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第6章 変遷する世界
173.連休の過ごし方(12)※R18
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レイナルドさんと二人で玄関を経由して船に戻り、鍵の術式のことなど『自動販売機』に関して2、3の意見交換をした後は、作業を食堂で継続することになった。
なんでって、いま思い出したけどこの船はいずれ貴族の観光業のために使うべく売られて、ここはVIP専用の特別室になるからだ。
いわゆるスイートルームだって、言われて思い出したんだからごめんなさいである。
「さすがに工場代わりには出来ないよなぁ」
そこで棚を削ったり割ったり溶接したりなんて、お高い部屋でやることではない。
それに、実際に設置するのは船の全員が利用出来る場所だ。実際に試行錯誤して作っている様子を周知しておいた方が後々違和感がないだろう、と。
俺という存在の特異性を目立たなくするためだと判る以上、自分に出来るのは了承することだけだ。
ちなみにクルトさんとバルドルさんが仲直りしたのかは微妙なところだけど、部屋に戻るというので「無理だったらいつでも部屋使ってくださいね」って声を掛けておいた。
他に気がかりなことは……って考えていたら、レイナルドさん。
「こっちは任せておけ」
そう言われたから素直に甘えることにする。
「また明後日、な」
そう言われるのは非常に気恥ずかしかったけれども!
船室の、談話室に設置したままの扉から改めて神具『住居兼用移動車両』Ex.に帰る。
「ただいま、です」
「おかえり」
見送ってくれた時と同様に玄関を入ってすぐのところで出迎えてくれたリーデン様は、ぎゅっと抱き締めて額にキスをしてくれた。
だが、スンと匂いを嗅ぐような素振りを見せて、不快な顔。
「さっきも思ったが、この甘ったるい匂いはなんだ。どこで付けて来た?」
「あー……」
やばいと思ったのが顔に出たのか、リーデン様は「ほほぅ?」って目を細めた。
「今日は何をしたのか……ゆっくり聞く必要がありそうだな?」
「そんなこともないんですが……」
「その判断は俺がする……まずは風呂だ。ああ、湯はりしてくれていただろう、ありがとう」
「あり……あの、ごはん……」
「蕎麦はこれから茹でるのだから問題ない。それに……いろいろ準備してくれているようだしな?」
「……っ」
耳元に囁かれて体の奥の方が熱くなる。
結構な時間を不在にしたんだから、そりゃあ見れば判るだろう。バレバレですよね、念のための準備でしたけど!
「言ったな? 明日、明後日は休みなんだ」
「ぅっ……は、はい……」
仕方ない。
どうしようもない。
だって、今日一日中ずっと触って欲しかったのは俺自身だ。
「どうしてもお風呂が先ですか?」
「この甘い匂いがおまえを覆っているのが許し難い」
「……なら、一緒に……」
衣服の袖を握って訴えれば、リーデン様は男の顔で「当然だ」って、微笑った。
お風呂にいる時のリーデン様はとにかく優しい。
髪と体を隅々まで洗ってくれている時も、湯舟に浸かる時に膝の上に座らされた時も、手つきがちょっとヤラシイなって思う事はあっても、痛くないように、辛くないようにって、ゆっくりと体が解され、開かれていく過程は、その最中でも甘やかされているのを自覚出来るくらい優しいし、湯舟に入る前に忘れずに髪を結い上げたのは偉いって思うし、嬉しい。
マナーですって話したのを覚えてくれていたんだ。
「おまえが言ったことだからな」
リーデン様はそう言ってキスをくれる。
触れるだけの、本当の、本当に、優しいキス。
「ぁ、の」
「ん?」
「……もうちょっと……その」
背中に回した手を握ったら、吐息のような笑い声が耳を擽る。
「上がろうか」
揶揄うような響きを伴う問い掛けに、俺は頷くので精一杯だった。
昨夜と同じように魔法で乾かされて運ばれたベッドの上。昨夜と今朝と、いまも風呂で慣らされたそこはリーデン様のが挿って来るだけで気持ち良い。
「ぁん……っ」
