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西の転生者
56.早期入学者
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「そんな⋯⋯」
システィーアは愕然とした。
崩れ落ちそうになった身体が、横にいたリプルによって支えられる。
「米自体がないだなんて!」
六角宮と同じ中央にあるというのに、何故、学院内の食堂には米が常備されていないのか。システィーアの涙は決壊間近である。
その様子を間近で見ていたリプルが、慌てて口を開いた。
「シ、システィーア様、六角宮の食堂からコメを分けてもらうのはどうでしょう?」
「六角宮から⋯⋯?」
それは名案に思えた。何せ、あそこの利用者で米を食すのはシスティーアくらいだ。六角宮の食堂利用時に、見回せど見回せど、米を食べているのはシスティーアだけだったからである。
希望の光に目を細めて、打ち震える。
「コメは希少品のはずですが」
突然の背後からの米発言に、システィーアは驚く。
振り向くとそこには、クラングラン王国の現宰相の子息カインベル・ファウストがいた。
「当然のように食堂にあるものだと思っているのが、私には不思議です。コメは流通自体、かなり少ないはずですし。⋯⋯お久しぶりです、ティア。お変わりないようで何より」
自然な感じで話しかけてきたカインベルは記憶よりも少し視線の位置が上だった。顔は、以前と殆ど変わらない。銀縁眼鏡越しに見える金色の瞳と、後ろに撫でつけた白い髪。けれど柔らかく口元を笑みの形にした表情だけは、システィーアの記憶とは違う。システィーアが覚えているカインベルは、もっとこう、子供らしからぬ冷めた表情をしていたはずだ。年頃の子にしては落ち着いた雰囲気をしているのは変わらないが、そこに温かな柔らかさが加わって見える。システィーアはしばし目を瞬かせた。
「心配性のフォンベルツ公爵から、公爵邸で出来たコメを少し預かってきましたよ」
「え⁈」
お父様から、米‼︎
あまりの驚きに、システィーアは目を見開いた。
港街で無理矢理引き離されてから、もう随分と経ったように感じられる。何年も会っていないように懐かしい。嬉しそうに微笑んで、優しく頭を撫でてくれる大きな手⋯⋯。
システィーアの瞳から、ぼろりと大粒の涙がこぼれ落ちた。
「淑女が人前で易々と涙を見せるのは感心しませんね。はしたない」
きつい言葉がカインベルの口から出てはいるがその顔は真逆で、愉快そうに唇の端を上げている。
「だって、お父様からお米って⋯⋯でもそうね、マリアナに知られたら怒られてしまうわね」
居なくなった乳母の代わりに、公爵邸でシスティーアの面倒を見てくれたマリアナとその孫のファナ。彼女たちには感謝の気持ちを伝えるどころか、お別れの挨拶さえ出来なかった。まだ別れてから一年も経っていないのに、公爵邸での毎日が随分と昔のことに感じる。
「システィーア様、どうぞお使いください」
「ありがとう、リプル」
リプルが差し出してくれたハンカチを使い、さて昼食を、となったところで、ファウゼルの名を呼ぶ甲高い声が食堂内に響き渡った。
「ファウゼル様! やっとお会い出来ましたわ!」
遠巻きにこちらを見ている人たちの間を抜けて、つかつかと近寄ってきたのはシスティーアの異母妹クレアリリーだ。
システィーアの隣に居たファウゼルがさっと身を後ろに引くと、ハグをしようと両手を広げてきたクレアリリーがつんのめった。
「相変わらずの照れ屋なんですから」
仕方ないとでも言いたそうな顔をクレアリリーに向けられたファウゼルが、思い切り顔を引き攣らせる。
「カ、カイン⁈」
ファウゼルは上手いこと一定の距離を保ちつつ、何故クレアリリーが中央にいるのかと、カインベルに目で訴えかけた。
システィーアも同じことを疑問に思っていたので、答えを求めてカインベルを見る。
「彼女も早期入学者だからですよ。それと、ロンも」
話によると、本来、早期入学者を含めた学院の新入生は東と西の大国にそれぞれ集まり、水の管理者の転移魔法でまとまって送迎してもらう。その時に持っていける物は手荷物一つだけと予め決められているそうだ。なので、どうしても持って行きたい荷がある場合は、自力で中央まで持って行くしかない。中央手前の観光都市の奥に関所があり、そこで許可が出た荷だけが持ち込みを許される。
カインベルとファウゼルはコメの輸送を名代に任せず、自分達で運ぶことにした。早期入学が決まってすぐに国を出て、昨日の日没間近に寮に到着したそうだ。
だからその間の国内の情報にはカインベルも疎く、クレアリリーとロンバルトの二人と同じクラスになって初めて、クラングラン王国からの早期入学者が自分達以外にもいることを知ったらしい。
「ファウゼル様にお会いできるのを、とても楽しみにしていましたのよ」
ファウゼルに避けられて触れられなかったクレアリリーが、胸の前で指を組んで唇を尖らせた。
