上 下
1 / 10

第1話

しおりを挟む
ー魔法が使える黒猫達が住む森林ー

1匹の黒猫が1人の男性に目を付けた。

「見習いの魔法使い、見つけた」

「トト、どうした?」

「ロー、見習いの魔法使いを見つけた」

「本当か」

「会いに行ってくる」

「あぁ」

黒猫のトトは魔法のホウキに乗り飛んでいった。

「ロー、トトはどこに行ったんですか?」

黒猫達の主、魔女のレイナが現れた。

「見習いの魔法使いを見つけたから会いに行くと」

「そうですか」

その頃、トトは魔法のホウキで見習い魔法使いがいる高校に向かっていた。

「あそこだな」

屋上に降り立つとトトは魔法のホウキを消し人間の姿に変身した。

ー見習い魔法使いがいる教室ー

「皆、静に、ここ試験に出るから」

「えー」

「しっかり勉強するように」

英語の授業を終えると見習い魔法使いは教室を出て職員室に向かった。

「すみません」

トトが声をかけた。

見習い魔法使いの男性は立ち止まり「はい」と返事をし目線を向けた。

「山本寿朗(やまもととしろう)さん」

「そうですが、あなたは?」

廊下で寿朗とトトが会話をしていると教室から女子生徒達が騒ぎながら出てきた。

「お前達、授業中だろ」

教室の中の先生が声をかけるも女子生徒達は聞かず寿朗が口を開いた。

「皆、授業中だろ席に着きなさい」

「は~い

女子生徒達が席に着いていくと寿朗はトトを連れて会議室に向かった。

「ここならゆっくり話しができます」

寿朗がドアを閉め席に着くとトトが立ったまま口を開いた。

「見習い魔法使い、俺と一緒に修行するぞ」

「見習い魔法使い?俺が?」

「信じられないだろうがお前は俺のパートナーの見習い魔法使いだ」

「信じられません、お帰りください」

寿朗が席を立ちドアに近づくとトトが口を開いた。

「仕方ないな」

「……」

寿朗が振り向き見つめるとトトは人間から黒猫のトトに戻り魔法の杖で足首まで長い黒い服と黒いマントと魔法の杖を出現させ長い机の上に置いた。

「信じてもらえたかな」

「……」

驚きながら寿朗が頷くとトトが口を開いた。

「寿朗、行くぞ準備をしろ」

「準備?」

「魔法使いの服を着てマントを身に付けるんだ」

「……」

上服とズボンを脱ぎ足首まで長い黒い服を掴み着ると黒いマントを身に付けた。

その後、寿朗は魔法の杖を掴み魔法の力を感じた。

「魔法の杖から力を感じます」

「魔法使いの証だ」

「俺が魔法使い」

「寿朗、魔法の杖で床を軽く2回、叩け、それで森林に行ける」

「わかりました」

返事後、寿朗は魔法の杖で軽く床を2回、叩き寿朗はその場から消え黒猫のトトもその場から消えた。

そして寿朗と黒猫のトトは森林の中に姿を現した。

「ここは?」

「見習い魔法使いとパートナーの黒猫が修行する森林だ」

「……」

「寿朗、修行の前に主に挨拶するぞついてこい」

「……」

歩いていく黒猫のトトに寿朗はついていき30分後、大きな家の前に着いた。

黒猫のトトがドアをノックしながら「今、戻りました」と声をかけるとドアが開き足首まで長い黒い服に黒いマントを身に付けたレイナが現れた。

「トト、お帰り」

目線を黒猫のトトから寿朗に向けるとレイナが口を開いた。

「ようこそ、魔法使いの森林に」

「……」

寿朗がお辞儀をするとレイナが黒猫のトトに向かって口を開いた。

「彼に話があるからトトは呼ぶまで別の場所で待ってて」

「わかりました」

黒猫のトトがその場を離れていくとレイナが口を開いた。

「中に入りなさい」

「はい」

寿朗が中に入るとレイナはドアを閉め寿朗を部屋に連れていった。

レイナは寿朗を見つめ口を開いた。

「見習い魔法使い、山本寿朗、よく来てくださいました」

そう言いながらレイナは寿朗に顔を近づけ唇を重ねた。

「……」

寿朗は驚いた。

その後、寿朗は家を出ていき黒猫のトトの元に向かった。

「……」

「レイナ様にキスをされたか」

「どうしてわかったんだ」

「レイナ様は男だけど気になった男でも女でもキスをするんだ、俺もされた」

「そうなんだ」

「寿朗、修行を始めるぞ、ついてこい」

黒猫のトトが自宅に向かって歩き出すと寿朗も歩きだしついていった。

こうして寿朗の見習い魔法使いの修行が始まった。 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

林檎を並べても、

ロウバイ
BL
―――彼は思い出さない。 二人で過ごした日々を忘れてしまった攻めと、そんな彼の行く先を見守る受けです。 ソウが目を覚ますと、そこは消毒の香りが充満した病室だった。自分の記憶を辿ろうとして、はたり。その手がかりとなる記憶がまったくないことに気付く。そんな時、林檎を片手にカーテンを引いてとある人物が入ってきた。 彼―――トキと名乗るその黒髪の男は、ソウが事故で記憶喪失になったことと、自身がソウの親友であると告げるが…。

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

高嶺の花宮君

しづ未
BL
幼馴染のイケメンが昔から自分に構ってくる話。

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)

九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。 半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。 そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。 これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。 注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。 *ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)

桜吹雪と泡沫の君

叶けい
BL
4月から新社会人として働き始めた名木透人は、高校時代から付き合っている年上の高校教師、宮城慶一と同棲して5年目。すっかりお互いが空気の様な存在で、恋人同士としてのときめきはなくなっていた。 慣れない会社勤めでてんてこ舞いになっている透人に、会社の先輩・渡辺裕斗が合コン参加を持ちかける。断り切れず合コンに出席した透人。そこで知り合った、桜色の髪の青年・桃瀬朔也と運命的な恋に落ちる。 だが朔也は、心臓に重い病気を抱えていた。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇
BL
会社員、兎山俊太郎(とやま しゅんたろう)はある日、「やっぱり女の子が好きだわ」と言われ別れを切り出される。彼氏の売れないバンドマン、熊井雄介(くまい ゆうすけ)は人気上昇中の清純派アイドル、桃澤久留美(ももざわ くるみ)と付き合うのだと言う。ショックの中で俊太郎が出社すると、幼馴染の有栖川麗音(ありすがわ れおん)が中途採用で入社してきて……?

処理中です...