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新章 4話 道明寺椿はおさまらない
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「おはよー…って全員朝早いな」
朝起きてリビングに行くと4人ともそろっていた。
「あら、おはようのベロチューで起こしに行こうと思っていたのに残念だわ」
「朝から濃厚な奴いらないよ!」
「でも目は覚めるでしょ?」
「い、いやそれは…」
でも校長がキスもダメとか言ってたような…油断して唇を奪われないように警戒しておかないとだな…
「ところで朝からみんなで何観て…ってAV見るな!」
「これがないと一日は始まりませんよ!」
「こんな始まりやだよ!」
寝て起きたら少しはましになってないかというかすかな願望も一切叶うことはなかった。
そして朝から玄関をノックする音がした。こんな早くから誰だろ?
「はーい。あ、桜庭先生と…カレンさん」
「なんとか初日は無事だったんだね…初めての登校だから今日は引率にきたよ」
「あ、ありがとうございます。よかったら朝食一緒にどうですか?」
「食べる!」
「じゃあお邪魔しようかな」
桜庭先生とカレンさんを中に連れて行くと、女子たちの態度が豹変した。
「カレン様、お美しいですわ。私小早川といいます。」
「カ、カレン様!?は、はじめまして神薙です!」
「本物だー!あ、失礼しました私道明寺と申します。」
「うちは夢原って言いますねん。カレン様サインほしいっす!」
どうやらカレンさんは女子たちの間でも語り草になるほどの憧れの存在らしい。
まぁこんなかわいい人、芸能人にだっていないよな。ああ、桜庭先生が羨ましい…
「快斗、私人気者!えへへ」
「ああ、カレンは可愛いからな」
「快斗大好き、チュー!」
「バカっ!生徒がいる…んぐっ!」
朝から二人の濃厚なのを見せられた。
それを女子たちは興味津々に見ていた…
「ほら、朝からベロチューしてるじゃない?」
「いや、あれは二人がラブラブなだけで…」
「でもちょっとしたいなーって冴島さんも思ってるじゃないですか?」
「心を読むな!」
「私は…キスよりオ○ニーの方が…」
「股間に手を入れるな!」
「やっぱ人前ですると格別なんやろなー、羨ましいわー」
「こんなやり取りいつまでやるんだよ!」
カレンさんのキスがおさまったところでみんなで朝食をとることにした。
しかし憧れの人がいるせいか、女子たちは終始大人しい。
ああ、ずっとここにカレンさんがいてくれないかな…
「あ、冴島さん今カレンさんにいてほしいと思いましたね?」
「いや、思ってないしエロ関係ないのになんで心読めるんだよ!」
「先生の彼女に手を出そうなんて、冴島君は本当に腐った童貞ね」
「だから思ってないって!」
だから中途半端に心を読むな!
「そういえばお二人はお付き合いしてから長いんですか?」
「今日は5回突きあった!」
「カレン、多分つきあうの意味が違う…」
カレンさんと話していてわかったことは…この人もまずまず変態だな…
かわいい子って変態になるのか?
朝食を食べ終えると桜庭先生から話があった。
「みんな、登校中は十分に気を付けてくれよ。ナンパだけならまだしも人さらいの業者もいるからな…それに処女は学校中の男子が狙っている。油断してついていかないように、わかった?」
一同「はーい」
ほっ、やっぱり先生は頼りになるな…ん、まて業者って何!?
「先生、人さらいなんていていいんですか!?」
「それだけならいいけど、夜這いチームやヌード写真家のOB、極めつけは勝手に特定の人間のファンクラブを創立して襲ってくる集団まで様々いるぞ?」
「先生はそんなのと闘ってたんだ…」
先生を尊敬し直したと同時に、僕の中の絶望が増幅するのがわかった…
「あ、そういえばブルマ祭についてはもう聞いた?」
「え、いや噂でしか…本当にあるんですかそれ?」
ブルマ祭
そのまんまブルマを着た女子達が、その姿で一日を過ごすというラブ高の新しい取り組みの一つである。
前年までは体育祭というゲリライベントの時に暗黙の了解で女子生徒が来ていたものを校長が公式ユニフォームにした挙句、どうせならそっちメインのイベントにしちゃえという雑な判断から導入が決定したイベントである。
「というわけなんだが、前身の体育祭でも乱交パーティ状態だったからくれぐれも気を付けるように。」
「いやサラッと言いましたけど学校で乱交ってなんすか!?」
「お、冴島っち学校と乱交をかけるやなんてダジャレうまいなー」
「かけてないから!」
こんな非合法な学校がなぜ存在するんだ…
僕はせいぜいコスプレイベントで女の子の可愛い姿が見れるくらいにしか思ってなかったぞ?
