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第1章 異世界に転移しました
8.三つの儀式
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「ゆうたい……?」
「……」
「はっ」
また失言。
ララの目が皿のように丸くなった。
「……レンさん」
「は、はいっ」
「さすがに危機感が無さ過ぎだわ」
「はいっ、……ぇ。え??」
神妙な顔をしていたララが、笑う。
「ふっ……ふふっ、ふはっ、あはははっ」
「⁈⁈」
「あぁんもぅしんどいっ、辛いっ、我慢の限界!」
目を白黒させている間に、ララは……違う。彼女の中にいる誰かが目尻に滲んだ涙を拭っている。
「あーもう、久々に笑わせてもらっちゃいました! でもこの子は何も知らないので、あたしが帰った後はちゃんと取り繕ってくださいねー」
「どういうことですかっ」
「ロテュス初の異世界転移人の顔くらい見せてくださいよぉってリーデン様に要求していたら、急にチャンス到来、みたいな? リーデン様の部下で、ロテュスの管理補佐をしているローズベリーです♪」
「……神様ですか……?」
「ですです。下級神なのでユーイチの同僚とでも思って頂ければぁ。これからは度々お会いする事になると思いますんで、よろしくですよ、レンくん」
ララの顔なのに、キラキラする。
それで間違いなく天界関連だと確信。しかし補佐というけど、神がこうも簡単に現れていいのだろうか。
そんな俺の戸惑いを知ってか知らずか、ローズベリーと名乗った女神は真面目な顔。
「さっきも言いましたがロテュス初の異世界からの転移者じゃないですかぁ。あたしも加護をお贈りしたかったんですよぉ」
「加護ならたくさん頂きましたが……」
「カグヤ様とヤーオターオ様ですよね? もちろん主神お二人の加護には及びませんけど、同じ下級神のユーイチが加護を渡したんなら、管理補佐のあたしもぉ……っていう、こういうのライバル意識って言いますかね?」
「え、……と、たぶん?」
よく判らないが、こういう時は女性に逆らうなという元会社の先輩男性の助言を思い出した。
「ですよね? なのにリーデン様に拒否されちゃって……。せっかくの記念だからとっておきの魅了スキルもあげるつもりだったのにぃ」
「要りません」
「まぁっ」
魅了なんて一歩間違ったら世界崩壊に繋がるようなスキルは絶対にお断りである。
とは言え、気を悪くさせまいと考えていた直後に反射的に拒否してしまった自分自身に驚いた。リーデンが正直に生きろと言っていたのはこういうことじゃない気がするのだが……。
「ふぅ。つまらないですが仕方ないですねぇ。魅了は賛否両論ですもの」
幸いローズベリーにも察するところはあったようで怒ってはいないらしい。頬杖を付きながらも、あっさりと「じゃあ本題ですねぇ」と足を組み直した。
「取り急ぎ、リーデン様が説明しなかった大事なことを幾つかお伝えしまぁす。これを知らないと、いくら正教会所属でも不審がられちゃうのでちゃんとメモしておいてくださいね。あ、メモ用紙はこれをどうぞ♪」
言いながら後ろの棚から抜いて寄越して来たのは出金申請書だ。裏に書けと言うことらしい。いろいろと言いたい事はあるが、憶えられずに不審がられては困るので全部飲み込むことにする。
「じゃあ始めまぁす」
そう前置きしたローズベリーが話してくれた内容を纏めると、こうだった。
『一つ、僧侶は主神リーデンの加護を持つ者だけが得られる職業。主神の加護を受けている者は絶対に犯罪行為に手を染められない代わりに犯罪に巻き込まれることもない。』
だけど魔物の襲撃など犯罪じゃない危険ごとには普通に巻き込まれるので油断しないでおくよう言われた。
更に、ロテュスの人は神様が実在することを知っていて、正教会の紋を刻めるのは主神リーデンだけって言うのが常識中の常識らしい。
詳しくは教会で創世神話を聞くように、とのこと。
