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第12話 とんこつラーメンの味
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「うう…明日が来なければいいのに…」
俺とカレンは高村さんに送り届けてもらい昼間の寮に帰ってきた。
しかし色々ありすぎてちょっと体調が悪い…
「快斗大丈夫?元気が出るおまじない…」
「だー!元気出た元気出た!だからおまじないは大丈夫!」
借金も結局そのままみたいだし、あと四回したら一億円を超えてしまう。
それを超えてしまったら…
高村さんみたいなのもいるし、きっとロクな目にはあわないだろうな…
「今日はお休み。どっか行く?」
「え、まだどっかいくの…なんか行きたいとこでもあるのか?」
「私、映画行きたい。」
カレンが急に映画に行きたいと言い出した。
「カレン、お前映画とか見るのか?意外だな。」
「休日はデート。デートは映画館。昨日の本に書いてた。」
ああ、昨日借りてきたラノベにそんなシーンがあったな。
たしか映画館で見てる作品にキスのシーンがあってそれを見たヒロインが思わずキスを…
「ってお前チューしたいだけだろ!」
「バレた」
はぁ…こいつの頭の中はキスかセックスしかないのか?
「たまには家でゆっくりしようよ。昼寝でもするか。」
そう言って部屋に戻ると、何故かカレンもついてきた。
「おい、昼は怖くないだろ?自分の部屋で寝ろよ。」
「寝る時は快斗と一緒。こっちで寝る。」
そう言って勝手に布団に入ってしまった…
ていうか寝るんならスカート履き替えろよ。
「ま、いいか。その代わりチューは絶対にするなよ!」
「はーい」
俺も恐る恐る布団に入った。
今日は朝から色々ありすぎて疲れたな…
でもやっぱり引っかかることがある。
大石さんの写真はブレブレだったし、生徒会長というのも誰かに押し付けられたような感じだった。
それにあの部屋はバレたら困るはずなのにあんなメモ書きを残すかな?
もしかして何かもっと大きな力が働いて…いるわけないわな…
アホらし。いくらあの学校がおかしいとは言ってもそこまではないだろ…
そんなことを考えている時だった。
カレンの小さなお尻が俺の足に当たったのだが、妙に柔らかく温かい。
「え、ちょいカレン。お前…パンツは?」
「え、濡れたから脱いだよ」
ノーパンで密着
これはおそらく男の妄想の中でも最上位に位置するシチュエーションだ。
ノーブラや裸エプロンなどもそのカテゴリーだが、なまじ見えずに感触だけが伝わってくる分妄想を駆り立てるその威力はそれらの比ではない。
「ダメダメダメ!ちゃんと履いてこい!さすがにそれはまずいから…」
「快斗、パンツ履いてないの嫌?」
嫌なもんか!そのまま揉みしだいて中を覗いて隅々まで堪能したいわ!
でもそんなことしたら俺の人生は終わる…
ノーパンに目が眩んで死亡とか、絶対にいやだ!
「い、嫌だ!だから履いてこい。」
「…うん、わかった。」
そう言って一回自分の部屋にカレンが戻った。
目隠ししただけでほんとに濡れるの!?
あいつほんとに処女なの!?
色々とツッコミたいところだらけだったが、俺は自分の下半身を元に戻すことに集中した…
少ししてカレンが戻ってきて、俺たちは昼寝をとることにした。
ドキドキして寝れないかと思ったが、意外と疲れてたのかすぐに眠気に襲われた。
そのまま夕方までぐっすり寝ていたのだが、二人とも電話の音で起こされた。
「ヘイテクニシャンボーイ。明日の件について相談したいことがあるから夕食を食べたら校長室にきなさーい。カレンも連れておいで。」
あぁ、思い出してしまった。明日はビッチママさんと会うんだった…
てか借金棒引きの約束を反故にされた件についてはマジで抗議してやる…
「カレン、飯食ったら校長室に来いだって。」
「パパのとこ?わかった。」
夕方まで寝たいたせいで食事の準備が何もできていないので、珍しく外食することにした。
「カレン、何食べたい?」
「んー、快斗」
「ちょっと怖い肉食発言やめてね!俺は美味しく召し上がれないよ!」
どこでそんなわけのわからんことばっかり覚えてくるんだ…
「じゃラーメンでも行くか。カレンもカップ麺好きだったみたいだし。」
「うん、ラーメン食べたい。とんこつ大好き。」
ラーメンと聞くとカレンもテンションが上がっていた。
学校の近くにうまいラーメン屋があるからそこに行くことにした。
寮に来てからは行けてなかったので入り口から漂うとんこつの臭いにお腹が鳴った。
「何食べる?俺はチャーシュー麺の硬めかな。」
「快斗、バリカタって何?」
「バリカタってのは硬めより硬いんだ。ハリガネとかもっと硬いのもあるんだぞ。」
「ふーん」
なんの質問だったんだ?
