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第1章 異世界に転移しました
26.白い魂 side 天界の主
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天界――地球の天上、人外が住まう聖なる領域には数多の神々が暮らしている。
最初は科学によって発達していく地球の存続が魔術的な存在によって危ぶまれないよう管理するための一柱であったが、地上の営みを見守る内に人恋しくなった後の大神は神格を与えるに値すると判断した者が死するとその魂を招き、天界の住人とした。
最初に招かれた魂が住人となり、神と呼ばれるようになってから数千年。
大神直属の上級12神がそれぞれに一つまたは複数の世界を管理し、中級、下級神がその補佐に奔走する形で整いつつある。獄界の住人という厄介な存在はあれど、いずれは地球に勝るとも劣らない世界を創造し、その大神となって天界を卒業するのが神々の目標なのだ。もっとも独立して天界を出るかどうかは各々の判断に任せているが。
上級神第3席のリーデンには、地上で生きていた頃の記憶がない。
これほど白い魂ならば神格を得るには充分だと判断されて天界に招かれ、500年ほどを経て上級神になった。
その後、半ば義務的に管理し始めたのが『リーデンズガーデン』と名付けた世界である。
名付けさえ他者に任せ、上司の命令だからという以外には何の感情も持たずに成長した秩序ある世界は獄界の住人の興味さえ引かないらしく、淡々と、粛々と進む停滞した世界の日々はリーデンを更に機械化させていった。
第3席に座るほど強い力を持ちながら、何一つ興味を持てず、ただただ命じられるがまま職務を遂行する彼は、大神から見て非常に使い勝手の良い駒だと言える。
だが、それと同時にかつての自分を思い出させた。
地球の管理を始めたことで様々なことを知り、仲間を求めた大神と。
地球の何もかもを忘れ、地球に焦がれる仲間達の中で孤独を感じるリーデン。
何が似ているのか明確に表現するのは難しかったが、このまま放置したくない……そう思うも、リーデンは己の内に弱さを見つける度に感情を覆う殻を厚くしていったようだった。
そんな彼に変化が現れたのは、とある下級神が地上の友人が心配だと言って水鏡を覗き込んでいた最中に身を乗り出し過ぎて落ちそうになったときだ。
水鏡に落ちれば、それは地上への落下。
堕天は罪。
事故であれば多少の減刑は望めるだろうが、悪意を持って堕天し地上に影響を及ぼせば問答無用で獄界送りだ。
そういう事情もあって落ちかけた下級神をこれでもかという勢いで叱りつけたリーデンは、下級神が見守る人間の話を聞かされ、そして、目を奪われた。
真珠のように真っ白な魂を持った人間。
他人のため。
誰かのため。
「努力」「支援」「献身」を尽くして生きる姿から目を離せなくなったのだ。
自分と同じ白い魂を持った人間にリーデンが何を重ねたのか、正確なところは誰にも判らない。しかしその日からリーデンの行動に感情が伴い始めたのは確かだった。
リーデンが下級神と並んで水鏡を覗き込む姿は、当然のように他の神々の興味を引いた。
結果、彼らと近しい神々は皆が地球のその少年を知った。
世界の管理や、その補佐で作業がなければ基本的には暇なのが天界。あのリーデンを揶揄うネタを他の者達が放っておくはずがなかったのだ。
こうして天界にはまた一つ楽しみが増えた。
大神は満足だった。
しばらくして、上級神第7席の世界で戦争が起こった。
人間が獣人族を虐げていてどうにもならない。
獄界の住人たちの関与も酷い。
世界はこのまま滅びるだろうが、どうか獣人族だけは救ってやって欲しいという嘆願があった。
大神はそれをリーデンに任じ、新世界を創造させた。
最初は乗り気ではなかった彼をやる気にさせたのは第1席のこの言葉。
「世界にあの子の名前を貰えば愛着が湧くんじゃない? あの子、動物大好きだろ」
言った方は冗談のつもりだったかもしれないがリーデンは真に受けた。
そして神々のあらゆる世界からその名を表す言葉を集め、最終的に選んだのが地球のとある国の言語だった。
『ロテュス』
