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31 褒美
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翌日、俺の体調は完全に回復していた。
宴に出席したものの日付が変わる前には退席出来たというユージィンやルークレアの表情も、安心がある分だけ此処に来た当初よりも健康そうで、俺はようやく結界強化という役目を果たせたんだって実感が湧いて来ていた。
朝食を終え、支度を済ませた頃になって王弟殿下から帰還の知らせが入った。
既に城には先触れを出してあり、あちらに戻ったらまずは国王陛下に謁見し結界強化が無事に成った報告をすることになるらしい。
「俺が神子かもしれないって件については、いつ……?」
「それについてはちょっと考えがある。悪いようにはしないし、自分の口で何を語っても構わないから、俺の言う事を否定しないことだけは約束しろ」
「はあ……」
王弟殿下が悪いようにはしないと言うならそうなんだろう。
詳細を明かさない点も含めて何か考えがあるようだし、とりあえず任せてみようと俺は自分の中で結論付けた。信頼っていうのかな、こういうの。
……改めて言葉にすると気恥ずかしいけれど、悪い気分ではなかった。
そうしていざ帰城する時が来て、転移陣に『六花の戦士』六人が並び立つと同時、他国の騎士団が整然と並び立つ中からひと際大きな声が上がった。
「『六花の戦士』に敬礼!!」
「——」
ザッ――一斉に動く、その音までが一陣の風が吹き抜けるように揃い、何千という騎士が俺達に敬意を表し真っ直ぐな視線を向けてくれていた。
守れてよかった。
心の底からそう思う。
「胸を張れ」
ニコラスが笑いながら声を掛けて来てくれた。
「表向きは戦士全員にだが、これはおまえが世界から得た評価だ」
「そんなことは……」
「リントが声を上げた結果だ」
王弟殿下が言う。
ルークレアも。
「リントが公爵家で話をし、私達に六花の紋を授けてくれた、その結果ですわ」
「……君が行動したから私達は役目を果たせた。世界は、誰もが自分の大切なものを護れたんだ」
「……六人一緒だったからだぞ?」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない」
くすくすと楽し気なアメリア。
俺は気恥ずかしくなってきた。
「っていうか、それで言ったら俺が此処に来たのはユージィンが好き過ぎたからなんで、世界が感謝すべきはユージィンって事になりませんか?」
「なぜそうなるっ」
「ふふっ。そんな事まで言い出したら、お兄様を生み育てたお父様とお母様にも感謝しなくては」
「系譜まで遡り始めたら最終的には『神に感謝を』だな」
「確かに!」
全員でクスッと笑い合い、俺達は城に戻ったのだった。
***
城に戻り、国王陛下に結界を強化する儀式が無事に終わったことを伝えると、謁見の間に集まっていた重鎮達は一様に安堵の声を漏らし、緊張していた顔を和らげた。
ちなみに俺達が『試練の洞窟』で得た武器は、そのまま持ち帰って来ている。
これは原作でもそうだ。
紋が刻まれた時点でいわゆる俺達の専用武器になっているため、特にニコラスとアメリアは今後の実戦でも使っていく事が出来るのだ。
六花の紋が刻まれた武器を使う事、それはつまり『六花の戦士』である証。
世界に六人しかいない英雄が戦場に立てば、それは劣勢にあっても味方を鼓舞する力になる。
二人はそういう存在になるだろう。
対して王弟殿下の槍は国宝として城で保管されるだろうし、俺の剣、ユージィンの弓、ルークレアのハープもそれぞれの家の家宝になるに違いない。
最も、王と謁見中の現在は武器は全て預けてあるのだが。
そうして話の最後。
国王陛下が俺達や騎士団の皆を労い、七日後に祝いの宴を催すと宣言した。
「その席で『六花の戦士』であるそなたらには褒美を取らそうと思う。望むものがあれば考えておくが良い」
つまり準備するから決まった時点で早めに教えろって事だよな?