そんなクレアリリーの後ろにいつの間にやってきたのか、ロンバルトがすっと立つ。朝見た時は一瞬だったし、髪型の違いでロンバルトだと判断したので見てなかったが、正面から良く見ると顔も背丈もファウゼルと区別がつかないくらいに同じ方向に、同じだけ成長している。なるほど、双子のようにそっくりだわとシスティーアは感心しながら見た。
「久しぶりね、ロン」
「うん、久しぶり」
ちらっとクレアリリーの方に視線をやってから、ロンバルトが小さく口元に笑みを浮かべた。
その様子を見て、システィーアはおやっと思った。記憶の中にあるロンバルトよりも、何だか大人しいというか、よそよそしいというか。
違和感を感じて、システィーアはわずかに首を傾げた。
「システィーア様。急がないと昼食の時間が終わりますよ」
思考に浸る寸前でフォトムの声がして、システィーアは慌てて昼食を選んで盆に乗せた。パンと卵のスープ、チキンサラダだ。
食堂はバイキング形式になっていて、皆も順に並んで各々好きなものを選んでいく。
久しぶりに自分のペースで食事が取れることに幸せを噛み締めながら、システィーアは完食した。
一番最初に昼食を完食したファウゼルの姿は既にない。クレアリリーから逃げるように、そそくさと食堂から出ていったからだ。
ブツブツ言っているクレアリリーは置いておいて、フォトムとリプル、カインベルと一緒に食堂を出る。
「久しぶりに昼食を味わって食べたわ。次は静かに食べたいわね。ファウゼルも落ち着いて食べれないだろうし。どこかいい場所、ないかしら?」
「放課後にでも一緒に探しに行ってみます?」
カインベルが腕を組んで考えながらシスティーアにそう返すと、フォトムが声を上げた。
「システィーア様、個室をお使いになられてはいかがですか?」
「個室?」
「管理者は休み時間や放課後を利用して仕事をしたりすることが多いため、個室が使用出来るのです」
「⋯⋯仕事」
システィーアは、顔が引き攣りそうになるのをなんとか堪えた。
「壁の管理者は仕事の比重が壁の管理に偏っています。なので、書類仕事などは他の管理者方に比べて少ないので、そう言う意味で個室を使うことはないと思います。ご安心ください」
ほっとしたシスティーアは個室を使うことに決め、ファウゼルには同じクラスのシスティーアが話をすることになった。
カインベルと話しながら、生徒が行き交う廊下を歩く。纏っている黒のせいか、何人かがすっと道を開けていく。
「⋯⋯え?」
その廊下の先を見て、システィーアは思わず足を止めた。
見覚えのある色合いの後ろ姿。
周囲の呼び声も耳に入らず、システィーアは角を曲がっていったその姿を、急ぎ足で追いかけた。
システィーアは愕然とした。
崩れ落ちそうになった身体が、横にいたリプルによって支えられる。
「米自体がないだなんて!」
六角宮と同じ中央にあるというのに、何故、学院内の食堂には米が常備されていないのか。システィーアの涙は決壊間近である。
その様子を間近で見ていたリプルが、慌てて口を開いた。
「シ、システィーア様、六角宮の食堂からコメを分けてもらうのはどうでしょう?」
「六角宮から⋯⋯?」
それは名案に思えた。何せ、あそこの利用者で米を食すのはシスティーアくらいだ。六角宮の食堂利用時に、見回せど見回せど、米を食べているのはシスティーアだけだったからである。
希望の光に目を細めて、打ち震える。
「コメは希少品のはずですが」
突然の背後からの米発言に、システィーアは驚く。
振り向くとそこには、クラングラン王国の現宰相の子息カインベル・ファウストがいた。
「当然のように食堂にあるものだと思っているのが、私には不思議です。コメは流通自体、かなり少ないはずですし。⋯⋯お久しぶりです、ティア。お変わりないようで何より」
自然な感じで話しかけてきたカインベルは記憶よりも少し視線の位置が上だった。顔は、以前と殆ど変わらない。銀縁眼鏡越しに見える金色の瞳と、後ろに撫でつけた白い髪。けれど柔らかく口元を笑みの形にした表情だけは、システィーアの記憶とは違う。システィーアが覚えているカインベルは、もっとこう、子供らしからぬ冷めた表情をしていたはずだ。年頃の子にしては落ち着いた雰囲気をしているのは変わらないが、そこに温かな柔らかさが加わって見える。システィーアはしばし目を瞬かせた。
「心配性のフォンベルツ公爵から、公爵邸で出来たコメを少し預かってきましたよ」
「え⁈」
お父様から、米‼︎
あまりの驚きに、システィーアは目を見開いた。
港街で無理矢理引き離されてから、もう随分と経ったように感じられる。何年も会っていないように懐かしい。嬉しそうに微笑んで、優しく頭を撫でてくれる大きな手⋯⋯。
システィーアの瞳から、ぼろりと大粒の涙がこぼれ落ちた。
「淑女が人前で易々と涙を見せるのは感心しませんね。はしたない」
きつい言葉がカインベルの口から出てはいるがその顔は真逆で、愉快そうに唇の端を上げている。
「だって、お父様からお米って⋯⋯でもそうね、マリアナに知られたら怒られてしまうわね」