「校長がラブコメ脳な人だからね。ちなみに去年の体育祭のスローガンは『お前の全てを注ぎ込め!』だったな。」
「完全に下ネタですよね!?」
注ぎ込んじゃったらダメでしょ…
「今年のテーマは確か…『振って出るのはおみくじだけだと思うなよ!』だな」
「いやだからなんなんすかそのテーマ!?誰が考えてるの!?」
「今年はアンのアイデアが採用されたんだよ」
「あの人も大概ですね…」
いやしかしここの4人全員がそんな恰好するのか?ちょっと興奮するな…
「あら、私は自前のカスタムしたやつ持ってくるわよ」
「私はドンキで買ってきます!」
「中学の時に穴があいたやつでよかったら…」
「スケルトンタイプは認められるん?」
「一人くらいまともなブルマを履け!」
「なによ、あなたはブルマ審査委員会の人か何かかしら?」
「そんな審査会あるのなら是非ゲストに来てもらいたいわ!」
こいつら頼むから当日はじっとしててくれよ…
「快斗、私も履く!」
「いや、お前は良いだろ…」
「履くの!」
「はいはい…」
桜庭先生とカレンさん、本当に仲良さそうだなぁ。
それにカレンさんのブルマだと…それは見たい、いや見なければ人生最大の損失だ…
「やっぱり冴島さんはカレン様をいやらしい目で見てるようですねー」
「ち、違う!カレンさんが変なこと言うから…」
「あら、人のせいにするなんて腐っているのはアソコだけじゃないのね」
「勝手に僕のアソコを腐らすな!見たのか、ええ、見たのか!?」
「オーラが見えるのよ。」
「じゃあ何色だ、言ってみろ!」
「腐った色ね」
「だからそれ何色だよ!?」
未使用のまま腐らせてたまるか!
そんな感じで説明を受けているとすっかり時間が過ぎてしまい、全員で学校に向かうことにした。
登校中はかなり目立った。
カレンさんを筆頭に美女軍団+レジェンド先生+童貞という謎の集団は、他を圧倒するには十分だったようで、今日は誰も近寄ってこなかった。
「先生、誰も襲ってこないじゃないですか」
「それはカレンがいるからだ…」
「え、カレンさんこそ標的にされそうなもんですけどね?」
「こいつを襲ったら太平洋のど真ん中に左遷されるんだ、去年の4月の左遷者は実に100人に及んだよ…」
「こわっ…」
校長がマジなやばい人だということはわかった。
だとしたら僕ももしこの指令を失敗したら…うう、なんでこんな学校きてしまったんだ…
なんとか学校について桜庭先生たちと一旦別れた。
そして5人で教室に入ると、すぐにアン先生がやってきた。
「ラリホ」
「なんですかその挨拶…」
「ブルマ祭、明日開催予定」
「え、そんな急な告知アリなの!?」
「昨日言うの忘れてた」
「しっかりしろ!」
明日だと…まだ心の準備も対策も何もできてないぞ…
「私のカスタム0-1を披露する時が来たのね」
「かっこいい名前つけてるけどそれブルマだよね!?」
「冴島さん、今日ブルマ買いに行くの付き合ってください!」
「いやだよ!普通に変態だと思われるだろ!?」
「冴島君、あの…私の縫ってくれませんか?」
「それも嫌だよ!買えよ!」
「今日はブルマで夜這いしちゃろかー」
「まず夜這いそのものをやめろ!」
治安や風紀なんてものは既にないなこの学校には…
かつてこの校風に嫌気がさして改革を起こそうと立ち上がった者たちがいたと聞くが、今の状況を見る限りその人たちは負けたのだろうな…
「というわけで今日は午前授業で終わり」
「え、授業そんなんでいいの!?」
「俺も準備がある」
「準備って…そんなの生徒がやるもんじゃないんですか?」
「ゴムの買い出し」
「学校が背中押してどうする!」
一体校長は何を考えているんだ?一回あの人の考えを聞いてみないと…
そんな時、授業中だというのに校内放送が鳴り響いた。
「えー、未開発組、通称み組の冴島慶次くん、至急校長室にくるように。繰り返す…」
「あら、校長先生に呼ばれるなんて何かしたの?」
「い、いや僕は何も…」
「きっと童貞だからね、ぷっ」
「堂々とバカにするな!」
僕はみんなを教室に残して校長室に向かった。
「失礼しまーす」
「ほほ、かけだし勇者よ冴島君か。まぁかけたまえ」