『一つ、ロテュスにおける重要な儀式は三つ。故郷を出られるようになる12歳の「洗礼の儀」。15歳の「成人の儀」。そして必要に応じて行われる「雌雄別の儀」。』
12歳で大人から庇護される期間は終わり、仕事が出来るようになる。
15歳で大人の仲間入り。飲酒や結婚の解禁。
そして「雌雄別の儀」は同性同士でも子どもが授かれるよう体を作り変える儀式のことで、一生に一度だけ受けられる。リーデンが必要になったら教会に来いと言っていたのが、これだ。
男性は子どもを宿せる雌体に。
女性は子種を持つ雄体に変化することが出来るが、生まれ持った部位を失くすことは出来ないし、一度変えてしまえば元に戻ることは出来ない。
……つまり儀式を行うと両性になるってことなのかな? これも後々きちんと勉強しておいた方が良さそうだ。
『一つ、ロテュスの種族は人族、獣人族、森人族、地人族、水人族がそれぞれ1:7:0.2:1:0.8くらい。』
100人いたら70人が獣人族で、10人が人族、10人が地人族、8人が水人族、そして最少の森人族が2人という計算になる。
長命で有名な森人族だけど、この世界での寿命は50年くらいで人族より短いそうだ。
『一つ、お金は1ゴールド100円くらいで考えておけばOK』
貨幣は、さっき大騒ぎしていた保証金300ゴールドで当てはめていくと金貨で3枚。銀貨で30枚。銅貨は300枚になる。俺も保証金分は別で確保しておいた方がいいと言われた。ちなみに正教会の身分証紋を再発行する時には教会に行けばいいらしい。
「最後にもう一つ。これが一番重要なことよ……」
突然の真顔に、一体どんな内容なのかと緊張してしまう。
「実は……」
勿体ぶるローズベリーに、息を呑む。
そうして語られた内容は――。
「レンくんの体格ってこの世界じゃ華奢過ぎるんですぅ。可愛い顔も相まって、男達が庇護欲をビッシビシに刺激されちゃうから注意しましょうね♪」
「何の話だよ何の‼︎」
真っ赤になって怒鳴ると、ローズベリーがまた大笑いした。
「だって無防備が過ぎるんですよぉ。リーデン様は「有象無象に口説かれて刺激を受けた方が良い」みたいなこと言ってましたけど、それじゃレンくんが困るでしょう?」
「そっ、……それは、困ります、がっ」
「ねー? 獣人族の子種でも元気に育てられる術式を準備しておくって言ってましたけどぉ、いまの身体は12歳なんですからホンっトに注意しないとダメですよぉ。せめて成人する15歳まで純潔は守ってくださぁい」
「なっ……」
その話、ほんと、なんていうか。
「……俺、やっぱりそうなんでしょうか……」
「え?」
「……っ、俺、が……その……」
考えると生きていてはいけない気持ちになるから、いつだって考えないようにして来た、自分の……。
言い淀む姿に女神様は察したらしい。
「あぁそっか、地球ってその辺りまだまだ厳しいんでしたっけぇ。でも、レンくんはもうロテュスの子なんですから好きな人が好きで良いんですよ?」
「――……え?」
「だってもう帰れませんもん」
きょとんとした顔で言われ、こちらまできょとんとしてしまう。
だが、言われてみればその通りなのだ。
故郷は地球だけど、今日からは此処が自分の暮らす場所。
ここが、これからの世界。
「それに、もしかしたらレンくんが「抱きたい!」って思うくらい可愛い子と巡り合う可能性だってあるわけで、そうなったらリーデン様が準備した雌体への変化なんて必要なくなるんですよねぇ? ふふっ、想像したらめっちゃ楽しいンですけどぉー! うふふふっ。まぁそぉいうことですしぃ、急がず慌てず今後のご縁を楽しみにしていたらいいと思います! なんと言ってもカグヤ様の加護をいただいているんですし!」
「……はい」
悪縁を遠ざけ良縁を引き寄せるカグヤの加護。
しかもリーデンの加護の説明が「いつも見守っている」だから動揺したが、犯罪に手を出せない代わりに巻き込まれることもない、なんて。
神が常に見ているのだ。
しかも神の存在が認知されているとか!
