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第3話
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ー金針水晶の中ー
「う~ん」
目を覚ましたゴールドは身体を起こし周辺の金針に驚いた。
「ここは金針水晶の中」
ゴールドは立ち上がり金針水晶に触れた。
「何で金針水晶の中にいるんだろ」
「次期王を守るために金針水晶の中に閉じ込めた」
「誰?」
「俺は金針水晶」
「俺は金針水晶と会話してる…びっくり」
「目を閉じながら俺に触れてみろ」
「わかった」
金針水晶に触れながらゴールドは目を閉じた。
するとゴールドは金針水晶の中から姿を現し床に足をつけた。
金針水晶は台に近づきそのまま台の上に着地した。
「王を助けに行かないと」
ゴールドがドアに近づこうとしたその時、ドアが開きルーとダークが現れた。
「ルー、王は?」
「王は…」
「……」
ゴールドはルーとダークの悲しげな顔を見て王の死を感じ取り口を開いた。
「父さんは…王はグリーンモルダバイトにやられ死んだ」
「ゴールド様」
「ゴールド」
「暫くの間、1人にしてくれ」
ゴールドは祈り部屋を出ていき自分の部屋に向かった。
その後、ゴールドはドアを開き中に入りそのままドアを閉め鍵をかけた。
そしてゴールドはドアにもたれながら体育座りで座り涙を流した。
「父さん」
ゴールドは泣き続けた。
ー祈り部屋ー
「ダーク様、ゴールド様をお願いします」
「1人で緑の国に行く気か」
「ゴールド様をお願いします」
「あんたがいなくなったらゴールドは悲しむ」
「俺がいなくなってもゴールド様にはダーク様がいます」
「ゴールドには俺とあんたしかいないんだ、だからゴールドが悲しむような事はしてはいけない」
「……」
「金針水晶を持って水晶玉を守るレドに会いに行こう」
「レド?」
「俺達の力になってくれるはずだ」
「……」
「ゴールドは俺が連れてくる、ルーは金針水晶を頼む」
「わかりました」
ルーが台に置かれている金針水晶に近づくとダークは祈り部屋を出てゴールドの部屋に向かった。
「ゴールド、ドアを開けてくれないか」
「1人にしてくれと言っただろ」
「大事な話があるんだ、ドアを開けてくれ」
「……」
無言で立ち上がり涙を拭うとゴールドはドアの方に向き鍵をあけドアを開いた。
「……」
「ゴールド、今から水晶の国に向かってレドに会いに行こう」
「俺はどこにも行かない」
「ゴールド」
「俺はどこにも行かない」
ゴールドはドアを閉め鍵をかけた。
「ゴールド」
どうしていいかわからずゴールドの部屋の前でダークが立ち尽くしていると腰まで長い白い髪に白い瞳、白いタキシードに白いマントを羽織ったレドが現れた。
「俺から来てやったぞ」
「レド!どうしてここに」
「金針水晶の次期王は俺に任せて、ダークは祈り部屋で待ってろ」
「わかった」
ダークが離れていくとレドは水晶玉のネックレスを首に身につけそのままドアをすり抜け部屋の中に入った。
レドはベッドに座りながらうつ向いているゴールドに近づき声をかけた。
「初めましてゴールドニードルズさん」
「……」
ゴールドは顔をあげレドを見つめた。
「あなたは?」
「水晶の国から来ました、レドと申します」
「鍵をかけたのにどうやって中に入ったんですか?」
「水晶玉の力を使えばどこでも中に入れます」
レドはゴールドの側に座った。
「ダークがあなたの元に行くって言ってたけど俺は行かないと言いました」
「だから俺からあなたに会いに来ました」
「俺に?なぜ?」
「この男に告白されあなたは断ったすると男は金針水晶の王とあなたを守る者の命を奪った」
水晶玉にうつるグリーンモルダバイトの姿を見せながらレドが口にするとゴールドは顔をそらしうつ向き涙を流した。
レドは水晶玉を消し口を開いた。
「今のグリーンモルダバイトは怪我をしていて動けない、今のうちに俺の国に行きましょう」
「どうしてあなたの国に行くんですか?」
「あなたと金針水晶を守れるから」
「俺は行きません、ここでグリーンモルダバイトと戦い金針水晶と国を守ります」
「言うことを聞かない次期王だな」
レドはゴールドの顎を掴みそのまま唇を奪った。
「……」
ベッドに座っていたゴールドは気を失いそのまま身体が仰向けで倒れた。
レドはベッドから立ち上がりゴールドをお姫様抱っこするとドアに近づきそのまますり抜け部屋を出た。
そしてレドはゴールドをお姫様抱っこしたまま歩き祈り部屋に向かった。
その頃、祈り部屋ではルーとダークがゴールドとレドを待っていた。
「ゴールド様」
「レドに任せておけば大丈夫だ」
心配するルーにダークがそう口にするとゴールドをお姫様抱っこしながらレドがドアをすり抜け現れた。
「ゴールド様」
「眠ってるだけだから心配はいらない」
ルーに向かってそう口にするとレドがダークに向かって口を開いた。
「グリーンモルダバイトが来るかもしれない水晶の国に急ごうか」
「そうだな」
「2人とも俺の肩に触れて」
「わかりました」
「……」
ルーとダークはレドに近づき肩に触れた。
「2人とも行くぞ」
首に身につけている水晶玉を使ってレドはルーとダークとゴールドを連れて祈り部屋から姿を消し水晶の国に向かった。
ー緑の国ー
