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第5章 マーへ大陸の陰謀
149.『ソワサント』(7)※戦闘有り
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足が動かない。
何かが、変。
説明出来る言葉などどこにもないのに、でも、いま此処を離れてしまったら後悔する、って。
直感。
「ダメで……何か来ますっ、準備……っ、このままじゃ被害が大きく……!」
「落ち着け」
ぼふっと視界を覆うように塞いだ大きな手はレイナルドさん。
「深呼吸しろ」
「っ……」
「しろ」
強く命じられて、体の中で暴れ狂う感情を必死に抑え込んで呼吸する。最初は息切れみたいに短かったそれを、意識的にゆっくりと、深く。
「……何が来るって?」
「……良くない事、です。……この感じ……獄鬼じゃなくて……でも……」
匂い、かな。
風に乗って香って来る気がするんだけど、嗅覚というよりも肌を刺してくるような……空気が、痛いような。
「あ、あの時の……」
「いつだ」
「ラトンラヴル」
第17階層でフレデリックパーティを救出した時に感じた、赤いアライグマの殺気に満ちた魔力。
「あれよりずっと強くて、濃い、群れが……近くにいる気がします」
「バルドル」
「ああ。ウーガは索敵を頼む」
「うん!」
「ドーガ、おまえは俺と右回り、エニスとクルトは左回りで警告に。ウォーカーさんは外周のテントに声を掛けてくれ。各パーティが所有している薬やポーションの残数も確認を」
「了解!」
「レンは手持ちの薬を出しておいてくれ」
「はいっ」
索敵範囲が一番広い狩人――弓術士のウーガさんにそれを任せて早々に動き出す面々を、レイナルドさんは満足そうに見送る。
「あいつは良いリーダーになるな」
「バルドルさんですか?」
「ああ。おまえが贔屓にしていそうだから誘ったが正解だった」
反応し難いことを言われて曖昧に頷いたら「それより今は魔物の群れだ」と促され、腰のポシェットに入れてある大量の回復用ポーションを出していく。
初級・中級・上級の治癒ポーションが各20本。
初級・中級・上級の状態異常回復ポーションが各20本。
体力と魔力の回復ポーションも同数ずつ。
泉の畔のテント数はうちのも併せて13あったけど小さなテントを複数所有しているパーティもあり、パーティの数でいえば9。
冒険者は45人。
近付いている魔物の種類によっては微妙な本数だが……。
「! これか……っ」
ウーガさんの緊迫した声が上がる。
「どんどんこっちに近付いてきて……ムルトルグノンだ、数は50弱! この先300メートル!」
「殺人猿か!」
レイナルドさんが吼えた。
「傾聴! ムルトルグノンが50、二時の方角から接近!! 来るぞ!!」
「は⁈」
「マジか!」
「回復薬が足りていないパーティは取りに来いっ、僧侶がいれば此処に!」
辺りがざわめいたのは一瞬。
だんだんと接近するにつれ、それを感知する冒険者が増えた。
バルドルさん達に言われた時点で行動を開始していたパーティは既に戦闘態勢に入り、パーティリーダーが念のためにとポーションを求めに来る。
だが僧侶は来なかった。
この場に僧侶は、俺一人だった。
「っ……」
「大丈夫だ、おまえにはかすり傷一つ付けないさ。ウーガも頼むぞ」
「お任せあれ!」
言うが早いか近くの樹にするすると上り矢を番えた弓術士。
「距離50、見えた!!」
「レン!」
「はいっ、鼓舞……!!」
俺の足元から吹き上がる魔力の風が冒険者達の足元を吹き抜ける。
鼓舞で能力値の底上げ。
バルドルパーティ、レイナルドパーティに限れば対獄鬼ほどじゃなくても応援領域の効果も期待出来る。
どうか誰一人として欠ける事がありませんように……!
