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第9章 未来のために
閑話:里帰り(13)
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side:ウーガ
とりあえず入れって言われて庭にお邪魔して、縁側に座ったら、一度中に引っ込んでいたエニスは中に何か入ったグラスを持って戻って来た。
他にもつまみになりそうなものを何種類も無造作に盛った皿を持っている。
「今日の酒は辛口だからな」
エニスが飲んでいたグラスは、酒の瓶と一緒に置いてある。
自分が飲むなら絶対に選ばない銘柄なのに耳には馴染んでいるその名前。
「ガインたちとよく飲んでたやつだ」
「正解」
その一言でエニスも墓参りに影響されているのが判った。
そしたら……あんなにイライラしていた気持ちが凪いでいることに気付いた。
しかも辛口は飲めない俺に別の酒を持って来てくれた。
相変わらず優しいなぁと感動しつつグラスに口を付けると、甘酸っぱいフレーバーの果実酒だった。エニスが飲むとは思えないからおばさんの好みかな。
「おいしい」
エニスは小さく笑ってさっきと同じように縁側に座る。
オレは何となく家の中に目を向けて、真っ暗で静まり返っている様子に声を潜めた。
「おじさんたちは?」
「もう寝た」
「やっぱそうだよね、畑仕事は朝早いもん」
居間にドーガしかいなかったことを考えると、うちの親もとっくに夢の中だろう。
「家の前まで来てもう寝てるかもって気付いてさ。エニスも家にいないんじゃないかと思った」
「それでよく庭まで回ったな」
「んー、なんか、諦めるのも癪で」
「……なにか嫌なことでもあったか」
聞かれて、悩む。
誰かに嫌なことをされたなんてことは無いし、いつもと同じように家族に出迎えられて、騒いで、笑顔の家族に、いつも通り、楽しくて何よりだって思えば良かっただけ。
「イヤなことってわけじゃなくて、どうしようもないこと考えて、イラッとしただけ」
果実酒をちびちび飲みながら正直に言ったら、エニスは微妙な笑い方をする。
「墓参り、行かない方が良かったか?」
「そんなことないけど」
あー……どうかな。
久々にガイン、リヒターも一緒に喋ってるような気がして嬉しかった。楽しかった。だけど洞窟の調査のとき、帰宅したとき、もう二人がいないのが当たり前になっていて、平気な顔で受け入れている皆が、……自分が、堪らなくて。
落ち着いて考えてみたら答えは案外簡単に出た。
「まだ受け入れ切れてないのかもね……もう5年も経つのに」
自分で自分に呆れる。
そんな気持ちで呟いたらエニスの大きな手が頭に乗せられた。初めてこんなふうに触れられたのはガインたちが死んじゃった後で、本人に「なんで?」って聞いたら「任されたからな」って。
「……エニス」
「ん?」
「エニスがオレたちと一緒にいてくれんのはいつまで?」
「は……?」
「バルドルは運良くクルトを捕まえれたけど、エニスこのままじゃ一生独り身になっちゃうじゃん。ガインに頼まれたからって……オレたちだっていつまでも子守りしてて欲しいなんて思わんよ」
驚いたようにこっちを見ていたエニスが、少しだけ不快そうな顔をした。
「それは俺にパーティを抜けろってことか?」
「違うよ」
即答する。
……違うけど、でも、そういうことになるのかな。
幸運が重なって金級冒険者になれた。未踏破の金級ダンジョン制覇もなんとなく見えている。何せ規格外がいるからね?
だけど、共闘関係を結んだレイナルドパーティの目標はそこで終わらない。
グランツェパーティは判らないけど、……少なくともレイナルドパーティは次を既に選んでいる気がするし、そこにはレンの参加が確定事項だと思うんだ。
そしたらレンはうちを抜けるかも。
ドーガはヒユナちゃんとうまくいって。
バルドルとクルトは子どもが出来たりして。
エニスもどっかで番見つけて。
そしたら、……そうなったら俺は、どうなるのかな。
突然の別れはしんどかったけど必ずいつか来る別れを覚悟して心の準備をしておかないとならないっていうのも結構キツイ。
一人になるとなおさらで余計なことばっかり考える。
だから、寝る時間は大嫌いだ。
魔豹を抱き枕にすると俺が寝るまで尻尾で背中叩いててくれる。
ドーガは寝るまでずっと文句言い続けるから面白くて変なこと考えずに済む。
「……ずっとこのまんまがいい」
番にデレッとしているバルドルと、気付いたら隣にいるエニスと、文句言いつつ頼りになるドーガと、食の好みが合うクルトと、次々やらかして退屈しないレンと。
「ほんとはドーガとヒユナちゃんがうまくいけばいいなんて思ってない」
バルドルとクルトはいいんだ。
もう同じパーティだし、抱き枕にしたいとも思わない。
レンの場合は相手が特殊過ぎて嫉妬とかそういうレベルじゃないし。
だけどドーガは。
エニスは。
「……番なんて見つかんなきゃいいのに」
カランとグラスの中で氷が鳴る。
いつの間にか酒は一滴もなくなっていた。全然飲んだ気がしないのジュースみたいだからかな。
「おかわり」
グラスを出したらエニスは軽い溜息を吐いて立ち上がった。
酒を持って来てくれるんだろう。
「……やだな」
おかわりを欲したのは自分なのに、縁側に独りにされて、蒸し暑い夏の夜なのに寒くなる。我儘も極まれりって感じ?
こんなんじゃ番云々の前にさすがに愛想尽かされそう。
「ウーガ、グラスこっちに」
「ん」
戻って来たエニスの手には果実酒の瓶と、トング付きの氷が入った器。
しばらく立たなくて良いようにって?
偶然かもしれいないけど気遣ってくれているようで嬉しくて、ちょっと泣きたくなった。
「……おまえさ」
オレのグラスに酒を注ぎながら、言葉を選ぶようにゆっくりと聞こえて来るエニスの声。
「さっきから俺やドーガのことばかり気にしているが、自分のことはどうなんだ」
「どうって」
「まだ若いんだし、番うのは無理だとしても、別の誰かを好きになって穏やかな幸せを望むことは出来るだろ」
「別の……」
言われたことを考えてみるけど想像出来ない。
「仮に好きって思える相手が見つかってもダメだって。自分が超メンドーな自覚くらいあるよ」
オレが何より望んでいるのは現状維持だ。
失いたくない。
奪われたくない。
まだ出会ってもいない相手だけど、エニスたちより優先出来るわけがない。
「こんなの受け入れてくれるわけないじゃん」
「判らないだろ」
「判るってば。クルトやレンみたいに可愛いならまだしも――」
「可愛いだろ」
んぐ?
聞き間違いかと思ったけど、エニスはもう一度言った。
「おまえは可愛いよ」
とりあえず入れって言われて庭にお邪魔して、縁側に座ったら、一度中に引っ込んでいたエニスは中に何か入ったグラスを持って戻って来た。
他にもつまみになりそうなものを何種類も無造作に盛った皿を持っている。
「今日の酒は辛口だからな」
エニスが飲んでいたグラスは、酒の瓶と一緒に置いてある。
自分が飲むなら絶対に選ばない銘柄なのに耳には馴染んでいるその名前。
「ガインたちとよく飲んでたやつだ」
「正解」
その一言でエニスも墓参りに影響されているのが判った。
そしたら……あんなにイライラしていた気持ちが凪いでいることに気付いた。
しかも辛口は飲めない俺に別の酒を持って来てくれた。
相変わらず優しいなぁと感動しつつグラスに口を付けると、甘酸っぱいフレーバーの果実酒だった。エニスが飲むとは思えないからおばさんの好みかな。
「おいしい」
エニスは小さく笑ってさっきと同じように縁側に座る。
オレは何となく家の中に目を向けて、真っ暗で静まり返っている様子に声を潜めた。
「おじさんたちは?」
「もう寝た」
「やっぱそうだよね、畑仕事は朝早いもん」
居間にドーガしかいなかったことを考えると、うちの親もとっくに夢の中だろう。
「家の前まで来てもう寝てるかもって気付いてさ。エニスも家にいないんじゃないかと思った」
「それでよく庭まで回ったな」
「んー、なんか、諦めるのも癪で」
「……なにか嫌なことでもあったか」
聞かれて、悩む。
誰かに嫌なことをされたなんてことは無いし、いつもと同じように家族に出迎えられて、騒いで、笑顔の家族に、いつも通り、楽しくて何よりだって思えば良かっただけ。
「イヤなことってわけじゃなくて、どうしようもないこと考えて、イラッとしただけ」
果実酒をちびちび飲みながら正直に言ったら、エニスは微妙な笑い方をする。
「墓参り、行かない方が良かったか?」
「そんなことないけど」
あー……どうかな。
久々にガイン、リヒターも一緒に喋ってるような気がして嬉しかった。楽しかった。だけど洞窟の調査のとき、帰宅したとき、もう二人がいないのが当たり前になっていて、平気な顔で受け入れている皆が、……自分が、堪らなくて。
落ち着いて考えてみたら答えは案外簡単に出た。
「まだ受け入れ切れてないのかもね……もう5年も経つのに」
自分で自分に呆れる。
そんな気持ちで呟いたらエニスの大きな手が頭に乗せられた。初めてこんなふうに触れられたのはガインたちが死んじゃった後で、本人に「なんで?」って聞いたら「任されたからな」って。
「……エニス」
「ん?」
「エニスがオレたちと一緒にいてくれんのはいつまで?」
「は……?」
「バルドルは運良くクルトを捕まえれたけど、エニスこのままじゃ一生独り身になっちゃうじゃん。ガインに頼まれたからって……オレたちだっていつまでも子守りしてて欲しいなんて思わんよ」
驚いたようにこっちを見ていたエニスが、少しだけ不快そうな顔をした。
「それは俺にパーティを抜けろってことか?」
「違うよ」
即答する。
……違うけど、でも、そういうことになるのかな。
幸運が重なって金級冒険者になれた。未踏破の金級ダンジョン制覇もなんとなく見えている。何せ規格外がいるからね?