素肌で抱き合うこと。
相手の鼓動が胸に響くこと。
唇が触れ合うだけですら、すごく。
「は……ふ。り、ぃでんさま」
「ん?」
「俺、自分で、思ってた、より……ずっと、スケベ……だった、かも」
言ったら「急にどうした」って面白がるように笑われた。
恥ずかしい。
けど、本当にそう思うんだ。
「あっちでは、あんなに、こ、いうコト、イヤだ、たのに……今日、ずっと、こんなことばっかり考えてて」
「ずっと?」
「ん……こうゆーの、むっつりって言うんです」
「むっつり」
「表向きはそんなふうに見えないのに、頭の中はエッチなことばっかり考えてるんです……今日の俺はずっとそんな感じで……」
「ほう」
くすくすって楽し気に笑うリーデン様。
「確かに見た目は庇護欲を煽る無垢な子どもに見えるか」
「んっ」
膝を押されゆっくりと揺さぶられると中がきゅんてなるし、ぬぷ、ぬぷって、入口にはヤラシイ音と一緒に甘い痺れが走る。
「レンの頭の中では、俺はどんなふうにおまえを抱いていたんだ?」
「えっ……」
「言っただろう、俺たちの普通を探っていこうと」
言った。
意地悪なことを言われるのはイヤなはずなのにドキドキして興奮したり、涙は見たくないけど泣きそうなのは興奮するって言われて、
「普通がいいですっ」と訴えたらリーデン様が「自分達の普通を探ろう」って。
「人はなぜ性行為をするのだと思う?」
「なぜ……」
そんな話を体を繋いだままするのはどうかと思うのだが……こういう話を素面でするのも難しそうだし、いいのかな。
「生物学的に言ったら子孫を残すためですけど、……ハグには、ストレスを軽減する効果があるって聞いたことあります」
「……気持ち良いからと言わないところがおまえらしいな」
「え……んっ……」
キスと。
笑顔と。
「恋人との触れ合いはハグに限らずストレスの軽減に繋がるらしいし、健康になるそうだ」
「健康……」
「同僚は若返ると言っていた」
「……本当ですか?」
「さて。知りたいなら自分で確かめないと、な」
「ふぁっ」
くすぐるように首筋を舐められて、反射的に体を捩る。
「こんなに気持ち良いことを知ったら止められなくなる、で良いと思うが」
「ふふっ。……なんだっけ、エッチを覚えたばっかりの十代ってやつですね」
「さて。10代じゃ桁が幾つか足りないが」
そうでした、4ケタですもんねって二人でしばらく笑い合う。
あ、でもあっちの世界にいた時に恋人と仲がいいと肌艶がよくなるとは聞いたことがあったかもしれない。事実なのか「病は気から」的な精神論なのかは、やっぱり自分で試してみないと判らないままだけど。
「それに普段使わない場所を使うからな。筋力も上がるらしい」
「……筋肉痛になりますもんね」
「今朝は辛かったか?」
「そう……でもなかったです。リーデン様が治癒してくれたのでは?」
「いいや。しかし、そうか。冒険者には体力と筋力が必須だろう、もう少し激しくするか」
「そ、それは追々で結構です……!」
「そうか」
楽し気に笑ったリーデン様は、もう一度口付けてから腰を動かし始めた。
「んっ、ぁっ」
左右からしっかりと腰を掴まれ奥に打ち付けられるたび下腹部から全身を襲う快感。
気持ちいい。
気持ち良い……っ。
「ひうっ……」
「くっ……」
イキたい。
我慢できない。
「ふぁっ」
無意識に自分で自分を弄り促すだけで、先に達したのは俺の方。
体が反り、中が収縮してリーデン様のを締め上げると程なく熱いものが広がり、染み込んでいく。他人の魔力が、リーデン様の神力が俺のと混ざり合って溶けていく間――。
「あっ……あ……はん……っ」
ゾクゾクする。
心臓を直に握られて揉まれてるんじゃないかってくらいの恐怖と、何度も、何度も内側から襲ってくる、吐精する時より強烈な快感。
痙攣するように跳ねる体をリーデン様はしっかりと抱き締めてくれた。
その間も彼のは挿ったままだから、意図していない刺激が再びそれに熱を持たせてしまう。
「んっ……」
荒い呼吸の合間にリーデン様は言う。
「……まだ子を求めない行為に、レン、おまえは何を望む?」
「なに、を?」