祈る。
「!!」
ウーガの矢が、先頭にいたムルトルグノンの額を射抜く。
それが戦闘開始の合図となった。
「ゲパール、お願い!」
ポシェットから取り出した3つの魔石に一気に魔力を流す。
手の上から飛び出した魔豹が地を駆け冒険者に襲い掛かろうとしたムルトルグノンの喉元に噛みつく。
「うわぁっ⁈」
「ギャギャギャッ!!」
「グァルァアア!!」
数の不利を僅かに縮めるが、レイナルドに殺人猿と呼ばれたムルトルグノンは見た目からして一人一体相手にするのが厳しい魔物だった。
くすんだ灰色の長毛に覆われた身体は全体が異様に細長く、枝から枝へ手で飛び移るばかりか二足歩行も可能だから人の距離間では戦い難い。更には頭蓋骨そのものと言える顔の大半を占める空洞めいた目は人心を惑わす深淵と言われていて精神異常を来すのだ。
「拘禁!」
索敵と、実際の視界とを重ねて標的を間違わないよう動きを阻害する。
「拘禁!」
冒険者を複数で襲おうとする個体から優先的に地面に縛り付けた。
「くっそ……!」
「さっさとクタバレ!!」
動けるようになった冒険者が這うようにして移動、仲間を襲う殺人猿に剣を振り下ろす。
だが、仕留められない。
「ギャギャーー!!」
「っ……!」
鞭のようにしなる腕が襲い掛かった、瞬間。
「火球!」
「ヒギャアアァァァ!」
魔法使いの火魔法に絶叫した。
倒した。
でも一匹。
休んでいる暇なんかない。
「うおおおおおっ!!」
自分自身を奮い立たせ、駆ける。
必死に。
生きるために。
泥と血塗れになる多くの冒険者に比べると、すぐ傍で殺人猿を一人で相手取るレイナルドさんはさすがだったし、俺の援護を必要としないウォーカーさんやクルトさん、バルドルパーティのメンバーは安定していた。
応援領域の効果はもちろんあるだろう。
だが落ち着いた剣裁きは経験のなせる業で――。
「鬱陶しい!!」
怒りに満ちた声と共に魔剣が唸り殺人猿を両断したレイナルドさん。
「裁きの炎獄!!」
他が近付けないようドーガさんが放った火魔法の中心で一匹の殺人猿を相手にクルトさんとエニスさんの剣が左右からその腕を切り落とし、即座に向きを変えて足を斬る。
「ヒギャアアァァァ!!」
四肢を失って倒れた巨体、その頭に突き立てられるバルドルさんの剣。
「次!!」
スッと消えたウーガさんの火魔法の中心に立つ彼らは、次いで一人で3頭を相手取るウォーカーさんの援護に走る。
「はあああああああぁぁっ!!」
盾を構え、鞭のように叩きつけられる3頭の腕をしのぎ続けるウォーカーさんを援護するのはウーガさんもだ。
樹上から矢を射る。
殺人猿の肩を、腹を、時に額を打ち抜き敵を減らす。
減った分だけウォーカーさんは他所の殺人猿に殺気をぶつけ、ヘイトを集め、多くの銀級冒険者達を守った。
「あああああああっ」
突然の絶叫。
目を見開き全身を痙攣させた冒険者の姿に精神系の異常だと察せられる。
「ゲパール!!」
声の限りに叫び、状態異常回復のポーションを放る。
「かぶせて!!」
シンプル過ぎる指示が伝わるかは賭けだったけど、弧を描きながら落ちていく薬瓶を口でキャッチした魔豹は叫び続ける冒険者の頭上で瓶を噛み砕いた。
ダバダバッと頭上から掛けられる薬。
冒険者が白目を剥いて倒れる。
「守って!」
「グルァァァァァアアア!!」
獣の咆哮。
大気が震える。
殺人猿が僅かに怯んだように見えた。だが、まだ終わらない。
まだ30頭以上の殺人猿がいる。
「っ、あ、レイナルドさん、ムルトルグノンの魔石を取り出せますか⁈」
「は? あぁ、そういうことか」
言うが早いかレイナルドさんは殺人猿の事切れた体に剣を突き立て、抉る。
取り出した魔石は魔豹より少し小さめだった。
「やりますよ」
「ああ」
許可も貰った。
遠慮はしない。あくまで流すのは魔力だけど。
「他にも取れる魔石は取ってください!」
「判った、――傾聴!! ムルトルグノンの魔石を取れるなら此処へ持ってこい、味方を増やす!!」
その言葉と同時、俺の手の中から顕現した殺人猿は体毛に艶があり、深淵のようだった黒い目は薄紫色に変わっていた。
