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第16話
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翌日から、俺とライゼンは人類の存亡をかけて早速動き出すことになった。
自分で言ってみるとかなり大袈裟な表現かな……と思わないでもないんだけど、事実だし。とはいえ、それを宣言するのはいろいろ問題有りだし、諸々がバレないように注意と警戒が必要だ。
なので。
「普通の動物の肉より魔物の肉が美味しいみたいに、土や肥料に魔の森の素材を使ったら美味しくなるか試してみたいんですけど、いいですか?」
「は?」
基礎訓練の最中に、見てくれていたリクガンに確認したら、何を言い出すんだって感じで聞き返された。
「なんで土と肥料?」
まさか『古代魔導具事典【レベル1】』の最初のページに載っていたからと言えるはずがないので、事前にライゼンと打ち合わせていた通りに説明する。
曰く、
「領都で食べた野菜より、ここで食べる野菜の方が美味しいと思いませんか?」
これは俺の本心なのだが、リクガンは不思議そうだ。
「そうか? まぁ俺は滅多に街で食わねぇからよく判らんが、……大体、魔の森で育てた野菜なんて気味悪がって嫌がられるだけだ。そんな場所の土や肥料ったってなぁ」
「でも美味しいです」
「俺だって味に文句はねぇよ?」
「健康被害だってないでしょう?」
「まあ……みんな元気だわな?」
「つまり魔の森で暮らしていない人たちは知らないだけ、ってことですよ。……それに」
俺は少し言い難そうな風を装って、続ける。
「俺の母さんがジェト出身なのはご存知だと思うんですけど」
「そりゃあな」
リクガンは母さんのファンだって前に言ってくれたし、Sランク冒険者の出身地は割と当たり前に知られている情報だ。
「ジェトって食べ物に関してはすごいでしょう?」
「だな」
「母さんも食には結構こだわる派で、いつか冒険者を引退したら土地を買って、自分で畑を作って、土や肥料も自分で改良して美味しい野菜を育てたいって。世界中の人がもっと美味しい野菜を食べて幸せになれたらって言ってたんです……」
「なっ……リファさんに、そんな夢が……!?」
目を見開いてショックを受けているリクガンには申し訳ない気持ちでいっぱいになるし、母さんにも嘘ついてごめんって何度も心の中で謝る。
事典の通りにするし、きっと失敗もしないし、役に立つと思うので許して欲しい。
全然根拠がなくて説得できるだけの自分の言葉を持っていないのが歯痒くて仕方ないけど、いまは本当に時間がないのだ。
「最初は実験なので、村の畑の奥の方にスペースを借りたいんです。どうですか?」
「……グラン」
「はい、っ?」
がしっと両肩を掴まれて驚いた俺は、リクガンの目尻に涙が浮かんでいるのを見て更に驚いた。
「失敗したっていい。何度だって挑戦していいんだ、……頑張れよ……っ」
「は、はい……!」
もう百回くらい心の中で謝罪する。
絶対に美味しい野菜を育てますから許して欲しいです……!
訓練が終わって、すぐにリクガンが村の大人たちに話を通してくれたおかげで、魔力枯渇のペナルティ付与中のせいで非力な俺のために今日が休みの皆が斧や鋸を持って集まってくれた。
「この辺りに、どれくらいのスペースが必要なんだ?」
「最初は縦1メートル、横2メートルくらいでいいか?」
「実験っつーなら、作った土や肥料で畑やる場所も必要だよな」
「ってことはここら辺の木ぃ切って加工するか」
「お手数お掛けします……!!」
土下座する勢いで頭を下げたら「気にすんな」と笑ってくれる。
あ、土下座っていうのはジェトの文化で誠心誠意謝罪するときに取る姿勢のことだ。俺が実際に見たのは母さんに土下座する父さんだけだけど、なんか凄かった。ちなみに謝ってもらう人は肩幅に足を開いて、腕を組んで立つという仁王立ちと呼ばれるスタイルで威圧を放つんだって。
父さんが死にそうな顔をしていたのをよく覚えてるけど、……あれってなんで謝ってたんだろう??