「俺は他の誰にも見せないおまえを独り占めしたい。泣きそうな顔、快楽に浸る顔、達って惚けている顔……その際に上がる艶めいた声も、苦しそうにしながらもっとと強請る声も……素では嫌がるくせに焦らすと自慰に耽る痴態も」
「なっ……しませんそんなこと!」
口を手で塞いで抗議するが、リーデン様は「しているぞ」と笑い、指の付け根を舐めて来る。
「ひゃっ」
「とても愛らしい」
「っ……」
手を握られ、指先を舐められ、俺の心臓はこれでもかってくらい騒がしい。
「最愛にだけ許される総てを独り占めする、……それが俺たちの普通であって欲しいと思う」
「ぁっ」
手を握ったまま。
両手を握られたまま、また、揺さぶられる。
擦られて、甘く痺れて、俺のそこもあっという間に勃ち上がる。
「だから教えて欲しいレン。おまえの頭の中で、俺はどんなふうにおまえを抱いていた? どんなふうに抱いて欲しい? おまえのしたいこと、して欲しいことは俺が叶える……それはレンの普通にならないか」
「あ、ぁぁっ……なっ、なん、でも……?」
「なんでも」
「……おれ、りぃでんさまが、思ってるより、きっと、えっちで」
「ああ。むっつりなんだろう?」
「ひんっ……っ、ぅっ……ぁあっ」
「だが、むっつりと言うなら俺の方がひどいと思うぞ。こうしておまえを組み敷いて、どうしてやりたいと考えているか判るか?」
「っ」
「くっ……」
きゅん、て。
ダメだ。
想像させないで。
言葉だけで軽く達ってしまったの、中にいるリーデン様には誤魔化せない。
「レン」
「ごめ……」
「違う。可愛い」
「っ……」
キスして、抱き締めて、もっと、ずっと。
「好きだ」
「好き……」
時間の許す限り。
リーデン様。
「……リーデン様……えっちなこと、いっぱいしてください……」
「レン」
「いっぱい……ずっと、ここにいて……」
足を絡め、強請ったのを、リーデン様は嬉しそうに、でも、泣きそうな顔で受け入れてくれた。
なんでって、いま思い出したけどこの船はいずれ貴族の観光業のために使うべく売られて、ここはVIP専用の特別室になるからだ。
いわゆるスイートルームだって、言われて思い出したんだからごめんなさいである。
「さすがに工場代わりには出来ないよなぁ」
そこで棚を削ったり割ったり溶接したりなんて、お高い部屋でやることではない。
それに、実際に設置するのは船の全員が利用出来る場所だ。実際に試行錯誤して作っている様子を周知しておいた方が後々違和感がないだろう、と。
俺という存在の特異性を目立たなくするためだと判る以上、自分に出来るのは了承することだけだ。
ちなみにクルトさんとバルドルさんが仲直りしたのかは微妙なところだけど、部屋に戻るというので「無理だったらいつでも部屋使ってくださいね」って声を掛けておいた。
他に気がかりなことは……って考えていたら、レイナルドさん。
「こっちは任せておけ」
そう言われたから素直に甘えることにする。
「また明後日、な」
そう言われるのは非常に気恥ずかしかったけれども!
船室の、談話室に設置したままの扉から改めて神具『住居兼用移動車両』Ex.に帰る。
「ただいま、です」
「おかえり」
見送ってくれた時と同様に玄関を入ってすぐのところで出迎えてくれたリーデン様は、ぎゅっと抱き締めて額にキスをしてくれた。
だが、スンと匂いを嗅ぐような素振りを見せて、不快な顔。
「さっきも思ったが、この甘ったるい匂いはなんだ。どこで付けて来た?」
「あー……」
やばいと思ったのが顔に出たのか、リーデン様は「ほほぅ?」って目を細めた。
「今日は何をしたのか……ゆっくり聞く必要がありそうだな?」
「そんなこともないんですが……」
「その判断は俺がする……まずは風呂だ。ああ、湯はりしてくれていただろう、ありがとう」
「あり……あの、ごはん……」
「蕎麦はこれから茹でるのだから問題ない。それに……いろいろ準備してくれているようだしな?」
「……っ」
耳元に囁かれて体の奥の方が熱くなる。
結構な時間を不在にしたんだから、そりゃあ見れば判るだろう。バレバレですよね、念のための準備でしたけど!