結局二人とも同じものを注文して、無言で麺をすすった。
「快斗、ここ美味しい。明日もくる。」
「え、明日も?てかほんとラーメン好きだな」
お金持ちのくせに庶民的だし、カレンと遊びに行ったら案外楽しいかもなと変なことを考えてしまっていた。
学校に着くと、イベントはどうやら終了したようだがグランド中にテントが貼られていた。
どうやら今日だけでは捌けなかったようで明日のために泊まり込みで並ぶ人たちがテントを貼っているようだ。
あのおっさんにそこまでして会いたいか?なんなら今から俺とかわってくれ…
いつものように校長室に着いたが、カレンと二人でくるのは初めてだった。
「なんか変な感じだな、一緒にくるのは。」
「パパの部屋入るの、久しぶり。」
「失礼します。」
俺たちがドアを開けるといつもとは少し違い、イベント終わりのせいか少し校長が疲れているように見えた。
「おお、ノーハンドテクニシャンの快斗くんか…それにカレンもよくぞきた。まぁかけたまえ。」
いちいち頭につくそのあだ名はなんなんだ…
「で、奥さんの件の前に一ついいですか?」
「なんじゃ?」
「なんじゃ?じゃねーよ!課題クリアしたんだから借金帳消しにしろよ!約束は守れよ!」
「う、うーむ。しかし結局はあの写真じゃと消しても消さなくてもどっちでもよかったじゃろ?それなら君のしたことに意味はないぞい。」
え、なんでパソコンの中の画像のこと知ってんの?
「あんた一体俺たちをどうやって監視してんの!?」
「それは秘密じゃよ。でも全部見ておるぞい。」
クソッお前こそ盗撮魔だよ…
なんかやり損を喰らった気分だった、というかやり損だよなこれ!
その時横からカレンが口を出した。
「何かわからないけど、パパ約束守らないのよくない」
急な援軍に俺は調子づいた。
「そ、そうだもっと言ってやれカレン!」
「パパ、約束守らないのよくない。」
娘に言われたことでショックを受けたのか、校長は怯んだ。
「う、カレンを使うとは卑怯なり。しかし、うう、しかし…」
「パパ、約束守らないからママが他の男とばっか寝てる」
「はい、その通りです約束守ります快斗くんの借金ゼロにしまーす!」
娘にズバッと言われたのがよほどこたえたのか、俺の借金は見事にゼロになった。
「カレンありがとう!マジでありがとう!」
「?…私いいことした?快斗褒めてくれるの嬉しい。」
ニコニコと微笑むカレンをヨシヨシしているのを見ながら、校長が悔しがっていた。
さまぁみろ!
俺は借金以上にそれが気持ちよかった。
その時校長の電話が鳴った。
「もしもし、何!?うむ、わかった。」
校長が少し笑ったように見えた。
「のう快斗くん。」
「なんですか?さっきのはナシとかはダメですよー。男に二言はないんですから。解決した以上は約束守ってもらいまーす。」
完全に調子に乗っていた俺の伸びかけた鼻はこのあとボッキリと折られることになる。
「浮かれておるところにすまんが、新情報じゃ。生徒会長はダミーだったそうじゃ。」
「え?」
「じゃから君はまだ課題をクリアしておらんということじゃの。借金は継続じゃ。」
俺は頭が真っ白になった。
無くなったと思っていた借金が、実はなくならない。
当たったと思っていた宝くじが一桁ズレて水の泡になったような、最悪の気分だった。
「だ、ダミーってそんなのあり!?」
「ほっほっほ、カレンの写真はまだ別の組織が所持しておるそうじゃ。残念じゃったのー。」
「いやなんで嬉しそうなんだよ!あんたどっちの味方だ!」
はぁ…また振り出しかよ。
結局カレンの援護も虚しく借金帳消しにはならなかった…
「それに、明日はメラニーの件があるからの。そっちの条件について話しておかんとの。」
「条件?だったら明日頑張ったら借金ゼロにしてくださいよ…」
「それはそれじゃ。写真が残っているとわかった以上それを削除せねば借金棒引きとはならん。メラニーのことについてはどちらかと言えばペナルティを伝えておかねばの。」
ペナルティ?
