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第2章 新人冒険者の奮闘
62.厄介な感情
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帰宅が早かったので寝室の机に向かい、今日勉強したことをノートに纏めていく。
1.プラーントゥ大陸
他の6大陸に囲まれるように存在している最小の大陸。
人間との共存を真っ先に掲げたイヌ科によって興されたリシーゾン国が最も影響力が大きく、トゥルヌソルもこの国の一部。
2.ギァリッグ大陸
プラーントゥ大陸から見れば北東に位置している最大の大陸。
人間に纏わりつかれるのが苦手なネコ科が多く暮らしていて、獅子の国フォレが最も力を持っている。
3.マーヘ大陸
プラーントゥ大陸から見ると南西に位置していて、間に海があるものの一番近い大陸。
人間への憎しみが強過ぎ。
外見が祖先に近い獣人族が大半で、カンヨン国が主導権を握っている。カエル科の王様。
4.インセクツ大陸
プラーントゥ大陸の南に位置していて、アマゾンに近い感じ?
クルトさんの故郷有。
話を聞く限りトカゲやワニといった爬虫類系の獣人族が多そう。
見た目は祖先寄りが多いから人間との交わりは避けているっぽいけど、人族も普通に住んでいて、結構平和。
代表国はラビラント、王様はトカゲ科。
5.キクノ大陸
いつか行ってみたいNo.1、和食の国!
プラーントゥ大陸の北に位置している。
土地のほとんどが森に覆われていて森人族が多い。
影響力が一番強いのはツル科の王様が治めるネージュって国。
6.グロット大陸
プラーントゥ大陸の東に位置している。
地人族が多くて生産大陸って言われるほど物作りで有名な国が多い。
モグラ科の王が治めるモンターニュ国が最大にして最強。
7.オセアン大陸
プラーントゥ大陸の西に位置している。
水人族が多く、最大国家は水の帝国と呼ばれるメール。王様はイルカ科。
「んー……世界地図って売ってるのかな。リーデン様にお願いしたら、この部屋から出さないって条件付きで壁に張っておける……?」
地図って軍事情報にもなるから、この世界でどういう扱いになっているかの確認が先かもしれないと思いつつ、少しだけ重たい息が漏れる。
いくら異世界でも、過去の話でも、人間がしたこと、今も恨まれていること。
そういう話を聞かされれば気持ちも暗くなろうというものだ。
「んー……よし、お菓子作ろう」
いま必要なのは気分転換だ。
そう思い、明日の打ち上げ兼昇級祝いの宴に持っていくお菓子を作る事にした。お酒は既に購入済みで宿の部屋の入り口に置いてあるが、もう一つ増えてもお祝いなんだから構わないはず。
外に持ち出せる材料が揃っていて、失敗しなくて、量もたくさん作れるもの。
「クッキーしか思いつかない」
――と言う流れでキッチンに立った結果、部屋には甘い匂いが充満した。
「すごいな……」
リーデンにもそう言わせてしまったキッチンには冷ましている最中のクッキーが200枚くらいずらりと並んでいる。クランハウスに住んでいるご家族の分も……と思ったんだけどさすがに作り過ぎたかもしれない。
「リーデン様も天界に持っていきますか? ローズベリー様にはいつもお世話になっていますし、カグヤ様とヤーオターオ様には加護のお礼も言っていませんし、……ユーイチにも差し入れ、出来るなら」
「ああ……」
「材料はロテュスで買ったもの限定ですけど、天界に持っていくならそもそも制限はないですよね?」
「そう、だな……」
「リーデン様?」
歯切れの悪い様子を不思議に思う。
リーデンはしばらくしてから軽く諦めたみたいな息を吐いた。
「いつも持ってこいと要求されるし、まぁ……クッキー……だけ、なら……」
「?」
「いや。おまえが良いなら、貰っていく」
「はい、是非」
何かと戦っているような険しい顔つきなのに、何だろう、哀愁が漂っているというか、ものすごく不本意そうというか……あ、もしかして味を心配しているんだろうか。
「リーデン様」
「ん?」
「一つ、味見してみますか?」
最初に焼き上がった中の一枚を摘まんで口元に近付ける。
「――」
僅かな沈黙。
そして、サクッ、て。
「ぁ……」
俺の指先から、直接。
「あ……っ」
「美味い」
「そ、それは、よか……っです」
顔が熱い。
そんな俺を見た後は、何故かリーデンの機嫌が直っていた。
その後はいつも通りに夕飯を食べながら明日の予定を伝え合う。
「明日は夕飯は外で食べるということで良いのか」
「はい。たぶんそうなると思います」
「判った」
「お祭りの時って、リーデン様は忙しいんですか?」
「祭り?」
「『界渡りの祝日』です」
「あぁ、そう……だな。忙しいかと聞かれれば……む。そうか……三日間はこちらに来られないかもしれない」
「三日間とも……」
「世界中で一時的に神力が上がるから調整が必要になるし、その日に合わせて洗礼や成人の儀を行う土地が多いからな。トゥルヌソルは年に4度、季節ごとに行っているが、やはり『界渡りの祝日』にこそ受けたいという子どもが多いだろう」