「言ったな? 明日、明後日は休みなんだ」
「ぅっ……は、はい……」
仕方ない。
どうしようもない。
だって、今日一日中ずっと触って欲しかったのは俺自身だ。
「どうしてもお風呂が先ですか?」
「この甘い匂いがおまえを覆っているのが許し難い」
「……なら、一緒に……」
衣服の袖を握って訴えれば、リーデン様は男の顔で「当然だ」って、微笑った。
お風呂にいる時のリーデン様はとにかく優しい。
髪と体を隅々まで洗ってくれている時も、湯舟に浸かる時に膝の上に座らされた時も、手つきがちょっとヤラシイなって思う事はあっても、痛くないように、辛くないようにって、ゆっくりと体が解され、開かれていく過程は、その最中でも甘やかされているのを自覚出来るくらい優しいし、湯舟に入る前に忘れずに髪を結い上げたのは偉いって思うし、嬉しい。
マナーですって話したのを覚えてくれていたんだ。
「おまえが言ったことだからな」
リーデン様はそう言ってキスをくれる。
触れるだけの、本当の、本当に、優しいキス。
「ぁ、の」
「ん?」
「……もうちょっと……その」
背中に回した手を握ったら、吐息のような笑い声が耳を擽る。
「上がろうか」
揶揄うような響きを伴う問い掛けに、俺は頷くので精一杯だった。
昨夜と同じように魔法で乾かされて運ばれたベッドの上。昨夜と今朝と、いまも風呂で慣らされたそこはリーデン様のが挿って来るだけで気持ち良い。
「ぁん……っ」
素肌で抱き合うこと。
相手の鼓動が胸に響くこと。
唇が触れ合うだけですら、すごく。
「は……ふ。り、ぃでんさま」
「ん?」
「俺、自分で、思ってた、より……ずっと、スケベ……だった、かも」
言ったら「急にどうした」って面白がるように笑われた。
恥ずかしい。
けど、本当にそう思うんだ。
「あっちでは、あんなに、こ、いうコト、イヤだ、たのに……今日、ずっと、こんなことばっかり考えてて」
「ずっと?」
「ん……こうゆーの、むっつりって言うんです」
「むっつり」
「表向きはそんなふうに見えないのに、頭の中はエッチなことばっかり考えてるんです……今日の俺はずっとそんな感じで……」
「ほう」
くすくすって楽し気に笑うリーデン様。
「確かに見た目は庇護欲を煽る無垢な子どもに見えるか」
「んっ」
膝を押されゆっくりと揺さぶられると中がきゅんてなるし、ぬぷ、ぬぷって、入口にはヤラシイ音と一緒に甘い痺れが走る。
「レンの頭の中では、俺はどんなふうにおまえを抱いていたんだ?」
「えっ……」
「言っただろう、俺たちの普通を探っていこうと」
言った。
意地悪なことを言われるのはイヤなはずなのにドキドキして興奮したり、涙は見たくないけど泣きそうなのは興奮するって言われて、
「普通がいいですっ」と訴えたらリーデン様が「自分達の普通を探ろう」って。
「人はなぜ性行為をするのだと思う?」
「なぜ……」
そんな話を体を繋いだままするのはどうかと思うのだが……こういう話を素面でするのも難しそうだし、いいのかな。
「生物学的に言ったら子孫を残すためですけど、……ハグには、ストレスを軽減する効果があるって聞いたことあります」
「……気持ち良いからと言わないところがおまえらしいな」
「え……んっ……」
キスと。
笑顔と。
「恋人との触れ合いはハグに限らずストレスの軽減に繋がるらしいし、健康になるそうだ」
「健康……」
「同僚は若返ると言っていた」
「……本当ですか?」
「さて。知りたいなら自分で確かめないと、な」
「ふぁっ」
くすぐるように首筋を舐められて、反射的に体を捩る。
「こんなに気持ち良いことを知ったら止められなくなる、で良いと思うが」
「ふふっ。……なんだっけ、エッチを覚えたばっかりの十代ってやつですね」
「さて。10代じゃ桁が幾つか足りないが」
そうでした、4ケタですもんねって二人でしばらく笑い合う。