褒美か。
何が良いかな……そんなことを考えていたら、不意に王弟殿下が声を発した。
「陛下。恐れながらお伺いしたく、褒美はなんでもよろしいのでしょうか」
「うむ。そなたらは世界を救ってくれたのだ。その功績に値する褒美に制限など掛けられまい。無論、国を揺るがすような事をそなたらが望むはずはないと信じての話だが」
「勿論です。せっかくこれだけの顔ぶれが揃っているのですから、いまこの場でお伝えしようと思いますがお時間はよろしいでしょうか?」
「うむ、構わぬ」
俺は首を傾げるが、王弟殿下と国王陛下の遣り取りが妙に白々しく感じられるのは……たぶん気のせいではないんだろうな。
根回し済みというやつだ。
「『試練の洞窟』の結界が綻んでいた事が原因で騎士達が魔の一族と交戦した旨はご報告の通りですが、その綻んだ結界の修繕には『六花の戦士』だけでは力不足でした。皹入った結界を修繕した上で強化を果たしたのは、偏にリントが一人でその分の魔力を補ったからです」
ざわりと周囲が騒がしくなる。
疑いの声が湧く。
「その際、リントには三度神託が下りました。彼の背には『六花の神子』の紋が刻まれております」
「なっ」
「ちょ……ワーグマン様!?」
ぎょっとする。
伝えるのは国王陛下だけじゃなかったのか? えっ、こんな大勢の前で言っちゃって大丈夫? うちの親父が騎士団の列で目を剥いてるんですがっ!
「リント・バーディガルは世界を救うため命を捨てる覚悟を示しました。それを神は憐れみ、リントを代理の『六花の神子』としてお認めになられたのです」
「私達は共に魔力を補うと告げたのですが、世界を危機に陥れたのは自分が魅了などに誑かされたせいだからと……っ、私達は、あと少しでリント一人を犠牲にするところでした……!!」
くぅっと泣き真似をしだすニコラス。
おい、あんたも共犯か!?
っていうかどういう台本なんだよ、これ! 考えたのどいつ!?
「結界が無事に強化された夜、北の果ての空を覆った夜の帳は美しい光りに彩られていました。あれは正しく神からの祝福ーーリント・バーディガルの覚悟が齎した奇跡です」
アメリアあんたもかー!?
ちょっと待て、いや、そもそも……リント・バーディガルはミリィ嬢の魅了に引っ掛かって世界を危機に陥れた側だ。
俺が六花の紋を授けられるとか、戦士だとか言うから此処に居られるだけで、本来なら王太子殿下が今現在そうであるように、俺も自宅謹慎で処分待ちしているはずだった。
……ってことは、まさか。
「リント・バーディガルは幾度も命の危機に瀕しながら世界を護る為に努力してたことを私達が証言致します。魔力の枯渇寸前まで酷使したために傷ついた魂は、異世界の魂の力を借りて癒したと神は仰せでした。であるならば、彼は正しく歴史が語る『六花の神子』に相違ないと存じます」
「彼は私達『六花の戦士』にとっても必要不可欠な存在です。国王陛下、本当にどんな望みも叶えて頂けるのでしたら、私達はリント・バーディガルの赦しと自由を望みます」
ユージィンとルークレアが言う。
……言ってくれる。
王弟殿下が否定だけはするなと言った理由がこれか。
何を言ってもいいから否定しないとだけ約束しろと、こんな。
「……っ」
ああやばい、泣きそうだ。
そう思った途端に胸の内側から熱くて大きな力が全身をぶわりと覆った。直後、俺達六人を囲むように謁見の間の床に現れたのは、俺の背中に刻まれた扇六花ーー。
「おおおっ……これは正しく……」
「そんなバカな……屋内で、雪だと……?」
思わずといった様子で手を宙に伸ばす城の重鎮達。
その指先に触れては消える、冷たい六花だ。
ふわり、はらりと、謁見の間に舞い散るのは確かに粉雪だった。
「……なるほど確かに『六花の神子』だ。リント・バーディガルよ、そなたの友はこう言っておるが、其方の望みはどうか」
「……っ、恐れながら申し上げます。俺……私、も……私も、彼らとこれからも共に過ごす赦しと自由を望みます……!」
「相分かった。異論の有る者は」
国王陛下は周囲の重鎮達をぐるりと見渡し、誰からも否の声が上がらない事に満足そうに微笑む。
