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第1章 異世界に転移しました
20.戦いの終わり
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クルトの手をぎゅっと握り、遠く、拳大に見える戦闘を見つめ続けた。
何人もの冒険者達が武器を奮い、魔法を放ち、真っ白な円筒の中で蠢く蛇のように長く黒い手を散らしていく。中央にいるのは、間違いなくジェイだ。
そしてジェイに取り付いた獄鬼。
「頑張れ……っ」
祈る。
レイナルドの足が戻りますように。
ジェイと戦っている冒険者たちが怪我をしませんように。
無事に家族のもとへ戻れますように。
獄鬼に勝てますように。
もしクルトの意識があったなら「痛い」と言われただろうと思えるくらいぎゅうっとその手を握りしめながら、ただひたすらに祈り、応援し続けた。
「頑張れ……!」
目に見えない力が味方を守る。
鼓舞する。
後日、誰もが守られていることを実感しながら獄鬼と戦っていたと語ったが、それを俺が知る事は無い。
「あ……」
遠く、頭上に振りかざした剣を中心の獄鬼に振り下ろす獣人族が見えた。
レイナルドだ。
右足が無いと聞いていたがそんなことはなく、自分が此処に来た意味はあったのだと改めて実感する。
「レイナルドさんやっちゃえ!!」
瞬間、目を見開いたのは死を覚悟した獄鬼だけではなく、剣を振りかざしたレイナルドも、周りに居た仲間達も、そして結界を維持していた僧侶達も。
その場にいた全員と言ってもいいくらいたくさんの人を驚かせたらしいけど、やっぱり俺がそれを知る事はなくて。
レイナルドと、獄鬼が衝突した瞬間に起きた光の爆発。
彼らを中心に起きた爆風の波に煽られて目を閉じた瞬間、ぐらりと、頭の中が揺れた。
それきり意識は途切れた。
◇◆◇
「……んぇ……?」
ぼやけた視界に情けない声が出た。
手を動かそうとするも妙に体が怠いし、次第にはっきりとして来た視界に映る天井に見覚えがない。ゆっくりと左右を確認すると、左側は壁。
右側にはランタンが置かれたサイドテーブルと、椅子。
少し離れた先に扉だ。
窓から差し込む光りは真昼のそれで、いまいち状況が呑み込めない。
「ここ、どこだ……」
ぐっと腕に力を入れて何とか上半身を起こすが、頭がぐらぐらして気持ち悪い。
右手でポケットを探り懐中時計を引っ張り出して時間を確認すると午前6時。状況は飲み込めないが寝坊したという時間でもないだろう。
時計をポケットに戻し、右手にはまったままのグローブを確認して、昨日からのあれこれを思い出す。
「うん、記憶は大丈夫そう」
ついでに所持品も、リーデンに見送られて部屋を出た時と変わらないことを確認してホッとした。さすがに外されてはいるけれど檜の棒や樫の盾なんかがベッドの隣に丁寧に置かれていた。
となると、ここは一体?
