2人の王子

福猫

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第8話

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「どうした」

結城を離れさせデビルが見つめると結城が口を開いた。

「1人でいるの怖いんだ」

結城の目から涙が流れるとデビルは結城を抱きしめた。

「ララ、ルーク、待っててくれ」

そう口にするとデビルは結城を部屋に連れていきベッドに寝かせ見守った。

そこへ理人が現れた。

「俺が側にいるからデビルさんは玄関で待ってる人達の元に行って」

「頼む」

「……」

理人がベッドに近づくとデビルは部屋を出てドアを閉めた。

その後、デビルは玄関に向かいララとルークに近づいた。

「外で話そうか」

そう口にするとデビルはララとルークを連れて玄関から外に出た。

「今と初めて会ったときと印象が変わってる」

「彼に何があったんだ」

「……」

ララとルークの問にデビルは黒水晶で見せた。

「誰が結城にそんなことをしたんだ」

「矢作春菜、兄ちゃんの元恋人です」

理人が姿を見せるとデビルが口を開いた。

「結城は?」

「眠ってます」

口にすると理人はデビルとララとルークに近づきお辞儀をしながら口を開いた。

「傷ついた兄ちゃんの心を癒やしてください、兄ちゃんを守ってください、お願いします」

口にした後、理人が顔をあげるとデビルが口を開いた。

「俺はお前ら兄弟を守ってやる」

「兄ちゃんだけを守ってください」

「俺はお前ら兄弟を気に入っている」

そう口にするとデビルは家の中に入っていった。

「何で俺まで」

理人が不思議そうに立ち尽くしているとララとルークが口を開いた。

「デビルは本気で君と結城を守りたいんだ」

「デビルは本気、負けてやれないな」

「そうだな」

会話後、ララとルークは理人を連れて家の中に入っていった。

ー春菜の別荘ー

ソファーに座りながら春菜は呼び出した3人の男に向かって口を開いた。

「失敗したみたいね」

「1人だと思って襲ったら男が現れたんだ」

「よく確認しないから失敗するのよ」

「約束通り1人、100万円、払ってもらおうか」

「失敗してるのに払うわけないでしょ」

「約束だろ」

「そうだ」

「払えよ」

3人の男が文句を口にすると春菜が口を開いた。

「チャンスをあげる、失敗しなかったら倍、払ってあげる」

「倍…1人、200万か」

「やってくれるわよね」

「わかった」

返事をすると3人の男は春菜をソファーから立たせ口を開いた。

「俺達、落ち込んでんだ春菜、慰めてくれよ」

「良いわよ」

口にした後、春菜は3人の男と唇を交わし身体を重ねた。

「……」

ベッドで眠る聡の姿をデビルとララとルークは壁にもたれながら座り見つめた。

「ララとルークも本気なんだろ」

「そうだな」

「俺も本気で結城に惚れた」

「デビル」

「何だ?」

「何でもない」

ララの会話を最後にララとルークとデビルは座ったまま眠りについた。

ー理人の部屋ー

ベッドに仰向けで倒れたまま理人はデビルの言葉が気になり眠れずにいた。

「デビルさんは何で俺まで守ると言ったんだろ」

口にした5秒後、理人は眠りについた。
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