「あのー、何の用ですか?」
「明日からのことは聞いたかの?」
「ええ、とんでもないイベントですね…でも学校で生徒がヤリまくりとかいいんですか実際?」
「ほほ、皆校則に従順なだけじゃよ」
「校則?」
そういうと校長が『校則一覧』と書かれた資料を出してくれた。
「ほれ、ここを見るがよい。」
「どれどれ…」
『ブルマに欲情せぬもの万死に値する、ブルマ姿で欲情されぬものも先に同じ』
「なんですかこれ!?こんなのが校則なの!?」
「ほほ、そういうところは本当に快斗君にそっくりじゃ。そう、これはうちの理事会が作成した立派な我が校の校則じゃ。従って皆はここにおいては正しいのじゃ」
「いや、でも保護者とか…いや警察だって黙ってないでしょ?」
「世の中金じゃ」
「こわっ…」
世の中の理不尽さを目の当たりにした。
「君はそんな心配よりもクラスメイトの処女を心配するのじゃ。ブルマ祭ではたぎった男子と盛った女子のエネルギーで学校中がものすごいことになると予想されるからの」
「なんで処女を守るミッション与えといてそんな試練みたいなイベントやるんですか!?」
「それは全校生徒の総意じゃからの。君たちだけを優先はできんわい。」
「民主主義ってやつですか…」
結局少数派の童貞や処女は学校で優遇されるわけではないようだ。
むしろこの逆境の中であんなエロエロカルテットを守るなんて無理ゲーだろ…
「一応は桜庭教頭とアンに応援は頼んであるから、分担してやるがよい」
「は、はい。わかりました…」
「あ、そういえばどの子がお気に入りじゃ?」
「誰も気に入ってませんよ!あんな変態誰が好きになるか!」
「ほほ、人を好きになることはいいことじゃよ?いい子がいたら教えてくれよん」
「絶対にないですけどね…」
校長室を出て教室に戻る頃にはもう午前中が終わりかけだった。
「あら、もう下校時刻よ?さっさと帰って明日の準備を整えましょう?」
「せや、この後みんなで買い物行かへん?入寮記念タコパでもやろや!」
「あ、いいですねそうしましょ!」
「いや、準備は?」
「スーパーにもブルマは売ってるでしょう!」
「売ってないわ!」
夢原の提案でみんなでスーパーに向かうことにした。
美女4人+童貞…いやヴァージンハーレムwith童貞といったところか、僕は周りにジロジロとみられながら買い物をした。
「なんか見られてるよな…やっぱり他人からみたら変な光景なんだろうか?」
「あら、見られてる原因はきっと道明寺さんよ?」
「え、道明寺さんが…って何やってんだよ!」
「あ、ごめんなさい…こういうところって棚の角度がすごく良くてつい…」
「つい、でアソコをこすりつけるな!怒られるわ!」
いつか公然わいせつで捕まる日が来るぞ…
なんとか買い物を終えて寮に戻ると、女子たちは騒いでいた。
「タコパ楽しみですわね!」
「ええ、私タコ焼き大好きです!」
「よっしゃ、関西人に任せときー!」
「そういえばたこ焼きと手○キって似てるわね」
「おい、一人おかしい奴いるぞ!」
似てねーよ全然…
しかし大はしゃぎをする女子たちをみると、彼女たちも普通の女子高生なのだと実感でき、少しだけ安心した。
だがもちろんタコパですらエロくなるのが彼女たちである…
次回予告
「ブルマ祭まだ?」
「次回開催予定ですよ。」
「タコパ混ぜてほしい…」
「来たらいいじゃないですか?」
「次話ではお邪魔します」
「本当に来る気なのか!?」
朝起きてリビングに行くと4人ともそろっていた。
「あら、おはようのベロチューで起こしに行こうと思っていたのに残念だわ」
「朝から濃厚な奴いらないよ!」
「でも目は覚めるでしょ?」
「い、いやそれは…」
でも校長がキスもダメとか言ってたような…油断して唇を奪われないように警戒しておかないとだな…
「ところで朝からみんなで何観て…ってAV見るな!」
「これがないと一日は始まりませんよ!」
「こんな始まりやだよ!」
寝て起きたら少しはましになってないかというかすかな願望も一切叶うことはなかった。
そして朝から玄関をノックする音がした。こんな早くから誰だろ?