「それで水の日の魔法授業もお休みですもんね……」
さすがに一緒に屋台を回れたらなんて高望みはしない。
屋台で買った食事を此処で一緒に食べたら、気分だけは味わえるかなと思ったけど、それも難しそうだ。
リーデンはこの世界の主神で、明日は一年で最も大事な日なんだから、当然だ。
「お土産話、あとでいっぱい聞いて下さいね」
「ああ」
頷いて見せてくれる笑顔は嬉しいのに逆の気持ちが心の底の方で燻っている。
それを俯瞰して見てみれば、俺は実にめんどくさいヤツじゃないか。
しかも女々しい。
感情は落ち着かなくてうるさいし、言う気もないのに欲求ばかり大きくなるし。
(好きになるって楽しいばかりじゃないとは聞くけど……)
こうして一緒にいられる時間はたくさんあるのに、もっと、って。
頭では解っていてもどうにもならない。
(ほんと感情って厄介だ)
好きも、嫌いも。
(マーへ大陸の人たちもどうにもならない感情を抱えて苦しんでいるのかな……)
そう考えるとますます気持ちが鬱いでいった。
***
翌日のクランハウス。
「護衛依頼、ですか?」
打ち上げ兼昇級祝いの宴もたけなわってところで急にレイナルドから聞かされたのは、俺が初めて受けることになる銅級依頼に関する話だった。
「マーへ大陸の連中が来ているのは昨日確認しただろ? 結果、緊急で各ギルドマスターと領主らの話合いが行われて決まった」
曰く『界渡りの祝日』が終わって各地から観光に来ていた人々が帰郷のために街を出た後が危険だ、と。
「人族が特に危ないというだけで、捕まって奴隷にされるのは獣人族も同じだ。連中にしてみれば俺たちは裏切者だからな」
「そんな……」
いくらなんでもあんまりだと思うが、レイナルドは俺を視線で黙らせて続ける。
「早い者は最終日の午後から帰路につくが、俺たちが担当するのは10月の18日、大地の日、午前中にトゥルヌソルを出発する6組の団体で、行先は港町ローザルゴーザ。徒歩でも半日の距離だが、護衛対象のほとんどがローザルゴーザから船で別大陸に渡る予定だ。……その中には、レン、…おまえに声を掛けようとしたヤツも入っている」
皆の視線が集まり、体温が急激に下がったような気がした。
「レンは置いていくことも考えたが」
レイナルドがそう口にした途端、とてつもなくイヤな予感がした。
足の爪先から脳天へ駆けあがっていくおぞましい悪寒。
「行きます。絶対。置いて行かれたくないですっ」
その悪寒が何に対してのものかは判断が付かないのに、トゥルヌソルに残るのは絶対にダメだ、って。それは、直感。
レイナルドも察するところがあったのか「わかった」と即答。
「俺たちもおまえを残していくのは不安だし、主神様の加護があるからきっと大丈夫だと信じて連れて行く。だが、ローザルゴーザはマーヘ大陸に一番近いから俺たちに任せられた――言っている意味は解るな?」
「はい……」
「絶対に油断するな」
膝の上に置いた手を、無意識に握っていた。
その手が震えているのに気付いたのだろうクルトが上から手を重ねてくれた。
「冒険者も俺達のパーティの他に二組が同行する。おまえは常にクルトか、アッシュと行動しろ」
「はい」
見せ掛けだけでも強くありたい。
真っ直ぐに目を見返して頷いたら、それだけでレイナルド達がホッとしたように笑ってくれる。
「連中が船に乗ったのを見届け、ローザルゴーザで一泊して戻って来る。更に翌週には王都まで貴族の護衛だ。こっちは野営になる可能性が高いから各自準備しておけ」
「すみません、野営に必要なものを教えて欲しいです」
「それなら一緒に買い物しに行こう」
俺が挙手して声を上げると、クルトがそう誘ってくれた。
「パーティにあるものは貸せるから、おまえ自身が必要なものをちゃんと厳選してこい。クルト、任せたぞ」
「頑張ります」
「よろしくお願いします」
顔を見合わせ、笑った。
「よし。初っ端から気疲れする依頼で悪いが、護衛依頼は銀級に上がるには必須の条件だ。丁度いいだろ」
丁度いいという表現は不謹慎な気がしたが、俺の気持ちを軽くしようとしてくれているのが伝わって来るから素直に受け取っておいた。
大丈夫。
不安はあっても、俺はもう一人じゃないんだから。
1.プラーントゥ大陸
他の6大陸に囲まれるように存在している最小の大陸。
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2.ギァリッグ大陸
プラーントゥ大陸から見れば北東に位置している最大の大陸。
人間に纏わりつかれるのが苦手なネコ科が多く暮らしていて、獅子の国フォレが最も力を持っている。
3.マーヘ大陸
プラーントゥ大陸から見ると南西に位置していて、間に海があるものの一番近い大陸。
人間への憎しみが強過ぎ。
外見が祖先に近い獣人族が大半で、カンヨン国が主導権を握っている。カエル科の王様。
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プラーントゥ大陸の南に位置していて、アマゾンに近い感じ?