「え、俺が奥さんとなんかあるかもってそんなこと言ってるんですか?ないない、さすがにないですよ。カレンのお母さんと何かあるわけ…」
「ほう、言うようになったの。それじゃ心置きなく伝えておく。メラニーと一回チューしたら10億円じゃ。よいな。」
10億円?
一流プロ野球選手が10年活躍し続けてようやくもらえそうな金額がキス一回?
「いやさすがにペナキツすぎ、っていうかカレンの100倍ってどういうことだよ!?」
「当たり前じゃ!ワシの妻じゃぞ!それになんもないと自信満々だったではないか。なら何も問題はなかろう?」
うーん、まぁいくら外国人のビッチだと言われても校長の奥さんだからな。
おばさんすぎて間違いが起こるはずがないからと、その条件を飲んだ。
「その代わり、明日奥さんを守り抜いたらチュー一回タダにしてください。それくらいいいでしょ?」
「ほほう、言うようになったの少年。かまわん。カレン、こやつが無事課題をクリアしたら好きなだけチューしてよいぞ。」
俺は校長がいらんことを言ったなと思ったのだが、その瞬間カレンが俺に襲いかかってきていた。
校長室でのチューはとんこつラーメンの味がした。
「ん、んー?ぷはっ。なんで!?」
「え、快斗なら課題クリアするだろうから先取りしたの」
俺なんかを信じてくれてありがとうございますでもその先取りのシステムよくわかりません!
「こ、校長…」
「うん、今のはもちろん別料金だよ。今7000万円ね。」
校長は平然とそう言っていたが、貧乏ゆすりが凄かった。
多分怒ってる…
「と、とにかく明日はメラニーさんのことはなんとかしますから。」
そう言ってカレンの手を引いて逃げるように校長室を出た。
「あー、借金増えた…カレン、明日はお母さんのこと頼んだぞ…」
「ママ?うん、ママといると面白いから好き。ママきっと快斗のこと気にいると思う。」
帰りながら気がついたことがいくつかある。
まず写真持ってるやつ誰!?
生徒会長のダミーってなんだよ!
また一から探さないといけないのか…
それにもう一つ
メラニーさんの護衛失敗したらどうなるの!?
チューして10億円なら、それ以上…?
うっ、胃が…
昼寝のせいもあったのだろうが、結局また一睡もできないまま地獄の日曜日に突入してしまった…
俺とカレンは高村さんに送り届けてもらい昼間の寮に帰ってきた。
しかし色々ありすぎてちょっと体調が悪い…
「快斗大丈夫?元気が出るおまじない…」
「だー!元気出た元気出た!だからおまじないは大丈夫!」
借金も結局そのままみたいだし、あと四回したら一億円を超えてしまう。
それを超えてしまったら…
高村さんみたいなのもいるし、きっとロクな目にはあわないだろうな…
「今日はお休み。どっか行く?」
「え、まだどっかいくの…なんか行きたいとこでもあるのか?」
「私、映画行きたい。」
カレンが急に映画に行きたいと言い出した。
「カレン、お前映画とか見るのか?意外だな。」
「休日はデート。デートは映画館。昨日の本に書いてた。」
ああ、昨日借りてきたラノベにそんなシーンがあったな。
たしか映画館で見てる作品にキスのシーンがあってそれを見たヒロインが思わずキスを…
「ってお前チューしたいだけだろ!」
「バレた」
はぁ…こいつの頭の中はキスかセックスしかないのか?
「たまには家でゆっくりしようよ。昼寝でもするか。」
そう言って部屋に戻ると、何故かカレンもついてきた。
「おい、昼は怖くないだろ?自分の部屋で寝ろよ。」
「寝る時は快斗と一緒。こっちで寝る。」
そう言って勝手に布団に入ってしまった…
ていうか寝るんならスカート履き替えろよ。
「ま、いいか。その代わりチューは絶対にするなよ!」
「はーい」
俺も恐る恐る布団に入った。
今日は朝から色々ありすぎて疲れたな…
でもやっぱり引っかかることがある。
大石さんの写真はブレブレだったし、生徒会長というのも誰かに押し付けられたような感じだった。
それにあの部屋はバレたら困るはずなのにあんなメモ書きを残すかな?
