9 / 11
#7 フラグ建築士が探偵になるには雀棋士への弟子入りが絶対かもしれません(1)
しおりを挟む
5時間目の現代社会が終わっても6時間目の物理が終わってもあの謎は解けないままでいた。
ノートには思い当たる理由と自分への問いかけが書き殴られてぐちゃぐちゃだった。
息を吐いても吐いても吐ききれない。
散らばったペンや定規を片付けながら我は考えを整理し始めた。
現時点で思い浮かんでいる理由は5つ。
1つ目が一人ぼっちにされて悲しかった説だ。会話相手がいない上、近くには気絶している親友が居たらもしかしたら混乱して泣くこともあるかもしれない。
(そんなことするやつじゃないと思うんだけどね…)
零の性格上ありえないだろう。だから確率は低いと考えている。
2つ目がただ単に花粉症で目が痛すぎた説だ。花粉による人への攻撃によって苦しめられる人は多いはずだ。
(いや、待てよ…)
我は入学式の日のことを思い出す。あの日は花粉の飛散量が多く、ニュースで大きく話題に上がるほどだった。鼻をジュルジュルならし、目が真っ赤にさせながら帰り道をいつものメンバーで歩く。
「優、卒業式でもないのに泣いちゃって~w」
とリンが茶化してきた。
「そういうお前こそ、ずっとくしゃみして話を妨害してたじゃないかw」
と言い返す。そうやってお互いに非難し合っていると
「はいはい喧嘩は終了ね。どっちも辛いってことでしょう?以上終わり!」
と零が仲裁に入る。過去最高レベルの辛さから
「「花粉症持ちじゃないお前にこの辛さがわかるかよ!!!」」
と2人で言い返した。零の綺麗に整った顔は花粉による攻撃でボロボロにされるどころか、桜の花びらによって美しく飾られていた。苦しんでいるところに天女がいれば、羨んで妬んでしまうのも仕方がない。
(なんだかんだ言って、あいつはやっぱり美人だよな…)
そんな物思いにふけっているのもつかの間、我は気づく。
(ってことはこれが理由じゃないじゃん…)
頭を抱えて、<考える人 現代ver.>のポーズをとる。あーでもないこーでもないと考えを深めていくと廊下にいる生徒たちが教室に戻っていく足音が聞こえてきた。時計を見ると、7時間目が始まる5分前になっていることに気づく。我は授業の用意をし、目薬をさした。次の授業は古文だ。ノートを開くと我は絶望する。
(あれ…予習やってない……?)
席に着くよう注意する声を耳に入れず、ノートとシャーペンを握りしめ、リンの席へと駆け出した。
ノートには思い当たる理由と自分への問いかけが書き殴られてぐちゃぐちゃだった。
息を吐いても吐いても吐ききれない。
散らばったペンや定規を片付けながら我は考えを整理し始めた。
現時点で思い浮かんでいる理由は5つ。
1つ目が一人ぼっちにされて悲しかった説だ。会話相手がいない上、近くには気絶している親友が居たらもしかしたら混乱して泣くこともあるかもしれない。
(そんなことするやつじゃないと思うんだけどね…)
零の性格上ありえないだろう。だから確率は低いと考えている。
2つ目がただ単に花粉症で目が痛すぎた説だ。花粉による人への攻撃によって苦しめられる人は多いはずだ。
(いや、待てよ…)
我は入学式の日のことを思い出す。あの日は花粉の飛散量が多く、ニュースで大きく話題に上がるほどだった。鼻をジュルジュルならし、目が真っ赤にさせながら帰り道をいつものメンバーで歩く。
「優、卒業式でもないのに泣いちゃって~w」
とリンが茶化してきた。
「そういうお前こそ、ずっとくしゃみして話を妨害してたじゃないかw」
と言い返す。そうやってお互いに非難し合っていると
「はいはい喧嘩は終了ね。どっちも辛いってことでしょう?以上終わり!」
と零が仲裁に入る。過去最高レベルの辛さから
「「花粉症持ちじゃないお前にこの辛さがわかるかよ!!!」」
と2人で言い返した。零の綺麗に整った顔は花粉による攻撃でボロボロにされるどころか、桜の花びらによって美しく飾られていた。苦しんでいるところに天女がいれば、羨んで妬んでしまうのも仕方がない。
(なんだかんだ言って、あいつはやっぱり美人だよな…)
そんな物思いにふけっているのもつかの間、我は気づく。
(ってことはこれが理由じゃないじゃん…)
頭を抱えて、<考える人 現代ver.>のポーズをとる。あーでもないこーでもないと考えを深めていくと廊下にいる生徒たちが教室に戻っていく足音が聞こえてきた。時計を見ると、7時間目が始まる5分前になっていることに気づく。我は授業の用意をし、目薬をさした。次の授業は古文だ。ノートを開くと我は絶望する。
(あれ…予習やってない……?)
席に着くよう注意する声を耳に入れず、ノートとシャーペンを握りしめ、リンの席へと駆け出した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
四条雪乃は結ばれたい。〜深窓令嬢な学園で一番の美少女生徒会長様は、不良な彼に恋してる。〜
八木崎(やぎさき)
青春
「どうしようもないくらいに、私は貴方に惹かれているんですよ?」
「こんなにも私は貴方の事を愛しているのですから。貴方もきっと、私の事を愛してくれるのでしょう?」
「だからこそ、私は貴方と結ばれるべきなんです」
「貴方にとっても、そして私にとっても、お互いが傍にいてこそ、意味のある人生になりますもの」
「……なら、私がこうして行動するのは、当然の事なんですよね」
「だって、貴方を愛しているのですから」
四条雪乃は大企業のご令嬢であり、学園の生徒会長を務める才色兼備の美少女である。
華麗なる美貌と、卓越した才能を持ち、学園中の生徒達から尊敬され、また憧れの人物でもある。
一方、彼女と同じクラスの山田次郎は、彼女とは正反対の存在であり、不良生徒として周囲から浮いた存在である。
彼は学園の象徴とも言える四条雪乃の事を苦手としており、自分が不良だという自己認識と彼女の高嶺の花な存在感によって、彼女とは距離を置くようにしていた。
しかし、ある事件を切っ掛けに彼と彼女は関わりを深める様になっていく。
だが、彼女が見せる積極性、価値観の違いに次郎は呆れ、困り、怒り、そして苦悩する事になる。
「ねぇ、次郎さん。私は貴方の事、大好きですわ」
「そうか。四条、俺はお前の事が嫌いだよ」
一方的な感情を向けてくる雪乃に対して、次郎は拒絶をしたくても彼女は絶対に諦め様とはしない。
彼女の深過ぎる愛情に困惑しながら、彼は今日も身の振り方に苦悩するのであった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。



彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)


【完結】元お義父様が謝りに来ました。 「婚約破棄にした息子を許して欲しい」って…。
BBやっこ
恋愛
婚約はお父様の親友同士の約束だった。
だから、生まれた時から婚約者だったし。成長を共にしたようなもの。仲もほどほどに良かった。そんな私達も学園に入学して、色んな人と交流する中。彼は変わったわ。
女学生と腕を組んでいたという、噂とか。婚約破棄、婚約者はにないと言っている。噂よね?
けど、噂が本当ではなくても、真にうけて行動する人もいる。やり方は選べた筈なのに。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる