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第8章 金級ダンジョン攻略
239.偉い人たちの思惑
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第30階層に到着したのは夜だったから、その日は魔法陣の近くに神具『野営用テント』を設置して一泊。翌朝早くにダンジョンを出た。
監視員小屋にはこれまたケヴィンさんとルドルフさんがいて、相変わらず俺たち以外にトラントゥトロワに挑戦している冒険者はいないと教えてくれた。
二人はあと2日間は此処の当番が続くそうで、彼らに見送られて最寄りの町へ移動。前回から引き続き元「貴族の別荘」に滞在することになっているので真っ直ぐそちらに向かうのかと思いきや、町の入口からして20日前とは雰囲気が変わっていた。
明らかに往来を行き来する人の姿が増えているし、店頭に並ぶ商品の種類も増えている。
各種工房からは威勢のいい声が聞こえ、職人たちが活気付いているのは間違いない。
「何が起きた?」
バルドルさんがぽつりと零す。
それと同時に皆の視線がレイナルドさんに集中し、当の本人は苦笑い。
「とりあえず別荘に行くぞ。詳しい話は落ち着いたらだ」
というわけで賑わう通りを目で楽しみながら俺たちは全員で滞在先の別荘へ移動した。
何となく予想はしていたけど、別荘の周りにもたくさんの人がいた。大工さんか、外構業者かって恰好の人も多く、つまりこの建物の改修に取り掛かっているというわけで。
「もしかしてプラーントゥ大陸から……?」
「ああ。船を放置しておくのも勿体ないしな。それにほら、アッシュ」
名指しして示した先には見覚えのある長身男性――アッシュさんの旦那さんだ。
「ヴァン!」
「あ、アッシュ!」
互いに駆け寄って抱き合う二人を見ながら、レイナルドさん。
「ヴァンには此処の監督を頼んだんだ」
「監督?」
「この邸の改装と、ちょっとした捜査の、な」
「へぇ……」
小声で言い合っている内に夫婦の挨拶は終わったみたいで、ヴァンさんが此方に近付いてくる。でもアッシュさんとはくっついたままだ。
「皆さんお帰りなさい。全員無事なようで何よりです」
「ヴァンこそわざわざ来てもらってすまないな」
「何を仰いますか。彼女のいるところに呼んでいただけるなんてご褒美以外のなにものでもありませんよ」
黙って佇んでいると正に「紳士!」って思わせる出で立ちなのに、アッシュさんを見るたびに顔つきが緩むから面白い。本当にアッシュさんのことが大好きなのだ。
「邸の改装ですが、皆さんがお休みになられる部屋だけは既に完了しています。移動しながらご案内します。どうぞ」
促されて、全員で邸の中へ。
歩きながら聞いた話によると10日前にこの町に入ってすぐに邸の改装作業に取り掛かっていて、自分たちが寝泊まりするために従業員の寮だった建物をまずは住めるよう整えたそうだ。
そしてこの1週間余りは俺たちが休めるよう本館を整えながら外構をどうするか相談していたらしい。
「ゆくゆくはプラーントゥ大陸からトラントゥトロワに挑む金級冒険者の滞在先にしたいとのことでしたので、調理場と食堂を隣接させて大衆食堂に変え、いま食堂や応接室となっている部屋は会議室とします」
ただし本館の2階より上に立ち入れるのは国の許可を得た特別な面々だけで、通常は今まで客間だった別館が提供される。
で、俺たちは「国の許可を得た特別な面々」の中に含まれるので今日からの滞在先は本館の2階。
「この魔道具に皆さんの魔力登録をお願いします。階段上の魔法陣と連動していて、登録済の魔力の持ち主以外は見えない壁に進路を阻まれる仕様です」
防犯対策もばっちりだ。
「皆さんの部屋はこちらになります。反対側はまだ改装中で危険な場所もありますから立ち入らないようご注意ください」
「わかった」
「はーい」
「こちら側の6部屋はすべて使用できます。造りとしてはすべてほぼ同じなのですが、一番手前のこの部屋だけ少し特殊でして」
言いながらヴァンさんが開けた扉の先には、大きな窓から燦燦と陽が差し込む明るくて広い部屋があった。ここがリビングで、左右に扉が二つずつ。寝室が4部屋もあるんだ。
ここまでは6室共通。
じゃあ此処だけ特殊な理由は何かって言ったら、リビングの壁沿いに設置されたキッチンだ。
「まだ下の調理場で雇う料理人の選定が終わっていないというのもありますが、レイナルド様のパーティは皆さんレンくんに胃袋を掴まれているのでしょう? 例のテントがあるので不要かもしれないとは思いましたが、今後他にも自炊するパーティが来ないとも限りませんしね。もしよろしければご活用下さい」
ヴァンさんは何てことないように言うけど、例のテントのことを知っているのは本当に限られた身内だけだ。その一方で俺が自炊するのは「美味しい!」と喜んでくれるメンバーのおかげで知れ渡っていたりするので、これだけ大勢の人が出入りしている中で俺の特異性が目立たないよう配慮してくれたんだと思う。
「お気遣い感謝します。ありがたくこの部屋を使わせてもらいます」
俺がそう言うと、レイナルドさんも納得の表情。
「寝室はすべて二人用か?」
「はい。各部屋にはバス・トイレも設置済みです」
「なら此処と隣の二部屋に分かれよう」
「え。でも今回もトゥルヌソルの家と……」
「人数分の部屋を確保しておかないのもおかしな話だろ」
「あ、そっか」
そんな遣り取りを経て、キッチン付きのこの部屋に、俺とレイナルドさん、バルドルさんとクルトさん、ミッシェルさんとヒユナさん、そしてエニスさんとウーガさん、ドーガさんは3人一部屋に入ることになった。
「やった抱き枕確保!」
「仕方なくだぞ!」
兄弟のやり取りに皆で苦笑いだ。
俺が魔豹を顕現出来れば話は簡単なんだけど、……ちょっと、まだ無理そうなので。ドーガさんごめんなさい。頑張って!