もしかして何かもっと大きな力が働いて…いるわけないわな…
アホらし。いくらあの学校がおかしいとは言ってもそこまではないだろ…
そんなことを考えている時だった。
カレンの小さなお尻が俺の足に当たったのだが、妙に柔らかく温かい。
「え、ちょいカレン。お前…パンツは?」
「え、濡れたから脱いだよ」
ノーパンで密着
これはおそらく男の妄想の中でも最上位に位置するシチュエーションだ。
ノーブラや裸エプロンなどもそのカテゴリーだが、なまじ見えずに感触だけが伝わってくる分妄想を駆り立てるその威力はそれらの比ではない。
「ダメダメダメ!ちゃんと履いてこい!さすがにそれはまずいから…」
「快斗、パンツ履いてないの嫌?」
嫌なもんか!そのまま揉みしだいて中を覗いて隅々まで堪能したいわ!
でもそんなことしたら俺の人生は終わる…
ノーパンに目が眩んで死亡とか、絶対にいやだ!
「い、嫌だ!だから履いてこい。」
「…うん、わかった。」
そう言って一回自分の部屋にカレンが戻った。
目隠ししただけでほんとに濡れるの!?
あいつほんとに処女なの!?
色々とツッコミたいところだらけだったが、俺は自分の下半身を元に戻すことに集中した…
少ししてカレンが戻ってきて、俺たちは昼寝をとることにした。
ドキドキして寝れないかと思ったが、意外と疲れてたのかすぐに眠気に襲われた。
そのまま夕方までぐっすり寝ていたのだが、二人とも電話の音で起こされた。
「ヘイテクニシャンボーイ。明日の件について相談したいことがあるから夕食を食べたら校長室にきなさーい。カレンも連れておいで。」
あぁ、思い出してしまった。明日はビッチママさんと会うんだった…
てか借金棒引きの約束を反故にされた件についてはマジで抗議してやる…
「カレン、飯食ったら校長室に来いだって。」
「パパのとこ?わかった。」
夕方まで寝たいたせいで食事の準備が何もできていないので、珍しく外食することにした。
「カレン、何食べたい?」
「んー、快斗」
「ちょっと怖い肉食発言やめてね!俺は美味しく召し上がれないよ!」
どこでそんなわけのわからんことばっかり覚えてくるんだ…
「じゃラーメンでも行くか。カレンもカップ麺好きだったみたいだし。」
「うん、ラーメン食べたい。とんこつ大好き。」
ラーメンと聞くとカレンもテンションが上がっていた。
学校の近くにうまいラーメン屋があるからそこに行くことにした。
寮に来てからは行けてなかったので入り口から漂うとんこつの臭いにお腹が鳴った。
「何食べる?俺はチャーシュー麺の硬めかな。」
「快斗、バリカタって何?」
「バリカタってのは硬めより硬いんだ。ハリガネとかもっと硬いのもあるんだぞ。」
「ふーん」
なんの質問だったんだ?
結局二人とも同じものを注文して、無言で麺をすすった。
「快斗、ここ美味しい。明日もくる。」
「え、明日も?てかほんとラーメン好きだな」
お金持ちのくせに庶民的だし、カレンと遊びに行ったら案外楽しいかもなと変なことを考えてしまっていた。
学校に着くと、イベントはどうやら終了したようだがグランド中にテントが貼られていた。
どうやら今日だけでは捌けなかったようで明日のために泊まり込みで並ぶ人たちがテントを貼っているようだ。
あのおっさんにそこまでして会いたいか?なんなら今から俺とかわってくれ…
いつものように校長室に着いたが、カレンと二人でくるのは初めてだった。
「なんか変な感じだな、一緒にくるのは。」
「パパの部屋入るの、久しぶり。」
「失礼します。」
俺たちがドアを開けるといつもとは少し違い、イベント終わりのせいか少し校長が疲れているように見えた。
「おお、ノーハンドテクニシャンの快斗くんか…それにカレンもよくぞきた。まぁかけたまえ。」
いちいち頭につくそのあだ名はなんなんだ…
「で、奥さんの件の前に一ついいですか?」
「なんじゃ?」
「なんじゃ?じゃねーよ!課題クリアしたんだから借金帳消しにしろよ!約束は守れよ!」
「う、うーむ。しかし結局はあの写真じゃと消しても消さなくてもどっちでもよかったじゃろ?それなら君のしたことに意味はないぞい。」
え、なんでパソコンの中の画像のこと知ってんの?
「あんた一体俺たちをどうやって監視してんの!?」
「それは秘密じゃよ。でも全部見ておるぞい。」
クソッお前こそ盗撮魔だよ…
なんかやり損を喰らった気分だった、というかやり損だよなこれ!
