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第54話 愛の巣
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学校はもはや戦場だった…
なぜか迷彩柄の衣装に身を包んだ先生たちが、多分エアガンと思うものを構えて正門で見張りをしている。
さらに塀の向こうから何やら見張り台のようなものも見える。
そこからは同じようにライフルのようなものを構えた人間と双眼鏡であたりを監視する人間が侵入者を警戒しているようだ。
いやなにこれ!?
今から学校使ってサバゲ―でもやるのかという雰囲気だった…
「あの、先生教室に入りたいんですが…」
正門に仁王立ちする先生に声をかけるとなぜか睨まれた。
「貴様、チェリーだな?校長の回し者の疑惑がある貴様を学校に入れるわけにはいかん、去れ!」
「いや意味不明な理由で登校拒否すんなよ!今日平日だろ!?授業は!?ねぇ授業は!?」
もう秋なのに受験生たちは大丈夫なのか?
「授業は通常通り行う。しかし校長サイドの人間はたとえ生徒であっても通すなとボスに言われている。去れ!」
「いや俺が授業についていけなくなるから勝手なことすんなよ!ていうかボスって誰だよ!?」
「それは言えん」
まぁそうだろうな…
しかし校長サイドの人間って誰だ?
カレンは娘だから当然として、身内のアラン教頭たちはどうなんだろう?
渋々寮に戻ると、校長が呑気にビールを飲んでいた。
「おい、なんで朝っぱらから飲んでるんだよ!」
「おお、きゃいときゅんではないか。もう飲まんとやっておれんじゃろうが。早速アランたちには連絡した。ここにくるみたいじゃからあとはよろしくの」
「おい、勝手に人に任せるな!まじでちゃんとしないと今回ばっかりはヤバそうですよ!!」
「あははは、なんか世界がぐるぐる回っとるわい。私の学校はもう誰かに奪われたんじゃー、あははは」
ダメだ、ショックで完全におかしくなってる…
ほどなくして校長は酔いつぶれてソファーで寝た。
カレンはそんな父親を見ても表情を変えない。
「カレン、校長って普段家ではこんなんなのか?」
「んー、お酒飲んでるの見たことない」
「相当キてるなこれは…」
しばらくして、アランさんとサリーさん、それに高村さんがやってきた。
しかし当然といえば当然なのだがアランさんと高村さんに不穏な空気が漂っている。
「あの…校長はちょっと寝ちゃいましたが先に話しといてくれって…」
「校長が一番ショックでしょうね。それだというのに従者の身でありながら年甲斐もなく主人の身内に手を出すなどという腐ったじじいがいるのは少し気分が悪いですが始めましょうか。」
「アラン様ともあろうお方がなんとも器量の小さなことをおっしゃる。妹君の幸せを第一に考えられぬような兄上をお持ちでは、さぞサリー殿も苦労なさった事でしょう。」
「なんだと!?」
「勝負なら受けて立ちますぞ」
「ちょい待った!今揉めるなよ!!これが終わってからやってくれよ頼むから!」
こんなんで大丈夫かな…
「快斗君の言う通りよ!私はセバスチャンもお兄様も大好きなの、だから二人で私を取り合うなんてそんな悲しいことしないで!私はみんなのものよ!」
「うるさいわこのブラコン!!大体お前ら兄妹の関係がおかしいからこんなことになるんだよ!悲劇のヒロインすんな!」
あーイライラする…
「とにかく、今は学校を誰が占拠したのかを探るのが先です。先生曰くボスがいるって話でしたし、目的もまだわかりませんし。」
「校長の座を欲しいというのなら決闘する以外方法はありませんからね。学校を乗っ取る理由がよくわかりませんが…」
「アランさんたちは学校に入ることはできないんですか?」
「はい…校長の身内ということでそれはできませんでした。従者のものも顔がバレていて難しい様子です。」
「うーん、どうしようかな…あ、そうだ」
俺はあることを思い出した。
そう、学校内に住んでいるアホな先輩たちがいた。
「ちょっと心当たりがあるんで行ってきます。カレン、行くぞ」
「わかった、あなたとなら地の果てまでも」
「どこでそんなセリフおぼえたんだよ!急に出すのやめて驚くから!」
みんなを寮に残して外に出た後で、まず命先輩に電話をかけた。
教頭先生がいる前だと、さすがに学校に生徒が寝泊まりしてるなどというのは言い辛かったからである。
「もしもし、先輩?今どこですか?」
「おお、チェリー。スタジオにいるんだけどなんか学校がすごいことになってるな。とりあえずヤバくなったら隠し通路から脱出するよ。」
「その隠し通路教えてくれませんか?ていうかメラニーさんの部屋って校長の家ですよね?」
「いや、別で借りてる家があるんだが…校長には絶対に言うなよ?」