で、隣の部屋にはグランツェさんとモーガンさん、ディゼルさんとオクティバさん、ゲンジャルさんとウォーカーさん、そしてアッシュさんとヴァンさんが入る。
番さんや、娘さんがトゥルヌソルの家にいるメンバーは今回もそっちに送るし、俺は神具『住居兼用移動車両』Ex.に戻るから、部屋割りはあくまで対外的なものだけどね。
「食事は普段通り俺が準備するので、お腹が空いた人はこっちに来てくださいね」
「あー……レン、悪いんだが昼は弁当を頼んでもいいか。俺とアッシュ、ヴァンの3人分」
「もちろんです。明日……今日からの方が良ければ今すぐでも準備しますけど」
言ったら、3人が顔を見合わせる。
結果。
「今日の分から頼みたい」
「はい! 任せてください」
「助かるよ、ありがとう。――さて、今回だがこっちの事情で少し日数が必要なんだ。とりあえず5日間休みにするが状況によっては延長も有り得ると思っていてくれ。ダンジョンの攻略中にすまない」
メンバーを見渡して言うレイナルドさんに、グランツェさん。
「気にしなくていい。娘とゆっくり過ごせると思えば願ったりだ」
「番と一緒にいてもそうだ。ダンジョン内じゃどうしても遠慮があるからさ。気兼ねなく過ごせる休みは何日あっても困らないよ」
オクティバさんが続いたらディゼルさんとモーガンさんはもちろん、こっちでバルドルさんも深く頷いている。
そっか、遠慮してるんだね。
時刻を見ればまだ朝9時前。
俺たちは5連休を満喫すべく、まずは各自部屋で荷解きから始めるのだった。
監視員小屋にはこれまたケヴィンさんとルドルフさんがいて、相変わらず俺たち以外にトラントゥトロワに挑戦している冒険者はいないと教えてくれた。
二人はあと2日間は此処の当番が続くそうで、彼らに見送られて最寄りの町へ移動。前回から引き続き元「貴族の別荘」に滞在することになっているので真っ直ぐそちらに向かうのかと思いきや、町の入口からして20日前とは雰囲気が変わっていた。
明らかに往来を行き来する人の姿が増えているし、店頭に並ぶ商品の種類も増えている。
各種工房からは威勢のいい声が聞こえ、職人たちが活気付いているのは間違いない。
「何が起きた?」
バルドルさんがぽつりと零す。
それと同時に皆の視線がレイナルドさんに集中し、当の本人は苦笑い。
「とりあえず別荘に行くぞ。詳しい話は落ち着いたらだ」
というわけで賑わう通りを目で楽しみながら俺たちは全員で滞在先の別荘へ移動した。
何となく予想はしていたけど、別荘の周りにもたくさんの人がいた。大工さんか、外構業者かって恰好の人も多く、つまりこの建物の改修に取り掛かっているというわけで。
「もしかしてプラーントゥ大陸から……?」
「ああ。船を放置しておくのも勿体ないしな。それにほら、アッシュ」
名指しして示した先には見覚えのある長身男性――アッシュさんの旦那さんだ。
「ヴァン!」
「あ、アッシュ!」
互いに駆け寄って抱き合う二人を見ながら、レイナルドさん。
「ヴァンには此処の監督を頼んだんだ」
「監督?」
「この邸の改装と、ちょっとした捜査の、な」
「へぇ……」
小声で言い合っている内に夫婦の挨拶は終わったみたいで、ヴァンさんが此方に近付いてくる。でもアッシュさんとはくっついたままだ。
「皆さんお帰りなさい。全員無事なようで何よりです」
「ヴァンこそわざわざ来てもらってすまないな」
「何を仰いますか。彼女のいるところに呼んでいただけるなんてご褒美以外のなにものでもありませんよ」
黙って佇んでいると正に「紳士!」って思わせる出で立ちなのに、アッシュさんを見るたびに顔つきが緩むから面白い。本当にアッシュさんのことが大好きなのだ。
「邸の改装ですが、皆さんがお休みになられる部屋だけは既に完了しています。移動しながらご案内します。どうぞ」
促されて、全員で邸の中へ。
歩きながら聞いた話によると10日前にこの町に入ってすぐに邸の改装作業に取り掛かっていて、自分たちが寝泊まりするために従業員の寮だった建物をまずは住めるよう整えたそうだ。
そしてこの1週間余りは俺たちが休めるよう本館を整えながら外構をどうするか相談していたらしい。
「ゆくゆくはプラーントゥ大陸からトラントゥトロワに挑む金級冒険者の滞在先にしたいとのことでしたので、調理場と食堂を隣接させて大衆食堂に変え、いま食堂や応接室となっている部屋は会議室とします」