「ではそれで決まりだ。リント・バーディガル、其方を許す。——そしてよくぞやってくれた。世界を救ってくれたこと、この国の王として感謝するぞ、神子殿」
「……っ、勿体ないお言葉です……!」
頭を下げれば「なんだそれは」と肩を叩いて来たニコラスに笑われた。
これは異世界の礼儀だと後で教えてやろう。
「良かった」
「これで一安心ね!」
ルークレアとアメリアのホッとしたような声。
王弟殿下の大きな手が背中を叩いた。
「ありがとう皆……っ、本当に、ありがとう」
「……私達も、この世界も、……リント・バーディガルも、救ったのは君だ」
だから当然の事をしただけだとユージィンが微笑うから、俺はとうとう声を上げて泣いてしまうのだった。
宴に出席したものの日付が変わる前には退席出来たというユージィンやルークレアの表情も、安心がある分だけ此処に来た当初よりも健康そうで、俺はようやく結界強化という役目を果たせたんだって実感が湧いて来ていた。
朝食を終え、支度を済ませた頃になって王弟殿下から帰還の知らせが入った。
既に城には先触れを出してあり、あちらに戻ったらまずは国王陛下に謁見し結界強化が無事に成った報告をすることになるらしい。
「俺が神子かもしれないって件については、いつ……?」
「それについてはちょっと考えがある。悪いようにはしないし、自分の口で何を語っても構わないから、俺の言う事を否定しないことだけは約束しろ」
「はあ……」
王弟殿下が悪いようにはしないと言うならそうなんだろう。
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「『六花の戦士』に敬礼!!」
「——」
ザッ――一斉に動く、その音までが一陣の風が吹き抜けるように揃い、何千という騎士が俺達に敬意を表し真っ直ぐな視線を向けてくれていた。
守れてよかった。
心の底からそう思う。
「胸を張れ」
ニコラスが笑いながら声を掛けて来てくれた。
「表向きは戦士全員にだが、これはおまえが世界から得た評価だ」
「そんなことは……」
「リントが声を上げた結果だ」
王弟殿下が言う。
ルークレアも。
「リントが公爵家で話をし、私達に六花の紋を授けてくれた、その結果ですわ」
「……君が行動したから私達は役目を果たせた。世界は、誰もが自分の大切なものを護れたんだ」
「……六人一緒だったからだぞ?」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない」
くすくすと楽し気なアメリア。
俺は気恥ずかしくなってきた。
「っていうか、それで言ったら俺が此処に来たのはユージィンが好き過ぎたからなんで、世界が感謝すべきはユージィンって事になりませんか?」
「なぜそうなるっ」
「ふふっ。そんな事まで言い出したら、お兄様を生み育てたお父様とお母様にも感謝しなくては」
「系譜まで遡り始めたら最終的には『神に感謝を』だな」
「確かに!」
全員でクスッと笑い合い、俺達は城に戻ったのだった。
***
城に戻り、国王陛下に結界を強化する儀式が無事に終わったことを伝えると、謁見の間に集まっていた重鎮達は一様に安堵の声を漏らし、緊張していた顔を和らげた。
ちなみに俺達が『試練の洞窟』で得た武器は、そのまま持ち帰って来ている。
これは原作でもそうだ。
紋が刻まれた時点でいわゆる俺達の専用武器になっているため、特にニコラスとアメリアは今後の実戦でも使っていく事が出来るのだ。
六花の紋が刻まれた武器を使う事、それはつまり『六花の戦士』である証。
世界に六人しかいない英雄が戦場に立てば、それは劣勢にあっても味方を鼓舞する力になる。
二人はそういう存在になるだろう。
対して王弟殿下の槍は国宝として城で保管されるだろうし、俺の剣、ユージィンの弓、ルークレアのハープもそれぞれの家の家宝になるに違いない。
最も、王と謁見中の現在は武器は全て預けてあるのだが。
そうして話の最後。
国王陛下が俺達や騎士団の皆を労い、七日後に祝いの宴を催すと宣言した。
「その席で『六花の戦士』であるそなたらには褒美を取らそうと思う。望むものがあれば考えておくが良い」
つまり準備するから決まった時点で早めに教えろって事だよな?