「はーい。あ、桜庭先生と…カレンさん」
「なんとか初日は無事だったんだね…初めての登校だから今日は引率にきたよ」
「あ、ありがとうございます。よかったら朝食一緒にどうですか?」
「食べる!」
「じゃあお邪魔しようかな」
桜庭先生とカレンさんを中に連れて行くと、女子たちの態度が豹変した。
「カレン様、お美しいですわ。私小早川といいます。」
「カ、カレン様!?は、はじめまして神薙です!」
「本物だー!あ、失礼しました私道明寺と申します。」
「うちは夢原って言いますねん。カレン様サインほしいっす!」
どうやらカレンさんは女子たちの間でも語り草になるほどの憧れの存在らしい。
まぁこんなかわいい人、芸能人にだっていないよな。ああ、桜庭先生が羨ましい…
「快斗、私人気者!えへへ」
「ああ、カレンは可愛いからな」
「快斗大好き、チュー!」
「バカっ!生徒がいる…んぐっ!」
朝から二人の濃厚なのを見せられた。
それを女子たちは興味津々に見ていた…
「ほら、朝からベロチューしてるじゃない?」
「いや、あれは二人がラブラブなだけで…」
「でもちょっとしたいなーって冴島さんも思ってるじゃないですか?」
「心を読むな!」
「私は…キスよりオ○ニーの方が…」
「股間に手を入れるな!」
「やっぱ人前ですると格別なんやろなー、羨ましいわー」
「こんなやり取りいつまでやるんだよ!」
カレンさんのキスがおさまったところでみんなで朝食をとることにした。
しかし憧れの人がいるせいか、女子たちは終始大人しい。
ああ、ずっとここにカレンさんがいてくれないかな…
「あ、冴島さん今カレンさんにいてほしいと思いましたね?」
「いや、思ってないしエロ関係ないのになんで心読めるんだよ!」
「先生の彼女に手を出そうなんて、冴島君は本当に腐った童貞ね」
「だから思ってないって!」
だから中途半端に心を読むな!
「そういえばお二人はお付き合いしてから長いんですか?」
「今日は5回突きあった!」
「カレン、多分つきあうの意味が違う…」
カレンさんと話していてわかったことは…この人もまずまず変態だな…
かわいい子って変態になるのか?
朝食を食べ終えると桜庭先生から話があった。
「みんな、登校中は十分に気を付けてくれよ。ナンパだけならまだしも人さらいの業者もいるからな…それに処女は学校中の男子が狙っている。油断してついていかないように、わかった?」
一同「はーい」
ほっ、やっぱり先生は頼りになるな…ん、まて業者って何!?
「先生、人さらいなんていていいんですか!?」
「それだけならいいけど、夜這いチームやヌード写真家のOB、極めつけは勝手に特定の人間のファンクラブを創立して襲ってくる集団まで様々いるぞ?」
「先生はそんなのと闘ってたんだ…」
先生を尊敬し直したと同時に、僕の中の絶望が増幅するのがわかった…
「あ、そういえばブルマ祭についてはもう聞いた?」
「え、いや噂でしか…本当にあるんですかそれ?」
ブルマ祭
そのまんまブルマを着た女子達が、その姿で一日を過ごすというラブ高の新しい取り組みの一つである。
前年までは体育祭というゲリライベントの時に暗黙の了解で女子生徒が来ていたものを校長が公式ユニフォームにした挙句、どうせならそっちメインのイベントにしちゃえという雑な判断から導入が決定したイベントである。
「というわけなんだが、前身の体育祭でも乱交パーティ状態だったからくれぐれも気を付けるように。」
「いやサラッと言いましたけど学校で乱交ってなんすか!?」
「お、冴島っち学校と乱交をかけるやなんてダジャレうまいなー」
「かけてないから!」
こんな非合法な学校がなぜ存在するんだ…
僕はせいぜいコスプレイベントで女の子の可愛い姿が見れるくらいにしか思ってなかったぞ?