淡々と時間だけが経過していく『リーデンズガーデン』では名を貰ったあの子に似合わない。彼がそう考えるだけで世界はめまぐるしく変化していった。
あの真っ白な魂は、時が来れば間違いなく天界に招かれるだろう。そうなったら、リーデンを交えてネタにしてやろうと思った。
地球と天界がそうであるように、上級神が管理する世界はそれぞれに時間の流れが異なる。
『リーデンズガーデン』と『ロテュス』のように管理者が同じでも時間の流れは違うのだ。
地球時間にして約10年。
『ロテュス』は1000年近い時間が経過し現在の姿を形成するに至った。
まさかこの日、下級神が禁を犯してあの子を天界に引っ張り込むなど誰一人想像もしなかった。
「うちが引き取ってもいいですよ!」
「うちもうちも!」
第8席、第12席の上級神が意気揚々と挙手しながら、にやにやとリーデンを見ている。ぶすっとしているリーデンの隣では第2席と第4席の上級神が肩を震わせながら笑うのを堪えている。
生きた魂を天界に招く事は出来ない。
であれば、最近の地球では異世界転移や転生を題材した創作物が流行しているから真似してみるかという案が出て、最初は誰もが彼の名を付けられた『ロテュス』に転移するだろうと考えつつも、とりあえず面白そうだから挙手しておこうという感じだった。
しかしあの子は言う。
「戦わなくても済む世界がいいです」
リーデンが感情のまま育てたロテュスはあらゆる面で豊かに育ったことで獄界の住人に目を付けられてしまい、戦わなくて済むとはとても言えなかったのだ。
「『リーデンズガーデン』ならいけるんじゃねぇ?」
「……あの世界は似合わないだろう」
「「「ぶはっ」」」
不機嫌な声に各方面から吹き出す音。
リーデンの眉間に更に深い皺が刻まれた。
結局は第5席のカグヤが管理する世界への道が示されたが、下級神が幼馴染だと気付いたあの子がユーイチの減刑を望み、道を拒んだ。
暗闇の中で必死に「お願いします」と頭を下げ続ける少年に心打たれたのは上級神ばかりではない。
「『ロテュス』に連れていけ、リーデン」
「しかし……」
「おまえの世界であの子が幸せになれたなら、その時はユーイチを放免しよう」
「⁈」
「あの真っ白な美しい魂の願いを叶えるか否かはあの子次第――リーデン」
「はい」
「おまえに委ねる」
有無を言わさぬ言葉に12の上級神は恭順の意を示す。
『ロテュス』へ転移させるためのリーデンとあの子の遣り取りは皆で見守っていたが、リーデンの不器用な言動には揃ってイイ顔をしていた。
あの子に加護を与えた第5席のカグヤと第2席のヤーオターオはさすがだったし、それ以外の神々の手出しを悉く跳ね返したリーデンには見事としか言いようがない。
こうして人の子は『ロテュス』に降り立ち……、現在。
「自分の管理する世界の子を他者に委ねると言うのは想像していた以上に精神的にくるものだな……」
椅子に深く腰掛けて空を仰ぐ。
上級12神は思い思いの表情を浮かべているが悪感情を抱いている者はいない。笑うのを我慢し過ぎて苦しそうにしている者はいるけれど。
「リーデン。頼むから寿命を迎えるその日まであの子が健やかに過ごせるよう慈しんでやってくれ」
「はい」
「いっそあの神域で一緒に住んじまえよ。見た目が子どもに戻っちまってる今なら襲う心配もねぇだろ。アフターフォローは必要だぜ?」
「アフターフォローについては同意するが他が余計だ」
「そうよそうよ、そういうの生殺しって言うのよ」
「おまえも黙れ」
「今の段階でリーデンが甲斐甲斐しく世話を焼いていたら父親的親愛で終わってしまう恐れがあるのよねぇ」
「それなぁ」
「やかましい」
「だって凄い気になるもの。あの子が本当に他に恋人を作っちゃってもいいの?」
「……それが幸せならば」
「許しちゃうんだ?」
「っ、俺が許した男ならな!」
「それ絶対に許さないやつじゃん!」
「あははは!」
「全員黙れ!!」
口々に言われてばかりのリーデンに、大神はそっと笑う。
あのリーデンがこうまで変わった要因は間違いなくあの子で、今はその子がリーデンの側に居る。大神が地球人を我が子同然に愛せるようになったのはこうして天界で共に過ごしてくれる彼らがいるからだ。
だからこそ大神は願っている。