「宿屋っぽいけど『猿の縄張り』じゃない」
いくら客室に入ってすぐ神具『住居兼用移動車両』Ex.に移動していても部屋の内装を間違ったりしない。ベッドが一つだから個室なのは間違いないだろうけど、その割には部屋が広くて、扉に近い場所にはソファとテーブルまで置かれているのだ。
「うーん、外に出て見たら判るかな」
重い体を何とか立ち上がらせて、最初はベッドの端を、次に壁を支えにして扉まで歩くと、ドアノブに手を掛けた。鍵は掛かっていないらしくすんなりと開ける事が出来たから閉じ込められているわけでもない――。
「あ、ここってもしかして……」
部屋は見覚えが無かったが、廊下には覚えがある。
「冒険者ギルドの建物の中、かな」
トゥルヌソルの街に来た初日から二度も歩いた廊下だ、たぶん間違いない。角まで進んで、覗き込むように曲がった先を確認してみれば昨日の応接室や、上り下りした階段が見える。
ここが何処か判っただけで安心感がすごい。
一気に身体が軽くなったように感じられて、さっきまでよりも早く歩ける気さえした。
手すりに掴まりながら一段一段をゆっくりと下りた。
「あっ」
途端、下から聞こえて来た大きな声。
「あああっ、待ってください、そこで止まって! いま誰か、えっと、ララさん!!」
大声を上げたのは受付カウンターに座っていた男性職員で、彼は俺とカウンターの内側を何度も交互に見ながら早口に捲し立てる。
「ララさんっ、ララさーん! レンさんがお目覚めですっ」
「え⁈」
「ほんとにっ⁈」
カウンターの中から幾つもの驚きの声が上がり、複数の足音が近付いて来たかと思ったら揃いの制服を着たギルド職員が10人くらいずらりと階段下に集まってしまった。
何の騒ぎかと思う俺の目の前。
最前列に立って此方を凝視しているのは、ララ。
冒険者ギルドのサブマスターで、昨日も何度も世話になった彼女だ。
「え、っと……おはようございます?」
なんと声を掛けるのが妥当か判らなくて、時間的に「おはよう」かなと思ってそう告げたら、ララはそれでも驚いたみたいだったけど次第に困ったような笑顔を浮かべてくれた。
「おはようございます、レンさん。ですが、無理をなさってはいけませんよ?」
ララだけが階段を上って来て、ひょいって。
「えっ」
ひょいって、抱っこされた。
えっ。
女の人に抱っこされた⁈
「なっ、ちょっ、待っ……!」
顔が一気に熱くなって、たぶん真っ赤だ。
とにかく降ろして欲しくて手足をばたつかせるのに、ララは抵抗なんてないも同然って感じの平然とした様子で俺が下りて来たばかりの階段を上り始める。
「魔素がまったく蓄積されていない体で応援領域を発動され、神力を消費したとお聞きしました。魔力の枯渇と同等の不調が出ているはずです。今はゆっくり休んでください」
下ろして欲しくて大丈夫だと訴えたいのに、ララから聞かされる話がまったくのちんぷんかんぷんで反応に困る! 知らない単語が多過ぎる。
何も言えなくて口をパクパクしていたら、今度は階段下の同僚たちに声が掛かる。
「レンさんには待機室に戻ってもらいますから、ギルマスとレイナルドさんに知らせを」
「はい!」
「判りましたっ」
「クルトさんはどうしますか?」
「そう、ですね。クルトさんも目を覚ましているようでしたらご案内してください」
「はい」
職員同士の遣り取りにハッとする。
「クルトさんもレイナルドさんも元気なんですかっ?」
「ええ、元気ですよ」
ララの即答。
「昨日の騒ぎについては、きちんと全部覚えていますか?」
「はいっ。あ、全部と言っても、救援要請を聞いて『猿の縄張り』を飛び出した後に合流した人から、クルトさんの手を握って皆を応援してくれって言われたから、その通りにしただけですけど」
「ふふ。記憶の混濁などはなさそうで一安心です」
穏やかに微笑まれて、俺もホッとする。
彼女は続けた。