「言いませんよそんなこと…とにかく早く教えてください!」
聞いた住所に向かうと、ひっそりと建つ小さな平屋があった。
「ここ、佐津江との愛の巣」
「うーん、なんか入りたくなくなるなそれ…」
玄関の鍵は閉まっている。
カレンにメラニーさんへ電話してもらうとポストの中に鍵があるということだった…
隠れ家のくせに不用心だな…
鍵を開けて中に入ると、小さな部屋が三つあった。
二つはほとんど物置状態で散らかっていたが、奥の部屋に少し広めのベットが置いてあった。
ご丁寧にゴムやおもちゃも枕元にあった…
これは見たくなかったな…
「ママ、ここでエッチしてる」
「わかってても言わないで!」
「快斗、ここ借りる?」
「借りません!」
よからぬ想像が働きそうになりながらも隠し通路を探した。
そして押し入れの床に切れ目があった。
「これだ!カレン、ここから学校に行くぞ。」
「うん、なんかドキドキ」
二人で隠し通路をしばらく歩いた。
そう、歩けるほどに天井が高くご丁寧に灯りもついていてただのどこかの廊下を歩いているようだった。
どうやってこんな穴をこっそり掘るの!?いやお金もそうだけどここの生徒ってみんな何者なんだよ!
しばらくいくと梯子があったので昇ってから蓋を開けた。
「よいしょ…あ、スタジオだな。」
「おお、チェリー着いたか。」
命先輩が俺たちを迎えてくれた。
スタジオの入り口には鍵をかけてあるそうだが、授業が落ち着いたら先生が来る可能性はあるという。
俺は事情を説明した。
「というわけで、学校の中で何が起こっているか探ってほしいんです。俺とカレンはブラックリストに入ってるみたいですから…」
「なるほどな。俺も校長はいいお客さんだから追い出されると困る。よし、ひと肌ぬいでやるとするか!」
「ありがとうございます。」
「二人は一回寮に戻れ。ここにいると危険だからな。あと、薬師寺と大石には連絡入れておいてくれ。二人も多分協力してくれるはずだから。」
なんかこういう時に頼れる先輩がいたことで、俺は初めてこのアホな人たちとの出会いに感謝した…
一度二人で通路から隠れ家に戻ると何やら部屋から音がする。
恐る恐る押し入れから部屋を覗くとメラニーさんがいた。
しかも誰か男といる。
「ほんと君って可愛い顔してるわね、ここで夜を明かしましょうか。」
「え、本当に僕でいいのかい?じゃあ早速…」
「早速じゃないわ!なにやってんのこんなとこで!」
思わず突っ込んでしまった…
男は押し入れからのツッコミにビビッて逃げてしまった。
「あら、快斗くんじゃない。どうしたの君も私に抱かれにきたの?」
「娘の前でよく堂々とそんなことが言えますね…」
「ママ、元気そう」
「いやここはビッチって言わんのかい!」
元気も元気だよ、こんな昼間から男連れ込んでるんだから…
「それで、どうしたの?隠し通路を通ってまでスタジオにいく用事でもあったの?」
「いやそれがですね…」
俺は一応状況を説明した。
校長の嫁とはいえ学校関係者ではない彼女にそんな話をしても無駄化もしれないが、協力者は多いに越したことはない。
「なるほどねぇ、パパも恨み買うこと多いから。悪いことばっかしてると報いを受けるっていうし?」
「いやそれはあんたが一番言っちゃならん言葉だろ!どんだけ不貞行為働いてるんだよ!!」
この人が天罰を受けないとするのなら、もはやこの世に神はいない…
「それでですね、校長もかなり参っちゃてるんですよ…寮に来てくれませんか?アランさんやサリーさんもいるんだし。」
「ああ、あの二人もいるの?うーん、じゃあパス。私二人とはあんまり仲良くないのよ。」
「え、そうなんですか?意外ですね…。まぁとにかく協力してほしいことがあったらまた頼むんで、お願いしますね。」
「はーい、でもせっかくだからカレンと3Pしていく?」
「しません!」
ほんとに今更だがとんでもない親だな…
俺たちは寮に戻り命先輩の連絡を待つことにした。
寮にいるみんなと合流し、今学校で知り合いに何が起きているかを調べてもらっていると説明した。
「とりあえず昼だし、ピザでも頼みましょう」
寝ている校長を除いても5人いるので、ピザを六枚発注した。(カレンが二枚食べるので)
いつものようにアンが出前にきた。
「今日は多いな」
「いや、居候ができたとかじゃないからな」
「残念」
「便乗してここに住もうとするなよ!」
「今日はなに?」
「なんか校長が大変なことになってだな…」
「校長が?」
「ああ」
「なんでも言え、力になる」
「お前の忠誠心はどっから出てくるんだよ…」
こんだけ冷遇されてもアンだけは校長一筋だな…
「なんかあったら頼むわ。サンキュー」
「ダーツのフライト替えておく」
「いや多分ダーツ勝負はしないと思う…」
アンは何かを投げる仕草をしながら帰っていった。
いやだからダーツ勝負はしないぞ!?