クルトさんの故郷有。
話を聞く限りトカゲやワニといった爬虫類系の獣人族が多そう。
見た目は祖先寄りが多いから人間との交わりは避けているっぽいけど、人族も普通に住んでいて、結構平和。
代表国はラビラント、王様はトカゲ科。
5.キクノ大陸
いつか行ってみたいNo.1、和食の国!
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土地のほとんどが森に覆われていて森人族が多い。
影響力が一番強いのはツル科の王様が治めるネージュって国。
6.グロット大陸
プラーントゥ大陸の東に位置している。
地人族が多くて生産大陸って言われるほど物作りで有名な国が多い。
モグラ科の王が治めるモンターニュ国が最大にして最強。
7.オセアン大陸
プラーントゥ大陸の西に位置している。
水人族が多く、最大国家は水の帝国と呼ばれるメール。王様はイルカ科。
「んー……世界地図って売ってるのかな。リーデン様にお願いしたら、この部屋から出さないって条件付きで壁に張っておける……?」
地図って軍事情報にもなるから、この世界でどういう扱いになっているかの確認が先かもしれないと思いつつ、少しだけ重たい息が漏れる。
いくら異世界でも、過去の話でも、人間がしたこと、今も恨まれていること。
そういう話を聞かされれば気持ちも暗くなろうというものだ。
「んー……よし、お菓子作ろう」
いま必要なのは気分転換だ。
そう思い、明日の打ち上げ兼昇級祝いの宴に持っていくお菓子を作る事にした。お酒は既に購入済みで宿の部屋の入り口に置いてあるが、もう一つ増えてもお祝いなんだから構わないはず。
外に持ち出せる材料が揃っていて、失敗しなくて、量もたくさん作れるもの。
「クッキーしか思いつかない」
――と言う流れでキッチンに立った結果、部屋には甘い匂いが充満した。
「すごいな……」
リーデンにもそう言わせてしまったキッチンには冷ましている最中のクッキーが200枚くらいずらりと並んでいる。クランハウスに住んでいるご家族の分も……と思ったんだけどさすがに作り過ぎたかもしれない。
「リーデン様も天界に持っていきますか? ローズベリー様にはいつもお世話になっていますし、カグヤ様とヤーオターオ様には加護のお礼も言っていませんし、……ユーイチにも差し入れ、出来るなら」
「ああ……」
「材料はロテュスで買ったもの限定ですけど、天界に持っていくならそもそも制限はないですよね?」
「そう、だな……」
「リーデン様?」
歯切れの悪い様子を不思議に思う。
リーデンはしばらくしてから軽く諦めたみたいな息を吐いた。
「いつも持ってこいと要求されるし、まぁ……クッキー……だけ、なら……」
「?」
「いや。おまえが良いなら、貰っていく」
「はい、是非」
何かと戦っているような険しい顔つきなのに、何だろう、哀愁が漂っているというか、ものすごく不本意そうというか……あ、もしかして味を心配しているんだろうか。
「リーデン様」
「ん?」
「一つ、味見してみますか?」
最初に焼き上がった中の一枚を摘まんで口元に近付ける。
「――」
僅かな沈黙。
そして、サクッ、て。
「ぁ……」
俺の指先から、直接。
「あ……っ」
「美味い」
「そ、それは、よか……っです」
顔が熱い。
そんな俺を見た後は、何故かリーデンの機嫌が直っていた。
その後はいつも通りに夕飯を食べながら明日の予定を伝え合う。
「明日は夕飯は外で食べるということで良いのか」
「はい。たぶんそうなると思います」
「判った」
「お祭りの時って、リーデン様は忙しいんですか?」
「祭り?」
「『界渡りの祝日』です」
「あぁ、そう……だな。忙しいかと聞かれれば……む。そうか……三日間はこちらに来られないかもしれない」
「三日間とも……」
「世界中で一時的に神力が上がるから調整が必要になるし、その日に合わせて洗礼や成人の儀を行う土地が多いからな。トゥルヌソルは年に4度、季節ごとに行っているが、やはり『界渡りの祝日』にこそ受けたいという子どもが多いだろう」
「それで水の日の魔法授業もお休みですもんね……」
さすがに一緒に屋台を回れたらなんて高望みはしない。