そりゃあ幼い子どもの一人旅でも大人たちが安心した顔になるはずだ。
それほどの加護をもらったということは、少しくらい未来に期待していいのかもしれない。
「ほんと説明が足りな過ぎる……」
「ふふふっ。まぁ仕方ない部分もあるんですけどねぇ。時間制限もありましたし」
「時間制限ですか?」
「あぁそこからなんですねぇ」
ローズベリーは笑いながら、それも教えてくれた。
曰く、最初にユーイチが引き込んだあの真っ白な空間は、地上と天界の狭間だった。
その後にカグヤの世界への道を示された真っ暗な空間は天界とカグヤの世界の狭間。
そこから地上と天界の狭間に戻ってリーデンと出逢い、カグヤ、ヤーオターオの干渉を受けた。只人の身で短時間に複数の神、複数の世界からの干渉を受け続けた身体は実のところ形を保つのも難しくなっていたそうだ。
そういえば呼吸が苦しくなった事があった、と思い出す。
あれは威圧とかではなかったらしい。
「だからリーデン様も、あたしが会いに行きたいって駄々こねるのを見て、これ幸いと思ったんでしょぉね! 主神自ら降りるわけにはいきませんし、でも小難しい話はちゃんと時間を取ってする方が良いですしぃ」
「それは確かに……でも、神様を降ろして、ララさんは大丈夫なんですか?」
「平気ですよぉ、あたし下級ですし、しかも今は神力も不要なので紙みたいに薄っぺらい意識だけで来てますからぁ」
よく判らないが大丈夫なら深く考えないようにしよう。
と、ローズベリーがまた面白そうに笑った。
「って言うかですねぇ。レンくんの行動で天界が大騒ぎだったんですけど、自覚ありますかぁ?」
「えっ……」
「……」
「はっ」
また失言。
ララの目が皿のように丸くなった。
「……レンさん」
「は、はいっ」
「さすがに危機感が無さ過ぎだわ」
「はいっ、……ぇ。え??」
神妙な顔をしていたララが、笑う。
「ふっ……ふふっ、ふはっ、あはははっ」
「⁈⁈」
「あぁんもぅしんどいっ、辛いっ、我慢の限界!」
目を白黒させている間に、ララは……違う。彼女の中にいる誰かが目尻に滲んだ涙を拭っている。
「あーもう、久々に笑わせてもらっちゃいました! でもこの子は何も知らないので、あたしが帰った後はちゃんと取り繕ってくださいねー」
「どういうことですかっ」
「ロテュス初の異世界転移人の顔くらい見せてくださいよぉってリーデン様に要求していたら、急にチャンス到来、みたいな? リーデン様の部下で、ロテュスの管理補佐をしているローズベリーです♪」
「……神様ですか……?」
「ですです。下級神なのでユーイチの同僚とでも思って頂ければぁ。これからは度々お会いする事になると思いますんで、よろしくですよ、レンくん」
ララの顔なのに、キラキラする。
それで間違いなく天界関連だと確信。しかし補佐というけど、神がこうも簡単に現れていいのだろうか。
そんな俺の戸惑いを知ってか知らずか、ローズベリーと名乗った女神は真面目な顔。
「さっきも言いましたがロテュス初の異世界からの転移者じゃないですかぁ。あたしも加護をお贈りしたかったんですよぉ」
「加護ならたくさん頂きましたが……」
「カグヤ様とヤーオターオ様ですよね? もちろん主神お二人の加護には及びませんけど、同じ下級神のユーイチが加護を渡したんなら、管理補佐のあたしもぉ……っていう、こういうのライバル意識って言いますかね?」
「え、……と、たぶん?」
よく判らないが、こういう時は女性に逆らうなという元会社の先輩男性の助言を思い出した。
「ですよね? なのにリーデン様に拒否されちゃって……。せっかくの記念だからとっておきの魅了スキルもあげるつもりだったのにぃ」
「要りません」
「まぁっ」