戻ってみんなでピザを食べていると命先輩から電話が来た。
少し席を外して電話をとった。
「もしもし先輩?早かったですね。なにかわかりました?」
「ああ…それより今寮には誰がいる?」
「え、教頭と高村さんとサリーさん、それにカレンだけど?」
「まずいな…」
「どうかしたんですか?」
「時間がないから端的に言うぞ。今回の首謀者だがな…」
命先輩が首謀者の名前を言おうとしたときに後ろから声がした。
「誰と話してるんですか快斗くん?」
アランさんだった。
「い、いやちょっと先輩と…」
その時命先輩から出た名前の人はそこにいた。
「教頭が今回の事件のボスだ」
俺の目の前に、命先輩が名前を告げた人がいる。
「こっちで話をしてくれても構いませんよ?」
そう言って俺にアランさんが近づいてくる…
俺はとっさに通話を切った。
まさか…この人が犯人だと?
俺は優しく微笑みかけてくるアランさんを見ながら怯えた。
そしてこれからどうすれば良いか全く頭が働かないまま皆のいるところへ連れ戻された。
次回 裏切り者はアランだった!
この窮地をどう脱するのか!?
さらに共犯者の存在もあり事態は混沌とする…
一体彼の目的は?更に挑んでくる勝負とは!?
ちょっと真面目な展開だな…
なぜか迷彩柄の衣装に身を包んだ先生たちが、多分エアガンと思うものを構えて正門で見張りをしている。
さらに塀の向こうから何やら見張り台のようなものも見える。
そこからは同じようにライフルのようなものを構えた人間と双眼鏡であたりを監視する人間が侵入者を警戒しているようだ。
いやなにこれ!?
今から学校使ってサバゲ―でもやるのかという雰囲気だった…
「あの、先生教室に入りたいんですが…」
正門に仁王立ちする先生に声をかけるとなぜか睨まれた。
「貴様、チェリーだな?校長の回し者の疑惑がある貴様を学校に入れるわけにはいかん、去れ!」
「いや意味不明な理由で登校拒否すんなよ!今日平日だろ!?授業は!?ねぇ授業は!?」
もう秋なのに受験生たちは大丈夫なのか?
「授業は通常通り行う。しかし校長サイドの人間はたとえ生徒であっても通すなとボスに言われている。去れ!」
「いや俺が授業についていけなくなるから勝手なことすんなよ!ていうかボスって誰だよ!?」
「それは言えん」
まぁそうだろうな…
しかし校長サイドの人間って誰だ?
カレンは娘だから当然として、身内のアラン教頭たちはどうなんだろう?