真珠のように。
雪のように。
百合のように。
月のように。
白い魂に、いつか幸せの色が混じり綻ぶことを、願っている。
最初は科学によって発達していく地球の存続が魔術的な存在によって危ぶまれないよう管理するための一柱であったが、地上の営みを見守る内に人恋しくなった後の大神は神格を与えるに値すると判断した者が死するとその魂を招き、天界の住人とした。
最初に招かれた魂が住人となり、神と呼ばれるようになってから数千年。
大神直属の上級12神がそれぞれに一つまたは複数の世界を管理し、中級、下級神がその補佐に奔走する形で整いつつある。獄界の住人という厄介な存在はあれど、いずれは地球に勝るとも劣らない世界を創造し、その大神となって天界を卒業するのが神々の目標なのだ。もっとも独立して天界を出るかどうかは各々の判断に任せているが。
上級神第3席のリーデンには、地上で生きていた頃の記憶がない。
これほど白い魂ならば神格を得るには充分だと判断されて天界に招かれ、500年ほどを経て上級神になった。
その後、半ば義務的に管理し始めたのが『リーデンズガーデン』と名付けた世界である。
名付けさえ他者に任せ、上司の命令だからという以外には何の感情も持たずに成長した秩序ある世界は獄界の住人の興味さえ引かないらしく、淡々と、粛々と進む停滞した世界の日々はリーデンを更に機械化させていった。
第3席に座るほど強い力を持ちながら、何一つ興味を持てず、ただただ命じられるがまま職務を遂行する彼は、大神から見て非常に使い勝手の良い駒だと言える。
だが、それと同時にかつての自分を思い出させた。
地球の管理を始めたことで様々なことを知り、仲間を求めた大神と。
地球の何もかもを忘れ、地球に焦がれる仲間達の中で孤独を感じるリーデン。
何が似ているのか明確に表現するのは難しかったが、このまま放置したくない……そう思うも、リーデンは己の内に弱さを見つける度に感情を覆う殻を厚くしていったようだった。
そんな彼に変化が現れたのは、とある下級神が地上の友人が心配だと言って水鏡を覗き込んでいた最中に身を乗り出し過ぎて落ちそうになったときだ。
水鏡に落ちれば、それは地上への落下。
堕天は罪。
事故であれば多少の減刑は望めるだろうが、悪意を持って堕天し地上に影響を及ぼせば問答無用で獄界送りだ。
そういう事情もあって落ちかけた下級神をこれでもかという勢いで叱りつけたリーデンは、下級神が見守る人間の話を聞かされ、そして、目を奪われた。
真珠のように真っ白な魂を持った人間。
他人のため。
誰かのため。
「努力」「支援」「献身」を尽くして生きる姿から目を離せなくなったのだ。
自分と同じ白い魂を持った人間にリーデンが何を重ねたのか、正確なところは誰にも判らない。しかしその日からリーデンの行動に感情が伴い始めたのは確かだった。
リーデンが下級神と並んで水鏡を覗き込む姿は、当然のように他の神々の興味を引いた。
結果、彼らと近しい神々は皆が地球のその少年を知った。
世界の管理や、その補佐で作業がなければ基本的には暇なのが天界。あのリーデンを揶揄うネタを他の者達が放っておくはずがなかったのだ。
こうして天界にはまた一つ楽しみが増えた。
大神は満足だった。
しばらくして、上級神第7席の世界で戦争が起こった。
人間が獣人族を虐げていてどうにもならない。
獄界の住人たちの関与も酷い。
世界はこのまま滅びるだろうが、どうか獣人族だけは救ってやって欲しいという嘆願があった。
大神はそれをリーデンに任じ、新世界を創造させた。
最初は乗り気ではなかった彼をやる気にさせたのは第1席のこの言葉。
「世界にあの子の名前を貰えば愛着が湧くんじゃない? あの子、動物大好きだろ」
言った方は冗談のつもりだったかもしれないがリーデンは真に受けた。
そして神々のあらゆる世界からその名を表す言葉を集め、最終的に選んだのが地球のとある国の言語だった。
『ロテュス』
淡々と時間だけが経過していく『リーデンズガーデン』では名を貰ったあの子に似合わない。彼がそう考えるだけで世界はめまぐるしく変化していった。
あの真っ白な魂は、時が来れば間違いなく天界に招かれるだろう。そうなったら、リーデンを交えてネタにしてやろうと思った。