その時横からカレンが口を出した。
「何かわからないけど、パパ約束守らないのよくない」
急な援軍に俺は調子づいた。
「そ、そうだもっと言ってやれカレン!」
「パパ、約束守らないのよくない。」
娘に言われたことでショックを受けたのか、校長は怯んだ。
「う、カレンを使うとは卑怯なり。しかし、うう、しかし…」
「パパ、約束守らないからママが他の男とばっか寝てる」
「はい、その通りです約束守ります快斗くんの借金ゼロにしまーす!」
娘にズバッと言われたのがよほどこたえたのか、俺の借金は見事にゼロになった。
「カレンありがとう!マジでありがとう!」
「?…私いいことした?快斗褒めてくれるの嬉しい。」
ニコニコと微笑むカレンをヨシヨシしているのを見ながら、校長が悔しがっていた。
さまぁみろ!
俺は借金以上にそれが気持ちよかった。
その時校長の電話が鳴った。
「もしもし、何!?うむ、わかった。」
校長が少し笑ったように見えた。
「のう快斗くん。」
「なんですか?さっきのはナシとかはダメですよー。男に二言はないんですから。解決した以上は約束守ってもらいまーす。」
完全に調子に乗っていた俺の伸びかけた鼻はこのあとボッキリと折られることになる。
「浮かれておるところにすまんが、新情報じゃ。生徒会長はダミーだったそうじゃ。」
「え?」
「じゃから君はまだ課題をクリアしておらんということじゃの。借金は継続じゃ。」
俺は頭が真っ白になった。
無くなったと思っていた借金が、実はなくならない。
当たったと思っていた宝くじが一桁ズレて水の泡になったような、最悪の気分だった。
「だ、ダミーってそんなのあり!?」
「ほっほっほ、カレンの写真はまだ別の組織が所持しておるそうじゃ。残念じゃったのー。」
「いやなんで嬉しそうなんだよ!あんたどっちの味方だ!」
はぁ…また振り出しかよ。
結局カレンの援護も虚しく借金帳消しにはならなかった…
「それに、明日はメラニーの件があるからの。そっちの条件について話しておかんとの。」
「条件?だったら明日頑張ったら借金ゼロにしてくださいよ…」
「それはそれじゃ。写真が残っているとわかった以上それを削除せねば借金棒引きとはならん。メラニーのことについてはどちらかと言えばペナルティを伝えておかねばの。」
ペナルティ?
「え、俺が奥さんとなんかあるかもってそんなこと言ってるんですか?ないない、さすがにないですよ。カレンのお母さんと何かあるわけ…」
「ほう、言うようになったの。それじゃ心置きなく伝えておく。メラニーと一回チューしたら10億円じゃ。よいな。」
10億円?
一流プロ野球選手が10年活躍し続けてようやくもらえそうな金額がキス一回?
「いやさすがにペナキツすぎ、っていうかカレンの100倍ってどういうことだよ!?」
「当たり前じゃ!ワシの妻じゃぞ!それになんもないと自信満々だったではないか。なら何も問題はなかろう?」
うーん、まぁいくら外国人のビッチだと言われても校長の奥さんだからな。
おばさんすぎて間違いが起こるはずがないからと、その条件を飲んだ。
「その代わり、明日奥さんを守り抜いたらチュー一回タダにしてください。それくらいいいでしょ?」
「ほほう、言うようになったの少年。かまわん。カレン、こやつが無事課題をクリアしたら好きなだけチューしてよいぞ。」
俺は校長がいらんことを言ったなと思ったのだが、その瞬間カレンが俺に襲いかかってきていた。
校長室でのチューはとんこつラーメンの味がした。
「ん、んー?ぷはっ。なんで!?」
「え、快斗なら課題クリアするだろうから先取りしたの」
俺なんかを信じてくれてありがとうございますでもその先取りのシステムよくわかりません!
「こ、校長…」
「うん、今のはもちろん別料金だよ。今7000万円ね。」
校長は平然とそう言っていたが、貧乏ゆすりが凄かった。
多分怒ってる…
「と、とにかく明日はメラニーさんのことはなんとかしますから。」
そう言ってカレンの手を引いて逃げるように校長室を出た。
「あー、借金増えた…カレン、明日はお母さんのこと頼んだぞ…」
「ママ?うん、ママといると面白いから好き。ママきっと快斗のこと気にいると思う。」
帰りながら気がついたことがいくつかある。
まず写真持ってるやつ誰!?
生徒会長のダミーってなんだよ!
また一から探さないといけないのか…
それにもう一つ
メラニーさんの護衛失敗したらどうなるの!?
チューして10億円なら、それ以上…?
うっ、胃が…
昼寝のせいもあったのだろうが、結局また一睡もできないまま地獄の日曜日に突入してしまった…
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