傷ついたグリーンモルダバイトは緑の石、モルダバイトの中で緑の治療を受けていた。
「う~ん」
目を覚ましたゴールドは身体を起こし周辺の金針に驚いた。
「ここは金針水晶の中」
ゴールドは立ち上がり金針水晶に触れた。
「何で金針水晶の中にいるんだろ」
「次期王を守るために金針水晶の中に閉じ込めた」
「誰?」
「俺は金針水晶」
「俺は金針水晶と会話してる…びっくり」
「目を閉じながら俺に触れてみろ」
「わかった」
金針水晶に触れながらゴールドは目を閉じた。
するとゴールドは金針水晶の中から姿を現し床に足をつけた。
金針水晶は台に近づきそのまま台の上に着地した。
「王を助けに行かないと」
ゴールドがドアに近づこうとしたその時、ドアが開きルーとダークが現れた。
「ルー、王は?」
「王は…」
「……」
ゴールドはルーとダークの悲しげな顔を見て王の死を感じ取り口を開いた。
「父さんは…王はグリーンモルダバイトにやられ死んだ」
「ゴールド様」
「ゴールド」
「暫くの間、1人にしてくれ」
ゴールドは祈り部屋を出ていき自分の部屋に向かった。
その後、ゴールドはドアを開き中に入りそのままドアを閉め鍵をかけた。
そしてゴールドはドアにもたれながら体育座りで座り涙を流した。
「父さん」
ゴールドは泣き続けた。
ー祈り部屋ー
「ダーク様、ゴールド様をお願いします」
「1人で緑の国に行く気か」
「ゴールド様をお願いします」
「あんたがいなくなったらゴールドは悲しむ」
「俺がいなくなってもゴールド様にはダーク様がいます」
「ゴールドには俺とあんたしかいないんだ、だからゴールドが悲しむような事はしてはいけない」
「……」
「金針水晶を持って水晶玉を守るレドに会いに行こう」
「レド?」
「俺達の力になってくれるはずだ」
「……」
「ゴールドは俺が連れてくる、ルーは金針水晶を頼む」
「わかりました」
ルーが台に置かれている金針水晶に近づくとダークは祈り部屋を出てゴールドの部屋に向かった。
「ゴールド、ドアを開けてくれないか」
「1人にしてくれと言っただろ」
「大事な話があるんだ、ドアを開けてくれ」
「……」
無言で立ち上がり涙を拭うとゴールドはドアの方に向き鍵をあけドアを開いた。
「……」
「ゴールド、今から水晶の国に向かってレドに会いに行こう」
「俺はどこにも行かない」
「ゴールド」
「俺はどこにも行かない」
ゴールドはドアを閉め鍵をかけた。
「ゴールド」
どうしていいかわからずゴールドの部屋の前でダークが立ち尽くしていると腰まで長い白い髪に白い瞳、白いタキシードに白いマントを羽織ったレドが現れた。
「俺から来てやったぞ」
「レド!どうしてここに」
「金針水晶の次期王は俺に任せて、ダークは祈り部屋で待ってろ」
「わかった」
ダークが離れていくとレドは水晶玉のネックレスを首に身につけそのままドアをすり抜け部屋の中に入った。
レドはベッドに座りながらうつ向いているゴールドに近づき声をかけた。
「初めましてゴールドニードルズさん」
「……」
ゴールドは顔をあげレドを見つめた。
「あなたは?」
「水晶の国から来ました、レドと申します」
「鍵をかけたのにどうやって中に入ったんですか?」
「水晶玉の力を使えばどこでも中に入れます」
レドはゴールドの側に座った。
「ダークがあなたの元に行くって言ってたけど俺は行かないと言いました」
「だから俺からあなたに会いに来ました」
「俺に?なぜ?」
「この男に告白されあなたは断ったすると男は金針水晶の王とあなたを守る者の命を奪った」
水晶玉にうつるグリーンモルダバイトの姿を見せながらレドが口にするとゴールドは顔をそらしうつ向き涙を流した。
レドは水晶玉を消し口を開いた。
「今のグリーンモルダバイトは怪我をしていて動けない、今のうちに俺の国に行きましょう」
「どうしてあなたの国に行くんですか?」
「あなたと金針水晶を守れるから」
「俺は行きません、ここでグリーンモルダバイトと戦い金針水晶と国を守ります」
「言うことを聞かない次期王だな」
レドはゴールドの顎を掴みそのまま唇を奪った。
「……」
ベッドに座っていたゴールドは気を失いそのまま身体が仰向けで倒れた。
レドはベッドから立ち上がりゴールドをお姫様抱っこするとドアに近づきそのまますり抜け部屋を出た。
そしてレドはゴールドをお姫様抱っこしたまま歩き祈り部屋に向かった。
その頃、祈り部屋ではルーとダークがゴールドとレドを待っていた。
「ゴールド様」
「レドに任せておけば大丈夫だ」
心配するルーにダークがそう口にするとゴールドをお姫様抱っこしながらレドがドアをすり抜け現れた。
「ゴールド様」
「眠ってるだけだから心配はいらない」
ルーに向かってそう口にするとレドがダークに向かって口を開いた。
「グリーンモルダバイトが来るかもしれない水晶の国に急ごうか」
「そうだな」
「2人とも俺の肩に触れて」
「わかりました」
「……」
ルーとダークはレドに近づき肩に触れた。
「2人とも行くぞ」
首に身につけている水晶玉を使ってレドはルーとダークとゴールドを連れて祈り部屋から姿を消し水晶の国に向かった。
ー緑の国ー
傷ついたグリーンモルダバイトは緑の石、モルダバイトの中で緑の治療を受けていた。
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