褒美か。
何が良いかな……そんなことを考えていたら、不意に王弟殿下が声を発した。
「陛下。恐れながらお伺いしたく、褒美はなんでもよろしいのでしょうか」
「うむ。そなたらは世界を救ってくれたのだ。その功績に値する褒美に制限など掛けられまい。無論、国を揺るがすような事をそなたらが望むはずはないと信じての話だが」
「勿論です。せっかくこれだけの顔ぶれが揃っているのですから、いまこの場でお伝えしようと思いますがお時間はよろしいでしょうか?」
「うむ、構わぬ」
俺は首を傾げるが、王弟殿下と国王陛下の遣り取りが妙に白々しく感じられるのは……たぶん気のせいではないんだろうな。
根回し済みというやつだ。
「『試練の洞窟』の結界が綻んでいた事が原因で騎士達が魔の一族と交戦した旨はご報告の通りですが、その綻んだ結界の修繕には『六花の戦士』だけでは力不足でした。皹入った結界を修繕した上で強化を果たしたのは、偏にリントが一人でその分の魔力を補ったからです」
ざわりと周囲が騒がしくなる。
疑いの声が湧く。
「その際、リントには三度神託が下りました。彼の背には『六花の神子』の紋が刻まれております」
「なっ」
「ちょ……ワーグマン様!?」
ぎょっとする。
伝えるのは国王陛下だけじゃなかったのか? えっ、こんな大勢の前で言っちゃって大丈夫? うちの親父が騎士団の列で目を剥いてるんですがっ!
「リント・バーディガルは世界を救うため命を捨てる覚悟を示しました。それを神は憐れみ、リントを代理の『六花の神子』としてお認めになられたのです」
「私達は共に魔力を補うと告げたのですが、世界を危機に陥れたのは自分が魅了などに誑かされたせいだからと……っ、私達は、あと少しでリント一人を犠牲にするところでした……!!」
くぅっと泣き真似をしだすニコラス。
おい、あんたも共犯か!?
っていうかどういう台本なんだよ、これ! 考えたのどいつ!?
「結界が無事に強化された夜、北の果ての空を覆った夜の帳は美しい光りに彩られていました。あれは正しく神からの祝福ーーリント・バーディガルの覚悟が齎した奇跡です」
アメリアあんたもかー!?
ちょっと待て、いや、そもそも……リント・バーディガルはミリィ嬢の魅了に引っ掛かって世界を危機に陥れた側だ。
俺が六花の紋を授けられるとか、戦士だとか言うから此処に居られるだけで、本来なら王太子殿下が今現在そうであるように、俺も自宅謹慎で処分待ちしているはずだった。
……ってことは、まさか。
「リント・バーディガルは幾度も命の危機に瀕しながら世界を護る為に努力してたことを私達が証言致します。魔力の枯渇寸前まで酷使したために傷ついた魂は、異世界の魂の力を借りて癒したと神は仰せでした。であるならば、彼は正しく歴史が語る『六花の神子』に相違ないと存じます」
「彼は私達『六花の戦士』にとっても必要不可欠な存在です。国王陛下、本当にどんな望みも叶えて頂けるのでしたら、私達はリント・バーディガルの赦しと自由を望みます」
ユージィンとルークレアが言う。
……言ってくれる。
王弟殿下が否定だけはするなと言った理由がこれか。
何を言ってもいいから否定しないとだけ約束しろと、こんな。
「……っ」
ああやばい、泣きそうだ。
そう思った途端に胸の内側から熱くて大きな力が全身をぶわりと覆った。直後、俺達六人を囲むように謁見の間の床に現れたのは、俺の背中に刻まれた扇六花ーー。
「おおおっ……これは正しく……」
「そんなバカな……屋内で、雪だと……?」
思わずといった様子で手を宙に伸ばす城の重鎮達。
その指先に触れては消える、冷たい六花だ。
ふわり、はらりと、謁見の間に舞い散るのは確かに粉雪だった。
「……なるほど確かに『六花の神子』だ。リント・バーディガルよ、そなたの友はこう言っておるが、其方の望みはどうか」
「……っ、恐れながら申し上げます。俺……私、も……私も、彼らとこれからも共に過ごす赦しと自由を望みます……!」
「相分かった。異論の有る者は」
国王陛下は周囲の重鎮達をぐるりと見渡し、誰からも否の声が上がらない事に満足そうに微笑む。
「ではそれで決まりだ。リント・バーディガル、其方を許す。——そしてよくぞやってくれた。世界を救ってくれたこと、この国の王として感謝するぞ、神子殿」
「……っ、勿体ないお言葉です……!」
頭を下げれば「なんだそれは」と肩を叩いて来たニコラスに笑われた。
これは異世界の礼儀だと後で教えてやろう。
「良かった」
「これで一安心ね!」
ルークレアとアメリアのホッとしたような声。
王弟殿下の大きな手が背中を叩いた。
「ありがとう皆……っ、本当に、ありがとう」
「……私達も、この世界も、……リント・バーディガルも、救ったのは君だ」
だから当然の事をしただけだとユージィンが微笑うから、俺はとうとう声を上げて泣いてしまうのだった。
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