「校長がラブコメ脳な人だからね。ちなみに去年の体育祭のスローガンは『お前の全てを注ぎ込め!』だったな。」
「完全に下ネタですよね!?」
注ぎ込んじゃったらダメでしょ…
「今年のテーマは確か…『振って出るのはおみくじだけだと思うなよ!』だな」
「いやだからなんなんすかそのテーマ!?誰が考えてるの!?」
「今年はアンのアイデアが採用されたんだよ」
「あの人も大概ですね…」
いやしかしここの4人全員がそんな恰好するのか?ちょっと興奮するな…
「あら、私は自前のカスタムしたやつ持ってくるわよ」
「私はドンキで買ってきます!」
「中学の時に穴があいたやつでよかったら…」
「スケルトンタイプは認められるん?」
「一人くらいまともなブルマを履け!」
「なによ、あなたはブルマ審査委員会の人か何かかしら?」
「そんな審査会あるのなら是非ゲストに来てもらいたいわ!」
こいつら頼むから当日はじっとしててくれよ…
「快斗、私も履く!」
「いや、お前は良いだろ…」
「履くの!」
「はいはい…」
桜庭先生とカレンさん、本当に仲良さそうだなぁ。
それにカレンさんのブルマだと…それは見たい、いや見なければ人生最大の損失だ…
「やっぱり冴島さんはカレン様をいやらしい目で見てるようですねー」
「ち、違う!カレンさんが変なこと言うから…」
「あら、人のせいにするなんて腐っているのはアソコだけじゃないのね」
「勝手に僕のアソコを腐らすな!見たのか、ええ、見たのか!?」
「オーラが見えるのよ。」
「じゃあ何色だ、言ってみろ!」
「腐った色ね」
「だからそれ何色だよ!?」
未使用のまま腐らせてたまるか!
そんな感じで説明を受けているとすっかり時間が過ぎてしまい、全員で学校に向かうことにした。
登校中はかなり目立った。
カレンさんを筆頭に美女軍団+レジェンド先生+童貞という謎の集団は、他を圧倒するには十分だったようで、今日は誰も近寄ってこなかった。
「先生、誰も襲ってこないじゃないですか」
「それはカレンがいるからだ…」
「え、カレンさんこそ標的にされそうなもんですけどね?」
「こいつを襲ったら太平洋のど真ん中に左遷されるんだ、去年の4月の左遷者は実に100人に及んだよ…」
「こわっ…」
校長がマジなやばい人だということはわかった。
だとしたら僕ももしこの指令を失敗したら…うう、なんでこんな学校きてしまったんだ…
なんとか学校について桜庭先生たちと一旦別れた。
そして5人で教室に入ると、すぐにアン先生がやってきた。
「ラリホ」
「なんですかその挨拶…」
「ブルマ祭、明日開催予定」
「え、そんな急な告知アリなの!?」
「昨日言うの忘れてた」
「しっかりしろ!」
明日だと…まだ心の準備も対策も何もできてないぞ…
「私のカスタム0-1を披露する時が来たのね」
「かっこいい名前つけてるけどそれブルマだよね!?」
「冴島さん、今日ブルマ買いに行くの付き合ってください!」
「いやだよ!普通に変態だと思われるだろ!?」
「冴島君、あの…私の縫ってくれませんか?」
「それも嫌だよ!買えよ!」
「今日はブルマで夜這いしちゃろかー」
「まず夜這いそのものをやめろ!」
治安や風紀なんてものは既にないなこの学校には…
かつてこの校風に嫌気がさして改革を起こそうと立ち上がった者たちがいたと聞くが、今の状況を見る限りその人たちは負けたのだろうな…
「というわけで今日は午前授業で終わり」
「え、授業そんなんでいいの!?」
「俺も準備がある」
「準備って…そんなの生徒がやるもんじゃないんですか?」
「ゴムの買い出し」
「学校が背中押してどうする!」
一体校長は何を考えているんだ?一回あの人の考えを聞いてみないと…
そんな時、授業中だというのに校内放送が鳴り響いた。
「えー、未開発組、通称み組の冴島慶次くん、至急校長室にくるように。繰り返す…」
「あら、校長先生に呼ばれるなんて何かしたの?」