地球と天界がそうであるように、上級神が管理する世界はそれぞれに時間の流れが異なる。
『リーデンズガーデン』と『ロテュス』のように管理者が同じでも時間の流れは違うのだ。
地球時間にして約10年。
『ロテュス』は1000年近い時間が経過し現在の姿を形成するに至った。
まさかこの日、下級神が禁を犯してあの子を天界に引っ張り込むなど誰一人想像もしなかった。
「うちが引き取ってもいいですよ!」
「うちもうちも!」
第8席、第12席の上級神が意気揚々と挙手しながら、にやにやとリーデンを見ている。ぶすっとしているリーデンの隣では第2席と第4席の上級神が肩を震わせながら笑うのを堪えている。
生きた魂を天界に招く事は出来ない。
であれば、最近の地球では異世界転移や転生を題材した創作物が流行しているから真似してみるかという案が出て、最初は誰もが彼の名を付けられた『ロテュス』に転移するだろうと考えつつも、とりあえず面白そうだから挙手しておこうという感じだった。
しかしあの子は言う。
「戦わなくても済む世界がいいです」
リーデンが感情のまま育てたロテュスはあらゆる面で豊かに育ったことで獄界の住人に目を付けられてしまい、戦わなくて済むとはとても言えなかったのだ。
「『リーデンズガーデン』ならいけるんじゃねぇ?」
「……あの世界は似合わないだろう」
「「「ぶはっ」」」
不機嫌な声に各方面から吹き出す音。
リーデンの眉間に更に深い皺が刻まれた。
結局は第5席のカグヤが管理する世界への道が示されたが、下級神が幼馴染だと気付いたあの子がユーイチの減刑を望み、道を拒んだ。
暗闇の中で必死に「お願いします」と頭を下げ続ける少年に心打たれたのは上級神ばかりではない。
「『ロテュス』に連れていけ、リーデン」
「しかし……」
「おまえの世界であの子が幸せになれたなら、その時はユーイチを放免しよう」
「⁈」
「あの真っ白な美しい魂の願いを叶えるか否かはあの子次第――リーデン」
「はい」
「おまえに委ねる」
有無を言わさぬ言葉に12の上級神は恭順の意を示す。
『ロテュス』へ転移させるためのリーデンとあの子の遣り取りは皆で見守っていたが、リーデンの不器用な言動には揃ってイイ顔をしていた。
あの子に加護を与えた第5席のカグヤと第2席のヤーオターオはさすがだったし、それ以外の神々の手出しを悉く跳ね返したリーデンには見事としか言いようがない。
こうして人の子は『ロテュス』に降り立ち……、現在。
「自分の管理する世界の子を他者に委ねると言うのは想像していた以上に精神的にくるものだな……」
椅子に深く腰掛けて空を仰ぐ。
上級12神は思い思いの表情を浮かべているが悪感情を抱いている者はいない。笑うのを我慢し過ぎて苦しそうにしている者はいるけれど。
「リーデン。頼むから寿命を迎えるその日まであの子が健やかに過ごせるよう慈しんでやってくれ」
「はい」
「いっそあの神域で一緒に住んじまえよ。見た目が子どもに戻っちまってる今なら襲う心配もねぇだろ。アフターフォローは必要だぜ?」
「アフターフォローについては同意するが他が余計だ」
「そうよそうよ、そういうの生殺しって言うのよ」
「おまえも黙れ」
「今の段階でリーデンが甲斐甲斐しく世話を焼いていたら父親的親愛で終わってしまう恐れがあるのよねぇ」
「それなぁ」
「やかましい」
「だって凄い気になるもの。あの子が本当に他に恋人を作っちゃってもいいの?」
「……それが幸せならば」
「許しちゃうんだ?」
「っ、俺が許した男ならな!」
「それ絶対に許さないやつじゃん!」
「あははは!」
「全員黙れ!!」
口々に言われてばかりのリーデンに、大神はそっと笑う。
あのリーデンがこうまで変わった要因は間違いなくあの子で、今はその子がリーデンの側に居る。大神が地球人を我が子同然に愛せるようになったのはこうして天界で共に過ごしてくれる彼らがいるからだ。
だからこそ大神は願っている。
真珠のように。
雪のように。
百合のように。
月のように。
白い魂に、いつか幸せの色が混じり綻ぶことを、願っている。
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