あ、でもあっちの世界にいた時に恋人と仲がいいと肌艶がよくなるとは聞いたことがあったかもしれない。事実なのか「病は気から」的な精神論なのかは、やっぱり自分で試してみないと判らないままだけど。
「それに普段使わない場所を使うからな。筋力も上がるらしい」
「……筋肉痛になりますもんね」
「今朝は辛かったか?」
「そう……でもなかったです。リーデン様が治癒してくれたのでは?」
「いいや。しかし、そうか。冒険者には体力と筋力が必須だろう、もう少し激しくするか」
「そ、それは追々で結構です……!」
「そうか」
楽し気に笑ったリーデン様は、もう一度口付けてから腰を動かし始めた。
「んっ、ぁっ」
左右からしっかりと腰を掴まれ奥に打ち付けられるたび下腹部から全身を襲う快感。
気持ちいい。
気持ち良い……っ。
「ひうっ……」
「くっ……」
イキたい。
我慢できない。
「ふぁっ」
無意識に自分で自分を弄り促すだけで、先に達したのは俺の方。
体が反り、中が収縮してリーデン様のを締め上げると程なく熱いものが広がり、染み込んでいく。他人の魔力が、リーデン様の神力が俺のと混ざり合って溶けていく間――。
「あっ……あ……はん……っ」
ゾクゾクする。
心臓を直に握られて揉まれてるんじゃないかってくらいの恐怖と、何度も、何度も内側から襲ってくる、吐精する時より強烈な快感。
痙攣するように跳ねる体をリーデン様はしっかりと抱き締めてくれた。
その間も彼のは挿ったままだから、意図していない刺激が再びそれに熱を持たせてしまう。
「んっ……」
荒い呼吸の合間にリーデン様は言う。
「……まだ子を求めない行為に、レン、おまえは何を望む?」
「なに、を?」
「俺は他の誰にも見せないおまえを独り占めしたい。泣きそうな顔、快楽に浸る顔、達って惚けている顔……その際に上がる艶めいた声も、苦しそうにしながらもっとと強請る声も……素では嫌がるくせに焦らすと自慰に耽る痴態も」
「なっ……しませんそんなこと!」
口を手で塞いで抗議するが、リーデン様は「しているぞ」と笑い、指の付け根を舐めて来る。
「ひゃっ」
「とても愛らしい」
「っ……」
手を握られ、指先を舐められ、俺の心臓はこれでもかってくらい騒がしい。
「最愛にだけ許される総てを独り占めする、……それが俺たちの普通であって欲しいと思う」
「ぁっ」
手を握ったまま。
両手を握られたまま、また、揺さぶられる。
擦られて、甘く痺れて、俺のそこもあっという間に勃ち上がる。
「だから教えて欲しいレン。おまえの頭の中で、俺はどんなふうにおまえを抱いていた? どんなふうに抱いて欲しい? おまえのしたいこと、して欲しいことは俺が叶える……それはレンの普通にならないか」
「あ、ぁぁっ……なっ、なん、でも……?」
「なんでも」
「……おれ、りぃでんさまが、思ってるより、きっと、えっちで」
「ああ。むっつりなんだろう?」
「ひんっ……っ、ぅっ……ぁあっ」
「だが、むっつりと言うなら俺の方がひどいと思うぞ。こうしておまえを組み敷いて、どうしてやりたいと考えているか判るか?」
「っ」
「くっ……」
きゅん、て。
ダメだ。
想像させないで。
言葉だけで軽く達ってしまったの、中にいるリーデン様には誤魔化せない。
「レン」
「ごめ……」
「違う。可愛い」
「っ……」
キスして、抱き締めて、もっと、ずっと。
「好きだ」
「好き……」
時間の許す限り。
リーデン様。
「……リーデン様……えっちなこと、いっぱいしてください……」
「レン」
「いっぱい……ずっと、ここにいて……」
足を絡め、強請ったのを、リーデン様は嬉しそうに、でも、泣きそうな顔で受け入れてくれた。
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