伝説のナイト2

福猫

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第10話 友也の死、悲しみの黒い虎

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━無人島、海辺━

立ったまま海を眺める黒い虎の前に白ナイトの偉織と金ナイト闇珠が姿を見せると海を眺めながら黒い虎が口を開いた。

「強くなったようだな」

「あんたを倒して黒水晶を取り戻し母さんと父さんに報告する」

「無事に報告できるかな」

そう口にすると黒い虎は白ナイトの偉織と金ナイトの闇珠の方に向き黒水晶を見せた。

「……」

「……」

無言で白ナイトの偉織と金ナイトの闇珠が見つめると黒い虎は笑みを浮かべその後、黒水晶を飲み込んだ。

「嘘だろ!」

金ナイトの闇珠が驚いた口調で口にすると人間姿の黒い虎が黒い羽が生えた動物の虎に変身した。

「強くなったのはお前達だけじゃないんだぞ」

「凄い力だ、闇珠、気をつけろよ」

「わかってる」

会話後、白ナイトの偉織と金ナイトの闇珠は白剣と金剣を掴み構えた。

「これが最後の戦いだ」

動物の虎が口にした後、動物の虎と白ナイトの偉織と金ナイトの闇珠の戦いが始まった。

━友也の家━

黒い虎に眠らされ部屋のベッドで仰向けで眠っていた友也は目を覚まし身体を起こした。

「……」

その後、友也は無言でベッドから降り部屋を出るとそのまま裸足で玄関に向かい外に出て歩き始めた。

その頃、動物の虎と白ナイトの偉織と金ナイトの闇珠は激しい戦いを繰り広げていた。

━人混みの中━

「黒い虎、待ってて今すぐ行くから」

人混みの中を裸足で歩きながら友也は無人島の海辺に急いだ。

━無人島の海辺━

技と技がぶつかり合い金ナイトの闇珠が倒れると白ナイトの偉織は「闇珠ー」と叫びながら動物の虎に攻撃し金ナイトの闇珠に近づいた。

「闇珠、大丈夫か?」

白ナイトの偉織が金ナイトの闇珠の身体を支えながら立たせると動物の虎が口を開いた。

「弟の心配をしてる場合じゃないだろ」

口にしながら動物の虎が指を鳴らしたその時、気配を感じた白ナイトの偉織は金ナイトの闇珠を突き飛ばし地面から現れた蔓に捕まった。

「偉織!」

立ち上がると金ナイトの闇珠は白ナイトの偉織に近づき蔓を外そうともがいた。

「俺のことは良いから虎を倒せ」

「俺1人じゃ勝てない、2人で力を合わせてじゃないと勝てない」

「闇珠…」

「何で外れないんだ」

「俺の力を受け取ってくれ」

必死に外そうとする金ナイトの闇珠の手に触れると白ナイトの偉織は力を分けた。

「……」

金ナイトの闇珠の手が止まると白ナイトの偉織が口を開いた。

「俺の力を分けた、虎を倒してくれ」

「わかった、あとで助けるから」

白ナイトの偉織から目線を動物の虎に向けると金ナイトの闇珠は左右の手に力を込め白金の弓矢を出現させると白金の弓矢を掴み構えた。

「俺と偉織の力でできた矢だ、受け取れ」

金ナイトの闇珠が白金の矢を放ったその時、「黒い虎ー」と叫びながら友也が現れ動物の虎の前に立つと白金の矢を背中に受けうつ伏せで倒れた。

「友也!」

驚いた顔で見つめると虎の姿が動物から全裸姿の人間に変身した。

その瞬間、白ナイトの偉織を捕まえていた蔓が消え白ナイトの偉織は自由になった。

「…友也…」

うつ伏せの身体を仰向けに向け身体を抱き起こすと黒い虎は友也を抱きしめた。

「倒すなら今かも」

「ダメだ」

金ナイトの闇珠の言葉に白ナイトの偉織がそう口にすると黒い虎は友也を抱きしめながら背中に生えた大きな羽で自分と友也を包み込んだ。

変身を解き普通姿の偉織と闇珠に戻ると驚いた顔で立ったまま大きな羽で包まれた黒い虎と友也を見つめた。
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