ま、いいか。
「俺も手伝います!!」
リクガン達から指示をもらいながら、俺も懸命に斧を振った。
***
木材乾燥の魔術回路をライゼンが刻んでくれたこともあって、三日で木枠を作る材料は揃った。ちなみに木材乾燥の魔術回路は購入で、費用は両親が遺してくれた分から出した。未来のためだし、きっと許してくれると思う。そもそもの嘘については……いや、それもきっと、仕方ないねって許してくれそうな気がするよ。たぶん。きっと。
で!
今回の木材乾燥の魔術回路みたいに、誰かが開発済みの回路を使用する際の購入方法は主に二つあって、一つは魔術回路が刻まれている魔石や布といった媒体を購入する使い切り。これは、使用すると媒体が割れたり燃えて灰になったりする。
もう一つは、今回の俺たちが選んだ図面の買取だ。
料金は十倍以上だったけど、今後の事を考えると何度も必要になるのは確実だし、木材乾燥の回路は欲しがる人が多いおかげで良心的な価格だったのだ。
というわけで、釘と金槌を借りて始めた木枠作成は、今回も村の男達が手伝ってくれたおかげで半日で終わった。
昼食を挟んで、午後からはいよいよ木枠の中に魔の森の土と、葉と、そして野菜小屋の横に盛って捨てられていた米ぬかを『古代魔導具事典』に書かれている分量通りに投入。
元気な子どもたちに上で飛び跳ねて踏み固めてもらう、というのを三回繰り返したところで木枠がいっぱいになった。
「なんで米ぬか?」
「何となく……色のせいか、盛られているのが気になったので、実験だし入れちゃえ、みたいな」
「へえ」
「まぁ体に悪いもんではないだろうしなぁ」
苦しい言い訳かなと思ったが、意外とそこまで変には見られていない気がする。
……悪いことをしているわけじゃないんだけど、不安でどきどきするな。
ともあれ、ここからは三日に一度くらい土を掻き混ぜるという作業を、入れた落ち葉が形を失くすくらいまで続けるだけ。
魔力がふんだんに盛り込まれている事もあって、早ければ一月も掛からないと事典にはある。
なので、土が出来るまでに実験用の畑になる場所を整備したり、事典の次のページにあった肥料にも着手した。
肥料の手順は土を作る時とそんなに変わらず、また村の男達に手伝ってもらって木を切り倒し、枠を作って材料を投入する。
その際に新たに必要だったのは貝殻と魔物の糞だ。
村の皆は「なんでそれが材料に?」と不思議顔だったが、母さんと一緒にいろいろ考察していたと説明したら「S級冒険者ともなると着眼点が違うな」って納得された。
S級の肩書って俺が思っている以上にすごい気がする。
いや、それより母さんの墓前に何か美味しいものを供えよう……ジェトなら個人でお墓を作ることもあるんだけど、この辺りは教会で合同安置だっけ。
そもそも父さんと母さんのことをギルドになんて報告しよう……。
って、今は肥料だ。
貝殻は一週間くらい魔の森で魔力にあてればどんな種類でも大丈夫とあったので、領都で捨てられるだけになっていたムール貝の殻を安く買い取らせてもらって、森で保管。
糞は狩猟班に同行させてもらって、ホーンラビットやワイルドディア、たまにジャイアントボアといった巨大な魔物の糞を発見し、持ち帰った。
そんなふうに材料を集め、作業していて思ったのは、手順さえ判れば誰にでも作れるということ。
この土と肥料があれば、十年後の、魔物の氾濫でボロボロになった土地でも収穫が期待出来る。
「……怪しまれずに広められるかな」
「こんなに簡単なんですから、いろいろ混ぜたら出来たでいいんですよ。営業は大人に任せてしまいましょう」
ライゼンはそう言って笑う。
「そう、かな」
俺も笑って返した。
***
その土と肥料で初めて野菜を収穫するのは、聖歴九九一年の夏になる。
味も収穫量もそれまでに比べて大きく改善したことで、村の大人たちは「新しい収入になるんじゃないか?」と騒然。
俺は「恩返し」という言葉一つで、その全ての利権を村に渡した。