「クルトさんの側で合流した僧侶――昨日の救援要請で集まった中では最年長の女性僧侶で、名前はセルリーさんと言いますが、彼女からレンさんの状態をお聞きしましたので『猿の縄張り』ではなくギルドで休んで頂く事にしました。昨日の今日で、私共もまだ情報を集めきれてはいないのですが、レンさんが展開して下さった応援領域のおかげで怪我人は全員完治。クルトさんも、レイナルドさんも傷一つない状態で三階の仮眠室で休んでいますよ」
「良かった……って、休んでいるなら休ませてあげて下さいっ。起こさないでくださいねっ?」
いまがまだ朝の6時を過ぎたばかりだと言うことを思い出して焦る俺に、しかしララは良い笑顔だ。
「大丈夫ですよ。あと1時間もしない内に現場になったクルトさんのクランハウス周辺の瓦礫撤去作業が始まりますから、クルトさんも、彼の依頼を受けたレイナルドさん達のパーティメンバーも、どちらにせよ起きる時間です」
「撤去作業で、依頼、ですか?」
「ええ。他のパーティメンバーが留守中に家が崩壊。仲間が自室に残してあった物は、魔導具やダンジョン産など高価なものほど頑強で無事に残っている可能性が高いので、探して集めておかなければ」
「あー……」
「それに、クルトさんの愛剣も瓦礫の下ですし」
「うわぁ……」
売ったら30,000ゴールドになるという話だったダンジョン産の剣を思い出して、手伝えそうなら自分も参加しようという気持ちになってくる。
パーティメンバーに関しては、帰って来たら家がなくなっているのだから、やはり探せるものは探しておいた方が良いのだろう。
気の毒だ、と思う一方でパーティメンバーだったもう一人の顔が脳裏に過る。
「あの、ジェイ、さんは?」
敬称を付けるべきか迷って、結局付けたら、ララは途端に険しい表情になった。
「獄鬼は金級冒険者によって消滅が確認されました」
「消滅……」
「はい。この街に来る前に、既に7人が犠牲になっていたようですから、……少しでもその魂が救われていればと思います」
「……そうですね」
相槌を打つ頃には部屋に辿り着いていて、ベッドに座るような恰好で下ろされる。
ここまで彼女は重そうな素振りなど一度も見せなかった。
いくらいろんな人に小さいと言われる体つきでも、女性の細腕で12歳男子を抱っこして平然と階段を上がれるものなのだろうか。
それとも何らかの魔法だろうか。
「ララさん、とても力持ちなんですね」
またポロっと零してしまい、しかも女性に対してあまりにも失礼な発言だと気付いたが、本人は「当然です」と誇らしげに応じる。
「混血ですがゾウ科の女ですもの、ここと腕力には自信がありますよ」
指先で頭を指差してウインク。
……すみませんが、どう反応するのが正しいのかいますぐに教えてください、リーデン様!
何人もの冒険者達が武器を奮い、魔法を放ち、真っ白な円筒の中で蠢く蛇のように長く黒い手を散らしていく。中央にいるのは、間違いなくジェイだ。
そしてジェイに取り付いた獄鬼。
「頑張れ……っ」
祈る。
レイナルドの足が戻りますように。
ジェイと戦っている冒険者たちが怪我をしませんように。
無事に家族のもとへ戻れますように。
獄鬼に勝てますように。
もしクルトの意識があったなら「痛い」と言われただろうと思えるくらいぎゅうっとその手を握りしめながら、ただひたすらに祈り、応援し続けた。
「頑張れ……!」
目に見えない力が味方を守る。
鼓舞する。
後日、誰もが守られていることを実感しながら獄鬼と戦っていたと語ったが、それを俺が知る事は無い。
「あ……」
遠く、頭上に振りかざした剣を中心の獄鬼に振り下ろす獣人族が見えた。
レイナルドだ。
右足が無いと聞いていたがそんなことはなく、自分が此処に来た意味はあったのだと改めて実感する。
「レイナルドさんやっちゃえ!!」
瞬間、目を見開いたのは死を覚悟した獄鬼だけではなく、剣を振りかざしたレイナルドも、周りに居た仲間達も、そして結界を維持していた僧侶達も。