渋々寮に戻ると、校長が呑気にビールを飲んでいた。
「おい、なんで朝っぱらから飲んでるんだよ!」
「おお、きゃいときゅんではないか。もう飲まんとやっておれんじゃろうが。早速アランたちには連絡した。ここにくるみたいじゃからあとはよろしくの」
「おい、勝手に人に任せるな!まじでちゃんとしないと今回ばっかりはヤバそうですよ!!」
「あははは、なんか世界がぐるぐる回っとるわい。私の学校はもう誰かに奪われたんじゃー、あははは」
ダメだ、ショックで完全におかしくなってる…
ほどなくして校長は酔いつぶれてソファーで寝た。
カレンはそんな父親を見ても表情を変えない。
「カレン、校長って普段家ではこんなんなのか?」
「んー、お酒飲んでるの見たことない」
「相当キてるなこれは…」
しばらくして、アランさんとサリーさん、それに高村さんがやってきた。
しかし当然といえば当然なのだがアランさんと高村さんに不穏な空気が漂っている。
「あの…校長はちょっと寝ちゃいましたが先に話しといてくれって…」
「校長が一番ショックでしょうね。それだというのに従者の身でありながら年甲斐もなく主人の身内に手を出すなどという腐ったじじいがいるのは少し気分が悪いですが始めましょうか。」
「アラン様ともあろうお方がなんとも器量の小さなことをおっしゃる。妹君の幸せを第一に考えられぬような兄上をお持ちでは、さぞサリー殿も苦労なさった事でしょう。」
「なんだと!?」
「勝負なら受けて立ちますぞ」
「ちょい待った!今揉めるなよ!!これが終わってからやってくれよ頼むから!」
こんなんで大丈夫かな…
「快斗君の言う通りよ!私はセバスチャンもお兄様も大好きなの、だから二人で私を取り合うなんてそんな悲しいことしないで!私はみんなのものよ!」
「うるさいわこのブラコン!!大体お前ら兄妹の関係がおかしいからこんなことになるんだよ!悲劇のヒロインすんな!」
あーイライラする…
「とにかく、今は学校を誰が占拠したのかを探るのが先です。先生曰くボスがいるって話でしたし、目的もまだわかりませんし。」
「校長の座を欲しいというのなら決闘する以外方法はありませんからね。学校を乗っ取る理由がよくわかりませんが…」
「アランさんたちは学校に入ることはできないんですか?」
「はい…校長の身内ということでそれはできませんでした。従者のものも顔がバレていて難しい様子です。」
「うーん、どうしようかな…あ、そうだ」
俺はあることを思い出した。
そう、学校内に住んでいるアホな先輩たちがいた。
「ちょっと心当たりがあるんで行ってきます。カレン、行くぞ」
「わかった、あなたとなら地の果てまでも」
「どこでそんなセリフおぼえたんだよ!急に出すのやめて驚くから!」
みんなを寮に残して外に出た後で、まず命先輩に電話をかけた。
教頭先生がいる前だと、さすがに学校に生徒が寝泊まりしてるなどというのは言い辛かったからである。
「もしもし、先輩?今どこですか?」
「おお、チェリー。スタジオにいるんだけどなんか学校がすごいことになってるな。とりあえずヤバくなったら隠し通路から脱出するよ。」
「その隠し通路教えてくれませんか?ていうかメラニーさんの部屋って校長の家ですよね?」
「いや、別で借りてる家があるんだが…校長には絶対に言うなよ?」
「言いませんよそんなこと…とにかく早く教えてください!」
聞いた住所に向かうと、ひっそりと建つ小さな平屋があった。
「ここ、佐津江との愛の巣」
「うーん、なんか入りたくなくなるなそれ…」
玄関の鍵は閉まっている。
カレンにメラニーさんへ電話してもらうとポストの中に鍵があるということだった…
隠れ家のくせに不用心だな…
鍵を開けて中に入ると、小さな部屋が三つあった。
二つはほとんど物置状態で散らかっていたが、奥の部屋に少し広めのベットが置いてあった。
ご丁寧にゴムやおもちゃも枕元にあった…
これは見たくなかったな…
「ママ、ここでエッチしてる」
「わかってても言わないで!」
「快斗、ここ借りる?」
「借りません!」
よからぬ想像が働きそうになりながらも隠し通路を探した。
そして押し入れの床に切れ目があった。
「これだ!カレン、ここから学校に行くぞ。」
「うん、なんかドキドキ」
二人で隠し通路をしばらく歩いた。
そう、歩けるほどに天井が高くご丁寧に灯りもついていてただのどこかの廊下を歩いているようだった。
どうやってこんな穴をこっそり掘るの!?いやお金もそうだけどここの生徒ってみんな何者なんだよ!
