戦士アース

第1話

ー土屋家ー

母親はまだ寝ている栄地(えいじ)を起こすため栄地の部屋に行き声をかけた。

「栄地、起きなさい、遅刻するわよ」

「もう、ちょっと」

寝ながら栄地が口にすると母親は怒り掛け布団を奪い取り怒った口調で口を開いた。

「栄地、起きなさい」

「……」

母親の口調が変わり栄地は慌てて目を覚まし身体を起こした。

「早く用意をして学校に行きなさい」

そう言って母親が部屋から出ていくと栄地はベッドから離れパジャマから高校の制服に着替えた。

その後、栄地は部屋を出ていき玄関に向かった。

そして栄地はドアを開き「行ってきます」と言って外に出てドアを閉めると走って男子高校に向かった。

25分後、男子高校の校門の前に着いた栄地は黒いパーティードレス姿の女性に築き目線を向けた。

「綺麗な人だな」

「……」

栄地に築き目線を向け優しく微笑むと女性は学校の中に入っていった。

「新しい先生かな」

口にした後、チャイムが鳴り栄地は慌てて教室に向かった。

それから暫くして1匹の青い猫が校門の前に現れた。

「ここに戦士がいるはず」

そう言って青い猫は学校の中に入り戦士を探し始めた。

その頃、栄地は授業を受け黒いパーティードレス姿の女性は捕まえた男子生徒を操り小さな地球を探しに行かせた。

そこへ男の先生が現れた。

「すみません」

「……」

女性が振り向き目線を向けると男の先生が声をかけた。

「何かご用ですか？」

「邪魔だからどっか行って」

「用事がないなら出ていってください」

「うるさいわね」

そう言って女性は男の先生の目を見つめ眠らせた。

その後、女性は操った男子生徒の様子を見るため魔法で映像をうつした。

「見つかってないみたいね…ここにはないのかも」

そう言って女性は指を鳴らし操った男子生徒をバケモノに変身させると女性はその場から姿を消した。

バケモノに変身した男子生徒は生徒達と先生を襲い始めた。

ー栄地がいる教室ー

英語の授業を受けていた栄地は男子生徒達の叫び声を聞いた。

「叫び声？」

栄地が小さな声で口にしたその時、バケモノに変身した男子生徒が現れた。

驚きながら男子生徒達と栄地が席から立ち上がるとバケモノに変身した男子生徒は中に入り生徒達を襲い始めた。

生徒達は教室から逃げ出し栄地も逃げ出した。

「バケモノなんてあり得ない」

口にしながら階段を下り続けていた栄地は小さな地球を目撃し立ち止まった。

「今の何だ？」

気になった栄地は小さな地球を追い始めた。

そして小さな地球が音楽室の中に入ると栄地も中に入り青い猫に出会った。

「青い猫…」

驚いた口調で栄地が青い猫に近づいたその時、バケモノに変身した男の先生が現れた。

「生徒だけじゃないのかよ」

バケモノに変身した男の先生を見つめながら栄地が口にすると青い猫が口を開いた。

「バケモノに変身した生徒と先生を助ける方法がある」

「何だよ」

「アースに変身すれば良いんだ」

「アースって地球だよな」

「地球の戦士に変身するんだ」

「どうやって地球の戦士に変身するんだよ」

「受け取れ」

そう言って青い猫が小さな地球を栄地に向かって送ると栄地は小さな地球を受け取った。

その時、小さな地球が光った。

「それを渡せ」

そう言ってバケモノに変身した男の先生が襲いかかると小さな地球はバケモノに変身した男の先生を突き飛ばし栄地の身体の中に入った。

そして栄地の黒い髪が腰まで長い青い髪に変身し制服も足首まで長い青い服に変身した。

「……」

驚いた顔で青い猫が見つめるとバケモノに変身した男の先生が立ち上がった。

戦士アースに変身した栄地は他の者には見えない弓矢を構えバケモノに変身した男の先生に向けた。

そして栄地は向かってくるバケモノに変身した男の先生に矢を放った。

放たれた矢はバケモノに変身した男の先生の胸に突き刺さり倒れ浄化され男の先生は元に戻った。

その後、栄地はバケモノに変身した生徒も弓矢を使って浄化し元に戻した。

そして栄地はその場を青い猫と共に離れ屋上に向かった。

「元に戻れないのか？」

「落ち着けば変身が解ける」

「……」

無言で心を落ち着かせると腰まで長い青い髪が短い黒髪に変わり足首まで長い青い服が制服に変わった。

その後、栄地の身体から小さな地球が現れネックレス式に変わった。

栄地はネックレスを掴み青い猫に目線を向けた。

「俺の名前はブルー」

「俺の名前は栄地」

「栄地、地球を狙って敵が襲ってくるだろう、栄地、地球を敵に渡すな」

「俺が守るの？」

「栄地は地球に選ばれた戦士だ、栄地が地球を守るんだ」

「……」

「栄地は家に帰れ、学校は俺が元に戻しておくから」

そう言って青い猫が屋上から離れていくと栄地はネックレスを首に身につけ小さな地球を見つめた。

ー誰も来ない倉庫の中ー

椅子に座りながら黒水晶で全てを見ていた栄地と同じ制服姿の男子生徒は険しい顔になった。

そこへ男子生徒と先生をバケモノにした女性が現れた。

「アーズ様、地球は見つかりませんでした」

「地球は戦士に奪われた」

「え…」

「戦士アースに地球を奪われた、失敗したお前は用済みだ」

そう言って椅子から立ち上がりアーズが振り向くと女性は口を開いた。

「戦士アースから地球を奪ってきます、私にやらしてください」

「俺は1度、失敗した奴は使わない」

そう言って魔法で女性を一瞬で消すと新たな黒いパーティードレス姿の女性が現れた。

「アーズ様」

「スズ、戦士アースから地球を奪ってこい」

「私は失敗しません、お任せください」

「スズ、期待してるぞ」

「はい」

そう言ってスズが倉庫から姿を消すとアーズは椅子に座り黒水晶でバケモノを一瞬で浄化した栄地の姿を見つめた。