その場にいた全員と言ってもいいくらいたくさんの人を驚かせたらしいけど、やっぱり俺がそれを知る事はなくて。
レイナルドと、獄鬼が衝突した瞬間に起きた光の爆発。
彼らを中心に起きた爆風の波に煽られて目を閉じた瞬間、ぐらりと、頭の中が揺れた。
それきり意識は途切れた。
◇◆◇
「……んぇ……?」
ぼやけた視界に情けない声が出た。
手を動かそうとするも妙に体が怠いし、次第にはっきりとして来た視界に映る天井に見覚えがない。ゆっくりと左右を確認すると、左側は壁。
右側にはランタンが置かれたサイドテーブルと、椅子。
少し離れた先に扉だ。
窓から差し込む光りは真昼のそれで、いまいち状況が呑み込めない。
「ここ、どこだ……」
ぐっと腕に力を入れて何とか上半身を起こすが、頭がぐらぐらして気持ち悪い。
右手でポケットを探り懐中時計を引っ張り出して時間を確認すると午前6時。状況は飲み込めないが寝坊したという時間でもないだろう。
時計をポケットに戻し、右手にはまったままのグローブを確認して、昨日からのあれこれを思い出す。
「うん、記憶は大丈夫そう」
ついでに所持品も、リーデンに見送られて部屋を出た時と変わらないことを確認してホッとした。さすがに外されてはいるけれど檜の棒や樫の盾なんかがベッドの隣に丁寧に置かれていた。
となると、ここは一体?
「宿屋っぽいけど『猿の縄張り』じゃない」
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「うーん、外に出て見たら判るかな」
重い体を何とか立ち上がらせて、最初はベッドの端を、次に壁を支えにして扉まで歩くと、ドアノブに手を掛けた。鍵は掛かっていないらしくすんなりと開ける事が出来たから閉じ込められているわけでもない――。
「あ、ここってもしかして……」
部屋は見覚えが無かったが、廊下には覚えがある。
「冒険者ギルドの建物の中、かな」
トゥルヌソルの街に来た初日から二度も歩いた廊下だ、たぶん間違いない。角まで進んで、覗き込むように曲がった先を確認してみれば昨日の応接室や、上り下りした階段が見える。
ここが何処か判っただけで安心感がすごい。
一気に身体が軽くなったように感じられて、さっきまでよりも早く歩ける気さえした。
手すりに掴まりながら一段一段をゆっくりと下りた。
「あっ」
途端、下から聞こえて来た大きな声。
「あああっ、待ってください、そこで止まって! いま誰か、えっと、ララさん!!」
大声を上げたのは受付カウンターに座っていた男性職員で、彼は俺とカウンターの内側を何度も交互に見ながら早口に捲し立てる。
「ララさんっ、ララさーん! レンさんがお目覚めですっ」
「え⁈」
「ほんとにっ⁈」
カウンターの中から幾つもの驚きの声が上がり、複数の足音が近付いて来たかと思ったら揃いの制服を着たギルド職員が10人くらいずらりと階段下に集まってしまった。
何の騒ぎかと思う俺の目の前。
最前列に立って此方を凝視しているのは、ララ。
冒険者ギルドのサブマスターで、昨日も何度も世話になった彼女だ。
「え、っと……おはようございます?」
なんと声を掛けるのが妥当か判らなくて、時間的に「おはよう」かなと思ってそう告げたら、ララはそれでも驚いたみたいだったけど次第に困ったような笑顔を浮かべてくれた。
「おはようございます、レンさん。ですが、無理をなさってはいけませんよ?」
ララだけが階段を上って来て、ひょいって。
「えっ」
ひょいって、抱っこされた。
えっ。
女の人に抱っこされた⁈
「なっ、ちょっ、待っ……!」
顔が一気に熱くなって、たぶん真っ赤だ。
とにかく降ろして欲しくて手足をばたつかせるのに、ララは抵抗なんてないも同然って感じの平然とした様子で俺が下りて来たばかりの階段を上り始める。
「魔素がまったく蓄積されていない体で応援領域を発動され、神力を消費したとお聞きしました。魔力の枯渇と同等の不調が出ているはずです。今はゆっくり休んでください」