しばらくいくと梯子があったので昇ってから蓋を開けた。
「よいしょ…あ、スタジオだな。」
「おお、チェリー着いたか。」
命先輩が俺たちを迎えてくれた。
スタジオの入り口には鍵をかけてあるそうだが、授業が落ち着いたら先生が来る可能性はあるという。
俺は事情を説明した。
「というわけで、学校の中で何が起こっているか探ってほしいんです。俺とカレンはブラックリストに入ってるみたいですから…」
「なるほどな。俺も校長はいいお客さんだから追い出されると困る。よし、ひと肌ぬいでやるとするか!」
「ありがとうございます。」
「二人は一回寮に戻れ。ここにいると危険だからな。あと、薬師寺と大石には連絡入れておいてくれ。二人も多分協力してくれるはずだから。」
なんかこういう時に頼れる先輩がいたことで、俺は初めてこのアホな人たちとの出会いに感謝した…
一度二人で通路から隠れ家に戻ると何やら部屋から音がする。
恐る恐る押し入れから部屋を覗くとメラニーさんがいた。
しかも誰か男といる。
「ほんと君って可愛い顔してるわね、ここで夜を明かしましょうか。」
「え、本当に僕でいいのかい?じゃあ早速…」
「早速じゃないわ!なにやってんのこんなとこで!」
思わず突っ込んでしまった…
男は押し入れからのツッコミにビビッて逃げてしまった。
「あら、快斗くんじゃない。どうしたの君も私に抱かれにきたの?」
「娘の前でよく堂々とそんなことが言えますね…」
「ママ、元気そう」
「いやここはビッチって言わんのかい!」
元気も元気だよ、こんな昼間から男連れ込んでるんだから…
「それで、どうしたの?隠し通路を通ってまでスタジオにいく用事でもあったの?」
「いやそれがですね…」
俺は一応状況を説明した。
校長の嫁とはいえ学校関係者ではない彼女にそんな話をしても無駄化もしれないが、協力者は多いに越したことはない。
「なるほどねぇ、パパも恨み買うこと多いから。悪いことばっかしてると報いを受けるっていうし?」
「いやそれはあんたが一番言っちゃならん言葉だろ!どんだけ不貞行為働いてるんだよ!!」
この人が天罰を受けないとするのなら、もはやこの世に神はいない…
「それでですね、校長もかなり参っちゃてるんですよ…寮に来てくれませんか?アランさんやサリーさんもいるんだし。」
「ああ、あの二人もいるの?うーん、じゃあパス。私二人とはあんまり仲良くないのよ。」
「え、そうなんですか?意外ですね…。まぁとにかく協力してほしいことがあったらまた頼むんで、お願いしますね。」
「はーい、でもせっかくだからカレンと3Pしていく?」
「しません!」
ほんとに今更だがとんでもない親だな…
俺たちは寮に戻り命先輩の連絡を待つことにした。
寮にいるみんなと合流し、今学校で知り合いに何が起きているかを調べてもらっていると説明した。
「とりあえず昼だし、ピザでも頼みましょう」
寝ている校長を除いても5人いるので、ピザを六枚発注した。(カレンが二枚食べるので)
いつものようにアンが出前にきた。
「今日は多いな」
「いや、居候ができたとかじゃないからな」
「残念」
「便乗してここに住もうとするなよ!」
「今日はなに?」
「なんか校長が大変なことになってだな…」
「校長が?」
「ああ」
「なんでも言え、力になる」
「お前の忠誠心はどっから出てくるんだよ…」
こんだけ冷遇されてもアンだけは校長一筋だな…
「なんかあったら頼むわ。サンキュー」
「ダーツのフライト替えておく」
「いや多分ダーツ勝負はしないと思う…」
アンは何かを投げる仕草をしながら帰っていった。
いやだからダーツ勝負はしないぞ!?
戻ってみんなでピザを食べていると命先輩から電話が来た。
少し席を外して電話をとった。
「もしもし先輩?早かったですね。なにかわかりました?」
「ああ…それより今寮には誰がいる?」
「え、教頭と高村さんとサリーさん、それにカレンだけど?」
「まずいな…」
「どうかしたんですか?」
「時間がないから端的に言うぞ。今回の首謀者だがな…」
命先輩が首謀者の名前を言おうとしたときに後ろから声がした。
「誰と話してるんですか快斗くん?」
アランさんだった。
「い、いやちょっと先輩と…」
その時命先輩から出た名前の人はそこにいた。
「教頭が今回の事件のボスだ」
俺の目の前に、命先輩が名前を告げた人がいる。
「こっちで話をしてくれても構いませんよ?」
そう言って俺にアランさんが近づいてくる…
俺はとっさに通話を切った。
まさか…この人が犯人だと?
俺は優しく微笑みかけてくるアランさんを見ながら怯えた。
そしてこれからどうすれば良いか全く頭が働かないまま皆のいるところへ連れ戻された。
次回 裏切り者はアランだった!
この窮地をどう脱するのか!?
さらに共犯者の存在もあり事態は混沌とする…
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