catlove

福猫

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第5話

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「近くに海があるんだそこで話をしましょうか」

「はい」

「……」

人間姿のみっちゃんは無言で先に歩きだし幸雄も歩きだした。

その後、人間姿のみっちゃんと幸雄は砂浜を歩き立ち止まった。

「……」

「……」

人間姿のみっちゃんと幸雄は無言で海を見つめた。

10秒後、幸雄が海を見つめながら口を開いた。

「友達から付き合おうか」

「友達から…」

人間姿のみっちゃんが見つめると幸雄も見つめ口を開いた。

「友達から始めて互いのこと知ろう」

「そうだね」

「別荘に戻ろうか」

「もうちょっと海を見ようよ」

「そうだね」

そう言って幸雄と人間姿のみっちゃんは砂浜で立ったまま海を見つめた。

「海って落ち着くよね」

「……」

無言で人間姿のみっちゃんは幸雄の手に目線を向けその手を握ると海に目線を向けた。

「……」

幸雄は何も言わず海を見続けた。

その様子を白衣姿の悠人が見つめていた。

「恋人同士みたいだな」

「……」

「……」

幸雄の手を離すと人間姿のみっちゃんと幸雄は振り返り白衣姿の悠人を見つめた。

「よく俺がここにいるとわかったな」

近づいてくる悠人に人間姿のみっちゃんが声をかけると悠人が口を開いた。

「俺はここの別荘に住んでるんだわかるに決まってるだろ」

「悠人さん」

「俺の言葉があなたの心に届いて良かった」

「俺達、友達から付き合うことにしました」

「そこから恋人に変わったら良いな、みっちゃん」

悠人が見つめると人間姿のみっちゃんが「そうだな」と返事をした。

「みっちゃん、幸雄さん、新しい発明品、見ない?」

「見たいです」

幸雄が返事をすると人間姿のみっちゃんも「見たい」と返事をした。

「2人ともついてきて」

そう言って悠人が歩き出すと人間姿のみっちゃんと幸雄も歩きだし別荘に向かった。

その後、3人は別荘に着き発明室に向かった。

「凄い」

たくさんの発明品に幸雄は驚いた。

「こんなに発明品があるのに何で販売しないんだ」

「俺は売るために発明してるんじゃないんだ、発明が好きだから発明品を作ってるんだ」

「生活はどうしてるんですか?」

「見えないと思うけど病院を経営してるんだ」

「……」

見つめ合いながら会話をする悠人と幸雄の姿を見つめながら人間姿のみっちゃんは不安を感じた。

「幸雄さんに渡したい発明品があるんですが受け取ってくれますか?」

「はい」

「持ってきますね」

そう言って悠人が発明室を出ていくと人間姿のみっちゃんが口を開いた。

「俺が受け取っておくから幸雄は家に帰ってて」

「急にどうした」

「良いから俺の言う通りにして」

怒った口調で人間姿のみっちゃんが口にすると幸雄は言われた通り発明室を出ていき別荘からも出ていった。

その後、悠人が現れた。

「みっちゃん、幸雄さんは?」

「家に帰した」

「渡すものがあったのに」

「俺が渡しておく」

「何か怒ってないか」

「怒ってないよ」

そう言って人間姿のみっちゃんは悠人の手からハート型の水晶を奪い取り発明室を出ていった。

「俺に幸雄さんを奪われると思ってあいつ怒ってる?」

そう言って悠人はクスクス笑いその後、怪しい笑みを浮かべた。

その頃、幸雄は街中で要と出会い会話をしていた。

「みっちゃんのことで話があるんだけど、俺の店で話さないか」

「俺もみっちゃんのことで話があります」

そう言って幸雄は要と一緒に休みのホストクラブ輝きに向かった。

「今日は休みなんですね」

「ホスト達は休みだけどオーナーの俺は休みじゃない」

そう言って要が鍵をあけドアを開き中に入ると幸雄も中に入りドアを閉めた。

「ここで話そうか席に座って」

「はい」

「……」

幸雄が離れていくと要は鍵をかけ幸雄が座っている席に近づき隣に座った。

「幸雄さんから話しますか?」

「要さんから話してください」

「わかった、その前に」

そう言って要は幸雄に顔を近づけ唇を重ねた。

「……」

「……」

要が唇を離し見つめると幸雄は驚いた顔で見つめた。

要は幸雄の顔を見つめながら三毛猫のみっちゃんのことを口にした。

「みっちゃんが人間に変身すること知ってましたか?」

「知ってます、本人から発明家の人に頼んで人間に変身したと聞きました」

「なぜ猫のみっちゃんが人間になりたいのか理由を聞きましたか?」

「俺に…」

「言わなくて良いです、何となくわかりますから」

「今のみっちゃんは猫だけど人間でもあります、どうしますか?」

「どうするとは?」

「猫のみっちゃんで接するのか人間のみっちゃんで接するのか」

「みっちゃんはライバル」

そう言って要は幸雄の身体を倒し覆い被さった。

「要さん?」

「君と再会をした時のみっちゃんの姿を見て俺は猫のみっちゃんは君に恋しているそう思った、だから人間になりたくて発明家の人に頼み人間になった」

「要さん、退いてください」

「嫌だと言ったら」

「大きな声で人を呼びます」

「口を塞いだら大きな声が出せない」

そう言って要はネクタイを外しそのネクタイで幸雄の口を塞いだ。

「ううう…」

「幸雄さん、好きです」

そう言って要は幸雄の上服を脱がせ触れ始めた。

その後、要は幸雄の身体を全裸にし奪い続けた。

「……」

幸雄は要に身体を奪われ続けながら目から涙を流した。

それから暫くして幸雄は要から解放された。

その時、要のスマホが鳴った。

要は幸雄から離れズボンのポケットからスマホを取り出し電話に出た。

「もしもし」

「もしもし要、俺だけど」

「珍しいな」

「店の前にいるんだ開けてくれないかな」

「休みの看板が出てるだろ」

「紬から連絡がきたんだ、幸雄さんがお前と一緒にお前の店に入ったと」

「ちょっと待ってくれ」

通話を切り要はスーツを着てズボンを穿くとドアに近づき鍵をあけ幸雄が見えないようにドアを開き悠人に会った。

「白衣の姿しか見たことないから私服姿のお前は新鮮だな」

「……」

悠人は要をドアから離れさせ中に入ると悠人は席に近づき口はネクタイで塞がれ全裸姿で眠っている幸雄の姿に驚いた。
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