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第9話
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━凛斗の自宅、玄関先━
「どちら様でしょうか?」
「鈴木凛斗さん」
「はい」
「野神進士の友達」
「進士は俺の友達ですけど」
凛斗がそう答えるとゴーストのナツキは少し開いたドアを閉め凛斗を突き倒した。
「何、するんですか」
凛斗が立ち上がるとゴーストのナツキは再び凛斗の身体を倒し覆い被さりながら口を開いた。
「進士のせいで杏果の命は奪われた」
「俺は関係ないだろ離れろよ」
口にしながら凛斗がもがくとゴーストのナツキは凛斗の左右の手首を掴み顔を見つめた。
「目を見ろ」
「……」
もがいていた凛斗は光るゴーストのナツキの目に動きを奪われそのまま眠らされた。
ゴーストのナツキは凛斗から離れ凛斗をお姫様抱っこすると玄関を離れ寝室に向かった。
その後、凛斗をベッドに仰向けで寝かせるとゴーストのナツキは険しい顔で見つめた。
「……」
凛斗の命を奪おうとゴーストのナツキが凛斗の首を絞めようとしたその時、進士と人間姿の黒猫が現れた。
「凛斗!」
慌てて近づきゴーストのナツキを離れさせると進士は突き飛ばした。
「凛斗、しっかりしろ、凛斗」
何度も進士が声をかけると凛斗はゆっくり目を覚ました。
「進士…」
ゆっくり凛斗が身体を起こすと進士は涙を流しながら凛斗を抱きしめ口を開いた。
「無事で良かった」
「…進士…」
「……」
「……」
抱きしめ合う進士と凛斗の姿をゴーストのナツキと人間姿の黒猫は無言で見つめた。
「ナツキ、黒猫、マタタビ畑においで」
「……」
「……」
謎の声にゴーストのナツキと人間姿の黒猫は寝室から姿を消しマタタビ畑に姿を現した。
「杏果!」
マタタビ畑の主と神様と一緒に立っている杏果にゴーストのナツキが驚いた顔で見つめると杏果はナツキに近づき口を開いた。
「ナツキ、俺もゴーストになっちゃった」
「ゴーストの俺に出会わなかったら命を奪われることもなかったのに…すまない…」
「神様、マタタビ畑の主、ゴーストの杏果としてナツキと共に生きます」
「杏果!」
杏果の言葉に驚いた顔でナツキが見つめると杏果が口を開いた。
「今から話す言葉は俺の本当の気持ちだから」
「……」
「俺はナツキが好き、ナツキは?」
「俺も杏果が好きだ」
見つめ合い互いの顔を近づけると杏果とナツキは唇を重ねた。
その姿を見てマタタビ畑の主はナツキと杏果をゴーストから解放し2人を杏果の自宅に送った。
「今度は黒猫だ」
「……」
「話が終わったら教えて」
マタタビ畑の主が姿を消すと神様が口を開いた。
「野神進士と鈴木凛斗は愛し合ってる」
「何で俺にそんな話を」
「お前は野神進士に恋してる」
「恋してるよ悪いか」
「片思いの恋は実らない」
「そんなのわかってるよ」
人間姿の黒猫が姿を消すとマタタビ畑の主が現れた。
「傷つくような言葉を言わなくても良いだろう」
「タビの言う通りだな」
人間姿の黒猫を追って神様が姿を消すと人間姿の白猫が現れた。
「マタタビ畑の主に話があります」
真剣な顔で人間姿の白猫が見つめるとマタタビ畑の主、タビは白猫に近づいた。
「どちら様でしょうか?」
「鈴木凛斗さん」
「はい」
「野神進士の友達」
「進士は俺の友達ですけど」
凛斗がそう答えるとゴーストのナツキは少し開いたドアを閉め凛斗を突き倒した。
「何、するんですか」
凛斗が立ち上がるとゴーストのナツキは再び凛斗の身体を倒し覆い被さりながら口を開いた。
「進士のせいで杏果の命は奪われた」
「俺は関係ないだろ離れろよ」
口にしながら凛斗がもがくとゴーストのナツキは凛斗の左右の手首を掴み顔を見つめた。
「目を見ろ」
「……」
もがいていた凛斗は光るゴーストのナツキの目に動きを奪われそのまま眠らされた。
ゴーストのナツキは凛斗から離れ凛斗をお姫様抱っこすると玄関を離れ寝室に向かった。
その後、凛斗をベッドに仰向けで寝かせるとゴーストのナツキは険しい顔で見つめた。
「……」
凛斗の命を奪おうとゴーストのナツキが凛斗の首を絞めようとしたその時、進士と人間姿の黒猫が現れた。
「凛斗!」
慌てて近づきゴーストのナツキを離れさせると進士は突き飛ばした。
「凛斗、しっかりしろ、凛斗」
何度も進士が声をかけると凛斗はゆっくり目を覚ました。
「進士…」
ゆっくり凛斗が身体を起こすと進士は涙を流しながら凛斗を抱きしめ口を開いた。
「無事で良かった」
「…進士…」
「……」
「……」
抱きしめ合う進士と凛斗の姿をゴーストのナツキと人間姿の黒猫は無言で見つめた。
「ナツキ、黒猫、マタタビ畑においで」
「……」
「……」
謎の声にゴーストのナツキと人間姿の黒猫は寝室から姿を消しマタタビ畑に姿を現した。
「杏果!」
マタタビ畑の主と神様と一緒に立っている杏果にゴーストのナツキが驚いた顔で見つめると杏果はナツキに近づき口を開いた。
「ナツキ、俺もゴーストになっちゃった」
「ゴーストの俺に出会わなかったら命を奪われることもなかったのに…すまない…」
「神様、マタタビ畑の主、ゴーストの杏果としてナツキと共に生きます」
「杏果!」
杏果の言葉に驚いた顔でナツキが見つめると杏果が口を開いた。
「今から話す言葉は俺の本当の気持ちだから」
「……」
「俺はナツキが好き、ナツキは?」
「俺も杏果が好きだ」
見つめ合い互いの顔を近づけると杏果とナツキは唇を重ねた。
その姿を見てマタタビ畑の主はナツキと杏果をゴーストから解放し2人を杏果の自宅に送った。
「今度は黒猫だ」
「……」
「話が終わったら教えて」
マタタビ畑の主が姿を消すと神様が口を開いた。
「野神進士と鈴木凛斗は愛し合ってる」
「何で俺にそんな話を」
「お前は野神進士に恋してる」
「恋してるよ悪いか」
「片思いの恋は実らない」
「そんなのわかってるよ」
人間姿の黒猫が姿を消すとマタタビ畑の主が現れた。
「傷つくような言葉を言わなくても良いだろう」
「タビの言う通りだな」
人間姿の黒猫を追って神様が姿を消すと人間姿の白猫が現れた。
「マタタビ畑の主に話があります」
真剣な顔で人間姿の白猫が見つめるとマタタビ畑の主、タビは白猫に近づいた。
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