結果、土も肥料も村の子ども達が遊んで混ぜた結果と公に広められることになり、木材乾燥の魔術回路を俺が購入したのと同じように、世界中で作成方法が売られるようになるのだが、それはまだもう少し先の話。
俺が得た確かな変化は『古代魔導具事典』の土と肥料のページに「完了」の文字が浮かんだことである。
自分で言ってみるとかなり大袈裟な表現かな……と思わないでもないんだけど、事実だし。とはいえ、それを宣言するのはいろいろ問題有りだし、諸々がバレないように注意と警戒が必要だ。
なので。
「普通の動物の肉より魔物の肉が美味しいみたいに、土や肥料に魔の森の素材を使ったら美味しくなるか試してみたいんですけど、いいですか?」
「は?」
基礎訓練の最中に、見てくれていたリクガンに確認したら、何を言い出すんだって感じで聞き返された。
「なんで土と肥料?」
まさか『古代魔導具事典【レベル1】』の最初のページに載っていたからと言えるはずがないので、事前にライゼンと打ち合わせていた通りに説明する。
曰く、
「領都で食べた野菜より、ここで食べる野菜の方が美味しいと思いませんか?」
これは俺の本心なのだが、リクガンは不思議そうだ。
「そうか? まぁ俺は滅多に街で食わねぇからよく判らんが、……大体、魔の森で育てた野菜なんて気味悪がって嫌がられるだけだ。そんな場所の土や肥料ったってなぁ」
「でも美味しいです」
「俺だって味に文句はねぇよ?」
「健康被害だってないでしょう?」
「まあ……みんな元気だわな?」
「つまり魔の森で暮らしていない人たちは知らないだけ、ってことですよ。……それに」
俺は少し言い難そうな風を装って、続ける。
「俺の母さんがジェト出身なのはご存知だと思うんですけど」
「そりゃあな」
リクガンは母さんのファンだって前に言ってくれたし、Sランク冒険者の出身地は割と当たり前に知られている情報だ。
「ジェトって食べ物に関してはすごいでしょう?」
「だな」
「母さんも食には結構こだわる派で、いつか冒険者を引退したら土地を買って、自分で畑を作って、土や肥料も自分で改良して美味しい野菜を育てたいって。世界中の人がもっと美味しい野菜を食べて幸せになれたらって言ってたんです……」
「なっ……リファさんに、そんな夢が……!?」
目を見開いてショックを受けているリクガンには申し訳ない気持ちでいっぱいになるし、母さんにも嘘ついてごめんって何度も心の中で謝る。
事典の通りにするし、きっと失敗もしないし、役に立つと思うので許して欲しい。
全然根拠がなくて説得できるだけの自分の言葉を持っていないのが歯痒くて仕方ないけど、いまは本当に時間がないのだ。
「最初は実験なので、村の畑の奥の方にスペースを借りたいんです。どうですか?」
「……グラン」
「はい、っ?」
がしっと両肩を掴まれて驚いた俺は、リクガンの目尻に涙が浮かんでいるのを見て更に驚いた。
「失敗したっていい。何度だって挑戦していいんだ、……頑張れよ……っ」
「は、はい……!」
もう百回くらい心の中で謝罪する。
絶対に美味しい野菜を育てますから許して欲しいです……!
訓練が終わって、すぐにリクガンが村の大人たちに話を通してくれたおかげで、魔力枯渇のペナルティ付与中のせいで非力な俺のために今日が休みの皆が斧や鋸を持って集まってくれた。
「この辺りに、どれくらいのスペースが必要なんだ?」
「最初は縦1メートル、横2メートルくらいでいいか?」
「実験っつーなら、作った土や肥料で畑やる場所も必要だよな」
「ってことはここら辺の木ぃ切って加工するか」
「お手数お掛けします……!!」
土下座する勢いで頭を下げたら「気にすんな」と笑ってくれる。
あ、土下座っていうのはジェトの文化で誠心誠意謝罪するときに取る姿勢のことだ。俺が実際に見たのは母さんに土下座する父さんだけだけど、なんか凄かった。ちなみに謝ってもらう人は肩幅に足を開いて、腕を組んで立つという仁王立ちと呼ばれるスタイルで威圧を放つんだって。
父さんが死にそうな顔をしていたのをよく覚えてるけど、……あれってなんで謝ってたんだろう??