だけど、共闘関係を結んだレイナルドパーティの目標はそこで終わらない。
グランツェパーティは判らないけど、……少なくともレイナルドパーティは次を既に選んでいる気がするし、そこにはレンの参加が確定事項だと思うんだ。
そしたらレンはうちを抜けるかも。
ドーガはヒユナちゃんとうまくいって。
バルドルとクルトは子どもが出来たりして。
エニスもどっかで番見つけて。
そしたら、……そうなったら俺は、どうなるのかな。
突然の別れはしんどかったけど必ずいつか来る別れを覚悟して心の準備をしておかないとならないっていうのも結構キツイ。
一人になるとなおさらで余計なことばっかり考える。
だから、寝る時間は大嫌いだ。
魔豹を抱き枕にすると俺が寝るまで尻尾で背中叩いててくれる。
ドーガは寝るまでずっと文句言い続けるから面白くて変なこと考えずに済む。
「……ずっとこのまんまがいい」
番にデレッとしているバルドルと、気付いたら隣にいるエニスと、文句言いつつ頼りになるドーガと、食の好みが合うクルトと、次々やらかして退屈しないレンと。
「ほんとはドーガとヒユナちゃんがうまくいけばいいなんて思ってない」
バルドルとクルトはいいんだ。
もう同じパーティだし、抱き枕にしたいとも思わない。
レンの場合は相手が特殊過ぎて嫉妬とかそういうレベルじゃないし。
だけどドーガは。
エニスは。
「……番なんて見つかんなきゃいいのに」
カランとグラスの中で氷が鳴る。
いつの間にか酒は一滴もなくなっていた。全然飲んだ気がしないのジュースみたいだからかな。
「おかわり」
グラスを出したらエニスは軽い溜息を吐いて立ち上がった。
酒を持って来てくれるんだろう。
「……やだな」
おかわりを欲したのは自分なのに、縁側に独りにされて、蒸し暑い夏の夜なのに寒くなる。我儘も極まれりって感じ?
こんなんじゃ番云々の前にさすがに愛想尽かされそう。
「ウーガ、グラスこっちに」
「ん」
戻って来たエニスの手には果実酒の瓶と、トング付きの氷が入った器。
しばらく立たなくて良いようにって?
偶然かもしれいないけど気遣ってくれているようで嬉しくて、ちょっと泣きたくなった。
「……おまえさ」
オレのグラスに酒を注ぎながら、言葉を選ぶようにゆっくりと聞こえて来るエニスの声。
「さっきから俺やドーガのことばかり気にしているが、自分のことはどうなんだ」
「どうって」
「まだ若いんだし、番うのは無理だとしても、別の誰かを好きになって穏やかな幸せを望むことは出来るだろ」
「別の……」
言われたことを考えてみるけど想像出来ない。
「仮に好きって思える相手が見つかってもダメだって。自分が超メンドーな自覚くらいあるよ」
オレが何より望んでいるのは現状維持だ。
失いたくない。
奪われたくない。
まだ出会ってもいない相手だけど、エニスたちより優先出来るわけがない。
「こんなの受け入れてくれるわけないじゃん」
「判らないだろ」
「判るってば。クルトやレンみたいに可愛いならまだしも――」
「可愛いだろ」
んぐ?
聞き間違いかと思ったけど、エニスはもう一度言った。
「おまえは可愛いよ」
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