下ろして欲しくて大丈夫だと訴えたいのに、ララから聞かされる話がまったくのちんぷんかんぷんで反応に困る! 知らない単語が多過ぎる。
何も言えなくて口をパクパクしていたら、今度は階段下の同僚たちに声が掛かる。
「レンさんには待機室に戻ってもらいますから、ギルマスとレイナルドさんに知らせを」
「はい!」
「判りましたっ」
「クルトさんはどうしますか?」
「そう、ですね。クルトさんも目を覚ましているようでしたらご案内してください」
「はい」
職員同士の遣り取りにハッとする。
「クルトさんもレイナルドさんも元気なんですかっ?」
「ええ、元気ですよ」
ララの即答。
「昨日の騒ぎについては、きちんと全部覚えていますか?」
「はいっ。あ、全部と言っても、救援要請を聞いて『猿の縄張り』を飛び出した後に合流した人から、クルトさんの手を握って皆を応援してくれって言われたから、その通りにしただけですけど」
「ふふ。記憶の混濁などはなさそうで一安心です」
穏やかに微笑まれて、俺もホッとする。
彼女は続けた。
「クルトさんの側で合流した僧侶――昨日の救援要請で集まった中では最年長の女性僧侶で、名前はセルリーさんと言いますが、彼女からレンさんの状態をお聞きしましたので『猿の縄張り』ではなくギルドで休んで頂く事にしました。昨日の今日で、私共もまだ情報を集めきれてはいないのですが、レンさんが展開して下さった応援領域のおかげで怪我人は全員完治。クルトさんも、レイナルドさんも傷一つない状態で三階の仮眠室で休んでいますよ」
「良かった……って、休んでいるなら休ませてあげて下さいっ。起こさないでくださいねっ?」
いまがまだ朝の6時を過ぎたばかりだと言うことを思い出して焦る俺に、しかしララは良い笑顔だ。
「大丈夫ですよ。あと1時間もしない内に現場になったクルトさんのクランハウス周辺の瓦礫撤去作業が始まりますから、クルトさんも、彼の依頼を受けたレイナルドさん達のパーティメンバーも、どちらにせよ起きる時間です」
「撤去作業で、依頼、ですか?」
「ええ。他のパーティメンバーが留守中に家が崩壊。仲間が自室に残してあった物は、魔導具やダンジョン産など高価なものほど頑強で無事に残っている可能性が高いので、探して集めておかなければ」
「あー……」
「それに、クルトさんの愛剣も瓦礫の下ですし」
「うわぁ……」
売ったら30,000ゴールドになるという話だったダンジョン産の剣を思い出して、手伝えそうなら自分も参加しようという気持ちになってくる。
パーティメンバーに関しては、帰って来たら家がなくなっているのだから、やはり探せるものは探しておいた方が良いのだろう。
気の毒だ、と思う一方でパーティメンバーだったもう一人の顔が脳裏に過る。
「あの、ジェイ、さんは?」
敬称を付けるべきか迷って、結局付けたら、ララは途端に険しい表情になった。
「獄鬼は金級冒険者によって消滅が確認されました」
「消滅……」
「はい。この街に来る前に、既に7人が犠牲になっていたようですから、……少しでもその魂が救われていればと思います」
「……そうですね」
相槌を打つ頃には部屋に辿り着いていて、ベッドに座るような恰好で下ろされる。
ここまで彼女は重そうな素振りなど一度も見せなかった。
いくらいろんな人に小さいと言われる体つきでも、女性の細腕で12歳男子を抱っこして平然と階段を上がれるものなのだろうか。
それとも何らかの魔法だろうか。
「ララさん、とても力持ちなんですね」
またポロっと零してしまい、しかも女性に対してあまりにも失礼な発言だと気付いたが、本人は「当然です」と誇らしげに応じる。
「混血ですがゾウ科の女ですもの、ここと腕力には自信がありますよ」
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