屋台で買った食事を此処で一緒に食べたら、気分だけは味わえるかなと思ったけど、それも難しそうだ。
リーデンはこの世界の主神で、明日は一年で最も大事な日なんだから、当然だ。
「お土産話、あとでいっぱい聞いて下さいね」
「ああ」
頷いて見せてくれる笑顔は嬉しいのに逆の気持ちが心の底の方で燻っている。
それを俯瞰して見てみれば、俺は実にめんどくさいヤツじゃないか。
しかも女々しい。
感情は落ち着かなくてうるさいし、言う気もないのに欲求ばかり大きくなるし。
(好きになるって楽しいばかりじゃないとは聞くけど……)
こうして一緒にいられる時間はたくさんあるのに、もっと、って。
頭では解っていてもどうにもならない。
(ほんと感情って厄介だ)
好きも、嫌いも。
(マーへ大陸の人たちもどうにもならない感情を抱えて苦しんでいるのかな……)
そう考えるとますます気持ちが鬱いでいった。
***
翌日のクランハウス。
「護衛依頼、ですか?」
打ち上げ兼昇級祝いの宴もたけなわってところで急にレイナルドから聞かされたのは、俺が初めて受けることになる銅級依頼に関する話だった。
「マーへ大陸の連中が来ているのは昨日確認しただろ? 結果、緊急で各ギルドマスターと領主らの話合いが行われて決まった」
曰く『界渡りの祝日』が終わって各地から観光に来ていた人々が帰郷のために街を出た後が危険だ、と。
「人族が特に危ないというだけで、捕まって奴隷にされるのは獣人族も同じだ。連中にしてみれば俺たちは裏切者だからな」
「そんな……」
いくらなんでもあんまりだと思うが、レイナルドは俺を視線で黙らせて続ける。
「早い者は最終日の午後から帰路につくが、俺たちが担当するのは10月の18日、大地の日、午前中にトゥルヌソルを出発する6組の団体で、行先は港町ローザルゴーザ。徒歩でも半日の距離だが、護衛対象のほとんどがローザルゴーザから船で別大陸に渡る予定だ。……その中には、レン、…おまえに声を掛けようとしたヤツも入っている」
皆の視線が集まり、体温が急激に下がったような気がした。
「レンは置いていくことも考えたが」
レイナルドがそう口にした途端、とてつもなくイヤな予感がした。
足の爪先から脳天へ駆けあがっていくおぞましい悪寒。
「行きます。絶対。置いて行かれたくないですっ」
その悪寒が何に対してのものかは判断が付かないのに、トゥルヌソルに残るのは絶対にダメだ、って。それは、直感。
レイナルドも察するところがあったのか「わかった」と即答。
「俺たちもおまえを残していくのは不安だし、主神様の加護があるからきっと大丈夫だと信じて連れて行く。だが、ローザルゴーザはマーヘ大陸に一番近いから俺たちに任せられた――言っている意味は解るな?」
「はい……」
「絶対に油断するな」
膝の上に置いた手を、無意識に握っていた。
その手が震えているのに気付いたのだろうクルトが上から手を重ねてくれた。
「冒険者も俺達のパーティの他に二組が同行する。おまえは常にクルトか、アッシュと行動しろ」
「はい」
見せ掛けだけでも強くありたい。
真っ直ぐに目を見返して頷いたら、それだけでレイナルド達がホッとしたように笑ってくれる。
「連中が船に乗ったのを見届け、ローザルゴーザで一泊して戻って来る。更に翌週には王都まで貴族の護衛だ。こっちは野営になる可能性が高いから各自準備しておけ」
「すみません、野営に必要なものを教えて欲しいです」
「それなら一緒に買い物しに行こう」
俺が挙手して声を上げると、クルトがそう誘ってくれた。
「パーティにあるものは貸せるから、おまえ自身が必要なものをちゃんと厳選してこい。クルト、任せたぞ」
「頑張ります」
「よろしくお願いします」
顔を見合わせ、笑った。
「よし。初っ端から気疲れする依頼で悪いが、護衛依頼は銀級に上がるには必須の条件だ。丁度いいだろ」
丁度いいという表現は不謹慎な気がしたが、俺の気持ちを軽くしようとしてくれているのが伝わって来るから素直に受け取っておいた。
大丈夫。
不安はあっても、俺はもう一人じゃないんだから。
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