転生

福猫

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第6話

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ベッドに座りながら眠る蓮の顔を恭介が見つめていると蓮が目を覚ました。

「目が覚めたか」

恭介が話しかけると蓮は身体を起こし恭介の姿に驚いた。

「その姿…」

「これが俺の本当の姿、そうだろ蓮」

「ベニーさんの記憶が」

「俺達、仲良し姉妹の天使だったんだろ」

「……」

「だから俺は蓮に惚れた」

そう言って恭介が顎を掴むと蓮は手を払い除けベッドから離れた。

「今の恭介は俺の知ってる恭介じゃない」

「……」

笑みを浮かべベッドから立ち上がると恭介は蓮を壁に追い込みその後、壁ドンすると口を開いた。

「ブライアンいや夜空にお前を渡さない」

「恭介…」

名を口にした後、蓮は恭介に唇を唇で塞がれた。

その後、蓮は恭介にベッドに運ばれ倒され覆い被された。

「恭介…」

「蓮、お前は俺のものだ」

そう言って恭介は蓮の身体を全裸にし交わった。

「誰にも渡さない…蓮」

「……」

恭介に身体を奪われながら蓮は顔をそらしながら涙を流しそのまま気を失った。

「気を失ったか」

そう言って恭介はベッドから離れ長服を整えると部屋を出てドアを閉めた。

そして恭介は螺旋階段を下り外に出た。

その後、恭介は黒い羽を広げ上空を飛ぶと夜空のマンションに向かった。

恭介が姿を消して30分後、蓮が目を覚ました。

その後、蓮は身体を起こし「恭介がいない」と口にするとベッドから離れ脱がされた私服を掴み着た。

そして蓮はドアに近づきゆっくり開くとキョロキョロしながら部屋を出て螺旋階段を下りた。

「どこかに行ったんだ、今なら逃げ出せる」

そう言って蓮はドアに近づき開こうともがいた。

「開かない、何でだ」

「結界を張ってるから無理よ」

そう言って黒い羽に黒いドレスの黒天使ベニーが現れた。

「……」

驚いた顔で蓮が見つめるとベニーが口を開いた。

「彼が暴走するなんて、ゴメンねアダンあ、いや蓮さん」

「……」

「あなたを完全に手に入れるには夜空さんは邪魔な存在」

「え…」

「夜空さんの命を奪えばあなたをものにできる」

「そんなの止めないと」

「止めるには恭介の命を奪わないと」

「恭介は友達だから命は奪いたくない」

「それじゃあ夜空さんを助けることはできない」

「そんな…」

蓮が悲しい顔でうつ向くとベニーが口を開いた。

「私は助けることはできないこの世にいない者だから」

「……」

「あなたの中の白い羽が力を貸してくれるはずです」

「……」

うつ向いている顔を蓮があげるとベニーは蓮を抱きしめ「頑張ってお姉ちゃん」と言ってベニーは消えていった。

その後、蓮は片手を胸にあて身体の中にある白い羽に問いかけた。

「恭介は大事な友達だから命は奪いたくない、夜空さんも大事な人だから恭介に命を狙わせたくない…2人を助けたい白い羽、俺に力を貸してください」

口にした後、白い羽が蓮の姿を変えた。

その姿は白い羽に白い長服に白い長髪の白天使。
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