ただし本館の2階より上に立ち入れるのは国の許可を得た特別な面々だけで、通常は今まで客間だった別館が提供される。
で、俺たちは「国の許可を得た特別な面々」の中に含まれるので今日からの滞在先は本館の2階。
「この魔道具に皆さんの魔力登録をお願いします。階段上の魔法陣と連動していて、登録済の魔力の持ち主以外は見えない壁に進路を阻まれる仕様です」
防犯対策もばっちりだ。
「皆さんの部屋はこちらになります。反対側はまだ改装中で危険な場所もありますから立ち入らないようご注意ください」
「わかった」
「はーい」
「こちら側の6部屋はすべて使用できます。造りとしてはすべてほぼ同じなのですが、一番手前のこの部屋だけ少し特殊でして」
言いながらヴァンさんが開けた扉の先には、大きな窓から燦燦と陽が差し込む明るくて広い部屋があった。ここがリビングで、左右に扉が二つずつ。寝室が4部屋もあるんだ。
ここまでは6室共通。
じゃあ此処だけ特殊な理由は何かって言ったら、リビングの壁沿いに設置されたキッチンだ。
「まだ下の調理場で雇う料理人の選定が終わっていないというのもありますが、レイナルド様のパーティは皆さんレンくんに胃袋を掴まれているのでしょう? 例のテントがあるので不要かもしれないとは思いましたが、今後他にも自炊するパーティが来ないとも限りませんしね。もしよろしければご活用下さい」
ヴァンさんは何てことないように言うけど、例のテントのことを知っているのは本当に限られた身内だけだ。その一方で俺が自炊するのは「美味しい!」と喜んでくれるメンバーのおかげで知れ渡っていたりするので、これだけ大勢の人が出入りしている中で俺の特異性が目立たないよう配慮してくれたんだと思う。
「お気遣い感謝します。ありがたくこの部屋を使わせてもらいます」
俺がそう言うと、レイナルドさんも納得の表情。
「寝室はすべて二人用か?」
「はい。各部屋にはバス・トイレも設置済みです」
「なら此処と隣の二部屋に分かれよう」
「え。でも今回もトゥルヌソルの家と……」
「人数分の部屋を確保しておかないのもおかしな話だろ」
「あ、そっか」
そんな遣り取りを経て、キッチン付きのこの部屋に、俺とレイナルドさん、バルドルさんとクルトさん、ミッシェルさんとヒユナさん、そしてエニスさんとウーガさん、ドーガさんは3人一部屋に入ることになった。
「やった抱き枕確保!」
「仕方なくだぞ!」
兄弟のやり取りに皆で苦笑いだ。
俺が魔豹を顕現出来れば話は簡単なんだけど、……ちょっと、まだ無理そうなので。ドーガさんごめんなさい。頑張って!
で、隣の部屋にはグランツェさんとモーガンさん、ディゼルさんとオクティバさん、ゲンジャルさんとウォーカーさん、そしてアッシュさんとヴァンさんが入る。
番さんや、娘さんがトゥルヌソルの家にいるメンバーは今回もそっちに送るし、俺は神具『住居兼用移動車両』Ex.に戻るから、部屋割りはあくまで対外的なものだけどね。
「食事は普段通り俺が準備するので、お腹が空いた人はこっちに来てくださいね」
「あー……レン、悪いんだが昼は弁当を頼んでもいいか。俺とアッシュ、ヴァンの3人分」
「もちろんです。明日……今日からの方が良ければ今すぐでも準備しますけど」
言ったら、3人が顔を見合わせる。
結果。
「今日の分から頼みたい」
「はい! 任せてください」
「助かるよ、ありがとう。――さて、今回だがこっちの事情で少し日数が必要なんだ。とりあえず5日間休みにするが状況によっては延長も有り得ると思っていてくれ。ダンジョンの攻略中にすまない」
メンバーを見渡して言うレイナルドさんに、グランツェさん。
「気にしなくていい。娘とゆっくり過ごせると思えば願ったりだ」
「番と一緒にいてもそうだ。ダンジョン内じゃどうしても遠慮があるからさ。気兼ねなく過ごせる休みは何日あっても困らないよ」
オクティバさんが続いたらディゼルさんとモーガンさんはもちろん、こっちでバルドルさんも深く頷いている。
そっか、遠慮してるんだね。
時刻を見ればまだ朝9時前。
俺たちは5連休を満喫すべく、まずは各自部屋で荷解きから始めるのだった。
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