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第3話
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それから暫くして千絵は亮と出会った公園に着きベンチに座った。
「……」
千絵は猫と行き交う人々を見つめた。
その頃、亮は女性客の接客を続けていた。
そこへ男性スタッフがスケッチブックを持って現れた。
「オーナー、宜しいでしょうか」
「どうした」
「これが落ちてました」
スケッチブックを差し出すと亮はスケッチブックを受け取り立ち上がった。
「亮君、どうしたの?」
女性客が問いかけると亮が口を開いた。
「一恵(かずえ)様、申し訳ありません」
お辞儀をし亮はスケッチブックを持ったまま店を出ていった。
ー亮と出会った公園ー
胸のドキドキが落ち着いてきた千絵は家に帰ろうとベンチから立ち上がった。
その時、スケッチブックを店に置いてきとことに気がついた。
「スケッチブック、店に置いてきた…取りに行くの…どうしょう…」
「千絵さん」
「……」
声をかけられ振り向いた千絵はスケッチブックを持って近づいてくる亮に驚いた。
「亮さん!」
「これ忘れてましたよ」
「すみません」
スケッチブックを受け取った千絵はスーツ姿の亮に再びドキドキした。
「急に店を出ていったから心配しました」
「すみません」
「急に何で店を出ていったんですか?」
「……」
亮のスーツ姿にドキドキして出ていったなんて言えない千絵はスケッチブックを握りしめながら黙り込んだ。
「言いたくないなら言わなくても」
「亮さんのスーツ姿にドキドキしたから…」
口にした後、千絵は頬を赤らめながら黙り込んだ。
「……」
驚いた顔で亮が見つめると千絵は再び口を開いた。
「ドキドキして絵を描くことができません、すみませんがモデル…忘れてください」
お辞儀をし千絵は離れようと亮に背を向けた。
その時、千絵は亮に手首を掴まれスケッチブックを落とした。
そして千絵は引き寄せられ亮に抱きしめられた。
千絵のドキドキは更に高まった。
慌てて千絵は亮から離れその場を走って離れて行った。
「またスケッチブックを忘れてる」
口にしながら亮がスケッチブックを掴むと理菜が近づいてきた。
「亮」
「理菜!」
「亮にバカって言ったこと謝りたくて店に行ったら出かけたって言われて公園に来たの…そしたら亮…男性を抱きしめてた…」
「見てたのか」
「あの男性のこと好きなの?」
「何、バカのこと言ってんだ」
「彼のこと好きなら私、応援するから」
「だから俺は」
言いかけた亮は離れて行く理菜を見つめ微笑みながら小さな声で口を開いた。
「ありがとう、理菜」
スケッチブックを持ったまま亮は店に戻っていった。
「……」
千絵は猫と行き交う人々を見つめた。
その頃、亮は女性客の接客を続けていた。
そこへ男性スタッフがスケッチブックを持って現れた。
「オーナー、宜しいでしょうか」
「どうした」
「これが落ちてました」
スケッチブックを差し出すと亮はスケッチブックを受け取り立ち上がった。
「亮君、どうしたの?」
女性客が問いかけると亮が口を開いた。
「一恵(かずえ)様、申し訳ありません」
お辞儀をし亮はスケッチブックを持ったまま店を出ていった。
ー亮と出会った公園ー
胸のドキドキが落ち着いてきた千絵は家に帰ろうとベンチから立ち上がった。
その時、スケッチブックを店に置いてきとことに気がついた。
「スケッチブック、店に置いてきた…取りに行くの…どうしょう…」
「千絵さん」
「……」
声をかけられ振り向いた千絵はスケッチブックを持って近づいてくる亮に驚いた。
「亮さん!」
「これ忘れてましたよ」
「すみません」
スケッチブックを受け取った千絵はスーツ姿の亮に再びドキドキした。
「急に店を出ていったから心配しました」
「すみません」
「急に何で店を出ていったんですか?」
「……」
亮のスーツ姿にドキドキして出ていったなんて言えない千絵はスケッチブックを握りしめながら黙り込んだ。
「言いたくないなら言わなくても」
「亮さんのスーツ姿にドキドキしたから…」
口にした後、千絵は頬を赤らめながら黙り込んだ。
「……」
驚いた顔で亮が見つめると千絵は再び口を開いた。
「ドキドキして絵を描くことができません、すみませんがモデル…忘れてください」
お辞儀をし千絵は離れようと亮に背を向けた。
その時、千絵は亮に手首を掴まれスケッチブックを落とした。
そして千絵は引き寄せられ亮に抱きしめられた。
千絵のドキドキは更に高まった。
慌てて千絵は亮から離れその場を走って離れて行った。
「またスケッチブックを忘れてる」
口にしながら亮がスケッチブックを掴むと理菜が近づいてきた。
「亮」
「理菜!」
「亮にバカって言ったこと謝りたくて店に行ったら出かけたって言われて公園に来たの…そしたら亮…男性を抱きしめてた…」
「見てたのか」
「あの男性のこと好きなの?」
「何、バカのこと言ってんだ」
「彼のこと好きなら私、応援するから」
「だから俺は」
言いかけた亮は離れて行く理菜を見つめ微笑みながら小さな声で口を開いた。
「ありがとう、理菜」
スケッチブックを持ったまま亮は店に戻っていった。
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