魅了なんて一歩間違ったら世界崩壊に繋がるようなスキルは絶対にお断りである。
とは言え、気を悪くさせまいと考えていた直後に反射的に拒否してしまった自分自身に驚いた。リーデンが正直に生きろと言っていたのはこういうことじゃない気がするのだが……。
「ふぅ。つまらないですが仕方ないですねぇ。魅了は賛否両論ですもの」
幸いローズベリーにも察するところはあったようで怒ってはいないらしい。頬杖を付きながらも、あっさりと「じゃあ本題ですねぇ」と足を組み直した。
「取り急ぎ、リーデン様が説明しなかった大事なことを幾つかお伝えしまぁす。これを知らないと、いくら正教会所属でも不審がられちゃうのでちゃんとメモしておいてくださいね。あ、メモ用紙はこれをどうぞ♪」
言いながら後ろの棚から抜いて寄越して来たのは出金申請書だ。裏に書けと言うことらしい。いろいろと言いたい事はあるが、憶えられずに不審がられては困るので全部飲み込むことにする。
「じゃあ始めまぁす」
そう前置きしたローズベリーが話してくれた内容を纏めると、こうだった。
『一つ、僧侶は主神リーデンの加護を持つ者だけが得られる職業。主神の加護を受けている者は絶対に犯罪行為に手を染められない代わりに犯罪に巻き込まれることもない。』
だけど魔物の襲撃など犯罪じゃない危険ごとには普通に巻き込まれるので油断しないでおくよう言われた。
更に、ロテュスの人は神様が実在することを知っていて、正教会の紋を刻めるのは主神リーデンだけって言うのが常識中の常識らしい。
詳しくは教会で創世神話を聞くように、とのこと。
『一つ、ロテュスにおける重要な儀式は三つ。故郷を出られるようになる12歳の「洗礼の儀」。15歳の「成人の儀」。そして必要に応じて行われる「雌雄別の儀」。』
12歳で大人から庇護される期間は終わり、仕事が出来るようになる。
15歳で大人の仲間入り。飲酒や結婚の解禁。
そして「雌雄別の儀」は同性同士でも子どもが授かれるよう体を作り変える儀式のことで、一生に一度だけ受けられる。リーデンが必要になったら教会に来いと言っていたのが、これだ。
男性は子どもを宿せる雌体に。
女性は子種を持つ雄体に変化することが出来るが、生まれ持った部位を失くすことは出来ないし、一度変えてしまえば元に戻ることは出来ない。
……つまり儀式を行うと両性になるってことなのかな? これも後々きちんと勉強しておいた方が良さそうだ。
『一つ、ロテュスの種族は人族、獣人族、森人族、地人族、水人族がそれぞれ1:7:0.2:1:0.8くらい。』
100人いたら70人が獣人族で、10人が人族、10人が地人族、8人が水人族、そして最少の森人族が2人という計算になる。
長命で有名な森人族だけど、この世界での寿命は50年くらいで人族より短いそうだ。
『一つ、お金は1ゴールド100円くらいで考えておけばOK』
貨幣は、さっき大騒ぎしていた保証金300ゴールドで当てはめていくと金貨で3枚。銀貨で30枚。銅貨は300枚になる。俺も保証金分は別で確保しておいた方がいいと言われた。ちなみに正教会の身分証紋を再発行する時には教会に行けばいいらしい。
「最後にもう一つ。これが一番重要なことよ……」
突然の真顔に、一体どんな内容なのかと緊張してしまう。
「実は……」
勿体ぶるローズベリーに、息を呑む。
そうして語られた内容は――。
「レンくんの体格ってこの世界じゃ華奢過ぎるんですぅ。可愛い顔も相まって、男達が庇護欲をビッシビシに刺激されちゃうから注意しましょうね♪」
「何の話だよ何の‼︎」
真っ赤になって怒鳴ると、ローズベリーがまた大笑いした。