「仲間を攻撃させるみたいで申し訳ないけど、力を貸して」
「ギャギャッ、ギャギャッ!」
俺の魔力を得た殺人猿はその場で何度か跳ねてから戦場に飛び込み、冒険者に襲い掛かる殺人猿と敵対した。
それを見た冒険者が次々と魔石を取り出してこちらに持って来てくれた。
「拘禁!」
「裁きの炎獄!!」
彼らの邪魔をする殺人猿を牽制。
皆の力を借りながら一頭、また一頭と味方を増やす。
形成が逆転したのはそれから間もなくで、約一時間後……戦いは冒険者側の勝利で終わった。
何かが、変。
説明出来る言葉などどこにもないのに、でも、いま此処を離れてしまったら後悔する、って。
直感。
「ダメで……何か来ますっ、準備……っ、このままじゃ被害が大きく……!」
「落ち着け」
ぼふっと視界を覆うように塞いだ大きな手はレイナルドさん。
「深呼吸しろ」
「っ……」
「しろ」
強く命じられて、体の中で暴れ狂う感情を必死に抑え込んで呼吸する。最初は息切れみたいに短かったそれを、意識的にゆっくりと、深く。
「……何が来るって?」
「……良くない事、です。……この感じ……獄鬼じゃなくて……でも……」
匂い、かな。
風に乗って香って来る気がするんだけど、嗅覚というよりも肌を刺してくるような……空気が、痛いような。
「あ、あの時の……」
「いつだ」
「ラトンラヴル」
第17階層でフレデリックパーティを救出した時に感じた、赤いアライグマの殺気に満ちた魔力。
「あれよりずっと強くて、濃い、群れが……近くにいる気がします」
「バルドル」
「ああ。ウーガは索敵を頼む」
「うん!」
「ドーガ、おまえは俺と右回り、エニスとクルトは左回りで警告に。ウォーカーさんは外周のテントに声を掛けてくれ。各パーティが所有している薬やポーションの残数も確認を」
「了解!」
「レンは手持ちの薬を出しておいてくれ」
「はいっ」
索敵範囲が一番広い狩人――弓術士のウーガさんにそれを任せて早々に動き出す面々を、レイナルドさんは満足そうに見送る。
「あいつは良いリーダーになるな」
「バルドルさんですか?」
「ああ。おまえが贔屓にしていそうだから誘ったが正解だった」
反応し難いことを言われて曖昧に頷いたら「それより今は魔物の群れだ」と促され、腰のポシェットに入れてある大量の回復用ポーションを出していく。
初級・中級・上級の治癒ポーションが各20本。
初級・中級・上級の状態異常回復ポーションが各20本。
体力と魔力の回復ポーションも同数ずつ。
泉の畔のテント数はうちのも併せて13あったけど小さなテントを複数所有しているパーティもあり、パーティの数でいえば9。
冒険者は45人。
近付いている魔物の種類によっては微妙な本数だが……。
「! これか……っ」
ウーガさんの緊迫した声が上がる。
「どんどんこっちに近付いてきて……ムルトルグノンだ、数は50弱! この先300メートル!」
「殺人猿か!」
レイナルドさんが吼えた。
「傾聴! ムルトルグノンが50、二時の方角から接近!! 来るぞ!!」
「は⁈」
「マジか!」
「回復薬が足りていないパーティは取りに来いっ、僧侶がいれば此処に!」
辺りがざわめいたのは一瞬。
だんだんと接近するにつれ、それを感知する冒険者が増えた。
バルドルさん達に言われた時点で行動を開始していたパーティは既に戦闘態勢に入り、パーティリーダーが念のためにとポーションを求めに来る。
だが僧侶は来なかった。
この場に僧侶は、俺一人だった。
「っ……」
「大丈夫だ、おまえにはかすり傷一つ付けないさ。ウーガも頼むぞ」
「お任せあれ!」
言うが早いか近くの樹にするすると上り矢を番えた弓術士。
「距離50、見えた!!」
「レン!」
「はいっ、鼓舞……!!」
俺の足元から吹き上がる魔力の風が冒険者達の足元を吹き抜ける。
鼓舞で能力値の底上げ。
バルドルパーティ、レイナルドパーティに限れば対獄鬼ほどじゃなくても応援領域の効果も期待出来る。
どうか誰一人として欠ける事がありませんように……!