居なくなった乳母の代わりに、公爵邸でシスティーアの面倒を見てくれたマリアナとその孫のファナ。彼女たちには感謝の気持ちを伝えるどころか、お別れの挨拶さえ出来なかった。まだ別れてから一年も経っていないのに、公爵邸での毎日が随分と昔のことに感じる。
「システィーア様、どうぞお使いください」
「ありがとう、リプル」
リプルが差し出してくれたハンカチを使い、さて昼食を、となったところで、ファウゼルの名を呼ぶ甲高い声が食堂内に響き渡った。
「ファウゼル様! やっとお会い出来ましたわ!」
遠巻きにこちらを見ている人たちの間を抜けて、つかつかと近寄ってきたのはシスティーアの異母妹クレアリリーだ。
システィーアの隣に居たファウゼルがさっと身を後ろに引くと、ハグをしようと両手を広げてきたクレアリリーがつんのめった。
「相変わらずの照れ屋なんですから」
仕方ないとでも言いたそうな顔をクレアリリーに向けられたファウゼルが、思い切り顔を引き攣らせる。
「カ、カイン⁈」
ファウゼルは上手いこと一定の距離を保ちつつ、何故クレアリリーが中央にいるのかと、カインベルに目で訴えかけた。
システィーアも同じことを疑問に思っていたので、答えを求めてカインベルを見る。
「彼女も早期入学者だからですよ。それと、ロンも」
話によると、本来、早期入学者を含めた学院の新入生は東と西の大国にそれぞれ集まり、水の管理者の転移魔法でまとまって送迎してもらう。その時に持っていける物は手荷物一つだけと予め決められているそうだ。なので、どうしても持って行きたい荷がある場合は、自力で中央まで持って行くしかない。中央手前の観光都市の奥に関所があり、そこで許可が出た荷だけが持ち込みを許される。
カインベルとファウゼルはコメの輸送を名代に任せず、自分達で運ぶことにした。早期入学が決まってすぐに国を出て、昨日の日没間近に寮に到着したそうだ。
だからその間の国内の情報にはカインベルも疎く、クレアリリーとロンバルトの二人と同じクラスになって初めて、クラングラン王国からの早期入学者が自分達以外にもいることを知ったらしい。
「ファウゼル様にお会いできるのを、とても楽しみにしていましたのよ」
ファウゼルに避けられて触れられなかったクレアリリーが、胸の前で指を組んで唇を尖らせた。
そんなクレアリリーの後ろにいつの間にやってきたのか、ロンバルトがすっと立つ。朝見た時は一瞬だったし、髪型の違いでロンバルトだと判断したので見てなかったが、正面から良く見ると顔も背丈もファウゼルと区別がつかないくらいに同じ方向に、同じだけ成長している。なるほど、双子のようにそっくりだわとシスティーアは感心しながら見た。
「久しぶりね、ロン」
「うん、久しぶり」
ちらっとクレアリリーの方に視線をやってから、ロンバルトが小さく口元に笑みを浮かべた。
その様子を見て、システィーアはおやっと思った。記憶の中にあるロンバルトよりも、何だか大人しいというか、よそよそしいというか。
違和感を感じて、システィーアはわずかに首を傾げた。
「システィーア様。急がないと昼食の時間が終わりますよ」
思考に浸る寸前でフォトムの声がして、システィーアは慌てて昼食を選んで盆に乗せた。パンと卵のスープ、チキンサラダだ。
食堂はバイキング形式になっていて、皆も順に並んで各々好きなものを選んでいく。
久しぶりに自分のペースで食事が取れることに幸せを噛み締めながら、システィーアは完食した。
一番最初に昼食を完食したファウゼルの姿は既にない。クレアリリーから逃げるように、そそくさと食堂から出ていったからだ。
ブツブツ言っているクレアリリーは置いておいて、フォトムとリプル、カインベルと一緒に食堂を出る。
「久しぶりに昼食を味わって食べたわ。次は静かに食べたいわね。ファウゼルも落ち着いて食べれないだろうし。どこかいい場所、ないかしら?」
「放課後にでも一緒に探しに行ってみます?」
カインベルが腕を組んで考えながらシスティーアにそう返すと、フォトムが声を上げた。
「システィーア様、個室をお使いになられてはいかがですか?」
「個室?」
「管理者は休み時間や放課後を利用して仕事をしたりすることが多いため、個室が使用出来るのです」
「⋯⋯仕事」
システィーアは、顔が引き攣りそうになるのをなんとか堪えた。
「壁の管理者は仕事の比重が壁の管理に偏っています。なので、書類仕事などは他の管理者方に比べて少ないので、そう言う意味で個室を使うことはないと思います。ご安心ください」
ほっとしたシスティーアは個室を使うことに決め、ファウゼルには同じクラスのシスティーアが話をすることになった。
カインベルと話しながら、生徒が行き交う廊下を歩く。纏っている黒のせいか、何人かがすっと道を開けていく。
「⋯⋯え?」
その廊下の先を見て、システィーアは思わず足を止めた。
見覚えのある色合いの後ろ姿。
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