけろ」

「心配してくれてありがとう」

「俺がお前を心配？バカなこと言うな」

恥ずかしがりながらアーズがアースから離れたその時、アーズの身体に黒い矢が突き刺さった。

「アーズ！」

驚いた顔でアースが見つめるとアーズが口を開いた。

「奴は容赦しない」

そう言ってアーズは跡形もなく消えていった。

「酷い…」

涙を流しながらアースが口にすると首に小さな土星を身につけた腰まで長い黒い髪に足首まで長い黒い服姿の戦士サターンが現れた。

「敵に涙を流すとは呆れた戦士だ」

「……」

アースが険しい顔でサターンを見つめると倉庫のビーナスが感じ取った。

「アーズが死んだ」

「え？」

「アースが危険だ、アースの元に行くぞ」

そう言ってビーナスとマーズとマーキュリーとジュピターは壁に近づき驚いた。

「空間が閉じてる」

「アーズの命を奪った奴の仕業だろ」

ビーナスが口にする頃、アースとサターンは向かい合っていた。

「アーズは浄化され良い人間になるはずだったのになぜ命を奪ったんですか」

「浄化してもアーズは敵になる」

「敵になるかどうかわからないのに命を奪うなんて許せない」

そう言って先端に小さな地球がついた魔法の杖をサターンに向けた。

サターンも魔法の杖をアースに向け口を開いた。

「あなたの力、見させてもらいます」

そう言ってサターンが魔法の杖で光線を放つとサターンとアースの戦いが始まった。