「い、いや僕は何も…」
「きっと童貞だからね、ぷっ」
「堂々とバカにするな!」
僕はみんなを教室に残して校長室に向かった。
「失礼しまーす」
「ほほ、かけだし勇者よ冴島君か。まぁかけたまえ」
「あのー、何の用ですか?」
「明日からのことは聞いたかの?」
「ええ、とんでもないイベントですね…でも学校で生徒がヤリまくりとかいいんですか実際?」
「ほほ、皆校則に従順なだけじゃよ」
「校則?」
そういうと校長が『校則一覧』と書かれた資料を出してくれた。
「ほれ、ここを見るがよい。」
「どれどれ…」
『ブルマに欲情せぬもの万死に値する、ブルマ姿で欲情されぬものも先に同じ』
「なんですかこれ!?こんなのが校則なの!?」
「ほほ、そういうところは本当に快斗君にそっくりじゃ。そう、これはうちの理事会が作成した立派な我が校の校則じゃ。従って皆はここにおいては正しいのじゃ」
「いや、でも保護者とか…いや警察だって黙ってないでしょ?」
「世の中金じゃ」
「こわっ…」
世の中の理不尽さを目の当たりにした。
「君はそんな心配よりもクラスメイトの処女を心配するのじゃ。ブルマ祭ではたぎった男子と盛った女子のエネルギーで学校中がものすごいことになると予想されるからの」
「なんで処女を守るミッション与えといてそんな試練みたいなイベントやるんですか!?」
「それは全校生徒の総意じゃからの。君たちだけを優先はできんわい。」
「民主主義ってやつですか…」
結局少数派の童貞や処女は学校で優遇されるわけではないようだ。
むしろこの逆境の中であんなエロエロカルテットを守るなんて無理ゲーだろ…
「一応は桜庭教頭とアンに応援は頼んであるから、分担してやるがよい」
「は、はい。わかりました…」
「あ、そういえばどの子がお気に入りじゃ?」
「誰も気に入ってませんよ!あんな変態誰が好きになるか!」
「ほほ、人を好きになることはいいことじゃよ?いい子がいたら教えてくれよん」
「絶対にないですけどね…」
校長室を出て教室に戻る頃にはもう午前中が終わりかけだった。
「あら、もう下校時刻よ?さっさと帰って明日の準備を整えましょう?」
「せや、この後みんなで買い物行かへん?入寮記念タコパでもやろや!」
「あ、いいですねそうしましょ!」
「いや、準備は?」
「スーパーにもブルマは売ってるでしょう!」
「売ってないわ!」
夢原の提案でみんなでスーパーに向かうことにした。
美女4人+童貞…いやヴァージンハーレムwith童貞といったところか、僕は周りにジロジロとみられながら買い物をした。
「なんか見られてるよな…やっぱり他人からみたら変な光景なんだろうか?」
「あら、見られてる原因はきっと道明寺さんよ?」
「え、道明寺さんが…って何やってんだよ!」
「あ、ごめんなさい…こういうところって棚の角度がすごく良くてつい…」
「つい、でアソコをこすりつけるな!怒られるわ!」
いつか公然わいせつで捕まる日が来るぞ…
なんとか買い物を終えて寮に戻ると、女子たちは騒いでいた。
「タコパ楽しみですわね!」
「ええ、私タコ焼き大好きです!」
「よっしゃ、関西人に任せときー!」
「そういえばたこ焼きと手○キって似てるわね」
「おい、一人おかしい奴いるぞ!」
似てねーよ全然…
しかし大はしゃぎをする女子たちをみると、彼女たちも普通の女子高生なのだと実感でき、少しだけ安心した。
だがもちろんタコパですらエロくなるのが彼女たちである…
次回予告
「ブルマ祭まだ?」
「次回開催予定ですよ。」
「タコパ混ぜてほしい…」
「来たらいいじゃないですか?」
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ギャグや掛け合いの多いコメディですがラブコメもしっかりやってますので、是非楽しんでいただければと思います。
よろしくお願いします。