ま、いいか。
「俺も手伝います!!」
リクガン達から指示をもらいながら、俺も懸命に斧を振った。
***
木材乾燥の魔術回路をライゼンが刻んでくれたこともあって、三日で木枠を作る材料は揃った。ちなみに木材乾燥の魔術回路は購入で、費用は両親が遺してくれた分から出した。未来のためだし、きっと許してくれると思う。そもそもの嘘については……いや、それもきっと、仕方ないねって許してくれそうな気がするよ。たぶん。きっと。
で!
今回の木材乾燥の魔術回路みたいに、誰かが開発済みの回路を使用する際の購入方法は主に二つあって、一つは魔術回路が刻まれている魔石や布といった媒体を購入する使い切り。これは、使用すると媒体が割れたり燃えて灰になったりする。
もう一つは、今回の俺たちが選んだ図面の買取だ。
料金は十倍以上だったけど、今後の事を考えると何度も必要になるのは確実だし、木材乾燥の回路は欲しがる人が多いおかげで良心的な価格だったのだ。
というわけで、釘と金槌を借りて始めた木枠作成は、今回も村の男達が手伝ってくれたおかげで半日で終わった。
昼食を挟んで、午後からはいよいよ木枠の中に魔の森の土と、葉と、そして野菜小屋の横に盛って捨てられていた米ぬかを『古代魔導具事典』に書かれている分量通りに投入。
元気な子どもたちに上で飛び跳ねて踏み固めてもらう、というのを三回繰り返したところで木枠がいっぱいになった。
「なんで米ぬか?」
「何となく……色のせいか、盛られているのが気になったので、実験だし入れちゃえ、みたいな」
「へえ」
「まぁ体に悪いもんではないだろうしなぁ」
苦しい言い訳かなと思ったが、意外とそこまで変には見られていない気がする。
……悪いことをしているわけじゃないんだけど、不安でどきどきするな。
ともあれ、ここからは三日に一度くらい土を掻き混ぜるという作業を、入れた落ち葉が形を失くすくらいまで続けるだけ。
魔力がふんだんに盛り込まれている事もあって、早ければ一月も掛からないと事典にはある。
なので、土が出来るまでに実験用の畑になる場所を整備したり、事典の次のページにあった肥料にも着手した。
肥料の手順は土を作る時とそんなに変わらず、また村の男達に手伝ってもらって木を切り倒し、枠を作って材料を投入する。
その際に新たに必要だったのは貝殻と魔物の糞だ。
村の皆は「なんでそれが材料に?」と不思議顔だったが、母さんと一緒にいろいろ考察していたと説明したら「S級冒険者ともなると着眼点が違うな」って納得された。
S級の肩書って俺が思っている以上にすごい気がする。
いや、それより母さんの墓前に何か美味しいものを供えよう……ジェトなら個人でお墓を作ることもあるんだけど、この辺りは教会で合同安置だっけ。
そもそも父さんと母さんのことをギルドになんて報告しよう……。
って、今は肥料だ。
貝殻は一週間くらい魔の森で魔力にあてればどんな種類でも大丈夫とあったので、領都で捨てられるだけになっていたムール貝の殻を安く買い取らせてもらって、森で保管。
糞は狩猟班に同行させてもらって、ホーンラビットやワイルドディア、たまにジャイアントボアといった巨大な魔物の糞を発見し、持ち帰った。
そんなふうに材料を集め、作業していて思ったのは、手順さえ判れば誰にでも作れるということ。
この土と肥料があれば、十年後の、魔物の氾濫でボロボロになった土地でも収穫が期待出来る。
「……怪しまれずに広められるかな」
「こんなに簡単なんですから、いろいろ混ぜたら出来たでいいんですよ。営業は大人に任せてしまいましょう」
ライゼンはそう言って笑う。
「そう、かな」
俺も笑って返した。
***
その土と肥料で初めて野菜を収穫するのは、聖歴九九一年の夏になる。
味も収穫量もそれまでに比べて大きく改善したことで、村の大人たちは「新しい収入になるんじゃないか?」と騒然。
俺は「恩返し」という言葉一つで、その全ての利権を村に渡した。
結果、土も肥料も村の子ども達が遊んで混ぜた結果と公に広められることになり、木材乾燥の魔術回路を俺が購入したのと同じように、世界中で作成方法が売られるようになるのだが、それはまだもう少し先の話。
俺が得た確かな変化は『古代魔導具事典』の土と肥料のページに「完了」の文字が浮かんだことである。
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