「だって無防備が過ぎるんですよぉ。リーデン様は「有象無象に口説かれて刺激を受けた方が良い」みたいなこと言ってましたけど、それじゃレンくんが困るでしょう?」
「そっ、……それは、困ります、がっ」
「ねー? 獣人族の子種でも元気に育てられる術式を準備しておくって言ってましたけどぉ、いまの身体は12歳なんですからホンっトに注意しないとダメですよぉ。せめて成人する15歳まで純潔は守ってくださぁい」
「なっ……」
その話、ほんと、なんていうか。
「……俺、やっぱりそうなんでしょうか……」
「え?」
「……っ、俺、が……その……」
考えると生きていてはいけない気持ちになるから、いつだって考えないようにして来た、自分の……。
言い淀む姿に女神様は察したらしい。
「あぁそっか、地球ってその辺りまだまだ厳しいんでしたっけぇ。でも、レンくんはもうロテュスの子なんですから好きな人が好きで良いんですよ?」
「――……え?」
「だってもう帰れませんもん」
きょとんとした顔で言われ、こちらまできょとんとしてしまう。
だが、言われてみればその通りなのだ。
故郷は地球だけど、今日からは此処が自分の暮らす場所。
ここが、これからの世界。
「それに、もしかしたらレンくんが「抱きたい!」って思うくらい可愛い子と巡り合う可能性だってあるわけで、そうなったらリーデン様が準備した雌体への変化なんて必要なくなるんですよねぇ? ふふっ、想像したらめっちゃ楽しいンですけどぉー! うふふふっ。まぁそぉいうことですしぃ、急がず慌てず今後のご縁を楽しみにしていたらいいと思います! なんと言ってもカグヤ様の加護をいただいているんですし!」
「……はい」
悪縁を遠ざけ良縁を引き寄せるカグヤの加護。
しかもリーデンの加護の説明が「いつも見守っている」だから動揺したが、犯罪に手を出せない代わりに巻き込まれることもない、なんて。
神が常に見ているのだ。
しかも神の存在が認知されているとか!
そりゃあ幼い子どもの一人旅でも大人たちが安心した顔になるはずだ。
それほどの加護をもらったということは、少しくらい未来に期待していいのかもしれない。
「ほんと説明が足りな過ぎる……」
「ふふふっ。まぁ仕方ない部分もあるんですけどねぇ。時間制限もありましたし」
「時間制限ですか?」
「あぁそこからなんですねぇ」
ローズベリーは笑いながら、それも教えてくれた。
曰く、最初にユーイチが引き込んだあの真っ白な空間は、地上と天界の狭間だった。
その後にカグヤの世界への道を示された真っ暗な空間は天界とカグヤの世界の狭間。
そこから地上と天界の狭間に戻ってリーデンと出逢い、カグヤ、ヤーオターオの干渉を受けた。只人の身で短時間に複数の神、複数の世界からの干渉を受け続けた身体は実のところ形を保つのも難しくなっていたそうだ。
そういえば呼吸が苦しくなった事があった、と思い出す。
あれは威圧とかではなかったらしい。
「だからリーデン様も、あたしが会いに行きたいって駄々こねるのを見て、これ幸いと思ったんでしょぉね! 主神自ら降りるわけにはいきませんし、でも小難しい話はちゃんと時間を取ってする方が良いですしぃ」
「それは確かに……でも、神様を降ろして、ララさんは大丈夫なんですか?」
「平気ですよぉ、あたし下級ですし、しかも今は神力も不要なので紙みたいに薄っぺらい意識だけで来てますからぁ」
よく判らないが大丈夫なら深く考えないようにしよう。
と、ローズベリーがまた面白そうに笑った。
「って言うかですねぇ。レンくんの行動で天界が大騒ぎだったんですけど、自覚ありますかぁ?」
「えっ……」
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