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#8 フラグ建築士が探偵になるには雀騎士への弟子入りが絶対条件かもしれません(2)
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陽の傾いた帰り道、我は右耳から左耳へと流れるアンチコメントの処理に明け暮れていた。
「優さんやっぱ流石だよ。中学生の時から授業聞いてないんだろうけど、高校入って2週間も経ってないのに寝ちゃうなんて…w」
「あーあ、リンさんも閻魔の子分になったんかい」
「あんなやつと一緒にしないでってw 」
「それに別に寝たのはわざとじゃなかったから。不可抗力だったから」
「そーゆう話じゃないじゃん?」
「そうだけどもさ~、」
「はいはい、言い訳しない」
「はいはい、元吹部部長様の仰せのままに…」
夕陽に照らされながら、自転車を押しながら。中学時代の関係にタイムスリップして、他愛のない話をした。リンの調子がいいところは変わらないななんて思ったり。相変わらず自転車を押すのが下手で、足にあざができたり。そんなところを笑われたり。ベチョベチョになった豆腐メンタルが、徐々に復活していくのを感じた。
3kmほど歩き、チラホラと歩道横の電灯が着き始めた頃。青信号になるのを待っている時のことだった。
「ねぇさ、優さん?」
とリンが話を切り出してきた。
「どうしたんですか、リンさん?」
横を向くと、リンはちょっと迷っているような横顔をしていた。いつものリンらしくない、真面目なんだろうなと人に思わせる顔。我は首をちょっと傾げて話の続きを促した。するとリンは意を決したように自転車のハンドルをぎゅっと握り、顔をこちらに向けた。
「優さん…なんかあったんじゃないんですか?」
我はちょっと悩んで、顔を上げた。
「バレバレでしたかね…?」
「バレバレでしたよ?」
リンはニッと笑って我に言った。
(リンならわかってくれるよな…)
優は、残りの帰り道で悩みを吐き出してしまおうと心に決めた。
「優さんやっぱ流石だよ。中学生の時から授業聞いてないんだろうけど、高校入って2週間も経ってないのに寝ちゃうなんて…w」
「あーあ、リンさんも閻魔の子分になったんかい」
「あんなやつと一緒にしないでってw 」
「それに別に寝たのはわざとじゃなかったから。不可抗力だったから」
「そーゆう話じゃないじゃん?」
「そうだけどもさ~、」
「はいはい、言い訳しない」
「はいはい、元吹部部長様の仰せのままに…」
夕陽に照らされながら、自転車を押しながら。中学時代の関係にタイムスリップして、他愛のない話をした。リンの調子がいいところは変わらないななんて思ったり。相変わらず自転車を押すのが下手で、足にあざができたり。そんなところを笑われたり。ベチョベチョになった豆腐メンタルが、徐々に復活していくのを感じた。
3kmほど歩き、チラホラと歩道横の電灯が着き始めた頃。青信号になるのを待っている時のことだった。
「ねぇさ、優さん?」
とリンが話を切り出してきた。
「どうしたんですか、リンさん?」
横を向くと、リンはちょっと迷っているような横顔をしていた。いつものリンらしくない、真面目なんだろうなと人に思わせる顔。我は首をちょっと傾げて話の続きを促した。するとリンは意を決したように自転車のハンドルをぎゅっと握り、顔をこちらに向けた。
「優さん…なんかあったんじゃないんですか?」
我はちょっと悩んで、顔を上げた。
「バレバレでしたかね…?」
「バレバレでしたよ?」
リンはニッと笑って我に言った。
(リンならわかってくれるよな…)
優は、残りの帰り道で悩みを吐き出してしまおうと心に決めた。
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