祈る。
「!!」
ウーガの矢が、先頭にいたムルトルグノンの額を射抜く。
それが戦闘開始の合図となった。
「ゲパール、お願い!」
ポシェットから取り出した3つの魔石に一気に魔力を流す。
手の上から飛び出した魔豹が地を駆け冒険者に襲い掛かろうとしたムルトルグノンの喉元に噛みつく。
「うわぁっ⁈」
「ギャギャギャッ!!」
「グァルァアア!!」
数の不利を僅かに縮めるが、レイナルドに殺人猿と呼ばれたムルトルグノンは見た目からして一人一体相手にするのが厳しい魔物だった。
くすんだ灰色の長毛に覆われた身体は全体が異様に細長く、枝から枝へ手で飛び移るばかりか二足歩行も可能だから人の距離間では戦い難い。更には頭蓋骨そのものと言える顔の大半を占める空洞めいた目は人心を惑わす深淵と言われていて精神異常を来すのだ。
「拘禁!」
索敵と、実際の視界とを重ねて標的を間違わないよう動きを阻害する。
「拘禁!」
冒険者を複数で襲おうとする個体から優先的に地面に縛り付けた。
「くっそ……!」
「さっさとクタバレ!!」
動けるようになった冒険者が這うようにして移動、仲間を襲う殺人猿に剣を振り下ろす。
だが、仕留められない。
「ギャギャーー!!」
「っ……!」
鞭のようにしなる腕が襲い掛かった、瞬間。
「火球!」
「ヒギャアアァァァ!」
魔法使いの火魔法に絶叫した。
倒した。
でも一匹。
休んでいる暇なんかない。
「うおおおおおっ!!」
自分自身を奮い立たせ、駆ける。
必死に。
生きるために。
泥と血塗れになる多くの冒険者に比べると、すぐ傍で殺人猿を一人で相手取るレイナルドさんはさすがだったし、俺の援護を必要としないウォーカーさんやクルトさん、バルドルパーティのメンバーは安定していた。
応援領域の効果はもちろんあるだろう。
だが落ち着いた剣裁きは経験のなせる業で――。
「鬱陶しい!!」
怒りに満ちた声と共に魔剣が唸り殺人猿を両断したレイナルドさん。
「裁きの炎獄!!」
他が近付けないようドーガさんが放った火魔法の中心で一匹の殺人猿を相手にクルトさんとエニスさんの剣が左右からその腕を切り落とし、即座に向きを変えて足を斬る。
「ヒギャアアァァァ!!」
四肢を失って倒れた巨体、その頭に突き立てられるバルドルさんの剣。
「次!!」
スッと消えたウーガさんの火魔法の中心に立つ彼らは、次いで一人で3頭を相手取るウォーカーさんの援護に走る。
「はあああああああぁぁっ!!」
盾を構え、鞭のように叩きつけられる3頭の腕をしのぎ続けるウォーカーさんを援護するのはウーガさんもだ。
樹上から矢を射る。
殺人猿の肩を、腹を、時に額を打ち抜き敵を減らす。
減った分だけウォーカーさんは他所の殺人猿に殺気をぶつけ、ヘイトを集め、多くの銀級冒険者達を守った。
「あああああああっ」
突然の絶叫。
目を見開き全身を痙攣させた冒険者の姿に精神系の異常だと察せられる。
「ゲパール!!」
声の限りに叫び、状態異常回復のポーションを放る。
「かぶせて!!」
シンプル過ぎる指示が伝わるかは賭けだったけど、弧を描きながら落ちていく薬瓶を口でキャッチした魔豹は叫び続ける冒険者の頭上で瓶を噛み砕いた。
ダバダバッと頭上から掛けられる薬。
冒険者が白目を剥いて倒れる。
「守って!」
「グルァァァァァアアア!!」
獣の咆哮。
大気が震える。
殺人猿が僅かに怯んだように見えた。だが、まだ終わらない。
まだ30頭以上の殺人猿がいる。
「っ、あ、レイナルドさん、ムルトルグノンの魔石を取り出せますか⁈」
「は? あぁ、そういうことか」
言うが早いかレイナルドさんは殺人猿の事切れた体に剣を突き立て、抉る。
取り出した魔石は魔豹より少し小さめだった。
「やりますよ」
「ああ」
許可も貰った。
遠慮はしない。あくまで流すのは魔力だけど。
「他にも取れる魔石は取ってください!」
「判った、――傾聴!! ムルトルグノンの魔石を取れるなら此処へ持ってこい、味方を増やす!!」
その言葉と同時、俺の手の中から顕現した殺人猿は体毛に艶があり、深淵のようだった黒い目は薄紫色に変わっていた。
「仲間を攻撃させるみたいで申し訳ないけど、力を貸して」
「ギャギャッ、ギャギャッ!」
俺の魔力を得た殺人猿はその場で何度か跳ねてから戦場に飛び込み、冒険者に襲い掛かる殺人猿と敵対した。
それを見た冒険者が次々と魔石を取り出してこちらに持って来てくれた。
「拘禁!」
「裁きの炎獄!!」
彼らの邪魔をする殺人猿を牽制。
皆の力を借りながら一頭、また一頭と味方を増やす。
形成が逆転したのはそれから間もなくで、約一時間後……戦いは冒険者側の勝利で終わった。
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